平成21年8月(葉月)の短歌
9頭の盲導犬の慰霊式吾がシェルの名も読み上げらるる

歩くこと教えてくれし盲導犬シェルよ安らかに 小さキ骨抱く

シェルの骨納めんとして抱(いだ)きたり 手に蘇るふわふわの毛並み

促され納骨堂に骨壷を静かに傾ぐる さようならシェル

野を駆けるシェルの御霊かさわさわと今朝の散歩の夏草揺らす

2763m燕(つばくろ)山頂しかと踏み召されしシェルの御霊に近寄る

 8月22日12時30分、北海道盲導犬協会の慰霊式が静かに行われた。直前まで降っていた雨も上がり、多くの参列者に見守られながら、この一年間に召された9頭の盲導犬たちに黙祷が捧げられた。すすり泣く声をほのかな花の香りが優しく包んでくれていた。

弔辞(平成21年8月22日)
 シェル シェコちゃん シェーちゃん ・・・
 ありがとう! 一緒にいっぱい歩いたね  そして、いっぱい道に迷ったね
 あなたは 見えなくなって歩くことをあきらめていた私に  再び歩けることのすばらしさを教えてくれました
 そして残してくれました
 多くの人との出会いと  あったかい真心を素直に受け入れる生き方を
 シェル シェコちゃん シェーちゃん
 あなたの前に正座して  「洋子をよろしくね・・・」と言っていたおばあちゃんや  先輩のワンちゃんたちと仲良く暮らしてね
 ありがとう!シェル!
 16歳と3ヶ月の命をありがとう  やすらかに 安らかに・・・!!

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