平成26年2月(如月)の短歌
声高に二の段の九九唱えつつ冬日さす路地子ら帰り来る
(こわだかに にのだんのくく となえつつ ふゆびさすろじ こらかえりくる)
美容室の客は吾のみ冬日さすソファーに猫とぬいぐるみいて
(びようしつの きゃくはわれのみ ふゆびさすそふぁーに ねことぬいぐるみいて)
ミシン踏みいし音に覚む白糸の白き虚像が盲い眼を占むる
(ミシンふみ いしおとにさむ しろいとの しろききょぞうが しいめをしむる)
総合学習の幼き子らに囲まれて吾の盲導犬フィズは尾を振りている
(そうごうがくしゅうの おさなきこらに かこまれて あのもうどうけんふぃずは おをふりてる)
最近、お掃除大好きのルンバちゃんが家族に加わった。
「さあ!フィズ、ルンバちゃんのお掃除タイムだよ!」この私の一言で、フィズはそそくさと廊下へ逃げる。「ルンバちゃん、きれいにしてちょうだいね」言いながらスイッチを探していると「どれどれ、私にスイッチオンさせて」とでも言うようにフィズが割り込んでくる。
右左スロークイック掃除するロボット頼もし任せてルンバ
(みぎひだり スロークイック そうじするロボットたのもし まかせてルンバ)
このお掃除ロボットなるルンバちゃんには、階段や玄関などの段差を感知する「落下防止」センサーがついているので、転げ落ちる心配無用。その上、方向感知もしっかり働いて、くまなくごみを収集した後は、マイポジションに戻って終了のメロディーを鳴らし人間様を呼ぶのである。
このルンバちゃんのおかげで、このごろは夫も自主的に「お掃除タイム」をするようになった。「フィズ、お父さんどこにいるの?」こっちだよというように、しっぽが隣室のドアをたたいている。
果たして部屋には…ルンバちゃんがお掃除している音のそばから「なるほど、なるほど!頑張れよ!」優しい声で励ましている夫が立っていた。
フィズもルンバちゃんも、もちろん人間の言葉を持たない。夫と私、それにこのルンバとフィズの4人暮らしのこの頃の我が家。子どもたちがこんな光景を見たら「そろそろ○○が発祥したのでは?」なんて思われるかも…。
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