平成22年7月(文月)の短歌
ハーネスを初心にかえり握りしむフィズの歩調に戸惑いつつも
(ハーネスを しょしんにかえり にぎりしむ フィズの ほちょうにとまどいつつも)
札幌の駅の地下街背を伸ばしハーネスに従い訓練受くる
(さっぽろの えきのちかがい せをのばし ハーネスにしたがい くんれんうくる)
この辺り吾が家ならん百合の香の著けき角へ盲導犬促す
(このあたり わがいえならん ゆりのかの しるけきかどへ もうどうけんうながす)
平成7年から盲導犬歩行をするようになって早15年。このたび3頭目の共動訓練を無事に終了することができた。
名前はフィズ、平成20年3月生まれの2歳の女の子。人懐っこくて遊び好き、ちょっぴり臆病で素直な性格は、シェルとターシャを足して二で割ったような感じ。まだ若葉マークの盲導犬フィズだが、ハーネスを差し出すと一生懸命に首を突っ込んでくるしぐさにターシャと別れた悲しみを癒されている毎日である。
紫陽花のまり花ほったり盛り上がり あめあめふれふれ雨が大好き
ほったりと大きまり花際立たせ紫陽花の雨梅雨湿りして
こちょこちょっ半袖の腕くすぐられ立ち止まりたり 朝顔の蔓
湯気の中ひとつつまみて確かむる黒崎茶豆の香ばしき味
「もぎたてだよ」求めたる茄子のきしきしとマイバックに入りゆく音の愉しき(たのしき)
しわしわのこんな腕でもうまいかい?ブーンと飛び来て蚊が飛び去りぬ
ゲリラ雨の襲来ならん いきれたる風に土の香際立ちて雨
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