平成25年5月(皐月)の短歌
想いでは胸内深くしずもりて流れ来るコロプチカにステップを踏む
(おもいでは むなうちふかく しずもりて ながれくるコロプチカに ステップをふむ)
咲き満つる牡丹諸手に溢れたり「ぼたん色」とうその色見たしも
(さきみつる ぼうたんもろてに あふれたり ぼたんいろとう そのいろみたしも)
読後感誰かに語りたき夕べかそけき雨音闇にひろがる
(どくごかん たれかにかたりたきゆうべ かそけきあまおと やみにひろがる)
盲導犬フィズの瞳に映れるは萌ゆる若葉か木の葉のさやぐ
(もうどうけんフィズの ひとみにうつれるは もゆるわかばか このはのさやぐ)
また一軒取り壊されて駐車場となりたる朝花冷えの風
(またいっけん とりこわされて ちゅうしゃじょうと なりたるあした はなびえのかぜ)
抑揚のなき声ナビに案内されやり直しつつ入金済ます
(よくようの なきこえナビに あないされ やりなおしつつ にゅうきんすます)
到底は百キロ完歩のかなわざり我がリストバンド用捨なく切らる
(とうていは 百キロ完歩の かなわざり わがリストバンド ようしゃなくきらる)
夜の九時過ぎ、いつものことだが、盲導犬のフィズにブラッシングをかけ終えて「さあ、お花を見に行こうね」とリードを持つ。この言葉を待っていたかのようにフィズは立ち上がって「こっち、こっちよ」と得意げに花壇に向かう。日中は初夏を思わせるほどの暑さだったが、今夜はひんやりした風に思わず身震いしてしまった。
ほころびかけているエンジェルトランペットのつぼみを確かめてから、伸び始めたゴーヤーの蔓をネットにからませてやった。それから、昨日植えたばかりのひまわりと松葉ボタンが枯れていないことににっこり。あれあれ、ふんわり手に触れたものは?まあまあ、サニーレタスがこんなに広がっちゃってる。両手いっぱい摘み取って、明日の朝のサラダにしようね。こんな風にしてフィズと夜の見回りはおしまい。これで本当に私の日課は「おしまい」
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