本のご紹介

たつきのことがきっかけで読んだ本の中から、とても印象に残ったお薦めの本をいくつか
ご紹介します。
元気をもらった読み物医療・障害児関連子ども向けの読み物に分けてあります。
(現在手元に無い本もありますので、値段等について不十分なものもあります。ご了承ください)

元気をもらった読み物
生きがいの創造 ”生まれ変わりの科学”が人生を変える 
                飯田史彦  PHP研究所(PHP文庫あり)   

子どもを亡くした後、「体が亡くなってしまっても、魂というのはあるのだろうか?
もしあるなら、どうなるのだろう?」と、とめどなく考えるようになりました。
以前TV番組の「知ってるつもり」で、エドガー・ケイシーという人を取り上げ、その時、
ケイシーが敬虔なクリスチャンであるにもかかわらず、リーディングの時に「魂は輪廻転生する」
と語ったことを思い出し、”生まれ変わり”のことを知りたいと思いました。
この本は、多くのHPで紹介されていたので、すがるような思いで読みました。
宗教からではなく、科学的な情報から死後の生命について切り込んだ本です。
著者の飯田史彦先生は、福島大学経済学部経営学科の助教授です。
読んで、”きっと、たつきとまた会える!”と思えるようになりました。
深い悲しみ、失意のどん底でもがいている方、
”生きがい”について考えてみたい方にお薦めです。
 なお、「生きがいの創造」は、今から見ると考察が甘すぎて反省点が多く、
  情報も古いので、なるべく近年のもの(内容改定済みの文庫本)から読んで欲しい
  との著者のご意見が、「人生の価値」という本に書かれていました。 
 生きがいの本質   飯田史彦   PHP研究所(PHP文庫あり)
    
「生まれるということ」「死ぬということ」「病気や障害を持つということ」
「それでもいきぬいていくこと」等の項目について、わかりやすくまとめられた本。
飯田史彦先生には、ご専門の経営学以外に数多くの著書があり、
書店や図書館でたくさん見つけることが出来ます。
「人生の価値」(PHP研究所)も読んだことがあります。こちらもお薦めです。
  
生まれてきて、よかったね 〜Dr.啓子の愛と笑いのクリニック〜     
            精神科医 越智啓子   サンマーク出版 1.600円+税 

越智啓子先生は、飯田先生の著書でもご紹介されている精神科医であり、現在沖縄で
クリニックをなさっている方です。
福島先生の本のように、「生まれ変わり」のお話や、アロマテラピー、ハンドヒーリング、
クリスタルヒーリング、笑い療法など、ユニークな診療についても書かれています。
パッチアダムスとの交流についての記述も。
題名「生まれてきて、よかったね」は、読者に向けられた言葉で、とても癒される本です。
他に、処女作である「生命(いのち)の子守歌」 (PHP研究所)もお薦めです。

人生は廻る輪のように    エリザベス・キューブラー・ロス         
                                  角川書店 1.800円(税別)

世界的ベストセラー「死ぬ瞬間」の著者である精神科医の自伝です。
少女時代の思い出や、父親の大反対を押し切り医師となった話などから語られています。
「なりたかった」小児科医には二度の流産がわざわいしてなれず、
「一番なりたくなかった」精神科医となった経緯。末期医療と死の科学への取り組み、
結婚や離婚、対外離脱体験、チャネリング、等など・・・。
一つ一つのお話が、深く考えさせられるものばかりで、読むのに時間がかかりました。
「第一章 偶然はない」 から始まるのですが、読み終わると、本当に「偶然はない」と思え、
どんな困難なことでも立ち向かわなくちゃと、元気がモリモリ出ました。

大河の一滴       五木寛之    幻冬舎文庫  476円+税  

どうしても前向きになれない、深い悲しみ・・・というのはあります。
「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」
「痛みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、
究極のマイナス思考から出発したのだ」と、著者は語りかけます。
読みやすい語り口で、いろいろなお話が紹介されていて、とても興味深い本です。
ご紹介したい内容はたくさんあるのですが、ありすぎて書けません・・・・。残念!

銀河鉄道の夜   宮沢賢治   出版多数                   
  
高校生の頃、一度読んだことがあったのですが、出てくる言葉の意味が難しく、
あまり理解できなかったままになっていました。たまたま、この前読み直してみて、
メチャメチャ感動してしまいました。
私の感想と、私なりのご紹介を詳しくお知りになりたい方は
再び「銀河鉄道の夜」を読んで
をクリックしてください。
「死別の悲しみ」「ほんとうのさいわいとは何か」 等など・・・
深く考えさせられる<未完成>の名作。
 
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読   鎌田東二 岩波現代文庫 1.000円+税  

「銀河鉄道の夜」は、初期形(第一次稿〜第三次稿)と最終稿があり、賢治が約10年にわたり
何度も推敲しています。現在出版されているほとんどは、最終稿のもの。
この本には、全稿が収録されています。
私は、第三次稿で、ジョバンニがカムパネルラと別れたあと、「黒い大きな帽子をかぶった
青白い顔のやせたおとな」が登場し、話をするところがとても好きです。
宗教学的な解説もとても興味深く(ちょっと難しい部分もありますが)、
再び、感動が味わえます。

医療・障害児関連

誕生死  STILLBORN   流産・死産・新生児死で子を亡くした親の会
                               三省堂 1.300円+税

11名の家族が実名で語る、小さな小さな命の物語。涙なくしては読めません。
たとえ短い命だったとしても、親にとっては最愛の我が子。
死産後「早くスッキリして」とか「いつまでも引きずっていてはだめだよ」という言葉を
かけられる事がありました。私もそのように考えようともしましたが、余計に悲しくなりました。
時が経つに連れて、心の中で大切に思うことこそが、私にとって励みとなりました。
この本は、なかなか公の場で語ることの出来なかった私たちの体験と、理解しにくい
かもしれない想いを皆さんに知ってもらえる貴重な一冊だと思います。
命の大切さ、この世に生まれてくることの素晴らしさも感じられるのではないかと思います。
ご参考】 ⇒三省堂「誕生死」のホームページ

ようこそダウン症の赤ちゃん    JDS日本ダウン症協会編著 三省堂
                                     1.400円+税

次子の出生前診断をどうする?と、悩む中、図書館で見つけて読みました。
ダウン症の子のいる百人の家族が実名で書いた生活記録。感動的です。
染色体異常としてよく一般に知られているダウン症・・・その知識といえば、高齢出産で
確率が上がる、出生前に診断できる・・・という程度の方が多いかもしれません。
広く一般の多くの方にも読んでいただきたい本です。
ご参考】 ⇒ ダウン症の出生前診断とその遺伝相談
       (ダウン症の羊水検査について考えてみたい方にお薦めです。)
障害のある子を産むということ(19人の体験)                 
      野辺明子・加部一彦・横尾京子 編著   中央法規出版  1800円

出生前に18トリソミーと診断された時に、図書館で見つけて読みました。
お一人お一人の体験に自分を重ね合わせ、とても考えさせられました。

はじめまして重症児     こよみの会編  ぶどう社  1600円+税    

「こよみの会」の方々は、ともに努力しあって在宅生活を続けています。
在宅生活の現実、大変なこと、それから良いことも楽しいことも・・・。
皆さんの体験や知恵や工夫、また様々な先生方のアドバイスと盛りだくさんで、
とても参考になると思います。こんなに頑張っている方々がいっぱいいるんだから、
私もがんばらなくっちゃ〜って思いました。
いつか時間の余裕ができたら、手が足りない方々のお役に立ちたいとも思いました。 

トライアル 難病と闘う家族たち   吉永みち子  テレビ朝日  1200円

難病をテーマにした特別番組のコメンテーター・吉永みち子さんが、まとめられた本。
色素性乾皮症、無痛無汗症、レット症候群、等の難病と闘う子どもと家族のお話。
頑張っている皆さんの姿に、たくさんのことを教えられる本です。

ルポルタージュ出生前診断 -生命誕生の現場に何がおきているのか?  
                          坂井律子   NHK   1500円

18トリソミーと診断されて、まだたつきがお腹にいる時に図書館で借りて読んだ本。
出生前診断の歴史から現状、それらを取り巻く大きな問題を、イギリスの医療現場での様子
や障害の子どもをもつ母親、出生前診断を受けた女性の思いなどを交えながら
報告されています。数ある出生前診断の本のなかで、私にとって一番参考になりました。
 
瞬間(とき)をかさねて 〜「障害児」のいる暮らし               
                         玉井邦夫 ひとなる書房 1700円  
  

ダウン症、自閉症等のお子様を持つ五つのご家族へのインタビューをまとめたもの。
著者ご自身のご長男がダウン症で、様々なご活躍をされています。
中に、18トリソミーのお子様をもったご家族も紹介されています。
その件について、まさに親の気持ちもいろいろ・・・だと思いました。
出生前に診断されて死産となった18トリソミーの子どもの母親である私にとっては、
隔たりを感じる部分が少しありました。 

子供向けの読み物

きつねのでんわボックス      戸田和代(作) たかすかずみ(絵)
                               金の星社  900円(税別)
   

小学生低学年向け。子どもを亡くしたかあさんぎつねと人間の男の子との交流を描いた
お話です。
かあさんぎつねの気持ちが私の気持ちと重なり、読むたびに涙でボロボロになります。
たつきの兄は「ええ ぼうやがうれしいと かあさんは いつも うれしいの」と言うところが
とってもお気に入りです。全国学校図書協議会選定 

チャーリー・ブラウンなぜなんだい?〜ともだちが おもい病気になったとき〜
               チャールズ・M・シュルツ(作) 細谷亮太(訳) 岩崎書店  

主人公は白血病の女の子。子どもが病気になったとき、本人はもちろん友達や兄弟にとっても
様々な問題が生まれます。人のことをわかってあげるということは、生きていくうえでとても
大切です。やさしい文章と絵で、楽しみながら理解できる本だと思います。
いつまでもすきでいてくれる?       マーガレット・P・プリッジス/文 
      メリッサ・スウィート/絵 まつかわまゆみ/訳  評論社  1200円 

「ぼくが○○になっちゃったら?」と、たくさん質問をするぼくに、お母さんはユーモアたっぷりに
答えます。ラストの「ママは ぼうやが だいすきですよ。いつも いつも いつまでもね。」で、
つい涙が・・。天国のたつきにも、たくさん言ってあげたい言葉だから・・・。
たつきの兄は、とっても楽しい本としてお気に入りです。コラージュを含む絵も素敵。

わすれられない おくりもの  スーザン・バーレイ/作・絵  小川仁史/訳 
                                          評論社 

長いトンネルのむこうに行ってしまったアナグマ。仲間たちは悲しみに沈みます。
やがて、お互いにアナグマの思い出を語り合う中で、「わすれられない思い出」に気づきます。
アナグマの残してくれたものの豊かさで、みんなの悲しみも消え、楽しい思い出を話すことが
できるようになりました。
死別の悲しみを乗り越えてゆく姿を、素敵な絵と文章で伝えてくれる名作。

だいじょうぶ だいじょうぶ   いとうひろし/作・絵  講談社 971円(税別)

男の子とおじいちゃんの交流のなかで、繰り返し語られる「だいじょうぶ だいじょうぶ」
の言葉。魔法のような大切な言葉が、ほんわかと伝わります。
日本図書館協会選定図書  講談社出版文化賞絵本賞受賞

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