● 第5話 どうしてお腹がすくのかな? ●
<あらすじ>
今日もメモルは元気いっぱい、食欲旺盛。
だから、病弱なマリエルが「一度もおなかがすいたことがない」というのが不思議でたまりません。
「ちゃんと食べないと、元気になれないよ!」
メモルはマリエルに何とかお昼を食べさせようとしますが、マリエルは食べようとしません。
「私、病気だからおなかすかないのよ」
元気のないマリエルと対象的に、メモルは片時もじっとしていません。
ペネローペさんのポケットに忍び込んで部屋を飛び出し、ジョジョと追いかけっこして屋敷中を走り回ります。
階段、屋根裏、窓の外と、だんだんエスカレートしていく追いかけっこに、マリエルはついていくのが精一杯。
やっと部屋に戻ると、もうおやつの時間でした。
いっぱい動き回ったおかげで、マリエルの頬はほんのり赤くなっています。
「ちょっと」だけおなかがすいたマリエルは、メモルたちといっしょに、おいしく、楽しくおやつを食べたのでした。
<甘辛コメント ●「甘」●〜萌えドコロ> 前回やっと「お友だち」になったメモルたちとマリエル。 今回は「マリエルの冒険」第一回目ですね。 今回もなかなか隙のない見事な構成で、緩急のメリハリの利いた演出がたまりません。 そしてメモルたちの「小ささ」を地球人と比して見せる場面が多く、ちっちゃいもの大好きなお友だちのハートをワシヅカミです。 さてさて。今回のテーマは「食べること」です。 飽食の時代、子どもの頃にご飯を食べ切れなくて叱られた経験をお持ちの方は少なくないと思います。 「ちゃんと食べないと、大きくなれないよ!」 「だって、おなかがすいてないんだもん」 普段おうちの人とそんな会話をかわしている子どもたちに送る、 「基本的生活習慣レッスン」第一弾とも言えましょう。 「生まれてから一度もおなかがすいたことがないの」というはかなげなマリエルにあこがれてしまうポピットのとなりで、 「その方がずうっとヘンよ!」ときっぱり言い切るメモル。 そのとおり。まったくそのとおり。 この底抜けの健康さが、単調だったマリエルの生活にそれはもう激しいアップダウンを加えるのです。 とにかく今回、メモルの行動にマリエル(と視聴者)はひやひやしっぱなし。 窓枠の上でマリエルと話していたらペネローペさんに突然窓を閉められて、 すわカリオストロ伯爵の最期状態か、 と思ったら、メモル本人はペネローペさんの背中に隠れており 「スリル満点!」といい気なものです (でも憎めないむしろラブ)。 調子に乗ったメモルはお昼を下げに来たペネローペさんのポケットに隠れてマリエルの部屋から出ていってしまいます。 「メモルが…、どうしよう…!」 呆然とつぶやくマリエルの背景にご注目。 普段の室内ではあるんですが、青と黄色で集中線状に影を塗り分け、さりげなく緊迫感が演出されています。この効果によって、 マリエルの血圧はこのとき一気に50mmHgくらい急落したものと察せられます。 メモルはマリエルの機転で(意外にネコの鳴きまねがうまいマリエル)ペネローペさんの部屋からは脱出しましたが、今度はジョジョを怒らせてしまい、家中を走り回ります。 マニアとしては(笑)微妙にお屋敷の内部構造がわかったりしてうれしい展開ではあります。 ピョコピョコはねまわり、トトトトトーって走り回るメモル。 狭いところを走っていくときとんがり帽子がつっかえて折れ曲がっちゃうメモル。 ただ追っかけまわしてるっていうだけのシーンが結構長く続くんですけど、画面に動きがあってメリハリがついているのでまったく飽きません。 メモルもかわいいですが細い裏階段を延々上りながら息を切らせるマリエルに、 このあと発作が出たりしないかとこっちもハラハラ&ドキドキ&萌え萌えしちゃいます。 メモルが高い屋根の上から風で飛ばされちゃったり、もうすぐペネローペさんがおやつを持ってくるというのにルパングたちが花瓶を倒しちゃったり、ラスト近くまで気が抜けません。 そうしてバタバタしたからこそマリエルは「ちょっと」元気になったのですが、だれひとりとして、 マリエルは「運動したから元気になったんだ」という因果関係には気づいていません。 「よく遊べば、元気になってご飯がおいしくなるのだよ」 このメッセージをキャラクターに言わせるのではなく、視聴者に投げ返すところが心憎いと思うのです。 病気を悪化させるような悪い刺激もないかわりに、 わくわくすることもドキドキすることもなかったマリエルの生活にとっては、 メモルたちはいわば劇薬です。 この取り合わせが、おもしろくないわけがありません。 はみ出し萌えドコロ: 「ちゃんと食べないと元気になれないよぅ、さあ!」 いっしょうけんめいマリエルの袖を引っ張るメモル。(あああ引っ張られてみたいッ) |
<甘辛コメント ●「辛」●〜つっこみドコロ> さて今回も<辛>が難しい。 まずどうしても指摘しなければならないのは、冒頭の木の実摘みのシーンでメモルが探している ポルムの実。 これアヤシいですよ!よく見てください! この実、ボールをぽんと地面に置いたかのように、じかに土から生えています。茎も葉っぱもありません。 こんな植物、どこかで見たような… あ!そう! ラフレシアや! このアヤシさはなんとなく(ずっと後に出てくる)パールベリーに通じるものがあります。 パールベリーはリルル村からの帰化植物(?)なんですけど、案外ポルムの実もそうなのかもしれないですね。 それからまた「聞き取りにくい」ていう苦情なんですけど またしても、展開上とても大事なところが一瞬聞き取れません(私だけですか?)。 今日のすべてのドタバタを隠しているつもりのマリエルをじっと見つめるペネローペさん。 何かがばれちゃったんじゃないかと一瞬走る緊張感、そのときペネローペさんがひとこと、 「(マリエルの)頬が赤いわ!」 このセリフに限ってかなりカツゼツが悪いのですよ。 ペーさん(←勝手に省略)が何に驚いたのかは直後のメモルたちのセリフですぐにわかるんだけど、ここでオチが瞬時にわからないとなんとなく拍子抜けしたような印象に。 あと、序盤でメモルがリュックマンに声をかけられるシーンで メモルが乗っているブランコ?シーソー?みたいな二人乗りの乗り物はどうやって遊ぶのか不明。(でもなんとなく楽しげ) リュックマンといえば、 わたしはバーベキューっていうのは肉中心の料理だと思ってたんですが 見た感じリュックマンのバーベキューはベジタリアン仕様みたいだなとか いつもおもうけどぺーさん足首キレイだよなとか いろいろ思うけどやっぱり今日誰もが突っ込むであろうと思われるのは メモル:「ねえ信じられる?マリエルがビスケット3枚も食べたわ」 3枚かよ! 大丈夫なのかマリエル・ルグラン(14)。 離乳期の赤んぼだってそれくらい食うぞ。 |
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●勝手に総合評価(★5つが最高評価) ストーリー:★★★★☆ 萌え度:★★★☆☆ 作 画 :★★★☆☆ ストーリーの教育色がお好みかお好みじゃないかによると思うけど私は星4つにしておきます。 派手さはないけど、メモルならではのお話だと思うので。 |
2003.04.13 記
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