2004年6月15日
2005年日本国際博覧会協会
環境影響評価アドバイザー会議 御中
環境影響評価アドバイザー会議委員 各位

                   要 望 書

                               海上の森を守る会

 2005年日本国際博覧会における環境影響評価は、その先進性及び民主的な手続の充実をもって世界に誇ることのできるものを目指すとされています。下記の項目につきましては、措置が無いか又は不十分であると考えますので、早急にご検討いただき、措置を講じてくださいますよう要望申し上げます。

1.本アドバイザー会議の公開について
 別室テレビモニターによる傍聴ではなく、同一会場での傍聴を認めるよう要望いたします。市民を排除することは、市民を信頼していないという姿勢と受け取らざるを得ません。

2.万博ゴンドラルートエリア内に絶滅危惧種であるカザグルマを確認している当会では、昨年5月よりカザグルマの保護について博覧会協会及び愛知県、関係各機関に保全について要請してまいりました。昨年の博覧会協会の回答では、「専門家の指導を受け貴重な動植物に対する配慮をしながら業務を進める」「カザグルマ群生に対し慎重に対応」というものでした。しかし、現地では、今年2月から、昨年確認されたカザグルマ生育地で鉄クイが打ち込まれ、仕切りロープが張られ、途中で放置されたままにされるなどの乱暴な工事が行われており、マーキング等一切行われず、カザグルマ生育地を踏み荒らすといった環境への配慮が全く欠落した工事作業によりカザグルマの生育に大きな影響が出ています。当会が、本年5月14日付けでカザグルマ保護を求めた要請書に対し、博覧会協会は、「ゴンドラ通過エリア内にカザグルマを確認」「作業員が誤って損傷することのないようマーキングし注意を喚起する」との回答でした。これは、これまでの調査漏れを認めたものであり、保全対策のないまま作業が行われてきたことになります。昨年9月に公表された「環境影響評価追跡調査報告書(その2)」では、『作業の際には、直接改変域だけでなく隣接地の生育環境を防ぐため作業者が生育地に立ち入らないよう柵を設けるなどの保全策を講ずること』(p128)としています。しかし現地では、隣接地一帯に立ち入り出来ないようにする柵などは全く設置されておらず、カザグルマへの保全策は行われていません。環境影響評価書に示されたような環境負荷回避・低減への取り組みが行われるべきです。そこで、次の二点について要望いたします。
@カザグルマ生育地の調査漏れを認めた以上、現地の再調査を直ちに行い、カザグルマ保護策を検討、公表すること。
Aゴンドラルートエリア内にあり、ゴンドラ停止等の場合には、生育地に踏み込み救助作業が行われ、カザグルマ生育地は破壊されます。カザグルマ生育地への影響を回避するために、ゴンドラ工事の変更及び中止も含めた検討をすること。

3.ムササビについて
 万博会場内に生息することが確認されたムササビについて実施されている生息調査結果と工事がムササビに及ぼす影響についての検討結果を公表することを求めます。

 以上の要望につきまして、回答を求めます。
          <連絡先> 海上の森を守る会 代表 加藤徳太郎
                瀬戸市緑町1-17 TEL/FAX 0561-83-4353 

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