歴博の展示室

夏休みらしいことをした。2時間以上かけて、国立歴史民俗博物館へ行ってきた。ここへは完成したばかりのときに来た記憶がある。40年くらい前のこと。

4時間かけて一回りした。それでもすべては見られなかった。そもそも旧石器時代から現代までの日本史を一日で観覧しようということが無謀な考えかもしれない。

博物館の楽しみは、ジオラマや模型。大阪の民博や江戸東京博物館のように、ここもジオラマや模型、レプリカの展示が多い。寝殿造、一乗谷の城下町や江戸橋広小路など、大きく見応えのあるジオラマがたくさんあった。模型も、平城京の羅城門や北前船はとても大きく細部まで再現されていて興味深いものだった。

面白いところでは、鎌倉の立体地図に鎌倉から横浜へ抜ける六浦口の表示があったこと。朝夷奈切り通しの表記はなかったけど、ふるさとが歴史の一部になっていることを知るのはうれしい。

寝殿造 鎌倉時代の地図に六浦口の表記

寝殿造。鎌倉時代の地図。

北前船 北前船

北前船

平安時代の京の街 江戸の街並み

平安時代の京の街並みと江戸時代の江戸の街並み

江戸日本橋 昭和の公団住宅

江戸日本橋と昭和の公団住宅


展示内容も、「民俗」と銘打っているだけあって、支配体制の歴史だけでなく、それぞれの時代の庶民の暮らしも詳しく紹介していた。現代では、ダムに沈んだ村、沖縄での米兵が起こした事件、水俣病など、社会問題にも多くの展示があった。

博物館が建っているのは、佐倉城址。明治以後は練兵場だったという。そこでの下級兵士の暮らしの展示もあった。公園になっている城址は今回見ることができなかった。猛暑だったので外を歩くのは危険だった。

「民俗」の展示室では、昭和から現代までの結婚観・家族観がどう変容してきたかという展示や、三越のおせち料理の模型を並べて、伝統が消費される現代を浮き彫りにするという趣向の変わった展示もあり、面白かった。


楽しい一日った。一人で過ごす時間が一番楽しいと再認識した。

一人で博物館の展示を見て、一人で休憩して、一人で食事して、一人で生ビールを呑む。

佐倉には川村美術館もある。今日は城址公園の散策もできなかった。

博物館でバスに乗ったのが4時。家に着いたら6時半だった。

次回は千葉駅に泊まりがけで来る。一人の夜を楽しむために。