●  第三話 赤いリボンの小さなヘビ  ● 

 

<あらすじ>

死んでしまった地球人の女の子に、取りすがって大粒の涙を流すメモル。
すると驚いたことに、女の子が息を吹き返したのです。
リルル星人の女の子の涙には、不思議な力があるのです。
ところが、生き返った女の子=マリエルは、医師に
「死んでしまってもよかったのに…」とつぶやくのでした。

「もう二度と地球人のところには行かない」と約束したメモルたち。
でも、マリエルのことが気にかかってしかたありません。
そんな時、リュックマンが教えてくれました。
「赤いリボンをつけたヘビを探すんだ」
村長の屋根裏部屋から、赤いリボンを結んだロープを見つけたメモルたち。
これは、村の大事なことを決めるための綱引きに使う、「自由のロープ」だったのです。
綱引きで勝てば、メモルたちはマリエルをたずねていく許可をもらったことになります。
ところが、村の人たちは誰も、メモルチームに入ってくれません。
多勢に無勢。やぶれかぶれで必死に綱を引くメモルたちですが、なんと、圧倒的不利にもかかわらず、メモルたちは勝ってしまったのです。
村のおとなたちは、メモルたちが地球人に会うことに、建前としては反対ですが、本当はメモルたちの味方だったのです。
それで、わざと力を出さなかったのでした。
これで、メモルたちは晴れてマリエルに会いにいくことができるのです。


 <甘辛コメント ●「辛」●〜つっこみドコロ> 


まずはこちらを読んでいただきましょう。

正しい心臓マッサージの手順(日本赤十字社HPより)

ポピット、ルパング、ピーの三人による必死の心臓マッサージ。
残念ながらどう考えても適切な方法じゃありません。
君らがいくらがんばっても、圧迫不足で効きゃしませんよ。

ところが起死回生の大逆転。メモルの涙がマリエルをよみがえらせます。
「昔から、リルル星人の女の子の涙は"命の水"と呼ばれておってな」
ふうん。
じゃあリルル星人って寿命がきたら女の子に涙してもらえばいいんじゃん?
ひょっとして不老不死じゃん?

新生児死亡率も非常に低いらしいし、リルル星人、ホントに生命力高いな…!
ゴロニャン以外に死ぬ要因がないんじゃないか?

そんな生物ってアリ?

(…とおもったら、「白血病」ってやつはあるらしいけどね…ハシカやおたふく風邪も)

マリエルを診てるお医者さんの寝癖も気になりますがそれはともかく。

ベッドで「小さな女の子」のことを話すマリエルのシーン。よく聞いて下さい!
たぶん後にも先にも、マリエルがペネローペさんのことを呼び捨てにしているのはここだけです。

そこだ!いけ!マリエル!
ヤツにはその強気で攻めろ!!


はみ出しツッコミどころ:
綱引きの掛け声 「マーリエール!」では力が入らないと思うんだけど如何。




 <甘辛コメント ●「甘」●〜萌えドコロ> 


さてさて。
第三話にして、リルル村の特異な政治システムが明らかになります。
村の重要事項は「赤いリボンの小さなヘビ」=「自由のロープ」を使った綱引きで決められるというのです。
すごいな、直接民主制かよ!
しかも、このシステムの下なら、賄賂や政治献金は意味を成しません。
賄賂を贈って味方側に引き入れることはできても、綱引きの時に力を入れさせることができなければ無意味だからです。
味方側の誰が本当に協力していて、誰が建前だけの賛成なのか、誰もわからないのです。
で、自分は中立であるという意思を示したい(もしくは無関心である)時は、綱引きを棄権すればいいんです。

…いいんじゃない?すごいじゃない?
246人しかいない村としては、理想的なシステムなんじゃない?

見かけのホノボノさと裏腹に、けっこう実利的だよね。

でもメモルたちが見つけるまでこのロープが屋根裏にしまわれていたってことは、
最低1年前の、地球への不時着の時点から、今までずっと綱引きがされなかったってことだよね?
そんなに決定事項少ないのかリルル村。
地球に新しく村を建設することになって1年という揉め事の多そうな時期をリルル村長の人徳で乗り切ってきたんでしょうか。
(…「甘」コーナーなのに突っ込んでしまった)

さて気を取り直して萌えドコロなんですけど。
(「気を取り直して」萌えようっていう私っていったい)

やっぱり第3話はこのシーンにつきます。

死んでしまったマリエルの、まるで眠っているかのような横顔。
取りすがって大泣きのメモル。
その涙がマリエルの命を救うのです。


さっき突っ込みいれたばっかりで恐縮なんですけどね、
どんなに非現実的でも、どんなにつじつま合わなくても、結構好きですよ。こういうの。
「男でも年をとった女でもない、けがれのない女の子の」涙、なーんていうのはむしろどうでもいいんです。
話をした事もないほとんど初対面の、しかも異種族の人間に対して、心から死を悼む心が、その人を助ける、という奇跡。
それでいいと思います。メルヘンはそうあってほしいです。

そして薄く目をあけて「死んでしまってもよかったのに…」とつぶやくマリエル。
いや、序盤のマリエルのはかなさはホントに印象的ですね。
このマリエルとあのメモルがどう絡むのか、否が応でも期待が高まります。うまいなあ〜!
というわけで次回に期待です!
第4話にして、二人の主人公がとうとう会話しますぞ!(笑)


本日のベスト萌えショット:
マリエルが生き返った直後。地球人の医師たちがやってくるのを察知したメモルがはっと振り返るその表情にラブ。(細かくてすいません)



*

●勝手に総合評価(★5つが最高評価)

ストーリー:★★★☆☆
 萌え度:★★★☆☆
作  画 :★★★☆☆

どんどん引きこまれていきます。演出面でもすごいなあと思います。

2003.03.30 記

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