サフィール踊り子
サフィール踊り子 サフィール踊り子、6人個室

先週末、家族で2泊3日の温泉旅行へ出かけた。今回は、88歳の母も一緒。行き先は2年前にも行った下田蓮台寺温泉

今回は往復、サフィール踊り子の個室が取れた。往路の6人個室は海側に向かってソファが並んでいて絶景を楽しんだ。

中華弁当 伊豆の海

それぞれ好きな駅弁を買い、スパークリングワインを開けて車内で昼食。私が選んだのは中華弁当。個室内は気兼ねなく会話もできるので、到着前から宴会となった。

熱海を過ぎると伊豆半島の海が見えはじめた。

2年前はまだコロナ禍の真っ只中。マスクは必須で座席を対面にすることもできなかった。帰りだけは個室が取れて、マスクを外しておしゃべりができてうれしかったことをよく覚えている。

ほかの客に気兼ねなく会話ができる個室は、コロナ禍が終わった今でもとてもリラックスできる。とくに幼い子どもを連れた人には安心だろう。

プール ケロサウナ

宿泊は2年前と同じ清流荘

ここの売りは大きなプールと本格的なサウナ、ローマ風温室のテルマリウム。

テルマリウム テルマリウム

「何もしない」がポリシーの我が家の旅行。滞在中は宿の周りを散歩しただけで、あとはプールとサウナでのんびり過ごした。

本格的なサウナは暑すぎるので、緩い温度のローマ風テルマリウムが私のお気に入り。石の椅子に寝転んで音楽を聴きながら目を閉じれば、南国のリゾート気分。

伊勢海老の刺身 あわび サザエと刺身 金目鯛の煮付け

食事も申し分なかった。伊勢海老、あわび、サザエ、金目鯛。新鮮な海の幸を堪能した。

今回、気づいたことは、中居さんはエンターテイナーということ。観光地や料理の紹介を詳しくしながら食事を給仕してくれる。いい感じに酔ってきた母が戦中戦後の昔話をしても、上手に話を合わせてくれた。

下田は箱根や熱海よりもずっと遠い。その分、宿は精一杯のサービスをしてくれる。豪華な仕様のサフィール踊り子も箱根へ向かう小田急ロマンスカーに対抗する目的もあるだろう。

サフィール踊り子、4人個室 サフィール踊り子、車内販売のコーヒー

3日目。チェックアウトしてから下田の街を少し散策した。中居さんに紹介された干物店でアジの干物やイカの塩辛を買った。夏を下田で過ごした三島由紀夫も贔屓にしていたというマドレーヌも老舗洋菓子店(日新堂)で買った。これは帰りの踊り子のなかで食べた。いまでは珍しい車内販売もしており、コーヒー(450円)を頼んだ。

月曜日の朝に出社しなければならないという息子が2日目の夕食のあと、慌ただしく帰ったので、帰路はサフィール踊り子の4人個室に乗った。

母は孫と旅行ができたので、とてもうれしそうだった。娘が2歳で息子がまだ妻のおなかの中にいたとき、父と5人でウィーンとブリュッセルを旅行した思い出を何度も話していた。

母は横浜で下車し、一人で帰宅してもらった。よく慣れた道とはいえ、帰宅したと連絡をもらうまでは心配だった。

今回、88歳になる母の衰えを強く感じた。自宅では2階に寝ているのに、慣れない場所では段差につまづく。温泉の前に補聴器を外すとどこに置いたか忘れてしまう。それでも、食欲は旺盛だし、水着になってプールにも入った。まだまだ健やかではある。

私たちは東京駅から中央線に乗った。電車もバスも混んでいた。横浜の片隅で育った私が東京の繁華街近くに暮らしている不思議を思った。

実は宿ではあまりよく眠れなかった。自分のベッドに入ると8時間近くよく眠れた。自分の家と自分の部屋。とても気に入っている。そういうことにも気づかされる旅だった。


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