● 第4話 地球でさいしょのお友だち ●
<あらすじ>
地球の女の子マリエルに会いにいくことが許されたメモルたち。
一方マリエルは、垣間見たメモルの姿と名前を覚えていました。
メモルたちはマリエルの昼寝の間に部屋に入りますが、猫のジョジョがメモルたちを追いかけまわすは、家庭教師のペネローペさんにとびかかるはでもう大変。
マリエルはすっかり楽しくなって、メモルたちにピアノを聞かせてくれます。
でもマリエルの生い立ちはさびしいものでした。
母親とは死別、父親はいつも不在。
病弱な彼女は、ペネローペさんの厳しいしつけのもと、生きることそのものに価値を見出せなくなっていました。
父母と離れて暮らしているという点ではマリエルと同じ境遇のメモルですが、
おじいちゃまやバーバラがいてくれる自分の幸せをかみしめ、
同時にマリエルのつらさを深く思いやります。
こうしてマリエルとメモルたちは、深い友情の誓いを立てたのでした。
<甘辛コメント ●「甘」●〜萌えドコロ> あああ。やっと。やっとマリエルとメモルが対面する回です。 シリーズ全体の屋台骨、メモルとマリエルの関係を、このエピソードでしっかりと語っています。 脚本も全体が隙なくまとまっているし、演出もさりげなく利いているので、見た後さわやかな気持ちになれます。 私の大好きなこの第4話、冒頭のシーンから追っていきましょう! ●冒頭 メモルの家の朝の風景。 なかなか起きなくても「朝ご飯」のひとことに反応して目覚めるメモル。 寝ぼけてベッドから落ちそうになるメモル。キュートっ!! メモルの今日の朝ご飯はメモルの好物ばかりだそうです。ファンとしてはそれはチェックしておかなきゃ! さてメニューは? 「ブルーベリーのジャムに、山ブドウの実、クルミのスープ、○○パンに…」 はい?なんか聞き取れないんですけど…。 (巻き戻し巻き戻し) イントネーションからいくと…ゴマパン?ハモパン?かごパン? …かぼパン? あんたがはいてるヤツ? とにかく早く食べたいメモル。 「おじいちゃま早く早くう。 じゃないとメモル待ち切れないもん♥」 あう(クラッ;)やばいですこの横顔。 一人称を「メモル」っていったことなんて他に(たぶん)ないと思うんだけどね; 激烈かわいいから 許す。 ●出会い そしてとうとう彼らは「出会い」ます。 まずは、出会いに至るまでの盛り上げ方がうまい。 メモル、ポピット、トリローネ家兄弟(笑)、三人三様の朝の風景。マリエルに会うのをすごく楽しみにしている彼らに、視聴者もわくわくしてきます。 そしてマリエルも、垣間見たメモルが忘れられなくて、ずっと窓辺から外を見ています。 「眠ればまた、メモルに会えるかしら…」 こうしてお互いの側を描くことで、かれらの「出会い」に期待が高まります。 昼寝中のマリエルのベッドの上に上がりこんで、静かにマリエルが起きるのを待つメモルたち。 ここで、「出会い」への期待は最高潮に達します。 ところがここにジョジョが闖入! メモルたちを追いかけ、ペネローペさんに跳びかかり、てんやわんやの大騒ぎ。 そのドサクサの中で、マリエルは布団の中にメモルたちを隠してやります。 これですよ!これ! 「私だけが知っているちいさな大事なお友だち」 この感覚こそ、本放送時から私がとりつかれてやまない「秘密のお友だち」の魅力なんです。 マリエルになり代わってメモルのお友だちになりたいと、何度 食欲がないマリエルに代わって、サンドイッチを食べるメモルたち。 彼らにとっては小山のような大きさのサンドイッチに全身で取り付いて、はしっこからかじりつきます。 この小動物のような食べ方…ああ!萌えるッ!! ●ところで 皆さん、お気づきになりました? マリエルは突然現れた、手のひらサイズのちいさな人たちに対して、 「あなたたちは誰なの?何なの?」といったことをまったく詮索しないのです。 考えてください、自分がはじめてリルル星人を見たら、 まずはこんなちいさな人間の存在そのものに対して驚くと思いません? メモルの方も、マリエルに対して何の警戒心も緊張感もなく、 差し出された手のひらにぴょこんと飛び乗ります。 メモル:「よかったねマリエル、病気よくなって!」 マリエル:「夢じゃなかったのね、私を助けてくれたの…」 これが二人の出会いのすべてです。 彼らの間にははじめから人種(なのか?)とか体のつくりの違いなどに関する違和感がまったくないんです。 あるのはただ、純粋な好意だけです。 ●「同情」 そして、マリエルの悲しい身の上話を聞いて、その好意は心の底からの同情に変わります。 「だってマリエルがかわいそうなんだもん!」 と大泣きするメモル。 メモルも父母といっしょに暮らせていないことを聞いて 「あたしたち、同じなのね」とつぶやくマリエル。 同情されればプライドが傷つく人もいると思うし、同情とは相手を一段低く見る心情であることはまちがいありません。 それでもメモルの同情は、 「死にかけている人がいたら助けるのが当たり前でしょ!」 という感情と同じくらい、自然な心のはたらきです。 だからマリエルの心を捉えたのです。きっと。 「それじゃ、あたしたちがマリエルのおじいちゃまになってあげる。 ねっ、そうしたら、あたしとおんなじになるでしょう?」 メモルのちいさな体いっぱいに、有り余るほどのやさしさ。 このセリフにいつも目頭が熱くなります。 メモル: 「じゃあ約束して。 あたしたちがどこから来たのか、決して探さないこと。 あたしたちのことを、誰にもしゃべらないこと」 マリエルの手のひらにちいさな手を重ねるリルル星人たち。 「約束するわ」 この瞬間、私たち視聴者も「約束」してしまいます。 この「ちいさな友だち」の「秘密」に、私たちも取り込まれてしまうのです。 ●そのほか それにしても今回好きなところが多くて書ききれません。後は箇条書きで、見所、萌えドコロを… ・回想シーン このショットしか出てこない、マリエルのお母さん。 10歳のマリエル、なんかすごく色っぽいんだけど…!! ・演出 メモルがピアノの鍵盤の上に降りると、ポポーンと音が鳴る。 鍵盤のサイズがそのままメモルの足の裏のサイズなんですね…! ああちいさなメモル。私のメモル〜〜(萌) こういう細かい芝居がいいんだよな〜! |
<甘辛コメント ●「辛」●〜つっこみドコロ> いやあ、いつもみたいに辛らつにツッコミたくなるところってあまりないんですけどね。 強いて言えば、 「安静の時間」に起きだして窓を開けているだけでもガミガミ叱るペネローペさんなのに、マリエルがピアノ弾いてても大丈夫なのは何でだろう、とかですね。 (まあ、彼女も時々は外に出かけるみたいですけど、それでもマーサやジョルジュがいるんだけどなー。) それから前回も登場したけど、ルパングとピーが乗ってる青い鳥も彼らの専属の乗り物なのかな? なんか序盤以降顔を見なくなっちゃうんだけどどうしたんだろう(笑) また、マリエルの 「死んでしまってもよかったのに…」 というセリフの音量が非常に小さくて聞こえにくいのが残念。大事なセリフなのに…。 あとはですね、 前回の切迫した状況でルパングがどうやってマリエルのボタンを手に入れたのか気になります。 パジャマのボタン… ていうことはやっぱりあの心臓マッサージの時に?? ま、マリエルの胸からちぎってきたのか?? そいつはちょっと… ちょっと犯罪チックだぞ(ハナヂが…) |
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●勝手に総合評価(★5つが最高評価) ストーリー:★★★☆☆ 萌え度:★★★★☆ 作 画 :★★★★☆ ストーリーももうひとつ星をつけようかと思ったんだけどここはぐっとガマンして。 のちのちもっとオリジナリティがあってステキなエピソードがあるわけですから。 この回はあまり技巧的に凝っていると見えないけれど、とてもうまく作ってあると思うのです。 |
2003.04.06 記
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