平成22年3月(弥生)の短歌
あの路地もこの路地からも匂い来る今日のそよ風沈丁花色
(あのろじも このろじからも においくる きょうのそよかぜ じんちょうげいろ)

春キャベツサラダにせんと刻みいる寒の戻りの霧笛聞きつつ
(はるキャベツ サラダにせんと きざみいる かんのもどりの むてきききつつ)

まあ、こんなところにも春!マンホールの蓋にびっしり柔らかき草

すっぽりと包むがに降る春の雨草木の新芽ほぐれ伸びゆく
(すっぽりと つつむがにふる はるのあめ くさきのしんめ ほぐれのびゆく)

バスの中着信メロディー鳴り出せばとっさに確かむ吾の携帯
(ばすのなか ちゃくしんメロディー なりだせば とっさにたしかむ われのけいたい)

潮の香の風に乗り来る無人駅ブリキの箱に切符を落とす
(しおのかの かぜにのりくる むじんえき ブリキのはこに きっぷをおとす)

軽やかに「ピヨピヨ」「カッコー」の響き合う春めく朝の交差路渡る

触りたる物みな見たしと想う日よ 丹念に盲導犬へブラシかけやる

 昨日までは、ふんわりした日差しが届いて私も「のびのびモード」してたのに、今日のこの寒さはいったいどうしたのだろう!?
夜半から吹き出した西風が、だんだん強くなり雨まで降りだして・・・。そして、今は雪になってしまった。「おおっ、寒い!」片づけようとしていたセーターを取り出して、ストーブの設定温度も上げたりして、また冬バージョンに逆戻り。
今日の外出はダウンコートにブーツ、マフラーと手袋も忘れずにしっかり装備して出かけねば・・・。

      あと五分、あと三分とバス停に身を堅く立つ小雪舞う三月尽(やよいじん)

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