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病児保育室

 舌下免疫療法の仕組みなどについて動画を作りました。ユーチューブに公開しています。こちらから是非ご覧になって下さい。
 実際の治療開始時には、薬を院外処方箋で出しますので、近くの薬局に取りに行って頂きます。その後院内に戻っていただき、舌下錠の服用法について説明し、急性のアレルギー反応が出ないか、安全に服用できるか、などについて30分ほど観察します。

先天性弱視の検査ができるようになりました。
 下の写真にあるようにカメラのような器械で、目の屈折異常(近視、遠視、乱視、不同視、斜視)の検査を行います。早期に治療を行うことにより先天性の弱視(視力がきわめて悪い状態)を予防するようにします。




スギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の舌下免疫療法について

 平成306月末から、小児に対してスギ花粉症、ダニアレルギーによる通年性アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法が行えるようになりました。舌下免疫療法は、これまでの抗アレルギー剤や点鼻薬などとは違い、アレルギーを根本から治す治療です。舌下免疫療法がどのように行われるか、どのようにして効果が出るか、治療に当たっての注意点などについて、スギ花粉症の場合を例にしてお知らせします。

来院から治療開始までの実際
 舌下免疫療法を希望されて受診された場合、どのように診察を進めるかお話しします。まず、舌下免疫療法の適用になる方かどうかを判断します。5歳未満の小児は保険診療上認められていないので適用にはなりません。また、スギ花粉症であることを確定させなければなりません。毎年、スギ花粉の飛散時期に症状を繰り返し、検査でスギ花粉に対するアレルギー性抗体が明らかになっている方は舌下免疫療法の適用があると考えられます。一度も検査をされたことがない方は、検査の必要があります。これは診断を確定させる意味もありますが、舌下免疫療法の治療効果を判断する上で、他のアレルギー性抗体(ヒノキ・ブタクサなどの花粉、ダニやハウスダストなど)を持っているかどうかは重要な情報となるからです。

薬の服用法
 使用する薬は、非常に柔らかく、溶けやすい薬です。舌を上に上げて舌の根元に薬をおくようにします。すぐに溶けますが、1分間はそのままにし唾液も飲み込まないようにしてその状態を保持します。1分経過後飲み込みます。その後5分間はうがいや飲食を避けるようにします。1回目の服用は後でお話しする副作用が出る可能性があるので、医院で服用後30分ほど経過観察します。

舌下免疫療法がアレルギー反応を抑える機序
 舌下免疫療法がなぜ効果があるか、詳細は不明ですが、次の2つのことが考えられています。花粉症はアレルギーを起こす抗体と細胞(白血球の一種)が花粉と結合するために起こりますが、一つ目は、アレルギーを起こす抗体自体を抑える可能性があることです。二つ目は、花粉に結合する別の抗体が作られ、花粉がアレルギー性抗体と結合することを抑制する作用が考えられています。

舌下免疫療法の効果
 治療効果を調べることは、例えば解熱剤の効果などと違って簡単ではありません。解熱剤などでは、同じ一人の人で薬を選択しながら効果の有無を判定できます。しかし、舌下免疫療法では各年によって花粉の飛散状況が異なるため、同じ状態で比較することができません。そのため、製薬会社では花粉飛散時期に薬を投与した群と偽薬を投与した群で症状の比較を行っています。例年と比較して「良い」、「少し悪い」、「悪い」と答えた人の割合から、薬の効果が判定できます。

舌下免疫療法の注意点
 治療の副作用として、軽度なもの(口の粘膜の腫れ、口唇の腫れ、喉の不快感)とアナフィラキシーショックと呼ばれる重大なものがあります。重大な副作用は滅多に起こらないですが、蕁麻疹や喘息症状、めまい、動悸など投与部位以外の反応の出現に注意する必要があります。

舌下免疫療法の開始時期
 スギ花粉症に対する舌下療法は、スギ飛散時期は重大な副作用が起こる危険性が増すので、花粉非飛散期から開始します。夏すぎから開始します。ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の場合は開始時期の制限はありません。

費用について
 アレルギー性鼻炎だけの治療について記載します。医療証をお持ちの場合は、すべて保険診療ですので無料です。1回目の来院時には、診断のための検査をする必要があるので、診察料と検査料で5000円前後になります。2回目は検査結果を見て治療の可否を決めます。かかる費用は、医院で600円前後、薬局で1200円前後です。以後はほぼ同額です。気管支喘息や高血圧などで通院中の場合は、診察料はこれら慢性疾患の診察と同じ日であれば余分な費用はかかりませんが、検査代と薬剤費(600円前後)の分だけ多くなります。

臍ヘルニアの圧迫療法について
 出生時、あるいは出生後まもなくから、おへそがその下にある腸と一緒に外に出てきた状態を臍ヘルニアと言います。
 90%ぐらいは自然に元に戻ることが多いですが、そのまま出ていたり、腸そのもはおなかに戻っても、皮膚のたるみが固く残り臍突出(でべそ)といわれる状態のまま残ることもあります。
 そのような状態を予防するため、圧迫療法があります。昔は、おへそに硬貨を当てたり、ガーゼを強く巻いたりしていましたが、効き目は十分ではありませんでした。おへその圧迫が効果的にできていなかったり、絆創膏にかぶれたりするため、継続的に圧迫ができなかったためと考えられます。最近になって、おへそを圧迫するスポンジやかぶれにくいテープが開発されるようになり、圧迫療法が簡単に行えるようになりました。圧迫療法について簡単に写真と図で説明します。

いわゆる「でべそ」の状態です
  

この状態の時に、写真や図のようにおへそ
の上に医療用スポンジを乗せます



透明なシール(テープ)を臍の上から貼ります。


実際にはスポンジを先にシールに固定してから
おへそを圧迫しながらシールを貼ります。

 多くの場合、8週間ほど圧迫療法を行うとおへそがおなかの中に戻り出てこなくなります。一度診察室で医師の手技を見て頂いて、家庭でできそうであれば、家で行って頂いて、手技が心配であれば、1週間に1度来ていただいて交換しています。