平成26年1月(睦月)の短歌
響き合う除夜の汽笛に手を合わ す嫁に宿りし小さき命よ
(ひびきあう じょやのきてきに てをあわす よめにやどりし ちさきいのちよ)
雷鳴の轟き明くる午年は謙虚に生きんと身を引き締むる
(らいめいの とどろきあくる うまどしは けんきょにいきんと みをひきしむる)
ひゅうひゅうと天に風なる元朝を習いの散歩のハーネス握る
(ひゅうひゅうと てんにかぜなる がんちょうを ならいのさんぽの ハーネスにぎる)
おしゃべりのふっと絶えたり ケイタイにつながれている静かな時間
夢に覚めなお眼裏のまぶしさの残る虚像にしいし眼閉ずる
(ゆめにさめ なおまなうらのまぶしさののこるきょぞうに しいしめとずる)
客は吾一人なる小さき美容室のソファーに猫のうずくまりいる
寒中だというのにこの暖かさ。窓越しにさし込んでくる日差しは「春」を思わせるほど。そんな今日、コーヒーを飲みながらふーっと肩の力が抜けていく心地よさを味わっている。
もしかして、多分、案の定…などと不安を抱きながら胃ガン(腫)検診を受けた。この検査は何度受けても嫌なものである。(好きだという人はいないだろうが)胃の中を写り易くするというコップ一杯のまずい水を飲まされた時点から緊張し、私の動作はロボットさながらになってしまう。
容赦なく吾の胃の腑に入り来てカメラは腫をくまなく捜す
(ようしゃなく われのいのふに はいりきて カメラはガンを くまなくさがす)
「まあまあですね」「また来年、いらっしゃい」と医師の声に「ありがとうございました」と思わず深々と頭を下げてしまった。この先生から、また一年間の健康を与えていただいたように思わずにはいられない。
この年もセーフラインとう吾の数値基礎検診終ゆ からんと寒晴れ
(このとしも セーフラインとう あのすうち きそけんしんおゆ からんとかんばれ)
「さあ、帰ろうよ!」私のパートナー、盲導犬フィズのハーネスを握って出た外は、寒中なのに、この穏やかな日差し。やっぱりフィズとお天道様は私の味方だね「グッドグーッド!」
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