平成24年10月(神無月)の短歌
コスモスと木犀の咲くこの季節私の着メロ「赤とんぼ」にする
ケーキ二個求めて帰る路地裏の風透き通る 私の誕生日
山裾の木犀漂う湯の宿に「初めまして!」とジョッキを上げぬ
もみじ葉を渡り来る風の音哀し色づく前のフィナーレなるや
(もみじばを わたりくるかぜの おとかなし いろづくまえの フィナーレなるや)
木犀の風を抱えてかかし立つ「へへののもへじ」新井道の駅
(もくせいの かぜをかかえて かかしたつ 「へへののもへじ」 あらいみちのえき)
わが腕に抱かれて眠る愛犬の小さき寝息 深々と真夜
せいいっぱい背筋伸ばしたはずなのにまた減っている私の身長
「文化の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」…言い尽くされた「秋」だが、私にとって今年は「もの想う秋」そんな心境かもしれない。
それは、つい先日のこと。ずーっと書き続け、パソコンにストックしっぱなしにしておいたファイルの整理をしていたら子育て時代の詩に出会った。あのころは「みんな若かった」「かわいかった」二昔も前にしばしタイムスリップ、次から次へと想いは巡り「もの想う秋」の真っ最中になってしまったのである。
そんな中から短い詩を二編アップし「もの想う秋」のページを閉じよう。
まま お願い
ねー、ママも自転車買って ボクをむかえに来て
だって ゆきちゃんも、しんちゃんも
ママの自転車で おかえりするんだよ
そしたらボクが
右とか左とか言って
ママに危ない所おしえてあげるから…
ママ この色にあうよ
あのね このセーターは
コーヒーにクリープを溶かした色よ
こっちのは
レタスのようにうすい緑かな
あっちのはね
ホラ 地図帳の一番深い海の色
娘に教えてもらいながら
洋服を選ぶ日曜日
外はあったか
ピンクもいいね
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