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17回目 10月3日(金)
晴れ&曇り
狩野川・中流部
釣果:12
18回目 10月12日(日)
曇り一時晴れ
狩野川・上流部
釣果:11
19回目 10月17日(金)
晴れ
狩野川・上流部
釣果:11
20回目 11月5日(水)
晴れ
狩野川・中流部
釣果:6

17回目 10月3日(金) 狩野川・中流部

狩野川、大仁橋上流
 狩野川・松下瀬上手

 天気:晴れたり曇ったり
 水温:16~19℃ 水色:澄み
 釣果:12  Max.20cm Min.14c
m

 下流、大仁橋を望む
 松下瀬がはじまる辺りから葦がびっしり生えた中州が数個できています。中州の右岸側は早瀬~荒瀬で大仁橋上の淵に落ち込んでいます。左岸側はチャラ~早瀬~荒瀬になっています。
 流れの全体に食み跡が付いていました。
 平日というのに大勢の釣り人で賑わっていました。



狩野川、松下瀬2
 上流、ショッコ方面を望む
 左手の緑は中州に密生した葦。左岸側上手は写真のようなチャラ瀬になっている。が、右岸側本流の瀬に行くときの渡渉場所で始終釣り人が行き来するので、のんびり泳がせで釣るという雰囲気にはなりにくい。
 左岸側も、この少し下から早瀬~荒瀬になって橋上のトロに続きます。



 今年の秋は台風の上陸はまだ無いが、台風16号が太平洋上を日本列島に沿って東に向かうコースで今週通過した。秋雨前線との相互作用で九州は大雨が降った。東海、関東はそれほどひどい雨にはならなかった。週間天気予報で(金)は晴れとなっていたので、酒匂川に行かないかと釣り友に誘いのメールを出した。KYさんSOさんが同行してくれると連絡が入った。
 雨が上がり、川の水も落ち着いたと思い、狩野川漁協のHPを見たら鮎漁は10月14日までと出ていた。ところが、上流部~中流部の報徳橋までは10月1日からコロガシ漁が解禁されると出ていた。14日までは全域が友釣だけと勘違いしていた。コロガシが始ると友釣はほとんどダメだ。報徳橋から下流はコロガシは禁漁だが、石が小さく平らな川相であまり好みではない。というわけで、行き先を急遽狩野川へ変更した。
 夜明け前にSOさんKYさんをピックアップし、R1~箱根を越えの通い慣れたルートで狩野川へ向かった。今時分は5時半を過ぎて明るくなる。夜が明けて、しばらくしてから狩野川大橋に差しかかった。川を眺めたが、まだ釣り人は出ていない。
 「まだだれも出てきていないね。以前は夜明けと共に竿が並んだものだけど、どうしたのかな?」
 「そうだよね。夜明け前に川に着かなければ、いい場所には入れなかったよね。」
 「そうだったね。なんかここ2年ほどは、自分が友釣を教わった三十数年前に戻ったような気がするなー。昔は、朝飯を食べて、7時頃になってから釣り人が川に出てきたもんだよ。」
 「川に出るのが早くなってきたのは平成になってからのような気がするけど?」
 などと話しながら、川を見ながら大仁橋の脇を通った。ここでもまだ釣り人は見えなかった。それで、この辺に入ることにして、少し上手のコンビニで弁当・飲み物を買いショッコの堤防へ出て、そこで入漁証とオトリを買った。
 ショッコよりは松下のほうが良いようだ。人が川に出だしたようなので、我々も着替えをして写真の場所まで下った。
 中州まで行き、弁当の入ったクーラーボックスを置き、釣りの準備をした。以前に来た時とは少し流れの様子が変わったようなきがした。
中州へ渡ってくる途中の石には、しっかり食み跡が付いていた。食み跡は見えたが、雲に日が隠れているせいか、アユの姿は見えない。
 まずは、右岸側本流の脇をやってみることにした。
 オトリを石裏の弛みと波立ちの間あたりに入れてやると、程なくしてオトリサイズがきた。野アユに代えて同じような所に出してやると、いくらもしないうちに一回り大きいのが掛かった。なかなか良い引きで面白い。
 オトリを代えて、瀬の緩いあたりへ出してやった。そのあたりをうろうろさせていると、ガガッという響きが手元に伝わってきた。
よし、三匹目だ!と思って、竿を立てためて間も無くだ。竿がフッと軽くなった。水中糸の目印が水面を下手に引っ張られて行くのが見えた。
え!新しい仕掛けなのに高切れか?竿先を見たが何も付いていない。老眼で見えないわけではなく、天井糸から全部が無くなっていた。
乳輪で不精付けにしていた所が弛んで外れてしまったようだ。
 仕掛けごと下手の石か何かに引っかかっていないかと思い、しばらく下手まで見て歩いたが、どこにも見当たらなかった。
 この後、午前中は悪循環にどっぷり入り込み、まったく掛からなかった。
こういう時もあるさ、と口の中で呟く。こんな時は早めの昼飯と気分転換をするに限る。
 SOさんが戻ってきて、オトリを付けたまま置き竿にして昼飯のおにぎりを頬張っていると、竿先がクイクイする。オトリサイズが掛かっていた。「何もしないのがいいのかもしれないね。」と言い、オトリを代えて出してじっとしていると少しして次が掛かった。その後も、同じ場所で何匹か掛けた。
 少し追い気が出てきたのかもしれない。よし、午後の部を気分を入れ替えてやってみよう。
中州の葦を掻き分け、右岸側の本流側へ行ってみた。中州のあたりの筋に立っている人と、本流の真ん中あたりに立ち込んでいる人とで動くのがむずかしい感じがするほど釣り人が多い。
 とりあえず空いている所で、竿を出してみた。オトリより少し小さい感じのが2匹きた。本流の真ん中あたりに立ち込んでいる人が良型を上げているのが見えた。しかし、あの筋に立ち込んで行くのは自信が無い。本流筋は、流れのきつい所以外は、良さそうな所は空きが無い。
 左岸側のチャラの上手の方へ移動してみた。
 SOさんの例のようにチャラでは何もしないのが良いのかもしれないと思い、オトリを行ってこいのほったらかしにしておいたが、全く反応無しだ。仕方が無いので、波立ちの筋を引き上げてやるとなんとか掛かった。
 その後も、始めはほったらかし、後で引き上げというやり方でなんとオトリ継ぎが出来る程度に楽しめた。
 掛かったアユは、チビも塩焼きサイズも皆卵や白子が入っていた。
 まだサビは出ていない。根拠がある訳ではないが、これ以上は大きくならないような気がした。
 10月中は友釣をやるつもりだ。
 来月からはアユの仔と同じように海へ行ってみようかと思う。


18回目 10月12日(日) 狩野川・上流部

 当日は興津川へ行ったのですが、アオノロがひどく狩野川へ転進しました。
 カメラを忘れてしまい、写真はありません。
狩野川・入漁証
 田沢橋、上下

 天気:曇り一時晴れ
 水温:16~18℃ 水色:澄み
 釣果:11  Max.21cm Min.16c
m

 MTさんTKさんが興津へ行くと言うので、同乗させてもらうことにした。
夜明け前に迎に来てくれた。いつものことだが、友釣は道具が多い。三人分の道具とクーラーボックスでトランクは一杯になってしまう。道具を積み込み、興津川へ向け出発。
 天気予報では、気温はあまり上がらないが晴天ということだったので、日が射してくれば暑いくらいになるだろうと思い出かけた。明るくなってきた空を見上げると、ほとんど雲に覆われていて、わずかに青空が見える程度だ。
 途中のコンビニで買い物をしに車を降りると、肌寒いほどにひんやりとしていて空は予報とは逆で曇り空だ。
 立花橋あたりから下流はコロガシが解禁になったというので、中・上流部へ行ってみようということで意見は一致。
TKさんの第一希望は大網橋近辺というので、但沼あたりから川を見ながら良さそうな所があったらそこでやろうと話しながら上流へ向かった。
 漁協のあたりまで川を見ながら上がっていったが、いつもにくらべ川に釣り人が少ない。漁協上手の逢瀬橋を渡るときに川を覗くと、なにかアオノロが多いような感じがした。
 「チャラ瀬がいいようなことが出ていたので、清地吊橋で見てみよう。」とTKさん。吊橋の際まで行くと、先客の車が2台止まっていて、思案顔で川を眺めている。
MTさんと吊橋の上へ行き、川を眺めると、川の石全面がアオノロに覆われている感じだ。
「ここはアオノロがびっしりで、とてもやれそうにないよ。」車を止めて出てきたTKさんに言った。
先に来て川を眺めていた静岡ナンバーのランクルの4人連れの人たちが「ずっと上から見てきたが、どこもアオノロで一杯でやれそうにないよ。我々は、これから富士川へ行く。」と教えてくれた。
 ひとわたり見て歩いたが、アオノロの状況は、浅場のごく一部を除けば、どこもべったり付いているように見えた。
 「これでは、どこもダメだね。」
 「さっきの人たちは富士川へ行くと言っていたね。」
 「興津でやるつもりだったから富士川用の仕掛けは持ってきてないよ。」
 「それじゃー狩野川にでもしますか?」
 「そうだね。天気も曇りで、涼しいから、昼からでも竿を出すくらいのつもりで、狩野川へ行こう。」
 ということで、狩野川へ転進し、狩野川大橋まで来て川を眺めると、まあ釣り人の多いこと。解禁前後のような人出だ。釣り人で一杯の状況が修善寺橋まで続いていた。下流ほど人が多い感じだ。
 宮田橋あたりから上流は少し釣り人が少なくなって来た。矢熊橋ではたった二人しか見えなかった。田沢橋でも数人だ。嵯峨沢橋上下は釣り人は少し多かった。
 川の状況は、アオノロも無く、まあまあ石もきれいにになっている所が多く見られて、この涼しさが無くて日が射せば釣れる感じがした。
石がきれいでアユもみえたが、人が少なかった田沢橋に入ることにした。
 田沢橋際左岸のオトリ屋で入漁証とオトリを買った。間も無く昼になるので、興津で買った弁当を食べてから釣りを始めることにした。
出してもらった熱いお茶がありがたかった。昼頃は、一時竿を出すのを躊躇するほど強い風が吹いた。風も冷たい。
 MTさんは橋の下手に入ると橋を右岸へ渡り川原へ出た。トロの終わりあたりで竿を伸ばすのが見えた。
橋の上手にはリハビリセンターの前あたりまでに3人竿を出していた。橋の上手の中洲から上手に歩いて行った。リハビリセンター前のトロ場は、リハビリセンター側の井桁のコンクリートブロックあたりまでベージュ色の砂が積もっていて大きな石が所々に砂から頭を出しているという感じになっていた。これでは流れの真中あたりまで立ち込んで井桁ブロックの上あたりを狙うしかないようだ。
 上手の瀬~瀬落ちをやってみることにした。石もきれいになっているように見えた。もう10月も半ばだから、盛夏のように瀬のど真ん中の波立ちというのは無理だろうと思い、瀬の中の弛みにオトリを入れてみた。はじめの場所は反応なし。次の場所では追われたようだが掛からず。次の石の脇をオトリが通った瞬間にギュギュンと当り流れに乗って走る。強い引きでなかなか浮いてこない。流れのこちら側へ寄せて抜いたのは20cm位のきれいなアユだった。
 それをオトリにして出してやると、流芯の向こう側へ行って、次のを掛けてくれた。が、引きが強く流れのこちらに来てくれない。すこしタメてから強引に流れの向こうから抜いたらライナーで飛んできた。タモを出して受けたつもりが、掛かりアユは網枠の外でオトリだけ枠の中に入った。結果は、野アユは身切れで川原の石の間に飛んでいった。タモの中のオトリを出して川に浸け、慌てて石の間に飛んだ野アユを拾いに行くというみっともないことになった。野アユは石の間で砂まみれで跳ねていた。
いつまでたっても、抜いて受けるのが上手にならない。砂まみれのをオトリにすぐ使うのも可哀そうな気がして、砂を流して引き舟に入れた。
 2時頃からは風も止んで、時折日が射すこともあった。日が陰ると肌寒い感じがした。
その後も同じような場所でポツポツ掛かった。今日はずっと瀬釣りをやった。瀬での釣りは引きが強いので、バレないかとか糸が切れないかとか、スリルを感じることもあり面白い。
 さて、今年はあと何回友釣に来れるかと思いながら竿を仕舞った。


19回目 10月17日(金) 狩野川・上流部

狩野川・ミヤガ瀬
 狩野川・ミヤガ瀬

 天気:晴れ
 水温:16~17℃ 水色:澄み
 釣果:11  Max.22cm Min.16c
m

  ミヤガ瀬下流部の荒瀬
  ここは田沢橋と矢熊橋との間にあり、荒瀬~トロ~荒瀬となり宮ノ下淵に落ち込んでいる。
 左岸側は木の枝が張り出しており、仕掛けを木の枝に絡まるので右岸から竿を出した方が良い。
  荒瀬の上はチャラ、トロ場で左岸の川原にオトリ屋が作った休憩所がある。



狩野川・ミヤガ瀬下
 下流の宮ノ下淵を望む
 荒瀬のすぐ下で、大物がいそうな深みになり、そこから波立って宮ノ下淵へ落ち込む。
ここも左岸側は木の枝が張り出していて、右岸から竿を出す場合でも9m竿では仕掛けが木の枝に絡む。



 いつもの事だが、もうこの辺で鮎釣りは終わりにしようかと悩む時期になってきた。
秋が深まるにつれ、鮎の腹には卵や白子が大きくなり、あの銀色に輝いていた魚体も鉛色にくすんで落ち鮎の季節が近いことを覚える。
サビの出かかった鮎を持って帰ると、カミさんに「可哀そうだからもう止めろ」と言われるのも、この季節だ。
狩野川・入漁証 とかなんとか言いながら、釣友を誘って川へ出かけてしまうのも例年のことだ。前回と同じ三人でまた狩野川へ出かけた。この時期になると釣り人も減ってきて夜明けに川に出なくても釣り場は残っているだろう、ということで日が昇ってから川へ着くように家を出た。
 予定通り、日が昇って少し経ってから狩野川大橋を通過した。川沿いに上流へ向かいながら、川を眺めると予想以上に釣り人が多かった。大人橋でも修善寺橋でも釣り人が多く、宮田橋あたりまではいつもと変わらない人出のようだった。大きな鮎が下流へ下ったと見たせいか、釣り人が下流部に集まっている感じだ。
 前回の田沢橋では寒かったせいか釣り人は少なかった。
 「多少釣果が少なくてものんびり釣が出来る方が良いね」ということで、上流へ向かった。矢熊橋で覗くと、釣り人は一人だけ。矢熊橋と前回の田沢橋の間のミヤガ瀬では、同行の二人はまだ釣ったことが無いというので、川を眺めに行った。R414から脇道に入るとすぐオトリ屋がある。脇道を入って川の様子を見に川原へ出た。
 釣り人はまだ一人も見えない。川原からは瀬~トロ~荒瀬が見える。二人もこの場所は気に入ったようだ。
オトリ屋へ戻り、入漁証とオトリを買った。オトリは川辺に埋めてあるドラム缶を加工した生簀に飼ってあった。
蓋の鍵を外し、適当にすくって使ってくれと言ってオトリ屋の主人は帰って行った。
 車に戻り、着替えをして川原へ戻った。対岸右岸に杉の林があって、朝はトロ場が日陰になっている。あと一時間ほどしないと川面に日が射さないようなので、川原の休憩所にクーラーボックスなどを置き、ゆっくり朝食のパンと牛乳を摂った。
 同行のMTさんTKさんはトロ~荒瀬前の瀬頭あたりをやるというので、自分は上手の淵尻あたりでやってみることにした。
 瀬の上の淵尻の石はみなきれいになっているが、縄張りをもっている鮎が石に付いている感じはしない。が、石はきれいだし、鮎も見えるのでオトリを出してやったのだが、30分経っても40分経っても全く掛からない。
 淵下の短い荒瀬の下の深トロを狙ってみたが、ここも反応なし。少し下手に来て、トロ場をやっていた釣り人がオトリと同じくらいのを掛けるのが見えた。こちらも釣れるようになると思い、しばらくやってみたが、まるで反応なしだ。ここはあきらめ。
 瀬頭のTKさんの所に行き様子を聞いたら、オトリサイズを数匹掛けたと言う。MTさんは対岸右岸の瀬頭で竿を出していた。移動しないところをみると釣れているようだ。
 一休みしたところで、右岸へ渡り、荒瀬~瀬尻をやってみることにした。荒瀬の大石のタルミで二つきた。流れの中ではこなかった。瀬尻に移り、深みになった所にオトリをしばらく泳がせていると強い当りがあった。引きも強い。対岸から木の枝が張り出していて、竿を立てられないので、竿を寝かしたま掛かり鮎を寄せてタモにすくい込んだ。今日一番の良形メスの22cmだった。
 瀬落ちから次の瀬~淵を狙い良形をあと数匹なんてことを考え、オトリを出してやった。オトリの泳ぎに合わせて竿を不注意にも立てて、対岸の枝に糸を絡めてしまった。竿を引いたり押したりして絡んだ糸を外そうとした。だが、引くとオトリが水面から顔を出すし、押すと糸がススッとずれて、オトリはまた水中へ戻るという感じで、あれこれすればするほど糸の絡みがひどくなってしまった。
 万事休す。竿を放すと、天井糸で枝にぶら下がった状態で竿尻は大石の上で止まっている。竿はそのままにして、流れに腰位まで立ち込んで水中糸を取り絡んだ枝から切り放した。オトリとハナカン仕掛けは回収したが、もうこの場所はダメだろう。竿の所にもどり、竿をまっすぐに手元に引き、天井糸を無理やり切った。
 張り出した枝には、自分の天井糸の他にも二つほど絡まった糸が見えた。他の誰かも、うっかり枝に糸を絡めたようだった。
 午前中はこれで終了。川原の休憩所に戻り弁当を摂った。つい最近までは日陰での休憩が気持ち良かったのだが、今は陽だまりのなかでの休憩がうっとりするほど気持ちが良い。のーんびり休憩。
 午後は瀬頭の少し上のトロで、オトリ放任の行って来い式でやった。というのも、腕が悪くて、見えている鮎の所にオトリを入れてやってもまるで釣れないからだった。見えている鮎を掛ける方法を、どなたか分かり易く解説してくれませんかねー。
 午後はまるで気合が入らず、半分は岸に座って竿を立てているだけだった。上手になる人は、こんな時には、野鮎の動きやオトリの動きを観察してうまく掛ける方法を見つけ出すのでしょうが、ただ釣り好きというだけの凡人にはそれが見つからず分からないのです。
 行って来い式でも幾つかは掛かり、なんとかツ抜けは出来た。だが、どうも不完全燃焼でもう一度くらいは鮎釣りに行きたいと思ったものだ。


20回目 11月5日(水) 狩野川・中流部

狩野川、修善寺橋を望む
 狩野川・修善寺橋下流

 天気:晴れ
 水温:13~16℃ 水色:澄み
 釣果:6  Max.20cm Min.16c
m

 修善寺橋を望む
 橋から下を覗くと沢山の群れ鮎が見えました。ほとんどがオトリよりは大きいように見えました。こんなに多くのアユがどこにいたんですかねー。



狩野川・白岩前方面を望む
 下流・白岩前方向を望む
 右岸側の大岩の脇と下は淵になっていて、トロ場の下は瀬が続いている。
右岸土手の桜の葉が赤く色付き始めていた。
 この辺りで、釣り人は4,5人見えた。
 11月始めの三連休には大勢の釣り人が竿を出していたそうだ。




 3日は北海道全域と青森県で平地で初雪が降ったと放映されていた。赤いナナカマドの実と紅葉に白い雪が積もっていた。北国では冬が始った。
 神奈川県は10月15日から鮎漁は禁漁となっているが、静岡県は年内一杯鮎漁ができる。とはいっても、11月中旬以降はオトリアユが確保できることと、寒さも気にしない体力と根性とが必要だ。
 天気予報では4日は風が強いらしい。5日は風もおさまり暖かくなるという。5日に狩野川へ行きませんかと誘ったが、風邪を引いたとか所用があるとかで誰も行く人がいない。この後何時暖かい日があるか分からないので、出かけることにした。
 平日だし、朝夕は冷えるので日が昇ってからでなければオトリを追うようにはならないだろうと思い、8時頃に川に着くようにと夜明け頃に家を出た。小田原へ向かう途中の空は全面雲が懸かっていて、「晴れ」という天気予報は外れ?と心配しながら走った。小田原を過ぎ、箱根峠に近づく頃に雲の切れ間から空が見え始めた。峠の向うは晴れているにちがいないと思うことにした。
 箱根峠を三島に下る途中で、富士山は雲の中で全く見えなかったが、狩野川方面は雲が切れていて青空がのぞいていた。予報どおりに良い天気になりそうだ。
 8時を過ぎた頃に狩野川へ着いた。大仁橋の上手の松下瀬には何人も竿を出しているのが見えた。ここは混みそうな気がしたので修善寺橋まで行った。
 修善寺橋下左岸に駐車し、とりあえず橋の上から川を眺めてみることにした。修善寺橋の下流側が歩道になっている。橋の中ほどから下を覗くと、瀬に絞り込まれる鏡の部分に本当に沢山のアユが群れているのが見えた。ときどき垢を食んだり、互いにじゃれ合うのが見えた。
 しばらく眺めていると、上手から二百匹とか三百匹とかいるような大きなアユの群れが巴形になったり一斉に上流を向いた楕円形になったりして下ってくる様子が見てとれた。何分もしない中にまた次の群れが来る。これはすごい。
 じっと見ていると、その大きな群れは瀬の上鏡の部分に留まるのではなく、何分もしないうちに一部が瀬の絞込みに吸い込まれるように下ると他のアユ達もそれに続くように瀬に吸い込まれていくように下っていった。
ほとんどのユアは頭を下流に向けるのではなく上流側を向いたまま流れに乗って下って行った。下流へ向かって泳ぐというのではなく、流れに乗って下流へ落ちていくという感じがした。何組もの大きな群れが下って行った。時には数え切れないほどの大群が見えた。どこにこれほどのアユがいたのかと思うほどの群れだ。
 これなら下手のチャラやトロに溜まるにちがいない。これほどのアユだから交通事故的にでもかなり掛かるのではないかと思った。
陽射しも暖かく感じ出したので、左岸橋下手のオトリ屋(安田屋)へ向かった。
 部屋に十年ほど前の尺鮎の額が飾ってあった。オトリ屋のお上さんが、昔簗があった頃には、あれよりもっと大きな鮎が沢山取れたものだと話してくれた。簗があった頃とは何年前のことだろう。少なくとも三十年以上は前だろうか?
 オトリを川に浸けて、着替えをしていると熟年男性が駐車できるのはここだけか?と尋ねてきた。この近くではここだけですね、と答えた。彼は昨日から来ているそうで、昨日は周りの人も含め皆ボウズだったと言った。また今朝は8℃まで気温が下がったとも言った。
自分はこの辺りでやる予定だが、あなたもこの辺でやるのか?と聞くと、どうしようか考えているといいながら下手へ歩いていった。
 川原へ出て、水辺で水温計を浸けてみた。目盛がどんどん下がる。約13℃だった。
群馬水試の報告では、たしか11℃以下では追いが止まると出ていたように記憶している。2℃上の13℃ではどれほど追い気がでるのか、ちょっと心配だ。ここまで来てしまったのだから、心配しても始まらない。
 上手と下手とに一人ずつ竿を出しているのが見えた。朝食のパンをかじりながら、周りの様子を見て歩くことにした。
 
 川岸を歩いていると、写真のような道具が仕掛けてあった。

 流れに向かって土手のように石を並べ、上流から下ってくる獲物を下に仕掛けたモジリ{筌(せん)、笯(ど)ともよばれる川漁の道具}に導いて捕らえる。

ここでは左の写真のような竹で編んだモジリが使われていた。
 昼近くにモジリの様子を見に来た人に尋ねてみると、モクズガニ(伊豆ではズガニ、東京・千葉ではモクゾウガニ)用に仕掛けてあるそうだ。
「昔は沢山捕れたんだが、最近はあまり捕れない。今日は3箇所に1匹も入っていない。」と嘆いていた。伊豆ではズガニ料理が名物の一つになっているが、そんなに捕れないのでは名物料理も味わえないようになるかもしれない。

 この近くは、どこも石垢は食まれてきれいになっている。橋の上から見たように、鮎は沢山いるという証拠だ。水面に日が射しても垢を食んでキラキラ光るのは見えない。朝夕に群れで食んで石がきれいになっているだけかもしれない。
 ごたくを並べていても仕方が無い。この写真の下手の瀬頭あたりで始める事にした。
 オトリは2匹ともメスだ。瀬頭の少し上でオトリを出してやると、スルスルと流芯へ向かって泳ぎだした。流芯を横切りさらに先へ行き少し上手へ上りかけた時、目印がスイッと下へ流れた。きた。竿にグイッと大物らしき重みが伝わる。ググッと引く。竿をためて堪えていたが、たまらず数歩下に下がったとき、突然糸が切れた。天井糸だけが竿先に残っていた。溜め息がでた。
 仕掛けを張り直し、2匹目のオトリを付けて先ほどよりは少し下手に出してやった。しばらく当り無し。あちこち探ってようやくオトリとおなじ位のが掛かった。真夏のような輝きは無いが、サビは出ていない。
鮎の姿は見えるのだが、次もなかなか掛からなかった。思い出した頃にポツッと掛かる。ぎりぎりでオトリが継げる状況だ。
 竿架けに竿を立て、オトリはフリーほったらかしにして一休み。上手の淵やトロを透かして見ると、沢山鮎が見える。が縄張り鮎らしいのは見当たらない。一ヶ所に留まらず、垢を食んでいても数匹で交互に食んでいる感じだった。
 追い気が無い感じなので、少し早いが昼の弁当にした。川岸に腰掛て弁当を摂りながら対岸の上手をみると、大岩の際とその下の深みでドブ釣りをやっている人がいた。対岸右岸側から日が射しているので、川の中の鮎が良く見えるのだろう。見釣りをしているような感じで毛鉤を上下させている。昼近く、日が高いせいか毛鉤に口を使わないようだ。しばらく見ていたが、毛鉤も交換してやっていたようだが、釣れない。
 気温、水温が急に下がってきて、鮎が落ちのモードに入りだしたのか?友釣りもドブ釣りも、なかなか釣れない。
朝方上手でやってくると言っていた人が戻ってきたので、様子を聞いたら、3匹だそうだ。この辺りによく来ている人でもこの程度の釣果のようだ。午後は下手でやると言い、下流へ下がって行った。
 ドブ釣りを眺めたり、ズガニのモジリ漁の様子を聞いたり、他の釣り人と立ち話をしたりで長い昼休みになった。
 午後は少しは追い気が出るのではないかと、気を入れ直してやってみたが、午前中と同じように思い出した頃に掛かる程度だった。掛かったオスをオトリに使ったら、次のが掛かる頃には黒くサビが出てきてしまった。オスはこの1匹だけだった。
夕方遅くまでやっても数は釣れないだろうと思い、3時前に切上げることにした。
 橋の上から見たように、これからも鮎の大きな群れが落ちていくのが続くだろう。ひょっとしたら、その群れがどこかに留まって入れ掛り、なんて事が無いとも限らないが、今年はこれで納竿にしよう。
 今年の鮎釣りもこれで終わりかと思うと、気が抜けて釣行日記を書くのも遅れてしまった。

 狩野川や興津川では12月頃まで竿を出している人が見うけられます。
 世の中、どこにも、好きなことは徹底してやる人がいるものですね。

 拙い文ではありますが、今年もご愛読いだだきありがとうございました。
 釣行日記はこれで来年の初夏までお休みさせていただきます。