2008年釣行記
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初回 5月21日(水)
晴れ
興津川・下流部
釣果:ドブ釣り13、友釣4
2回目 6月2日(月)
曇りのち雨
酒匂川・松田地区
釣果:9
3回目 6月8日(日)
小雨のち薄曇り
酒匂川・松田地区
釣果:20
4回目 6月10日(火)
晴れ
河津川・中流部
釣果:10
5回目 6月20日(金)
曇り
富士川・山梨県身延
釣果:8
6回目 6月28日(土)
曇り
狩野川・中流部
釣果:7
酒匂川、狩野川、& 四国鮎釣り旅行
興津川、酒匂川、狩野川
狩野川、酒匂川、興津川
狩野川
狩野川

初回 5月21日(水) 興津川・下流部 解禁二日目

興津川・丸淵   丸淵上流
   天気;晴
   水温;15〜18℃  水色;濃い柳濁り〜薄濁り

   釣果 17 (ドブ釣り13、友釣4の合計)
   Max. 17cm (ドブ釣りMax.15cm)
   Min. 10cm

 丸淵より下流の瀬を望む
 淵から岩盤底の瀬があこがれ亭下の淵に落ち込んでいる。
この瀬で3人が友釣をしていました。
 丸淵ではドブ釣りの人が6〜7人毛鉤を上下させていました。
 濁りが薄れた午後に、無数の鮎の群れが何組も泳ぎ回るのが見えましたが、鉤が合わないと釣れません。


丸淵上のトロ 丸淵の上のトロ場
 淵の上手はトロ場です。
 午後の水が澄んできたころの写真です。
同行のMさんが残り垢の場所で粘って、可愛い若鮎ツ抜け。
 朝方は濁りがきつくて、底の様子が判らなかったので、上の写真の左端のあたりでドブ釣を楽しみました。
 上手に白く見える所で瀬が落ち込んでいます。
瀬の中は、ほとんど白川状態で、大石裏でようやく1匹きました。
 今週末あたりから良化するのでは?
 本格的に良くなるのは来週以降かなー?


 例年早く解禁になる近場の川は興津川で次いで狩野川というのは決まりきっているのだが、それでもアユキチ達は今年の鮎の釣り初めは何所にしようかと相談しながら胸をときめかすのだ。
 天気予報を見ていると、低気圧と台風4号との影響で太平洋側は四国〜東海〜関東にかけて19,20日は大雨洪水警報が出るほどの大雨に見舞われた。
 さすがに、そんな天気に川へ出かける気はしない。が、興津は水の引きと澄みが早いからと決め付けて、21日にMさんと二人で出かけた。念のためドブ釣りの用意もした。
 夜明け前に家を出たが、夜空には満月が輝き、今日は晴天間違いなしだ。Mさんをピックアップし興津川を目指す。4時半頃に夜が明け始めた。日が長くなったのを実感する。
 箱根峠を上りはじめてしばらくすると窓が曇り出した。気温が低いようだ。峠の頂上の温度計は9℃を示していた。
 興津駅の手前で、R52号線を興津川の上手へ向かった。弁当などを買いに途中のコンビニに寄ったが、そわそわした何人もの釣り人がきていた。心は皆川の中の若鮎に飛んでしまっているのだ。
興津川、日釣り券 我々も、何所に入るかが問題だ。洪水警報が出るほどに降った翌日だから、下流部でやってみることにした。承元寺堰堤あたりは人が集まるだろうから、少し上の丸淵あたりに入ってみることにした。
 右岸のあこがれ亭の駐車場から川を覗くと、下の淵ではドブ釣りの人が竿を出していた。水は濃い柳濁りで川底の様子は何も見えない。様子を見ていたが、すぐには釣れない。
 こちらも早く竿を出したくて気もそぞろだ。丸淵右岸のゲートボール場の所から川を覗いてみたが、濁りがきつくて川の中の様子は判らない。浅い所の草の生え具合からすると、3,40cmはまだ水が高そうだ。淵の下手の瀬よりは上手のトロとその上の瀬が良さそうな気がしたので、トロ場の河原に移動した。
 30cm位まではなんとか透けて見えるが、その深さは大雨前は岸だった所だ。水があった所の様子はまるで判らない。
 7時少しまえだったので、日が射してくるまでドブ釣りをしてみようということになった。トロ場でも淵のはじまり辺りでもアユのハネが見えた。
Mさんはトロ場で始めた。自分は淵の始まるあたりでやってみることにした。
いつものことだが、どの毛鉤を選べば良いのか昔先輩に教わったことはほとんど忘れて忘却の彼方だ。とりあえず、自分は万能鉤だと思っている青ライオンを下につけ、上鉤に清水をつけてみた。
 ハネが見えたあたりは1m位の深さだ。増水前だと6,70cmという所か?。
 毛鉤を上げ下げして2,3往復目ころに青ライに来た。12cm位の若鮎だ。手で掴み鉤を外すとプンと鮎の香りがする。んー、この香りだ、この香りだと思う。
 5分に1尾くらいのペースだがなんとか釣れていたので、他の鉤は試してみなかった。清水に14,5cmのが何匹かきた。友竿でやっているから、小振りの若鮎でも竿先が大きく曲がり、大物を掛けた様な釣り味を楽しんだ。
 8時頃になって日が射しだしたら、バッタリとアタリが無くなった。今日のドブ釣りはこれで終了。次回からはドブ竿も車に積んでこよう。
 オトリになりそうなのが何匹かいるよ、というとMさんが貸してというので、冗談で一回り大きいのを返してくれるのなら貸してあげるといい、タモにあけた。なかから1尾選び、それをオトリにトロ場の残り垢がありそうな大石のうしろでMさんが友釣を始めた。少し様子を見ていたら、オトリになりそうなのが掛かった。なんとか友釣でも釣れそうだ。
 友釣の準備をして上手の瀬に行ってみた。水が少し澄んできて、少しは川の中の様子が見えてきた。
もと水があったと思われる水深の所まで入って石を見たが、ほとんど垢が付いていない。大水で垢が飛ばされてしまったようだ。石裏に残っているかもしれないと思い、石の裏〜石の裏と探ってみるがまるで当りが無い。
 あちこちオトリを入れてみたが、大石の裏のたるみで17cmのがようやく来た。瀬に走られずに抜けたのでうまく取り込めた。それにしても、最初の1尾はタモに受けるまで胸が高鳴る。
 午前中この瀬をやってみたが、この1匹だけ。友釣の人は他には一人もいない。瀬尻のトロに落ち込む所で地元の人と思われるひとがドブをやっていた。
 Mさんがやっているトロ場にもどって、様子はどうか聞いたら、可愛いのがぽつぽつ釣れていると言う。大石が二つ離れて沈んでいるが、その後あたりをじっくり泳がせていると来るようだ。
 昼には少し間があるが、昼食にすることにした。クーラーボックスを河原に置いておくと、直射光で表面がチンチンになってしまうので、何か良い方法がないかと考えていた。今日はアルミを蒸着した銀色のサバイバルシートを覆けてみた。微風でもとんでしまうので石で四隅を押さえておいた。
 二つ折りにして被せておいたら、影のクーラーボックスは全く日光の影響を受けておらずいい具合だった。これは良い方法なのが確認できたので、皆さんも試してみて下さい。サバイバルシートはホームセンターなどで売っています。
 河原の際の畑の脇に放置された夏みかんの木があり、熟れた実が何個も落ちていたので、まだ木に生っているのを1個もらい、食後のデザートにした。木で完熟したものだから、とても旨かった。
 午後は淵の下の瀬まで行ってみた。水が澄んできて中の様子が見え出した。
 瀬まで行く途中の淵では、所々で10cm前後の若鮎の群れがいくつも見えた。かなりの鮎が遡って来ているのが推定できる。増水で水嵩が高くなっているので、移動に苦労したが、平水ならばたいしたことはなさそうだ。淵尻の岩盤の上まで行き、川の中の様子を見たが、最初のうちは鮎の姿が分からなかった。
 小一時間もしたころから、淵尻の岩のところに群れが食み出し始めた。2,30匹が入り乱れて残り垢を食んでいる。なんとかその群れにオトリを入れてやるのだが、その場所ではまるで掛からない。
他の場所に入れてやって、なんとか4ッツ掛けた。4匹目をオトリに沖目の岩の縁を泳がせていたら、強い当りの後に岩の縁で糸が擦れてプッツン。
若鮎。初物。 こちらの釣りの気持もプッツンで今日は止める事にした。
 まだ日は高く、Mさんはツ抜けを達成し、もう少しやっていたい様子ではあったが、こちらに付き合って止めにしてくれた。

 このあと立花橋と承元寺堰堤あたりを覗いた。
立花橋のあたりは、ほとんど白川状態で釣り人は一人見えただけだった。承元寺堰堤あたりは、ドブ釣りと友釣のひとが並んでいた。橋の上手右岸よりは垢が残っていて、若鮎の群れがさかんに垢を食んでいるのが見えた。少し上手のブロックが切れた所の深みで二人がドブ釣りをしていたが、一人の人が立て続けに4,5匹釣るのが見えた。もう一人はまるでダメ。ドブ釣りは鉤の選定が決め手なのは分かるのだけれど、何を選べば良いのかが判らないから何時も適当にやって終わってしまう。
 ドブ釣りも奥が深いし、独特の面白さがある。
 橋の上手の友釣の人は釣れている様子はしなかった。
 今年も興津川には天然遡上のアユが沢山います。
ドブ釣りの人はここ数日が絶好の釣り日和と思います。
友釣の人は来週以降に垢が付いてから行かれるのがよいように思います。(下流部のはなしです。)

(22日の宮原おとりのHPでは中上流部が絶好調とでていました。21日も上流部では釣れたようです。
上流部では垢が残っていたのですね。)


2回目 6月2日(月) 酒匂川解禁2日目・中流部

酒匂川、第2放水路下流
 松田地区、第2放水路下流
  天気:曇り後雨
  水温:14〜16℃  水色:薄濁り〜澄み


   釣果 9
   Max. 15cm  Min. 11cm

 第2放水路を望む
 昨年秋の大水で流された護岸工事用の土手が川のど真ん中に作り直されていた。
川の真中を放水路の所からやぶ下オトリ店の少し上まで、土手が作り直されていて、流れはまるで排水路のようになっていた。


酒匂川2
 上の写真の下手
 土手に沿って流れて来た水がここで右岸側へザラ瀬になって流れこみ深みを作っている。
右岸堤防側は、昨年は広い河原があったが今年は堤防の際まで河原の石が全部流されて深みになっていた。ドブ釣りの人が5・6人並んで竿を出していた。



酒匂川3
 上の写真の下手
 右岸に落ち込んだ流れは、また土手側へと流れが変えられて、土手の脇で深みを作っている。

 川の上流側の白い大きな建物の向こうの山並の上に富士山が見えた。山頂はまだ雪で覆われていた。



酒匂川4
 下流のやぶ下オトリを望む
 上の写真の下手。真ん中の木立は中洲。中洲の上流側が100m位は流されてなくなっていた。
 中洲の右岸側は石でせき止められてほとんど流れは無い。放水路からの水は中洲と土手の間を流れている。
 昨年秋の台風・大雨で土手が大半流され流れが蛇行していたので、昔の川相に戻るのを期待していたが、再び土手だ築かれてしまいガッカリだ。
 土手が切れた少し下手左岸にやぶ下オトリがある。



 今年は、友釣愛好家にとってなんとも恨めしい天気が続いている。興津川、狩野川そして6月1日の解禁と3度とも解禁日の前に低温で大雨が降るというパターンが繰り返されたのだ。こんな年は記憶にない。
 6月1日は晴天で気温も24度くらいまで上がったようだが、直前の二日が寒さを覚えるほどの低温と雨だったので解禁日の釣行は見送りにした。
 30日時点での2日の天気予報は晴れ後曇り気温は24度位というものだった。酒匂川へは解禁翌日の2日に行く事に相談がまとまった。それは、1日の晴天と気温の上昇で水温も温み2日は気温も高めのようだから若鮎の追気も立つのではないかと思ったからだ。
 夜明け前にMさん、SさんをピックアップしKさん宅へ向かった。Kさん宅に着くと、もう玄関先に出ていた。釣り道具を積み込み、酒匂川松田地区へと向かった。西湘バイパスに差し掛かる頃に空を見上げると、予報に反して雲が厚い。
 「午前中は晴れという予報だったよねー。」「うん。」「雨が降ったりしないよねー。」「午後から曇りで、夜から雨だと言っていたよ。」「日中は降らないでしょう。」などと話しながら、また昔の釣り場での思い出話などしながら酒匂川へと向かった。
酒匂川、入漁証 やぶ下オトリ店に着くと、一人の釣り人が釣り支度を済ませ、上手へ向かってすたすた歩いて行った。
 Mさん、Sさんの二人は、まずは煙草を一服。Mさんは煙草を吸いながらオトリ屋と話し込んでいる。
 こちらの気はもう川へ飛んでいる。さっさと釣り支度をはじめた。昔は川へ着いた途端に釣りたいというMさんだったが、今は自分の方が早く川辺へ行きたがるというように変わってしまった。
 引き舟にオトリを入れ、左岸堤防上の路を上流に向かった。4枚目の写真辺りで堤防から川へ降りる工事車両用の路が作り直されていたので、そこから河原へ下り、新しく作り直された土手の上に上った。
 空が曇っているのと、水が薄濁りなのとで石垢の付き具合がどうなのか良く判らない。下の2枚目の写真の辺りを見ていたら、MさんSさんは上手へ行くと1枚目の写真のほうへ行った。
 深みの所でドブ釣りをやってみたが30分ほどやってもまるでアタリがないので止めて、写真を撮ることにした。
 薄日が射した頃に川の中を見たら、垢がほとんど飛んでしまったような感じで、大きな石裏にうっすらと垢がのこっているのかなー?という感じだった。
 早朝は、友釣の人はほとんど釣れている様子が無く、右岸に並んで竿を出していたドブ釣りの人たちもあまり釣れている様子は無い。川へ来る前の予想・思惑は見事に外れだ。
 9時頃まではまるでダメ。ピクとも来ない。鮎はいるのかいな?と疑いたくなる。川縁を歩いてみると、流れの影の垢が残っている所には小さい鮎の食み跡が付いているので、チビ鮎がいるのは確認できた。が塩焼きサイズの食み跡は見当たらない。
 放流鮎は冷たい大雨で流されたのか?それとも増水で遡り気が出で上流へ行ったのか?
 釣り客がうろうろしだした。4,5人がまとまってアッチへ行ったり、コッチへいったりしているグループもいた。釣り人が動き回るというのは釣れていない証拠だ。
 釣れない言い訳を考えていてもしょうが無い。気を取り直してオトリに頑張ってもらい、なんとか囮繋ぎができた。とはいっても、なんとかオトリに使えるというサイズだ。アタリもかわいいもので、ツン、クーくらいの感じだ。
 昼前に雨がポツポツ落ち出した。天気予報では夜から雨と言っていたが、雨が早まったらしい。Kさんがカッパをとりに行くというのでついでに自分のも持ってきてもらうように頼んだ。
 土手の上に上がって昼食にしたが、寒い位のなで冷たいペットボトルのお茶は飲む気がおきなかった。
 午後も、もうひと頑張りと思って竿を出したが、友釣らしいアタリや引きを楽しむことは出来なかった。追い気が弱いせいかチビアユのせい掛かりが浅くバラシが多かった。
 雨が降り続き、気温も下がるかんじだ。水温を測ってみると16℃。これ以上やっても釣れそうも無いので早上がりにした。
 気温が上がり、垢がたっぷり付いてチビアユが大きくなるにはあと半月はかかるだろうか?などと話しながら引き上げた。


3回目  6月8日(日) 酒匂川・中流部

酒匂川やぶ下→新栄倉庫
 松田地区、やぶ下
  天気:小雨後薄曇&薄日
  水温:15〜18℃  水色:澄み


   釣果 20
   Max. 16.5cm  Min. 10.5cm

 川中の土手、最下流部より新栄倉庫方面を望む
 土手と元中洲の間を流れた水は土手の終わりからやぶ下オトリ側左岸へザラ瀬になり流れ、やぶ下オトリの前から右岸側へ流れの方向を変えて新栄倉庫の方へ長い瀬になり下っている。
 天気予報は良くないのに、大勢の鮎釣り党が出ていました。


酒匂川2
 上の写真の中州より上流の土手方向を望む
 左側の木立が元中洲。元中洲の終わり辺りと右岸の間にワンドのような水溜まりがある。
 正面の小山の下が第二放水路から作られている土手。
 この写真には写っていないが、第二放水路より上流からの狭い流れが左岸の護岸に沿って流れている。



酒匂川3
 土手の下流端辺りから上流を望む
 右が川の真中に作られた土手。左の林は元中洲。
 この瀬の中でオトリサイズが掛かっていました。盛夏になれば面白い釣りが出来そうです。

酒匂川の若鮎


 この週末は、MさんTKさんが昨年初期に良い思いをした道志川へ行ってみようという話になっていた。抜け駆けで金曜日にでも行こうなどという話もあったのだが、休日に行く事になった。金曜日午後に様子を見に行くというので、行った事の無い場所なので、同行した。お目当ての場所に着くと、昨年とはガラリと様子が変わっているという。近所の人の話では昨年の台風のときに岸辺を越えそうな大水が出てすっかり様子が変わったのだそうだ。
 川の水は澄んでいて、水中の石が良く見える。どの石の石垢も曇ったままで、アユが食んだ気配はまるで無い。見た限りでは、アユの気配がほとんど無い。様子を見に来て良かったと思った。こんな様子を知らずに喜び勇んで来たら、他の仲間から総スカンを食らう所だった。帰り道で、日曜日は興津か酒匂かにしようという話になった。
 金土は晴天だったのだが、仲間の都合で日曜日の興津川釣行ということになった。日曜の出発時になって、静岡は雨で雷雨になるような予報だとTKさんが言う。カーボンロッドに雷は良くない。ということで近場の酒匂川へ変更することにした。
酒匂川、入漁証 興津川へ行く予定で集合したので、酒匂川へは少々早く着いた。が、熱心な鮎釣りファンがいるものです。天気予報が悪いにもかかわらず、オトリ屋が開く前から河原に数人が陣取っていた。川を眺めているうちに、オトリ屋が開いた。
 Kさんが様子を聞いた所では、すぐ前のチャラの瀬頭辺りが釣れているそうだ。 KさんTKさんの二人はその場所でやるという。
 上流がわはどうか訪ねると、「うちの若のが昨日午後から土手の上手のほう(前回の1枚目の写真の手前側)で十数匹釣ってきた」という話だ。
 MさんSさんと自分は上手に行ってみる事にした。川を渡り土手の下端から上流を目指した。オトリ屋が言っていた場所は、前回Sさんが朝やってみた所で、先週は良くなかったのだが、この1週間で垢が付いて良くなったのかもしれない。
 左岸側の狭い流れを渡る時に、その下手の石が褐色にツヤがあるように見えた。Mさんが、まずここで遊んでみるとそこに残った。Sさんと二人で、土手に上がり川を眺めながら上手へ向かった。オトリ屋の言っていた辺りまで見に行ったが、あまり良さそうな感じはしなかった。Sさんは3枚目写真の土手の切れる辺りの方が良さそうといい、下手へ戻った。
 自分は前回やった辺りで竿を出してみる事にした。天気予報のせいか、釣り人の出足は遅いようで、対岸に一人見えるだけだった。オトリを出して少ししてからオトリになるサイズのが掛かった。その後もチビだがなんとかオトリになるのが順調に釣れた。
 7時を過ぎたころから、釣り人の数が増えてきて、両岸に釣り人が並ぶ状態になった。
 8時を過ぎた頃から、まったく当りが無くなってしまった。1時間以上も何の音沙汰も無いので、下手のSさんの所へ移動した。
Sさんの下手が空いていたので、そこに竿とクーラーを置き、Sさんに様子を聞いた。前回これでやってみたらと渡した仕掛けで釣り始めるとすぐに、3連荘で掛かったのだそうだ。3匹目を掛けた後に仕掛けがもつれてクチャクチャになってしまい、Sさんの自前の仕掛けに変えたら、その後全く掛からないと云う。もつれた仕掛けを見せてもらったが、老眼のわれわれがもつれを解くのはまず無理。ポケットの中を見ると、水中糸の予備があった。もつれた水中糸をハサミで切り取って水中糸を交換するように予備の水中糸をSさんに渡した。
 今日はまだ写真を撮っていないので、写真を撮ってくるとSさんに云って、下手の仲間がいる方へ下り、様子を聞いたり写真を撮ったりした。TKさんは指で八ツ掛けたと対岸から教えてくれた。Kさんもまあまあのようだ。
 Mさんはオトリにもならないチビがいくつかで、まるでダメということだった。
 前回も今回も、大きくてオトリ位で小さいのはダシジャコのようなサイズだ。あと2,3週間したら友釣で掛けたという感じになるのではないだろうか。今は、当りも引きも弱弱しくて、とにかく釣れましたという感じだ。
 10時頃からは釣り人の移動出入りが多くなり、自分達の二人の上下だけでも3、4回人が入れ代わった。自分の下手の波立ちにオトリを入れようかなーと思っていると、其処に下手の人が沖目にオトリを入れようと立ち込んできて場所を潰される。
しばらくやっても釣れないのでそこからいなくなる。やれやれ、少ししたらオトリを入れよう、と思ってると、また他の人が来て立ち込む。岸から静かにやったほうがいいのになーと思うが、人それぞれのやりかたがあるから仕方が無い。
 上手の方で釣り人が2、3回入れ代わった後人がいなくなったので、流心脇の黒くなった石の裏にオトリを入れると、オトリサイズのがすぐにきた。これをオトリにして出してやると、急瀬の流心にぐんぐん入って行く。こりゅーいい、すぐに次が来ると思ったが、しばらくたってようやく次のが来た。後が続かないので、また元の下手へ戻った。
 Sさんは、あげた仕掛けでやって、久方ぶりにツ抜けした。仕掛けのせいだというが、本当にそうだったのかは?
 岸辺の石に垢は付いてきているし、食み跡も付いている。しかし、その食み跡の幅は狭くて可愛い跡だ。
 ハミ跡の様子からすれば、アユはまあまあいるようだから、照り込んで垢が付きそれを沢山食べて早く大きく育ってくれるのを期待するばかりだ。
 今は、鮎釣りをしました、というだけの状況だ。それでも、こりずに出かけるのが鮎釣り党の性というものかもしれない。


4回目 6月10日(火) 河津川・中流部

河津川・峰小橋下
 峰小橋
 天気:晴れ
 水温:16〜19℃ 水色:澄み


   釣果 10
   Max. 19cm  Min. 15cm

 峰小橋下で昼休み
 平日にもかかわらず、川には釣り人がずらーっと並びました。
 川の様子は昨年とあまり変わりは無いようでした。
 川が見えなくなる辺りの少し先で、工事中の橋の橋脚がほぼ完成していました。
 手前に写っている10cm位の浅い流れに6、7cm〜10cm位の小鮎が数え切れないほどいて、群れで泳ぎ回り石垢を食んでいました。浅い所にはどこにも小鮎が見えました。

 チビ鮎相手ではどうも友釣をしたという気がしない、などと偉そうな事を云って、塩焼きサイズを釣りに河津へ行きましょうと誘った。MさんKYさんから二つ返事で行きましょうという返事が返ってきた。
 昨年から川端康成が「伊豆の踊り子」の執筆をしたという上流部の福田家旅館の辺りで釣ってみたいとKYさんと話していたので、湯ヶ野温泉街に入り、福田家へ渡る湯ヶ野橋まで歩き川の様子を見た。湯ヶ野橋の袂には足湯があり自由に楽しめるようになっている。釣りで体が冷えた時にはここで温まるのもいいねーと話あった。
 大石がゴロゴロした瀬が続いた雰囲気のある流れで盛夏には大物が出そうな感じの場所だ。
 《河津川漁協HPの釣り場案内に説明が出ているので参照して下さい。》
 川の近くに駐車できそうな場所が見当たらないので、今回はここは見送る事にして、下流へ向かった。
峰大橋の所まで下り川を眺めると、もう釣り人が竿を出しているのが見えた。
 いつもの場所、峰小橋で釣ることにした。朝食のパンをかじりながら橋の上から川を眺めた。地元の釣り好きの人達が出勤前に川を眺めに来ていた。そのうちの若い人に聞くと、先週この辺りで40釣ったそうで、彼の仲間が土曜日に20以上釣ったそうだ。
だが、今日は明け方まで冷たい雨が降り水温が下がったので朝方はダメだろうなーという話だ。
 解禁日も皆何十も釣ったそうだ。多少遠くても解禁日に来るのだったかなー、と少し悔やんだ。
入漁証 橋の下にクーラーを置いて、さてどちらを釣ろうかと川を眺めた。橋の下手には笠をかぶった5人が並んでいた。
 Mさんは彼らの下手へ行ってみると、下っていった。KYさんは橋の少し上手でやるという。自分は上手の堰堤の辺りまで行って様子を見ることにした。釣れれば、その辺りで続けるし、ダメなようなら少しずつ下がってこようという考えだ。
 例によって川の真中を歩いて、堰堤の少し下まで行くと、堰堤のすぐ下から下手を狙っている人がいた。暫く様子を見ていたが、掛かる様子は無い。大きな石の上に立って、川の中の様子を見た。石はどれもきれいになっているいる感じだが、鮎が石に付いていて光って見えるということはない。が、これだけ石がきれいになっていれば釣れないことは無いだろうと思った。
 竿を伸ばす前に水温を測ると16℃だった。夜明け前までの雨で水温が下がったというのは、その通りのようだ。
オトリを一番きれそうな石の脇に入れて様子を見るが、全く反応が無い。上手の堰堤の所の人を見ても照れている様子は無い。
川の両側を探ってみるが、まるでダメ。KYさんと自分との間に二人居たので、邪魔にならないようにして、下手へ探りながら下がって行った。どうやっても応答無し。まるで下手になってしまった気分だ。
 KYさんに釣れたかと訪ねたら、まだ釣れないという返事だ。橋から上手でやっていた人は2時間ほどまるでダメ。
橋の少し上手へ移ってやっていると、上手のKYさんがオトリサイズのを掛けた。続いて掛かるかと見ていたが、次はなかなか来ない。
 今日はボーズをくらうのかと思ったほど、釣れない。橋のすぐ下で午前中にようやく2匹。釣れない5時間というのはとても疲れた。
 写真の場所で昼食・休憩。下手へ行ったMさんはなかなか戻って来ない。良形が釣れていて昼飯なんか食べている場合じゃ無いってんで戻って来ないのかもしれないね、とKYさんと話しながら弁当にした。
なにせ釣れず、暇なので水温を測ると17℃。石に座って浅い流れを見ていると、チビ鮎の群れがいくつも見える。じっとしているとすぐ傍まできて、その辺の石垢を群れで食んでは泳ぎ、泳いでは食むのを繰り返している。踝位の浅い流れの石がきれいになっていたのはこのチビ達が垢を食んでいたからだ。大きさは6〜10cm位のようだった。
 入漁証の半券を切りに来た老人が、この沢山いる小鮎を指差して、この小さいのはこれから大きくなるのかなー?と心配そうに言っていた。
塩焼きサイズの鮎 午後1時を過ぎてからMさんが戻って来た。良型を数匹掛けたそうだ。それでなかなか昼休みという気にならなかったのだそうだ。Mさんが食事を終えるまでの2時間ほどの休憩。
 午後もMさんは下手でやるといい下っていった。KYさんも下手へ行った。
 水温も少し上がったし、日も射しているから良くなるのではと思い、午後も橋のすぐ下手でやることにした。というのは、下手に居た菅笠5人組のうちシマノの玉虫色の竿で泳がせ釣りをしていた人が午前中に良型を十ほど掛けていたからだ。 並の人がダメでも上手な人は釣るものだ。
 オトリを出して少ししてからオトリ位のが掛かった。しばらくして15cm位のが来た、これで良い循環が始まるぞー、と思ったのだが。なんとその後大形ドンコチ(ボウズハゼ)の猛攻3連荘でオトリはへろへろ、仕掛けはクチャクチャになってしまった。親指よりも太くて15,6cmはある大型ドンコチには適わない。
 Mさん達のいる下手へ行ってみることにした。右岸側を下っていったが、チャラチャラの所を除いてずーっと釣り人がいる。間に割り込むのは失礼だ。チャラチャラの所を左岸の縁まで行って、左岸のコンクリートブロックの所まで下がり、その上に立った。丁度対岸にKYさんとMさんがいた。
井桁型のブロックの間に浅い水が流れていたが、そこにもチビ鮎の群れがいた。引き舟をそこに浸けるとワッと散ったが、静かに立って見ていると、すぐに戻って来て拳から頭位の石の垢を群れで食み出すのが見られた。
 こちらから竿を出しても対岸の人の竿とが触れるわけではないが、いまやっている所の対岸からオトリを出されたら気分が良くないだろう。それで、向こうからは届かない手前の早瀬・急瀬で流れている深みをやってみることにした。
 使い古しのオトリしかいないので、伊藤稔氏考案のマッスル背針を使うことにした。取り付け取り外しも簡単で、効果もある優れものだ。ブロック際のタルミからオトリを入れてなんとか流れの中へ移動させて黒くなった石のあたりで様子を見た。
それほど経たないうちにガガ・ギュンという当りが響いてきた。早い流れがずっと続いている所だから、手早く強引に浮かせて抜くしかない。竿を立ててそのまま矯めているとオトリが水面に出て掛かり鮎が見えてきた。そのまま矯めていると、野アユが水を切ってこちらに飛んできた。なんとかキャッチ。17,8cmはありそうなきれいな鮎だ。それをオトリにしてやると、今度は楽々早い流れに入っていく。上手に上がって行くので、それに合わせて竿を寝かせて上手へ移動する。じわじわ上がっていくと大きな石の際を通った時に又もガガ・ギュギュンという当りが響く。すかさず竿を立てて矯めて鮎を浮かせ水を切る。今度もうまくキャッチできた。
 早瀬・急瀬の中で掛けると、当りも引きも強くて気分爽快だ。午前中のダメな気分も、大形ドンコチの猛攻でガックリした気分もすっかり吹き飛んだ。
 何度目かの強い当りの後竿を矯めていたら、オトリは水面に出たが掛かり鮎がなかなか水を切ることが出来ず、ついに身切れの水中バレになってしまった。もう一度お勤めに出でもらったが、自力で上へ行ってはくれない。じわじわと引き上げる事にした。10mほど引き上げた所で次が来てオトリが繋がった。
 4時半を過ぎたあたりで当りが遠のいた感じがしたので、今日は終了とした。橋のすぐ下にKYさんが戻っていて竿を出していた。
 Mさんは戻って来ないねー、とKYさんがいうので、だまっていたら薄暗くなるまで釣っている人だからあとしばらく戻って来ないと思うよと話した。夕風でクシャミが出たのか、それからあまり時間が経たないうちにMさんが戻って来た。
 今日の鮎はほとんどが塩焼きサイズだ。これで本格的な塩焼きが食べられると二人と話しながら帰路に付いた。


5回目 6月20日(金) 富士川・山梨県身延町

富士川、富山橋を望む
 富士川・富山橋下流

 天気:曇り
 水温:19〜20℃ 水色:柳濁り


  釣果 8
  Max. 17cm  Min. 12cm

 芦沢おとり前の中洲より富山橋を望む
 この辺りには大きな中洲が二つある。写真は左岸側の中洲から上流を写した。流れの対岸は大きな右岸側の中洲。山の手前に白く写っているのが富山橋。



富士川、富山橋下流2
 中洲より下流の荒瀬を望む
 立っている所の4、5m先まで垢は腐っていました。水は薄い柳濁りで釣りには問題ないようでした。が、解禁から昨日まで釣り人が入っていないというのですが、さっぱり掛かりません。掛かってもチビでした。
 盛夏に下手の荒瀬をやったら面白そうな場所です。




 今週木曜日までは夏のような晴天が続いたのだが、車検と所用とがあって川へは行けなかった。金曜日からは釣行可だ。Sさんが同行してくれると連絡が入った。彼は、金曜日は雨という天気予報を心配していた。インターネットの天気予報では終日弱い雨という表示だったが、身延辺りの企業がスポンサーになっている天気予報は曇りとなっていたので、富士川支流の常葉川か本流をやってみようと夜明け前に出かけた。
 神奈川から静岡への途中は、雨が降ったり止んだりの状態が続いた。厚い雲のせいか夜明けの時間になってもなかなか明るくならない。今日は曇りという予報を信じて、富士川沿いに山梨県へ向かった。雨が小雨から霧雨に変わり、雲も薄くなってきたように思えた。
 これなら曇りという予報は当りかも知れないね、といいながら身延へと向かった。南部町に入った辺りで霧雨も止み、道路も乾いていた。全国版の予報よりはその土地の予報の方が正確なようだ。身延町も雨が降った様子は無い。
 身延の街を過ぎしばらく上流へ向かうと漁協のオトリ販売所がある。そこから少し上流がわに芦沢おとり店がある。
富士川入漁証 おとり店主人に様子を聞くと、解禁から数日、支流の常葉川では爆釣だったそうだが、本流は増水と濁りで昨日まで竿が入っていないという。
 常葉川はどの辺りが良い場所か尋ねると、ゆかわ橋か、いでゆ橋下がいいだろうという。ただし、群れ鮎が回ってくるのを釣るような釣り方なので、場所の選定が合わないと釣果は難しいという説明だった。
 なかなか難しい釣りのようだが、雨が降らずに釣りが出来るだけで良しとしなければねー、とSさんと話し、初めに聞いたゆかわ橋へ行ってやることにした。
 橋の上から川を覗き込んだが、曇り空のせいか鮎の姿が見えない。石にアオノロが付いているのは見えた。橋の傍で地元の人らしき釣り人が竿を出していたので少し様子を見ていたが掛かる気配が無い。地元の人がやっているのだから、釣れないことはないだろうと釣り支度をして河原に降り水中の様子を見て歩いたが、魚影は濃いという話しだったが、我等二人の眼には全く鮎が見えなかった。
 ともかく、竿を伸ばし、仕掛けにオトリを付けて流れに出してやり、良さそうな所をアチコチ探ったが、1時間以上全く反応無し。Sさんに様子を聞いたが、彼も全くダメという。魚が見えないねー!、地元の人も釣れた様子が無いし、移動しようか?と言うと、すぐにそうしようと言い竿をたたみだした。
 上手のいでゆ橋へ行こうか?それともオトリ屋の前の本流にしようか?と問いかけると、本流にしようというので、オトリ屋の所まで戻った。
 主人が水槽の所にいたので、ゆかわ橋の所でやったがまるで反応が無いので戻って来た。というと、あーそうという顔付きだった。車は何所に停めたら良いか聞くと、川べりの木の横に車が1台停まっているから、その横がいいという指示だった。あの1台の人は中洲手前の分流の下手に入っている、という。今朝の話で、その分流も昨日まで誰も竿を出していないから釣れるはずだという説明だった。
 中洲手前の分流はそれほど深さもなさそうだし流れも早い感じはなかったので、とりあえず中州に渡り、中洲から手前の分流と中州の向こうの本流をやってみようと決めた。
 Sさんは分流の下手で竿を出してみることにした。自分は分流の上手か本流の瀬頭あたりにしようと様子を見て歩いた。本流の瀬頭のほうが魅力的に見えたので、ここでやることにした。が、岸から脛位の深さまで垢が腐っていた。増水していたという話だったが、陸の乾いた石にオカハミの跡はまるで見当たらない。腐った垢の先を見て歩いたが、所々にハミ跡らしき様子があった。水が柳濁りなのと曇り空なので、水中が良く判らないのだ。
 ともかくオトリを出して様子をみた。黒っぽく見える石裏のタルミで15cm位のがきた。本流にいるアユにしては引きが弱い。同じ様な所で数匹掛かったがどれも小振りで引きは弱かった。瀬の中で強引きのアユが掛からないかと瀬の始まり辺りを探っているところに、Sさんが来た。
 昼近くになったので、石に腰掛けて昼食、休憩。
 「分流の下手はダメだった?」「始めて少ししたらオトリ位のが掛かったんだけど、キャッチミスでバラシたら、その後全くアタリがないので移って来た。」「瀬頭のあたりで何匹か掛かったけど小さいよ。瀬の中で掛からないかとやっているけど、だめだねー。」
 「今日は雨かもしれないと思ってきたけど、地元企業がスポンサーの天気予報が当りだね。」「今日はカッパを着ての釣りと思っていたけど、時折薄日が射したりして雨が降る気配はないね。」などと話しながら一休み。
 Sさんに瀬頭あたりでやってみるようにいい、自分は長い瀬〜荒瀬〜落ち込みを様子を見ながら下ってみる事にした。
小一時間探り探り下っていったが、途中の瀬が緩んだあたりで一つ来ただけで、瀬の中も瀬脇でも反応無し。荒瀬下の落ち込みでもしばらくやってみたがダメ。
 どうも良くないので、竿を担ぎ引き舟を提げて上流の瀬頭まで戻った。Sさんに聞くと二つほど掛かったようだ。サイズは小振り。
 岸の車を停めた所を見たら、先に来ていた人の車が居なくなっていた。
「先に来て分流でやっていた人の車が居なくなったよ。釣れていないんだろうな。釣れていたら帰らないよねー。」とSさんに言うと、「分流でやっていた時に上に行ったり下にいったりして釣っていたけど、二つ位掛けただけだと思うよ。その後もダメだったんだねー。」という返事だった。瀬がぜんぜんダメなのでダメモトで分流に行ってやってみることにした。
 昨日まで誰も竿を出していなかったわりに、魚の気配が無い。車を停めた辺りから瀬の終わる辺りまでを探ってようやく2匹掛かった。サイズはオトリと同じか少し大きい程度だった。
 サイズのわりに引きはたいしたことがなく、オトリにして出してやると元気がなくすぐに弱ってしまう。おかしな感じのアユだ。
 しばらくしてSさんが戻って来て、少し早いけど上がりましょうか?と言う。これ以上やっても釣れる感じがしないので3時前だったが、今日はこれで早上がりにした。
 「今日は雨に降られずに釣りが出来たんだから上出来だね。」「うん、そうだよね。明日からまた雨だって言うから、今日は来て良かったよ。」と話しながら帰り支度をした。
 帰りは県道10号線を下る事にした。久方ぶりに走ると、道路も街並みも綺麗に変わっていたのに驚いた。細くくねくねしていた道は広く走りやすくなり、身延の街はグレーと茶のモノトーン風の色彩の和風の家並みに変わっていた。ずっと以前の昔の様子とは様変わりだった。
 何故か身延辺りだけが薄曇だった。山梨県も静岡県に近づくと雲が低くなってきて今にも降り出しそうな空模様になってきた。静岡県に入ると小雨になり、東名あたりでは完全に雨になった。静岡県はずっと雨。神奈川に入って厚木あたりまで雨で横浜に近づくと雨は上がった。
 帰ってから、釣れたアユを良く見たら、ほとんどが胸鰭の付け根と肛門の周りが薄い赤紫色になっていた。掛かっても引きが弱かったり、オトリにしても泳ぎが良くなくてすぐに弱ったりしたのはこのせいかもしれないと思った。
 予想外れなら良いのだが、ひょっとすると・冷水病?かもしれない。
 これは念のため、ウェーダー、引き舟、タモ網など使った道具類を徹底的に乾燥消毒することにした。


6回目 6月28日(土) 狩野川・中流部

狩野川・遠藤橋を望む
 狩野川中流部・遠藤橋

 天気:曇り
 水温:16〜18℃ 水色:澄み
 

 遠藤橋を望む
 遠藤橋は支流の大見川合流点の上手にある。
 橋の上手の淵から瀬が流れ出し、下の写真の所まで長い瀬が続いている。川底は大きな石がごろごろしている。
 遠藤橋で釣りをするのは昭和以来です。


遠藤橋
 下手、支流大見川合流点方向を望む
 長い瀬が、最後は荒らせとなって大見川合流点上下の大きな淵に流れ落ちている。
 橋のすぐ下の急瀬とか瀬の最後の荒瀬などでは盛夏には良型が竿をしぼるのではないかという景観をみせている。
 が、今日はこの辺りは良型は出なかった。

 遠藤橋の下手左岸にはきれいな遊歩道が整備されていた。
川へは遊歩道から下りられる。


 前回河津川への帰りに橋の上から覗いたら、石がきれいになっていた。この様子なら沢山釣れる様になっているのではないかと皮算用していた。
 そろそろ狩野川も良さそうだから出かけようと思っていたが、仲間はみな所用があってこの日はダメのようだ。TKさんは行けるかもしれないと誘ってみたら、なんとか付き合ってくれることになった。
 早朝TKさん宅に寄り、狩野川へ向け出発。途中での話しは、今年は春先雨が多かったわりには遡上が良いという話や鮎の育ちが良いという話は聞かれないがどうしてだろう、というような事や、河津川の他はどうもチビが多いというようなものだった。
 狩野川へ着いたときは、もう6時を回っていた。通過する狩野川大橋から川を眺めた。
 「まだだーれも川に出ていないよ?。この時間に川に人がいないというのはどういうこと?」とTKさんが云う。たしかに。
 「この時間にだれもいない、というのは、ゼンゼン釣れていないということ?。今日来たのはまずかったかねー。」
長年狩野川に来ているが、6月も末のこの時期にとっくに6時を過ぎているというのに一人も川に出ていないのは普通ではない。大仁橋のあたりで川を見てもだれもいない。
 ともかく、もう少し上流へ行って川を見よう、と修善寺橋のところに車を停めて川を眺めた。見える範囲だれもいない。
TKさんは、ゆーっくり煙草を一服。少し川などを眺めているところに地元のご婦人が散歩で歩いてきた。
 「鮎釣りに来たんですが、最近のつりの様子はどんなものでしょうか?」とTKさんが訪ねた。ご婦人に釣りのことを聞いて判るかなー?と思った、が。
 「今年は形が小さくて数もあまり釣れていないようですよ。家の主人も鮎釣りをしますが、釣れないといって釣りに行っていません。」という返事が返ってきた。
 「小さくて、あまり釣れていないんですか。」
 「えー。そうのようですよ。」
 地元のご婦人は、ニ三言葉を交わした後、さも手の方へ散歩を続けていった。
 「旦那が釣りをするけど、釣れないから行っていない、というのはまずいねー。」
 「うん。弱ったね!」「とりあえず、上手の遠藤橋で眺めてみよう。」
 遠藤橋の上から川を覗くと、石はきれいになっている。袂のオトリ屋で様子を聞くと、下手左岸の桜の下で昨日30ほど釣ったから今日も釣れると思うから行ってごらん。」と云う。
狩野川入漁証 それじゃー、ということで、釣り支度をし、オトリを2匹船に入れて、左岸脇の遊歩道を下手に行った。少し歩いた所に桜の木が遊歩道脇に立っていた。下はトロ場で大きな石が沈んでいて、きれいに食まれているようだ。
 先行者が一人いて、その少し下のチャラに竿を出していた。
 TKさんは、オトリ屋お勧めの桜の下の少し下で始めた。自分は先行者の下手まで行って荒瀬の始まる少し上のチャラ瀬をやってみることにした。
 始めて間もなく2匹来たが、その後全く音沙汰なし。コツともピクともしない。これではオトリが弱るだけだ。TKさんの所へ戻って、早くも休憩。TKさんもチビが1匹だけだという。
 お昼の弁当を食べ、所在なくしばらくぼけーっとする。
 遊歩道に上がって、上から川を覗くと、驚いた。桜の木の下の黒くなっている石に鮎が群れで垢を食んでいる。それほど大きいわけではないが、オトリ位はありそうだ。
TYさんに、それを云うと、彼も承知していて、「その辺りに入れてやってもまるでかからないんだよね。」「追い気のあるのはオトリ屋のオヤジがみんな釣ってしまったんじゃないかなー?」と云う。
 午後から上手の橋の下あたりにでも移動しようか?などと話し合ったが、あの群れ鮎が追い気を出して掛かり出すかも?という気がしたりして、結局午後もこの辺りで釣ることになってしまった。
 トロ場から瀬になるあたりで一番元気そうなオトリを付けて膝から腿位の深さの流れに送り出してやった。大きな石の間を抜けて次の石の脇をすり抜けようとした時、大きな尾鰭がその石の影から出てきたのが見えた。瞬間的にニゴイか?と思ったその刹那、強い力でグンとオトリが引きずられた。3mほど沖へ動いた後底にへばりついてびくともしない。「うわー、ニゴイか何か大きなのが掛かって動かないよー。」とわめいているとTKさんが下手にきてくれて、タモですくうからこちらね寄せろと言った。
竿をこちら側に寝かせると急に上手へ強い力で上って行く。この引きは、終盤の大物狙いの仕掛けと竿なら何とかなりそうな感触だったが、この時期の竿と仕掛けでは無理そうな気がした。竿を矯めてこらえていると今度は反転して下に走った。
 昔盛夏に、腕首ほどの太さのアユを掛けた時の感触がフッと蘇った。
腰を落とし竿を矯め、なんとかTKさんのいるところへ寄せようと頑張った。あと少しで届きそうになったところでバンと竿が弾け糸が空に舞った。
 「良くは見えなかったけど、大きかったねー。もしかしたらサクラマスだったかもしれないよ。」
 「うん。尾鰭をチラッと見ただけで、何か判らなかったなったけど、強い引きだったなー。やっぱり切れちゃったね。」
 その後は鳴かず飛ばず。
 見た目はすばらしいが、腕が悪いのか、鮎の根性が無いのかマルデダメの1日になってしまった。
 こういう時の場所の選定と、釣り方はどうすれば良いのか、どなたかWeb上で解説してくれませんかねー。