病 院 の 怪 談


貴方の勤務する病院の怪談をぜひメールにてお聞かせ下さい。
(病院とは無関係の怖い話でもOK。このコーナーでも番外編と明示して掲載しています。)
こちらで紹介させていただきます。病院関係者以外の方も大歓迎。
病院にまつわる不思議な話を聞いた、
入院中に体験したなど、どしどし投稿下さい。



第 1話 看護婦当直室の長い髪の女
第 2話 病棟の死神
第 3話 心霊ドクター
第 4話 スーツ姿の男が事務室に浮かぶ
第 5話 畳の中から出た腕
第 6話 謎の大音響
第 7話 院内心霊スポット探訪その一
第 8話 幽霊を連れて帰った日
第 9話 夫の戻った一週間
第10話 院内心霊スポット探訪その二
第11話 救急車の怪奇現象
第12話 謎の痕跡は霊のしわざか?
第13話 誰もが驚く心霊ビデオを撮った
第14話 番外編岐阜県の幽霊アパート
第15話 霊のさまよう中庭
第16話 死を誘う手招きする霊
第17話 憑依
第18話 番外編廃車置場の帰りに
第19話 最近の怪奇現象総まとめ
第20話 霊がみつめている
第21話 院内心霊スポット探訪その三
第22話 ある精神科医の体験談
第23話 番外編恐怖の予知夢愛犬に救われた命
第24話 番外編お化けことはじめ
第25話 番外編じいちゃん
第26話 Tさんのいた夏
第27話 番外編動体視力
第28話 番外編そもそも幽霊ってなんだろ?
第29話 三重県のある病院
第30話 不吉な予感(投稿)
第31話 病院近所の魔の踏み切り
第32話 院内心霊スポット探訪その四
第33話 番外編とあるラブホテルにて
第34話 番外編未確認飛行物体
第35話 前勤務先の病院
第36話 番外編妹
第37話 あるはずのない物の音が聞こえる 
第38話 最近の怪奇現象総まとめそのニ 
第39話 番外編金縛りを防ぐには
第40話 院内幽霊騒動再び
第41話 心霊ナースの病棟怪奇箪
第42話 幽霊はメカが好きとか・・・
第43話 ざわつく事務当直室
第44話 番外編自室にて
第45話 入院中に体験したこと
第46話 三重県のある病院2
第47話 番外編幼稚園の頃ある夏の晩に
第48話 番外編長野県のあるキャンプ地にて
第49話 番外編天竜川
第50話 名古屋市内の超有名病院





第1話 看護婦当直室の長い髪の女
ある看護婦さんが仲間に打ち明けたことから始まった。
『こんな話しをすると頭が変になったと思われるから黙っていたんだけど』
なんでもその看護婦さん当直室で仮眠すると必ず金縛りに遭うのだそうだ。
そして、いつも決まって枕元に長い髪の女がうつむいて正座している姿が見えるのだと言う。
初めは体調のせいとか夢だったと思うようにしていたが、あまりに続くので夜勤が憂鬱になってしまった。
ところが、この話しを聞いた同僚たちは嘲笑するどころか震え上がってしまった。
他にも数人の看護婦が全く同じ体験をしていたことが判明したのだ。この話題はすぐに事務局の耳に入って
ただちに異例の御払いが行われた。このような現象を病院上層部が信じたということではなく、
噂が広がって職員が動揺することを避けるためだったと聞いている。御払い後の看護婦当直室はどうなったか?
効果があったのか、めでたくもこの怪現象はピタリと止まり現在に至っている。この話しを知る者はもうほとんどいない。

(00/10/31追記)
この当直室は現在の看護婦当直室ではないことが判明した。古参の看護婦に確認した事実はこうだ。
「御払いの効果は全くなく、その後も女性の幽霊は現れ続けた。現在の場所を当直室とすることで解決した。
旧当直室は今は物置として使用している。」

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第2話 病棟の死神
末期のガンなどで余命いくばくもない患者さんを収容した、いわゆる『重症病棟』での不思議な話。
深夜、病棟巡回する看護婦がたまに妙なものを目撃するらしい。それは人間のような形をした黒い影のようなかたまりで、
患者さんのベッドの脇にピッタリくっっいて立っていると言う。
慌てて懐中電灯を向けたり、ハッと気がついた時にはすでに見えなくなっているのだ。
だが、その影に見入られていた患者さんはそれから4〜5日以内に必ず亡くなるのだ。

オイラが事務当直だったある日の深夜、この病棟から内線があった。不審な人影を見た。
泥棒かもしれないので調べてくれませんかとの要請。だいたいその病棟自体厳重に管理されている。
面会も制限されていて深夜まで外部の者が居残っていたり、他病棟の者が簡単に行き来することもない。
侵入とすれば窓を破らない限り不可能だ。

『その患者さんのところに立っていたんです。』真っ暗な病室のベッドをペンライトで指して看護婦は言った。
それは黒い影のような人だったという。気がついた瞬間にそいつは病室から飛び出し、
看護婦の脇をすり抜けて階段の方へ回りこんで見えなくなったとのこと。
『そんな勢いで階段降りてったらバタバタってすごい足音だったよね?』と尋ねると、
彼女はそう言えば何の音も聞こえなかったとすごく怖がっていた。一応トイレの個室の中なども調べて
異常を認めなかったのでナースステーションで少し話しをしていたが皆『やっぱりアレだったんじゃないの?』
という話題に終始していた。患者さんは確か翌日に亡くなったと記憶している。

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第3話 心霊ドクター
消化器内科のある先生は医師には珍しく超常現象に理解的だ。自身も数々の体験の場数を踏んでいるらしい。
あの場所は昼間でも気持ちが悪いですね。あそこでこんなことありましたよ。気さくに語ってくれる。
まさに心霊ドクターだ。伺った話しで特に印象に残ったものを紹介しよう。

彼が医局でひとり病名づけの作業をしていた時のこと。疲れたので机に顔を伏せて少し眠ってしまった。
時間はまだ午後10時ぐらいだったという。そして夢を見た。
4年ぐらい前に担当してすでに亡くなっている患者さんが出てきた。彼は涙をボロボロ流して言った
『先生、私はガンだったんですね。なぜ正直に教えてくれなかったのですか.....。』そこで目が醒めた。
もう、顔も名前も忘れかけていた患者さん。夢で思い出すとは不思議なものだとボンヤリしていると、
カーテン一枚隔てた隣の診察室の方でドサッてすごい音がした。

驚いて行ってみると、床に先ほどの夢の患者さんのぶ厚いカルテが落ちてたんだって。
病院では確かに古いカルテも一定期間保管するけど、4年も前の物は倉庫へ入庫している。
つまり、そこにないはずの物があった。彼は、人間が強く残した想いとか念はやっぱり残るんだねえって真剣に語ってた。
そしてその患者さんには心の中で詫びたという。

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第4話 スーツ姿の男が事務室に浮かぶ
事務所で夜遅くまで残業をしている時にオイラの前に数回現われたのがスーツ姿の男の幽霊だ。
現われる場所に合わせてスーツを着ているのか、それとも元職員なのかは不明だ。
なにしろこの霊は上半身のみで出現し、しかも首から上がない。正確に言えば、その他の体の部分は
輪郭になっているというかボヤけていてよく見えない。フッと現われてはコンマ何秒かで消滅するのだが、
グレーの背広とエンジのネクタイは目撃者の共通点だ。いずれにしろ病院に縁のあった人物ではないかと推測している。
かなり霊感の強い女子職員は結構頻繁に目撃すると言っていた。
彼女によれば、出てくる時は決まって事務所の隅っこの掃除用具入れのあたりで、
キーンとかカタカタって音がするそうな。それからふと気づけば後ろにいると。
亡くなってからも掃除がしたいとでもいうのかな?スーツ姿じゃ汚れてしまう。
今度からは作業服でのご登場をお勧めしたい。

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第 5話 畳の中から出た腕
この体験はかなり焦った。当直室で仮眠中にオイラの身に起きた恐怖体験だ。
その晩はなかなか寝つけずに寝返りばかりうっていた。最期に見た目覚まし時計が午前2時5分をさしていた。
突然オイラに激しい金縛りが襲った。金縛りは何度も経験しているので目をあいたまま解けるのを待っていた。
と、突然布団がズルズルと下がった。続いて何かに足を掴まれたと思ったら敷布団ごと勢いよく引っ張られた。

次に目に飛び込んできた物にギョッとして激しい恐怖を感じた。
なんと畳から真っ白な手が2本伸びてオイラの両足首を掴んでいるのだ。
確かに掴まれているのに触れられているという感じがその時は全くしなかった。そいつはオイラの足を支えるようにして
だんだんと上に這い上がってくるではないか。それは長く伸びた腕だけという代物だった。

その腕が太ももまで来た時はさすがにパニくった。もがいたつもりだったが、体の方は相変わらずがんじがらめだ。
手が内股にかかった時、白く長い指まではっきり見えた。その時初めて内股に圧迫されるような感触を感じた。
そしてふいに金縛りが解けた。初めに寝ていた場所よりかなり引きずられ、布団も乱れていた。
時刻は午前2時20分、浅い眠りに落ちてからほんの15分ぐらいの間に起こった出来事だった。
もしあのまま金縛りが解けなかったら畳の中に引きずりこまれてしまったのだろうか?嘘のような本当の話。

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第 6話 謎の大音響
ある真冬の午後8時頃、院内にはまだ外来患者さんや職員、お見舞いの人らが多数残っていた。
突然、ドーンとものすごい大音響が響き渡り、続いて建物がグラグラと揺れた。地震だ!かなりでかいぞ。
ホールで女性客の悲鳴が上がり、床に伏せた者もいた。揺れは4、5回だったろうか。
意外に短時間で済んだ。職員手分けの上、被害状況を確認する。テレビをNHKに切り替えた。
急ぎ、携帯電話を取り出して家族に連絡している来客者もいるというのに表を見ると平静だ。
車は走っているし、倒壊した建物も見当たらない。
1階の医局に残っていた医師も事務所へ飛びこんできた。
『やってる?(テレビの地震速報)ありゃ6(震度)ぐらいいってるよ』

そして、あの激しい揺れにもかかわらず一切の備品が倒れたり移動した形跡のないことに気がついた。
さらに、各病棟へ被害状況を尋ねても、『いったい何があったのですか?』と聞き返される始末。
来客者たちも電話を手にしきりに首をかしげている。もちろんいつまで待っても地震のニュースは流れてこなかった。
では、あれは一体なんだったのだろう?近くで大きな事故がなかったことも後で判明した。
警備員も近辺でバーストを起こしたような大型車両はなかったと証言した。
地下鉄が地面を通っているわけでもない。
来客者からも質問攻めにあって、おかしいねぇ、なんだろうねとしばらくこの話題でもちきりだったのだ。
音と揺れを感じたのは1階だけで2階以上は何の異常もなかった点も不思議だ。
今でもこの出来事は、『特命リサーチ』で調査してもらえば良かったねと語りつがれている。

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第7話 院内心霊スポット探訪その一
当院の心霊スポットをざっと回ってみよう。第1回は売店、自動販売機コーナー周辺。
なぜか他院でもそのあたりは共通して出る場所になっていることが多い。
病院の怪奇スポットとして思いつく場所に霊安室があるが、意外やそのあたりは浄化されている。
なんでもないような場所に出るのが怖い。生きていた時の習慣がそうさせるのか自販機周りは霊が集まってくる。
夜間にその前を通ると嫌な雰囲気がする。
オイラはそこでいっぺんに10人くらいの霊の集団を一瞬目撃したことがあるし、
霊にジュースをごちそうになったこともある。誰もいないのに、コトンとカップが落ち、続いて氷がカラカラカラ....。
そしてオレンジジュースが出てきたので飲んでやった。
コインをチヤリン、チヤリンと投入する音や釣り銭口からコインが出てくる音も何回か聞いた。
この場所は夜中の急患の付き添いの方などにも、気持ちの悪い場所ですね。と指摘されるぐらいの所だ。

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第8話 幽霊を連れて帰った日
昨年8月のこと。残業で地下の用品倉庫へコピー用紙を取りに行った時、
両肩がグーッと重くなり激しい頭痛が襲ってきた。
事務所へ戻った頃には後頭部から始まった頭痛は頭全体に広がり、両目、奥歯まで激痛が走り、
立っているのも困難になった。おまけに吐き気までする。何か嫌なものが取り憑いてきたなと直感した。
鎮痛剤を飲んで午後11時ぐらいに帰ることにした。

車で走り出して少したってからルームミラーに映った後部座席に人影が見えたような気がしたので
振り返って見たが誰もいない。
気になって横目でそっと様子をうかがうとパジャマのような物を着た中年の婦人の幽霊が乗っているではないか。
直視しようと振り返ると全く見えないというのに。車を左に寄せて後部座席のドアを空け、
手をかざしてバタバタ振ってみたが当然何の感触もしない。ところが走り出すと嫌な感覚と共に人影が現われる。

そのまま家へたどり着いたがなぜか部屋まではついて来なかった。
翌朝、もういないだろうとドアを空けると再び嫌な感覚が襲ってきた。
今度は姿こそ見えないが通勤途中気になって気になって、頭もボーッとしてきて
接触事故を起こしそうな場面もあったぐらいだ。病院へ戻ったので降りてくれるだろうという考えは甘かった。
帰りもヤツは乗っていた。そんなことが数日続いた後、スーパーで買い物中にその車は当て逃げにあって
前部が大破してしまった。その日から幽霊はいなくなった。
衝突に驚いて退散したのか、それとも事故に遭わせるのが目的だったとでも言うのだろうか。

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第9話 夫の戻った一週間

ある大学病院の職員から聞いた話。長い入院の末、あるおじいさんが亡くなった。
おばあさんがずっと付き添って看病していたのだが、その老人は昔気質でガンコかつ無口。
最期までおばあさんにはわがままで面倒のかけ通しだったらしい。親類が病院へ駆けつけ、遺体を霊安室に移し、
葬儀屋の到着を待っていた時のことだ。ストレッチャーの上でシーツにくるまっていた遺体がむっくりと起き上がった。
一同仰天だったことだろう。しかし夢ではなかった。医師も蘇生を確認した。老人は『あの世』から帰ってきたのだった。

その表情からは昨日までの険がすっかり取れて、おだやかで仏様のような顔だったという。
病室へ戻った老人はすごく元気で食事もモリモリと食べ、おばあさんとも積極的に会話をして周囲の者を驚かせた。
それから7日目の午後、突然、老人はベッドの上に正座して、おばあさんに過去の面倒や苦労を詫びた。
そして、自分があの世から帰ってきたのはお前に一言感謝を伝えたかったからだ。
7日間の約束だから今日帰らないといけないと言った。驚いたおばあさんが看護婦を呼びに行っている間に
老人は息絶えていたという。そして2度とは戻ってこなかった。

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第10話 院内心霊スポット探訪その二
救急処置室も怪奇現象が多発する。
数えきれないほどの患者さんが救命のかいもなく亡くなった場所なので仕方がない。
なにせ一晩に2〜3名の死者を出すことさえあるのだから。
深夜の処置室では夜中に流しの水道がひとりでにジャーッと流れる。閉めきった部屋のカーテンが゙激しく動いたり
足音がするなどの現象が報告されている。
オイラも誰も寝ていない診察台の周辺から男性の寝息がするのを何度も聞いた。
その寝息はかなりはっきりと頻繁に聞こえるのである時、看護婦を3人連れて確かめてみた。
ひとりの看護婦には聞こえた。オイラと一緒にほら、こんなにはっきり聞こえると騒いでいたが、
あとのふたりにはなにも聞こえなかったという。

流し台の前に長身の男性がこちらに背を向けて立っているのを看護婦とふたりで同時に目撃したこともある。
同じヤツかは不明だが深夜の1時頃、看護婦がひとりで急患カルテの整理をしていたので、
おやつを持っていってあげた時のことだ。
看護婦のすぐ後ろを男性がスーッと通ってカーテンが開いたままの処置室へ入って行ったので、
まだ付き添いの者が残っているのかと確認するとやはり誰もいなかった。
こんな場所で夜中にひとりで仕事が出来るという方は看護婦が向いている。

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第11話 救急車の怪奇現象
考えてみれば救急車も気持ちのよい乗り物ではない。
人命を救う車と言っても不幸にも病院へ到着する間に車内で亡くなる傷病者は数多い。
病院の怪談話からは脱線するが、以前に地元の救急隊員から不思議な体験を聞いた。
もともとその車両は出るぞと噂されていたという。原因不明の車両トラブルが多発するのもそうだが、
走行中のミラーに人の顔のような物が見えたりしたからだ。

ある晩にA隊員がその救急車を入庫して車庫から出ようとした時のことだ。あ〜、あ〜というか細い声を聞いた。
タイヤの下に猫でも潜りこんだのかとライトを照らしてみたが何もいないようだ。
そこで気にもせず待機室へ戻りかけたとたん、ゾーッと今まで味わったことのない寒気が全身を襲ったという。
パッと振り返るとそこには何か白い煙かモヤのようなものに包まれたおばあさんの顔があったという。
驚いて部署まで逃げ帰ったという。生まれて初めてそのような体験をしたと興奮して話してくれた。

後日談というか、広報用にこの救急車をバックに3人の隊員が並んだ写真を撮影したところ、
3人の下半身を白い霧のようなものが包み隠している物が撮れたらしい。
この救急車はいまだ現役で、ある地方の消防本部で活躍している。

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第 12話  謎の痕跡は霊のしわざか?
当院の地下1階にある職員トイレの鏡には昼間でも霊の姿が映ると評判になったことがある。
だいたい地下の雰囲気自体があまり良くないので
(地下のリネン室のカレンダーの裏にはなぜか御札が貼ってあるし)オイラはほとんど利用しない。
つい先日、このトイレの天井に人間の手形が鮮明についているのが発見された。

それは手の平に泥のような物を塗ったような茶色をしていた。長身の男性が手を伸ばしても天井に手は届かない。
思いきりジャンプするか用具入れをあさって何か踏み台代わりの物を使えば可能だが.....。
いたずらをするにしてもこのトイレを利用する一般の者はいない。絶対いないとは言えないが圧倒的に数は少ないのだ。
何者かが手に汚物を塗っていたずらをしたのだろうという結論が出た。わざわざそのようなことをする者がいるか?
疑問を残すものの、この場はそうしておいた方が良いかもしれない。

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第13話 誰もが驚く心霊ビデオを撮った
今思い出してもゾッとする。会議室で懇親会を開いた時のことだ。
お寿司を前に談笑するみんなをビデオカメラで撮影した。後日そのビデオを見て気持ちが悪くなってしまった。
というのもすばり霊が撮影されていたからだ。過去に心霊写真のような物は撮ったことがある。
でもそれはあくまで”ようなもの”だった。
顔のようだと言えば顔にも見え、染みだと言えばそんな気もする漠然としたものばかりだった。
今回のビデオは違った。どんなガンコ者や目の悪い人間が見たとしてもそれは顔だった。

カメラは談笑している人達を普通に写していた。会議室の壁にかかったカレンダーの前を一旦ターンする。
その時まだ異変はなかった。
次にカメラがカレンダーのところへ来た時、そこにはかなり大きく若い女性の顔が浮かび上がっていた。
しかもその顔ときたら苦悶の表情を浮かべ、何か強烈な悪意さえ感じた。

このビデオを見た人はマジ震え上がっていた。貸して欲しいと言って家族や友人に見せる者も続出したぐらいだ。
皆、共通して2度と見たくないと言っていた。テープはまた貸し、また貸しを繰り返してしばらく戻ってこなかったので
かなりの数の人が見たのだろう。これをテレビ局へ送ったとしてもあまりのショッキングさに放送されなかった思う。
第一そんな気にもなれなかった。表にはでないだけでこういった鮮明なビデオは結構存在していると思う。
テープは持っているのも嫌だったので廃棄処分にした。

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第14話 番外編岐阜県の幽霊アパート
病院から飛び出して最近の怪奇ネタを拾ってみた。報道でご存知の向きも多いだろうが、
岐阜県富加町の新築の町営住宅で怪奇現象が続発している。
新聞、ニュース、ワイドショー等の情報を整理すると事の顛末はこうだ。

昨年4月に新築された町営アパート24世帯の住人ほとんどを怪奇な現象が襲っている。
壁にかけていたコルクボードや皿がフリスビーのように飛んでくる、カーテンが内側のレースごと開けられたり、
何かがベランダを昇ってくる足音がする。シャワーの水が勝手に出る。コンセントを抜いたドライヤーがつく。
子供がトイレにおじさんがいると訴えたり、何者かに肩を叩かれる等々...。
不安を感じた24世帯中、6世帯の住人が避難した。
事態を重く見た自治会が10月15日にお祓いをしたが怪奇現象はおさまっていない。

このところさかんに言われる低周波の影響からくる振動とも違った印象を受ける。
集団ヒステリーの感も否めないが実際にテレビ局が撮影した夜中にドアがひとりでに開く映像を見ていると、
これはもうホンマの平成ポルターガイスト現象と理解した方が夢があって(?)良さそうだ。
お祓いをした祈祷師によれば無数の霊が憑いているとのことだが、眉唾者でないのならこの現象を止めてみて欲しいものだ。
自治会が祈祷料を町に請求しているものの、憲法上の理由から負担できないというのも面白い。
いずれにしろ心霊現象であれば土地そのものに因縁があったはず。
大家さんである富加町もしっかり地鎮祭をしてから建築に着手すれば良かったのかも。

(00/10/23追記)
その後もニュースステーションなどで報道されている通り怪奇現象は沈静していない。
現場には自称霊能者や野次馬が多数押し寄せて、中には住宅にイタズラをする不届き者も出ているらしい。
このようなことは住民の迷惑になるのでやめましょう。(わりと近くに住むやまちゃんからのお願いでしたっ。)

(00/10/31追記)
現在の現場の様子を毎日新聞記事より抜粋しておこう。
ある主婦は「最初の御払いで怪奇現象はなくなった。その後、入れ代わり立ち代りに祈とう師が訪れ、
計5回の御払いをした。おかげであまり気にならなくなった。」と話すが、
新たに異常を訴える住宅西側の一室では「天井を人が走るような音がするようになった」といい、
28日夜には護摩木を燃やして除霊するなど、3人の祈とう師が訪れて御払いした。
一方、この騒ぎで入居者の新たな悩みが発生。
土、日曜の多い日は延べ20人もの見物人が住宅を遠巻きにしているという。中には住宅に入り込み、
鉢合わせした住人がびっくりすることもあったらしい。30日にはテレビ出演している有名な僧侶も除霊に訪れる予定という。
(毎日新聞10月29日付朝刊より抜粋)

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第15話 霊のさまよう中庭
中庭は退屈な入院生活をおくる患者さんの憩いの場所。
昼間は散歩や日光浴を楽しんだり、気の合った入院仲間とベンチに座って談笑する姿がそこかしこで見られる。
夜間は中庭へ通じるドアは施錠され昼間にぎやかだった分いっそう淋しさを感じる場所でもある。
当直室の窓の下には中庭が広がっている。
深夜、わりと頻繁に白い人影が木立の間にポッンと立っているのを目撃することがある。
時には庭の方からヒソヒソと話し声が聞こえてくる。それはもう少しで内容が聞き取れそうだけど
今一歩のところで判別できないものだ。だが、紛れもなく会話である。複数の男声ばかりだったり女声が混じる場合もある。
そんな日はそっと窓を明けて見るのだが何もいない。

中庭にある一本の立派な松の木の手入れだけを絶対嫌だと断る植木屋さんがいた。
彼によると木の根元に小学生ぐらいの男の子とその母親らしい女性がしょんぼりと座っているのが
昼間でもはっきりと見えるのだそうだ。特にその木を切るなとか、手入れをやめろという感覚は伝わってこないのだが、
彼らの姿があまりに哀れで見ていられないし近づきたくもないという話だった。
彼のように霊感が強い人間はきっとその霊が生前に体験した悲しい出来事やつらい体験を波動として
そのまま受けてしまうのだろう。幸いオイラにはその霊の姿を見ることは出来ない。少しホツとした。

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第16話 死を誘う手招きする霊
ある霊感の強い入院患者さんの体験。『あたしの病室には幽霊が出るのよ。』Mさんはよくそう話していた。
ほぼ毎晩金縛りに遭って、病室のドアの方からヒュー、ヒューという音とスリッパのような足音が聞こえてくる。
いつの間にか動けないMさんの横に病衣を着た銀髪の老婆が立っている。
その老婆の咽喉元にはガーゼが止めてあって、そこから管が伸びているという。
そこからヒュー、ヒューと苦しそうな音を立てて何かを訴えている様子に見えると話していた。

こんなことがあった。病棟巡回中の看護婦が4階の喫煙コーナーを通りかかった時だ。
そこの窓を開けて、今まさにMさんが飛び降りようとしているのを発見してあわてて静止した。
彼女はハッと我に返ってケロリとして、『あの女の子は?』と聞いた。
病室で就寝中、小学校低学年ぐらいの女の子が現われて『おばちゃん、こっちに来て。』と手招きされたのだという。
誘われるままについていって大事になるところだったわけだ。

実はこの病棟からは過去に2件の飛び降り自殺があった。
ふたり共女性だったがいずれも成人で小学生には該当しない。
ただ、そのうちのひとりはMさんが飛び降りようとした同じ場所から投身自殺している。
その女性は自宅で精神病の錯乱発作を起こして救急車で搬送されてきた。
とりあえず一晩観察入院ということになったのだが看護婦が目を話した隙にあっという間に飛び降りてしまった。
病院の管理責任が問われた苦い出来事だった。手招きした小学生と一連の自殺との因果関係は不明だ。
単にMさんが寝ぼけていたと解釈した方が気楽なのかもしれない。

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第17話 憑依
日中のオフィスでの体験。デスクワーク中のある日、急に体から力が一気に抜けていった。
魂を抜かれるというのはこんな感じか?全く力が入らないし同時になんとも言えない寒気が襲う。
と、目の前のデスクの向こう側に白い服を着ている女性の姿がはっきりと見えた。
女性の周りは何か白いもやのような物が包むというか漂って見慣れた事務所の光景と重なっていた。
そこにもうひとつの世界が開けたという感じがピッタリだ。

事務所内を動き回る職員はその女性をつき抜けているし何の障害にもなっていないし気づいてもいない。
自分も寒気と衰弱で”別の世界の女性”のことなどどうでも良かった。
ともかくこのなんとも言えない不快感から脱出したいと思っていたが、体の自由はきかず、
ただ呆然とその女性を見ているしかなかった。

先に手招きする霊のエピソードを紹介したが、このとき見た女性もまさに次の瞬間、手招きをした。
なにか歌のような調子の声が聞こえた。これがいわゆる連れていかれるということか....。
不思議と抵抗はできなかった。体が明かにおかしい。ともかく異常な寒さをどうにかして欲しい。

その時、同僚に声をかけられて、なんとか自分の状態を訴えた。が、現実感が全くなく夢を見ているようだった。
当直室へ同僚が運び入れてくれた時もまるでその光景を別の自分がテレビで見ているような感じ。
我に返った時はすでにフトンの中だった。女性の姿も消えていたが、体はガタガタ震えるぐらい寒く、
このまま死んでしまうのではないかと怯えるぐらいだった。だのに検温してもらうと異常はなかった。

異常な現象が起きてから約3時間後、体調の悪さはある瞬間にパツと嘘のように突然治った。
もう夕方の4時を回ったか。起きて仕事へ戻った。
とりあえず自分の精神状態は健康なはずだが離人体験というものだろうか?

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第18話 番外編廃車置場の帰りに
同僚4人と集まって晩メシを食べた。ひとりの仲間がこの近くに有名な心霊スポットがあると話しはじめた。
その後の予定があるわけでもなし面白そうだということになって車で40分の現場まで行くことにした。
車の中に霊がいたとかいないとか、よくある廃車置場の幽霊話だ。

深夜も近い廃車置場なんて何もいないとしても気持ちのいい場所ではない。
車は正面から見るとなんだか人の顔のようだし、錆びの浮いたボディや剥げた塗装は血の跡みたく見える。
どこだっけか、オイラも昔、夜中にどっかの廃車置場を通りかかった時に1台の車の後部座席に
うずくまるように座る男性を見た体験がある。
真冬だったのではじめは浮浪者が入りこんだのかと思ったがちょっとUターンしてのぞいたらもう誰も乗っていなかった。
事故車なんかも多いからそんな事も度々あるのだろう。

連れて行かれた場所もうす気味悪くて嫌な場所だった。ほれ、あの車に出るんだぜと仲間が言うので、
しばし覗いていたが何もないのですぐに退散した。その帰り道のことだ。運転していたヤツが急にスピードを出して、
『俺の足!足!』と叫んだ。助手席の者が覗きこんで『アーッ!』と叫んで車は止まった。
一体どうしたんだと聞いてみるとアクセルを踏む足の上に何者かの手があって押さえつけていたと言うのだ。
助手席の者も見たと言って青くなっていた。あわてて左足ブレーキで車を止めたらしい。
自分は後部座席だったので確認はしていない。

近くにフアミレスがあったのでしばらくそこで気を落ち着かせてから帰宅した。
深夜で交通量が少なかったことと信号機の少ない直線道路だったので幸い事故は避けられた。
冷やかしの心霊スポット見物は危険だ。

(00/11/05追記)
この時のドライバーはある日夜の琵琶湖(滋賀県大津市)をドライブ中にも全く同じ経験をしたと話ていた。
彼は幽霊に足をつかまれるのがクセになってしまったらしい。

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第19話 最近の怪奇現象総まとめ
ここ最近の細々とした怪奇現象をまとめてみた。
(院内にて)
深夜に誰も入っているはずのない特別浴場から音がすると看護婦からの通報。
鍵を持って駆け付けると確かに断続的に「チャポーン、チャポーン」とか「カラカラン」など入浴中のような音が聞こえてくる。
中を確認したが真っ暗な浴室内は無人だった。しかも確認を終えたとたんに音がぴったりと治まった。
明け方、病棟へ続く渡り廊下を歩いていたら背後から姿の見えない何者かがついてきた。
スリッパのような足音はするのだが誰もいない。
午後11時半頃、事務所受付カウンターあたりで「こんばんわ〜」という女性のか細い声だけがした。
当然誰もいない。(この現象は以前から度々起きていて当院では”こんばんわ幽霊”として有名である。)

(自宅にて)
このページ執筆中の午前1時頃、台所を3、4歩素足で歩く人の気配を感じた。
直後、背後に冷たい空気を感じ、同時にツーンと耳鳴りがした。
午前3時過ぎ強烈な金縛りに襲われる。2、3度解けたりかかったりを繰り返す。最後の金縛りが終わった直後、
部屋に干してあった洗濯物のワイシャツが数枚風もないのにバサバサと揺れるのが見えた。

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第20話 霊がみつめている
とある病院の事務職員から聞いた話である。
真夏の害虫駆除で当直室が使えなかったので彼は事務室の奥にある長椅子を利用して仮眠をとっていた。
狭い長椅子の上で寝返りを繰り返しているうちに受付カウンターの方を向いた状態で金縛りに遭ったという。
そこには7〜8人の霊が立っていて彼を見つめていた。
しかも皆、点滴台を持っていたり病衣を着ていたというので院内で亡くなった患者の霊の集合体ということで間違いないだろう。

オイラも今の病院へ来てすぐの頃、当直室の押し入れが異様に気になった晩があった。
そこから誰かがじっと見つめているような感じがしたので電気とテレビをつけっぱなしにして寝たし、
寝付くまでの間、何度も押し入れの方を振り返って気にしていた。その晩は特に何事もなく無事に朝を迎えたのだが、
起きた時に押し入れを見たらふすまが5cmぐらい開いていてゾッとしたことがある。
夕べあれだけ気にしていたのでふすまが閉まっていたのは確実だ。ましてや恐ろしくて
自分からふすまを開けて寝るはずもない。夜どおしそこから何かがみつめていたのだろうか?

別の当直者はそこで金縛りに遭った時にズズズーッとふすまが開くような音を聞いた。
金縛りが解けて、そのまま寝入ってしまったのだが、翌朝閉めたはずのふすまがやはり開いていたという。
しばらくこの押入れはすごく気になっていたが、いつの間にか何も気にならなくなった。ここの幽霊はどこかに越したようだ。

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第21話 院内心霊スポット探訪その三
どこの病院でも共通して心霊スポットになっている場所がオペ室(手術室)である。
救急処置室同様に人命を救う第一線の場だがやはりここでも不幸に亡くなってしまう患者さんも多い。
当院のオペ室でも多数の怪奇箪に混じって、
なんと氏名の分かっている患者さんの幽霊が住んでいるというから気味が悪い。
どんな経緯で亡くなったかは聞いていないが、古参の看護婦によれば60歳代男性のKさんの幽霊だと言う。

出没するのは夜間のみ。オペ室当番の看護婦達が術後の器具を洗浄している時などに出現する。
ある若い看護婦などその姿があまりに鮮明に見えたので入院患者が入り込んだと思って注意しようとしたらしい。
スーッと消えてしまったと興奮していた。オイラも夜間にオペ室前を通りすぎようとした時に中から
「あけてえ〜な」という声をハッキリ聞いてギョッとした経験がある。
他にもオペ室はKさんの霊以外に細々とした怪奇現象が発生しており、院内でもかなり怖い場所のひとつとなっている。

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第22話 ある精神科医の体験談
精神科医から聞いた不思議な体験。

先生の担当されているある年配の患者さんはずっと幻覚、幻聴に悩まされ続けていた。
その訴えは極楽鳥のような鳥が現れて命令や指図をするというものだ。
オイラの少ない知識だと極楽鳥というのはパプアニューギニアの国旗になっている尾っぽが長く、
体色が色とりどりなカラーに包まれた美しい鳥だ。日本には生息していない。
もちろん鳥が命令することなど先生は全く信じていなかったが、
毎回カルテに記載される訴えの大半は鳥のことでいっぱいになっていった。

ある日の深夜、車で帰宅した先生が車庫入れを終えた時のことだ。所有しているもう一台の車の影に虹色の光を見た。
その正体を確認しようと思ったその瞬間、その場に釘付けのように体が動かなくなってしまった。
そして車のトランクのあたりから虹色に輝く漫画の火の鳥のような鳥がふわっと飛び上がったというのだ。
そいつはハチドリのように空中に静止した後、光の帯びを引いて飛び去った。
大きさはあまり大きくなかったが尾が長いことが印象的だったと語っていた。

そして、そいつを見ている間、全く現実感を喪失して自分がそこにいるのか夢の中の出来事なのか
区別がつかなかったと話した。オイラも過去の恐怖体験時にそんな離人症的と言える感覚を味わったことがあるので
先生の証言に違和感を感じなかった。我に返って見ると患者から受けた影響からくる幻のようだった気もするし、
見ている最中は確かにそこに妙なものがいるという確信があった。不思議な体験だったと語っていた。

ところで、精神科医の中には超心理学と言われる分野に興味を示す者が多い。
例えば内科的にも外科的にも全く異常のない精神病の原因が何か悪いもの(たたり?悪霊?)の作用ではないかという感じだ。
ただ、これは精神科医の個々の興味のひとつと言えるだけで専門に研究しているような医師がいるわけではない。

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第23話 番外編恐怖の予知夢愛犬に救われた命
12年前の夏の体験である。同僚達と山梨県方面へのキャンプを計画していたのだが、
いざ3、4日前になったとたんあれだけ楽しみにしていたキャンプへ行くことが意味なく嫌になってしまった。
その頃、鮮明な夢を見た。我々がキャンプを楽しく終えて高速に乗って家路に向かう光景だった。
追い越し車線を走るオイラ運転の車をすごい勢いで大型トラックがベタづけにしてくる。
パッシングとけたたましいクラクションに面くらったオイラは走行車線へ逃げ込むが余程慌てていたのだろう。
死角に入った車に気づかず車線変更を強行してあえなく衝突してしまった。
次のシーンは大破して炎上するオイラの車を上空から浮かんだ状態で見ているというものだ。
ハッキリと○○インター○Kmの高速看板まで読み取れた。

そんな夢の影響でいよいよ行く気を無くした上にカンの鋭いオイラのかあちゃんから
「今度のキャンプはアンタを出したくない。理由は分からないけどやめたら?」とダメ押し忠告。
同僚達に夢の内容を話して判断を仰ぐが皆一様に楽しみにしていてどうしても行くということなので決行してしまった。
オイラも嫌な夢のことは忘れることにした。キャンプはそれなりに楽しく無事に2泊3日の予定を消化した。

ところが、帰りの高速で夢と全く同じシーンが再現された時、あーっ、やっぱりだ!とてつもない後悔が襲ってきた。
猛烈な勢いで迫り来るトラック、落ち着け、落ち着くんだ・・・・。走行車線をしつこいほど確認し車線変更を終えた。
同時に夢で見たインターの看板を通り過ぎた。さ、避けたぞ・・・。
同乗者全員が事前にオイラの夢の内容を知っていたので驚きを隠せない様子。
次のSAで、「あー助かった。ありがとう。」まで言われたのだ。

帰宅するとオイラの愛犬チャーリーが交通事故死したとかあちゃんが泣いていた。
オイラ達がキャンプに出発した直後に散歩中のオヤジの手から鎖を振り切ってトラックに飛びこんだというのだ。
かあちゃんには心配するといけないので夢の話は伏せていたのだが、こちらが説明する前にこう言った。
「あれは絶対にチャーリーが身代わりになってるよ。アンタが帰ってくるまで本当に心配で毎日仏壇に手を合わせていたんだから。」

チャーリーはその1年半前にオイラが拾ってきた捨て犬だった。
ノラの時に人間にひどくいじめられたのか尻尾がちぎれ、後ろ足はビッコだった。
どうお世辞目に見てもかっこいい犬とは言えなかった。
深夜のコンビニの前をチョロチョロしていた姿が哀れだったのでお菓子を買い与え、
ついてきたので思わず拾ってしまったのだ。飼い主に迫る危険を事前に察知して身代わりになってくれたのだと思う。
もし、今回キャンプを強行しなければ彼の命は助かっただろうか?いや、
恩返しという形で命を終えるのも彼の運命だったと思えてならない。

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第24話 番外編お化けことはじめ
そもそもオイラはいつからお化けを見るようになったのか?
一番最初は幼稚園の年長さんの時だったと記憶している。お盆休みに遊びに行ったじいちゃんちでのことだ。
夜8時ぐらいだったか?物置のあたりに人の形をした黒い影が立っていて、縁側から部屋の中へ入ろうとしていた。
じいちゃんも、「あ、いるいる。お盆だからご先祖さんが帰ってきたんだよ。」と言っていたが
今にして思えば子供のオイラに調子を合わせていただけだったと思う。

その部屋にはオイラが遊び散らかしたおもちゃが散乱していたので、
怖いというよりおもちゃを持っていかれるのではないかとハラハラしていた。
そいつは部屋の中をうろうろしたあと突然見えなくなった。影だけだったが中年以降の女性と認識していた。
その後のオイラは怖い話、番組大好き少年として成長していったが高校までは何の不思議体験もなく無事に過ごしていた。

高校になってM君と知り合ったことが霊眼開花のきっかけか?M君は心霊体験が豊富でよく皆を怖がらせて喜んでいた。
なにやらこの話を聞くと必ず金縛りにあうというエピソードがあって(内容は忘れた。)
聞いたオイラは金縛り初体験をする。以降のオイラには急激に不思議体験が増えた。
それにかあちゃんの影響もあったと思う。彼女も子供の時から親戚のおじさんの死を予知したり霊を見たりしている。
カンとかもめちゃ鋭い。でもかあちゃんは全部見間違いとか偶然でかたづけてしまう超常現象否定派だ。

21、2歳までオイラには危機を教えてくれるような声の存在があった。そこを通ってはいけないとか聞こえるわけだ。
(決まって右耳の後ろあたりから)ところがこの忠告で災難を避けられたことは一度もなかった。
その時は気のせいと考えて行動してしまうからだ。先の例だと原付の一時停止違反で反則切符を切られている。
そして、ああこのことだったのかと気がつくのだ。

オイラはある事ですごく悩んでいて、考えに考えたあげく自分なりの解決策を思いついた。
よし、そうしようと決断したとたん、「逆効果だ。」と聞こえた。
ちょうどその時、オイラは混雑した駅の改札に向かって歩いている時だったので、
聞き違いか、自分自身の迷いの声だと思った。そして、絶対に失敗するはずのない練りに練った秘策を実行して大失敗。
さらに立場を悪くしてしまった。その存在はいわゆる守護霊だったのだろうか?
ともかくそれを最後にもう何も教えてくれなく今日に至っている。

現在のオイラだが、カンはかなりに鋭いと思う。特に悪い方へ発展するようなことは割と察知してしまう。
それと人の考えが読める場合もある。お化けにしても出るべきとこへ行けばそれなりに見る。
それでも十分フツーの人だと思っているので、東京に大地震がくるのはいつですか?などとは聞かないで欲しい。

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第25話 番外編じいちゃん
うちのじいちゃんは超常現象を一切否定する人だったので、オイラがその手の番組を見たがったり、
小学校の高学年にもなって一人でトイレに行けないことを快く思っていなかった。
TVに映る霊能者のインチキ性とか、先祖が供養が足らないなどとかわいい子孫をたたるわけがないなど、
いろいろ例をあげてはこんこんと説明してくれた。

でもじいちゃんが亡くなる10日ぐらい前のこと
「じいちゃんはもうすぐ死ぬよ。じいちゃんの幽霊が出てきたら怖いか?」そう言った。
霊の世界などないと言っていたのに変だなと聞いてみると、バカに思うだろうが、死んだ両親が毎日枕元へ来ると言う。
ちなみにじいちゃんは老人特有の痴呆はなく亡くなる直前まで意識も清明だった。
ましてやこの日はまだ入院もしておらずピンシャンとしていたのだ。オイラはまじめに答えた。
「死んでも現れるというのはまだ迷っているということだから出てきてはいけない」
その晩、じいちゃんは突然肺炎を起こして緊急入院した。

亡くなる前の晩、付き添っていたオイラはじいちゃんのベッドを取り囲む白装束の集団を見た。
写真で知っていたのだがじいちゃんの両親もいた。
他の人達もきっとじいちゃんにかかわるすでに亡くなった人達だったのだろう。これがお迎えというやつか?
じいちゃんは最後まで意識がしっかりしていたので、かけつけた者ひとりひとりに別れを告げて逝った。
オイラには死んだら守ってやるからなと言った。

それからオイラはつらいことや悲しいことがあるともう一度じいちゃんに会いたいと願った。
でも一度も現れることはなかったし守られているという実感も雰囲気も気配も何も感じない。
きっとこの世での役目をきっちり終えて霊界で静かに休んでいるのであろう。
あれから10年。今でもオイラにとってじいちゃんは誰よりも尊敬できる人物だ。

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第26話 Tさんのいた夏
仲の良かった患者のTさんはガンだった。
入退院を何度も繰り返していたけどそのたびにまるで我が家へ戻ったように元気な声で病室に帰ってきた。
彼はオイラの当直中に事務室へよく話にやってきた。一緒にコーヒーを飲んだり、消灯時間を過ぎてもテレビを見たり
将棋をしたりしていたので婦長にはいつも目をつけられていたものだ。

夜遅くに喫煙室のソフアーに座って一人寂しそうにタバコをふかすTさんは印象的だった。
誘ってみると、「婦長が事務所へ行っちゃダメだって言うんだよ」
それでもたまには目を盗んではオイラと事務所で盛り上がっていた。
そのたびに若い看護婦が怒ったような顔をして車椅子で迎えにきたものだ。
病棟の看護婦たちは彼のことは嫌いだったようだ。
「声がデカいし、馴れ馴れしい。すぐに甘えるしおまけにエッチ。」そんな評判を聞いては、オイラとおんなじじゃんと笑っていた。

夏の暑さが緩み、そろそろ日も短くなった頃から彼は具合が悪くなって病室から降りてこなくなった。
たまにお見舞いに顔をだしたものの、日に日にやせ細っていく姿に耐えられなくなりやめてしまった。
どうやら「終末期」に入ったようだ。そんなある当直の晩、事務所でボーッとテレビを見ていると、
受付の前にTさんが立っているのが目に入った。
あれっと目をやると彼はオイラの顔をちらっと見ただけで死角になる方向へさっと行ってしまった。

すぐに事務所のドアを開けてみたがあたりに彼の姿はない。これはひょっとすると・・・・、と、後ろに気配がしたので
振り返ると廊下のずっと向こうの自販機コーナーの前に彼が立っているではないか。彼は右手をすっと上げた。
そして自販機の明かりに溶け込むように見えなくなった。オイラには事のすべてがもう分かっていた。
事務所へ帰って病棟へ問い合わせを入れようかと考えていた矢先に内線がきた。
「○○病棟で急変です。ドクターをお願いします!」Tさんは家族が駆けつける間もなく亡くなってしまった。
きっと霊感の強いオイラにお別れを言いにきたのだ。
なじみの患者さんとのお別れは病院に勤めている以上日常的に体験することだ。
でも、Tさんとは格別にウマの合う間柄だったのでつらいことだった。

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第27話 番外編動体視力
つい先日テレビで動体視力のことをやっていた。
ボードに書いた6桁の数字を0.5秒間見せてすべてを正しく記憶できるかというものだ。
動体視力が比較的優れていると言われるプロ野球選手をゲストに迎えていたが正解率は意外と低いものだった。
オイラはというとなんと全問正解だ。前にも新幹線の窓に図形を書いた紙を貼りつけてフルスピードで走行させ、
その図形が見えるかという実験を見た。オイラはそれにも正解した。

そこでふと思ったのは、ふり返った時に一瞬人が立っているように見えたり、自分以外写っているはずのない鏡に
一瞬人の顔が見えたことを今までは気のせいのように思っていたけど、
もしかすると動体視力が優れているゆえに霊が見えるのではないかということだ。
霊は目で視覚的に見る場合と感覚として心で見る(感じるとは明らかに違う。)場合があるが、
自分は視覚的に捕らえることの方が多い。

よくあるのは日中車の運転中、信号で止まった時など。ほんの一瞬たたずんでいる人を見てハッとするものだ。
そんな場所にはたいがい死亡事故現場の看板があったり小さなお地蔵さんが祭ってあることが多い。
踏み切りの列車の通過待ちの時にもよく経験することだ。

そんなにたくさん霊を見ているオイラでさえ半分は錯覚と考えていたのに、
こないだのテレビのおかげでもっともっとたくさん見えているのではと心配になった。
なぜならオイラんちのバスルームの前なんだけど、しょっちゅうコンマ何秒かの間だけど女の人が見えるんだけど・・。
たまに洗濯物をつり下げているので衣服と見間違えたかなって程度だったが。
人間の女性には全く縁がないのを憂いて住みこんでくれているのだろうか?
そうなら炊事、洗濯のお手伝いをぜひお願い致します。

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第28話 番外編そもそも幽霊ってなんだろ?
発明王エジソンが霊界ラジオなる代物を作ったことをご存知だろうか?発明のきっかけやいきさつ、
その仕組みについては忘れてしまったがともかくその機械は死者の声を記録することに成功。
信憑性についてかなりの論じ合いがあったとオイラの読んだ本は報じていた。

さらにエジソンは霊の存在について全く懐疑的な人を納得させる一番いい説明を残している。
それはこうゆうことだ。「目に見えない物を信じるというのは困難なことだが、じゃあ電波はどうだろう。
目に見えるわけではないのに誰もが電波の存在を信じているではないか。」
つまり、こうだ。我々の周りには始終目には見えないが電波が飛びかっている。
それはフジテレビであったりTBSラジオだったりするのだが、ラジオやテレビなどの受信機がなければ誰も存在を信じない。
受信機を介してはじめて目に見えない電波の存在を人々は信じるのだ。幽霊もそれに近いものがある。
ある種の人々は自らが受信機のようになり彼らを目撃してしまうのだろう。
したがって受信機を持っていない人達にとっては信じがたい現象になる。
エジソンはそのあたりを証明するために霊界ラジオなるものを開発しようとしたのではないだろうか?

霊とは意思を持った未発見の精神エネルギーじゃなかろうか?人間には魂があって、
そいつが意思を持っているなどと言えば馬鹿馬鹿しいけれど、
人が死んだ時になんグラムか体重が軽くなることが分かっている。つまりそのなんグラムかが魂という未知の物質で、
肉体を離れた後にも活動している。個人的にはそう思わざるを得ない。
じゃあどこでこの世に迷って目撃される魂と2度と現れない故人の魂の差ができるのか?
そして、後者の魂はどこへ行ったのか?人に悪影響を及ぼす魂を強制的に消滅(浄化)させる物質は発見できないか?
等など、謎や期待がつきない。皆さんはどう思いますか?当方、キツネやタヌキが取り憑くなどとは思っていませんが・・・。

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第29話 三重県のある病院
三重県の郡部にある病院で起こる怪現象をそこの看護婦さんから教えてもらった。
中庭に20人ぐらいの兵隊さんが現れて行進しているらしい。(見たい!)
防空頭巾を被った10歳ぐらいの衣服ボロボロ少女の霊が出る。遭遇すると必ず微熱が出て悩まされる。
深夜に毎日歌声や鼻歌、雑談のような声の聞こえる場所が院内にあるという。
そこではよく白いひらひらしたものが目撃されるという。巡回中自動ドアでもない扉が目の前でスッと開く。
もう慣れっ子になっていてお礼を言ってから通る。霊感の強い看護婦が5人ぐらい働いている。

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第30話 不吉な予感(投稿)
あれは、私が小学校4年生の頃。電話で、伊香保の親戚が入院したという電話が入りました。
死に至る様な重い病気ではなかったのですが。ママリンが電話で喋っていたんだけど、私は丁度その場にいたので、
ママリンが病院や症状等を確認するのをボーッと聞いていました。TVを見ていたし、
入院はしたけど大丈夫だというのでそんなに気にしていませんでした。で、お見舞いに行く為、
ママリンが病院名と部屋番号を聞いて、メモっていました。確認の為にママリンが復唱した時、部屋番号を聞いた瞬間、
「その部屋はダメだよ!」と即時に感じました。もちろん、私はその病院にいった事も無いし、
親戚もの病気も軽い物だったので、縁起の悪い話はしたくなかったので家族には黙っていました。
一応ママリンに「大丈夫なの?」って聞いたけど、命に関わる病気ではないから大丈夫だよ、っていってました。
それから2日目に、訃報が届きました。家族は「軽い病気だったのに、どうして??」と言っていましたが、
私は「やっぱり・・・」と思いました。でも、訃報が届いてから家族に話しても、信じてもらえないと思い、
今でもその事は自分の中にしまってあります。シックス・センス?
何だか解らなかったけど、部屋番号を聞いた時、鳥肌が立ったのを覚えています。
(メール投稿より抜粋)

これは医療ミスによるものか、はたまた院内感染だったのか?いや、やはり連れて行かれてしまったのかも知れません。
なんとなく気持ちの悪い病室、幽霊が出ると言われる部屋(個室が多い)はどこの病院にも必ずあります。
そんな部屋に入った患者さんから時々、「部屋を変えて下さい。」と訴えがくることがあると
ああ、やっぱり感じる人には分かるんだなと改めてゾッとしてしまいますね。
(やまちゃんより)

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第31話 病院近所の魔の踏み切り
病院のすぐ近所に事故の多発する魔の踏み切りがある。
ひどい時は月に1〜2件の飛び込み自殺が数カ月連続したこともある。
そして不名誉なことに死者の8割がうちの精神科がらみの患者さんだ。過去通院歴のあった者、現に通院中の者、
入院中で外泊だった者などなど・・・。だからそこで事故が発生すると間違いなく警察から照会の電話がある。

さて、この踏み切りには以前死者の霊を慰めるために小さなお地蔵様が祭ってあった。
ところが事故は全く減らず、何年か前には大きな慰霊塔にすり変わった。何か異様な光景である。
深夜にこの踏み切りに近づくと慰霊塔を中心にボーッと青い光が無数に固まっていることがある。
今までの経験で分かるのだが、死者の霊は集まると青く見えるのだ。

深夜出勤の看護婦がこの踏み切りで原付の一時停止をし、発進しようとしたら全く動かなくなった。
バイクの後ろを無数の手がつかんでいた。沿線では複数の男女の幽霊が目撃される。そんな話しで有名な場所だ。
所在地は明かすことはできないが、こちらの地方で○○線○○駅○号踏み切りと言えば
ほとんどの人が眉をひそめる心霊スポットになっている。
霊媒体質の人間にはよく分かるのだが、ある場所を訪れた時に意味もなく悲しくなったり憂鬱感を覚える場合がある。
そこは踏み切りだったり近くに高層マンションがあったりする。
さ迷える死者達の霊が生者を引き込もうとするトワイライトゾーンなのかも知れない。

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第32話 院内心霊スポット探訪その四
うちの病院のここは幽霊が出ると紹介してきたシリーズもその四になった。
まだまだ細かい現象が見られる場所があるのでざっと紹介する。今回は看護婦の大半が霊を目撃している場所。

遺体搬送用エレベーター/昼間に乗っても気持ちが悪い。夜間は絶対乗らぬこと。
そのエレベータ内には鏡が設置してあって、そこにパジャマを着た男の幽霊が映る。

某病棟内当直室/ここで当直する看護婦は気休めにしかならないが、仮眠を取る前にイスをかたづけるという。
イスに霊がよく座っているからだそうな。子供の霊がお腹の上を這い回った例も。

某病棟レクリェーション室と看護婦更衣室/霊感の強い看護婦に言わせると、両方ともに同じ人の霊が常時いるという。
オイラは前室の方で上半身だけの老人がふわふわと壁の中へ入っていくところを目撃。
後室の前の廊下ではふいに後ろから肩を叩かれることがよくある。

某病棟内の職員トイレ/深夜にボックスにすわっていたら(洋式)ドアのすぐ前に人の気配がした。
ドアの隙間から男ものの革靴の先がはっきり見えてめまいを起こすぐらいゾ〜ッとしたことあり。
もちろんドアを開けても誰もいない。
ここは小用を足していても後方のボックスの中から人の気配や妙な音がよく聞こえる嫌〜なトイレ。

1階のロビー/テレビや喫煙スペースの確保してある空間。
1年ぐらい前まではそのテレビの前の長イスにきちんとネクタイを締めグレー系のスーツを着た男性の幽霊が
いつもうなだれて座っていた。日によっては夕方の6時ぐらいには見えているので
同じ場所に人が座っていると重なっていたのが印象的。
その霊はこちらの世界が全く見えていないようで夜中にオイラが前をうろうろしても微動だにしなかった。
当時ある看護婦と怖い話をしていて、同じ場所を指して「あそこっていつもいるね
」と言うので分かる人には分かるんだなと思った。いつのまにかいなくなっていた。
第4話との関連を疑って見たがこちらはブルーのネクタイである。

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第33話 番外編とあるラブホテルにて
この話は体験としてはごくありふれたものなのになぜか思い出すたびにゾッとする。書いている今も鳥肌が立っている。

そのラブホの部屋は入った瞬間、嫌〜な空気が漂っていた。部屋を換えてもらおうかと考えたが、
とにかくパートナーの雰囲気を壊してはだいなしなので思いなおすことにした。
ところがバスルームに入ったとたん嫌な感じが倍増した。誰かに見られている。
何か姿の見えない者にみつめられている・・・。浴槽につかりながらも緊張状態。
体を洗う時もたびたび手を休めては耳を澄ませたり、あちこちきよろきょろ見回わさねばならなかった。
そして泊まって、当然のごとく金縛りにあった。朝、チェックアウト直前の日の高い時間になったので
さすがにバスルームの雰囲気も普通だろうと風呂へ入ると、晩と変わらず何とも言えない嫌な雰囲気。
大の男が恐ろしくてその場に長くいたくないと思うほどだったのだ。たったこれだけの体験。

ところが、数か月後に同じホテルを利用した。
フロントで一部屋しか空き室がなかったので適当に入室するとなんとまた同じ部屋!しまった!
この間のことは気のせいと思うようにしたけどやっぱりバスルームで同じ思いを味わった。
そして金縛りの時、オイラの体の上に長い黒髪の女が乗っているのを見た。
必死に声を上げようとしたがうめき声にしかならなかった。朝、パートナーがこんなことを言った。
「寝ボケていたからかも知れないけど、苦しそうな声がしたので見たらやまちゃんの上になんか黒いカゲみたいのが乗ってたよ」

朝のバスルームで恐怖が再び津波のように襲ってきた。浴槽に長〜い女の黒髪が束になって落ちていたのだ。
オイラのパートナーは茶髪だというのに・・・。

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第34話 番外編未確認飛行物体
UFO(未確認飛行物体)のエピソード。オイラの小学生時代は超能力や心霊、
UFOをテーマにしたTV番組の花盛り。ある番組でUFOを呼ぶ呪文というのを知って試してみた。
その時が初めてのUFO目撃体験だった。

雲ひとつないよく晴れた土曜日の午後、野球のボール大の丸い銀色の窓もない球体が
キラキラと太陽光を反射させながら飛んできた。呪文を唱えて数分後のことだ。
これに気を良くしたオイラは後日クラスメートに自慢したが全く信じてもらえなかった。
そこで、学校帰りに4人で呪文を唱えながら帰ることにした。初日は何事も起きなかった。
きっとUFOも今日は銀河系の彼方にあってすぐにはこれないのだ。
そんな屁理屈を言いながらもこれから毎日やってみようということになった。

そしてついに4日目、H君の絶叫でUFO登場を知る。今度は葉巻型の円盤だ。
西の方角に連なる○○山系の山々の稜線に見え隠れしながら不規則に飛行している。
オイラ達は夢見心地にその光景を眺めていた。

それから何年も目撃はなかった。一番最近は3年前のこと、野っぱらに車をとめて彼女とムダ話に興じていた時だ。
時刻はすでに午前3時過ぎ、西の空から強い光を放ちながらくるくると回転しながら飛んでくる物体に気づいた。
空港の方へ向かってはいるが形状が航空機には程遠い。しかも時間が時間だ。
そのうちほぼ真上にやってきたので「UFOだったら降りてこ〜い」と念じてみた。

するとその物体は我々の真上でピッタリ静止した。そして光ながらくるくる回っている。
これには彼女も大喜びで「面白〜い。スゴ〜い。」を連発していた。オイラは本当に降りてくるかとヒヤヒヤしていたが
そいつはしばらく留まったあとで東の空へ飛んで行った。それからは全くUFOの目撃はない。
なにやら世の中には宇宙人に誘拐されたと語る人々がいるが、
それは遠慮しとくとして見るだけならなかなか夢があって良いものだ。

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第35話 前勤務先の病院
前に勤めていた病院でのこと。
窓口も手が空いてきた夕暮れ時、オイラの前をチョロチョロしていたおばちゃんが窓口へやって来て
じっと顔を見ながら「あら〜あなた霊感強いでしょ?いろんなもの見えるでしょ?」いきなりそう言った。
何かの宗教勧誘かと警戒したがおもしろそうだったので待合の長いイスに場をうつしておしゃべりした。

「あなたみたいな人はかわいそうよ〜。いろんな霊に頼りにされちゃうでしょ?気の毒に・・・」
おばちゃんはみけんにシワを寄せながらしきりにオイラのことをかわいそう、気の毒と続けるので気が滅入ってきた。
そしてオイラの頭に手をかざした。(お!きたきた、やっぱり何かの勧誘だ。)
「あら?頭の中きれいねえ。すごく浄化されてるじゃないの!これなら心配ないわ。力が強いのかしら」だって。
おばちゃんは何の勧誘をすることもなく帰っていった。この女性はキツネかタヌキか?謎だ。

さて、この病院に隣接している看護婦寮にも怪談話があった。とにかく古い建物で日当たりが悪く日中でも薄気味悪い。
深夜に飲み会などから帰宅した看護婦が仲間と表で立ち話なぞしていると
寮の3階の窓あたりから男性の幽霊がじっと見つめていることがあるという。
明け方に木の廊下をミシミシと歩く足音や階段をぬれた雑巾がこするような音も確認されている。
一番怖かったのはうす曇の日の日中にガラス窓に男の顔が浮かぶという話。
その病院全体の敷地は以前墓地だったとのことだ。

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第36話 番外編妹
はたちになったばかりの頃、心霊現象でとても悩んだことがある。連日連夜金縛りに遭って夜が来るのが不安になり、
寝るのが怖くなってしまった。なにせ一晩に5回も6回も金縛りに遭うのだから。
そのうち体重は減ってゲッソリし、食欲も落ちてきた。このままではノイローゼになるなと本気で思った。

友人や恋人などたくさんの人にこのエピソードを聞いてもらった。多くの人に知ってもらうことで
この現象が止まるような気がしたからだ。しかし無駄だった。両親にも話してみたが全く取り合ってもらえなかった。
それで電話帳を開いて霊能者探しまで試みた。
ついに母親が思い余って知人に相談して、その人から霊能者を紹介してもらった。

自分的にも霊能者に会うのは馬鹿馬鹿しいとは思ったがこの状況から逃れるためにはワラにもすがりたかった。
霊能者が語った内容はこうだ。
オイラの母親に水子がいる。それはオイラの妹になるべき子供だった。
その子が自分の存在を知らせるために訴えている。そんな話しは寝耳に水で信じられなかったが、
嘘と判断する前にお母さんに聞いてみなさいと言うので帰宅後に尋ねてみた。

それで初めて母親から水子の話しを聞いた。生きていればオイラより3つ下だったらしい。
妹を妊娠した時、母親は体力的に産むことが困難だったそうで医師の勧めもあって堕胎していたというのだ。
ショックだった。自分はずっと妹が欲しいと思っていて、
もし自分に兄弟がいたらという話題になればすかさず妹と答えていたのも何かの因縁だろうか?

オイラはこの世に産まれたくても誕生することのかなわなかった妹のことを考えてみた。
もし生きていたらすごい妹想いのにいちゃんになっていたのになあ。
ともかくこの事実を知った日からあれだけ悩まされた怪現象はピタリと治まった。

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第37話 あるはずのない物の音が聞こえる
しばらく怪奇現象と無縁な生活をしていた。心なしかその間は体調も良かったような気がする。
今日の話は最近になって発生した現象だ。ここ数週間前から当直室で仮眠する際に妙な物音がするようになった。
一番頻繁に聞こえる音はコンビニのビニール袋の中にゴキブリを入れてガサガサさせたような音。
これが枕元や足元から聞こえるのだがもちろん袋などない。
音に気がついて耳をそば立てはじめるとすぐに聞こえなくなる。

他にも不気味な物音がする。ざっと記憶にある物をあげてみよう。
おもちゃのタイコを一回だけ叩いたような音「ポ〜ン」
火の用心の拍子木のような音「カチカチ」
割り箸を裂いたような音「パキッ、ピシッ」
畳の上や床板の部分を誰かが歩く音
女のうめき声「あ、・・・うぅぅぅ〜っ」

ラップ現象というやつだと思う。うちの当直室も霊が出たり入ったりで不思議体験の宝庫だがしばらくは静かだった。
もしかしたら再び凄腕のヤツが入り込んでいるのかもしれない。当直室での寝苦しい日々はまだまだ続く。

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第38話最近の怪奇現象総まとめそのニ
ここ最近の細々とした怪奇現象の総まとめである。

当直中の真夜中、病院のインターホンが鳴ったので応対するとタクシーの運転手だった。
お客様をお迎えにあがりましたとおっしゃるが院内でタクシーを呼んだ者は誰もいない。
というより施錠も済んで数時間、院内は真っ暗で病棟以外に人はいないのだ。
「配車依頼は老女の声でした。」ばあさんがイタズラ通報するかなあ?
タクシーが帰ってから数分後、病棟から患者が亡くなったと知らせがあった。長期入院の80代の老女だった。
家に帰りたがっていたばあちゃんの霊がタクシーを呼んだのか?

当直室での妙な物音は相変わらず継続中。頻度は20〜50分に一度程度。寝つきの悪い晩は結構気になる。
ないはずのドアの開閉音「キィィィ〜ッ、バタン!」や変な女の声「ハ〜イ」とか「オイ!」がする。
他の当直者はネズミだと言い張るが・・・。

当直室と中庭をはさんだ向かいは精神科病棟。夜中深々としているので患者の叫びがたまに聞こえてくる。
先日も「ギャァァァ〜ッ」とか「アーーッ」と聞こえたので注意していると早速病棟から非常事態通報。
錯乱患者保護の応援要請だ。患者は病室にお化けがいると訴えてパニックを起こしていた。
よくあることなので落ち着いて医師の鎮静剤注射の様子を見守る。
だが、その最中、オイラは鏡にニタァ〜と笑った女の顔が浮かんだのを見た。
科学の発達した世の中だが精神病の何割かはヤツらの作用が原因に違いない。

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第39話 番外編金縛りを防ぐには
経験したものにしか分からない金縛りの恐怖を高確率で避けられる方法を伝授しよう。それは荒塩である。
一般の食塩ではなくミネラルやニガリ成分を含んだ物に限られる。商品名で言えば「伯方の塩」だ。
古来よりお清めの塩と呼ばれるように荒塩の殺菌パワーは絶大だ。
多少の乾燥肌やアトピー性皮膚炎にも効果がある。
霊体をなぜ寄せ付けがたくするのかは不明だが美容効果も兼ねるので試して欲しい。

入浴時に体にすりこんでマッサージすればOK。効果的に浸透させるには入浴前に体をきれいに洗い、
湯船にも荒塩をふたつかみほど投入しておくこと。最低10分は湯船につかり、
塩マッサージを2度程度繰り返せば完璧だ。
よく霊の出没する部屋の四隅に荒塩を置いておくといいと聞くが経験上、
自らの体に結界を張った方が断然効果的だ。(何も置かないよりは置いたほうがよろし。)

自分の場合は金縛りに遭う晩はなんとなく分かるのでそんな日は特に念入りにマッサージを施す。
病院での当直時はこの手が使えないのはつらいが。これで100%大丈夫という保証はないが
不幸にも金縛りにあったとしても確実に硬直時間も相手のパワーも弱いということが分かる。
よく質問されるおふだや経本、聖書などを枕元に置くという方法だがこれは全く効果なし。
心の中で般若心経を唱えたらさらにきつく締め上げられる場合多し。

いざ金縛りに遭った時に解くコツはとにかく全身に力を入れてえいっ!と体を起こすこと。
なすがままにさせていると解けてはかかりをダラダラ繰り返して遊ばれてしまうので損である。

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第40話 院内幽霊騒動再び
旧看護婦当直室の幽霊騒動(第1話参照)が一応の解決を迎えて数十年(らしい)。
今度は現在の看護婦当直室で幽霊騒動が持ち上がった。今回の現象はちょっと派手である。
午前2時を回った頃になると老女の狂ったような笑い声とドアを激しくノックする音、
廊下を何かがドスンドスンと歩く音が聞こえるというのが看護婦からの第一報だった。
恐々廊下を確認しても当然誰もいない。

別の看護婦は老女の叫び声のようなものを聞いて慌てて飛び起きたと同時に
自分の両足がフトンの上で勝手に持ちあがって、そのままドスンドスンと数回叩きつけられたと言う。
それで看護婦達はここを使うのが嫌だと言い出すし、
女医までも隣室の医師当直室で寝るのは怖いという騒ぎになった。
部屋を換えるというわけにもいかず事務サイドも苦慮しているぐらいなのだ。
寝たくなければ明るい場所で起きていればいいとか
病棟の夜勤者と一緒にはりついてりゃいいなどしか言えず文句の収まることがない。

つい先日もある看護婦が当直室から出る時に廊下に何か姿の見えない者がいて、
そのまま病棟巡回だったので歩いているとずっとついてきたらしい。
当直室に戻ってふと電源の入っていないテレビを見ると画面についてきた人の顔が映っていたということだ。
これら一連のケースでは心霊ハンターと思われているオイラが質問攻めにあうという状況である。
霊は院内のどこにでもいる。
例え再び当直室を換えたところでそこがお気に入りの場所であればまた別の霊がやってくるのだろう。
お払いをするにしてもここは病院、次々とこの世に想いを残した死者たちが誕生している場所なのだ。

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第41話 心霊ナースの病棟怪奇箪
看護婦には霊感がある人が多い。職業柄だんだんと見えるようになってしまうのかも知れない。
いちいちおおげさに怖がっていては仕事にならないのでこれから看護婦を目指す方はお化け対策も考慮にいれるように。

さて、ある病棟での出来事。深夜に誰も乗っていないエレベーターのドアが開いた。
ナースステーションからそれを見ていた夜勤者のナースが、「あ、Aさんが来た。」と言った。
相棒ナースには当然何も見えず、2日前に亡くなったAさんが来たなんて、からかっているのかなと思ったらしい。
でも当のナースは真剣そのもので、Aさんタバコが吸いたいんだってと、灰皿を用意して火をつけたタバコを乗せた。
タバコは口で吸わない限り先が赤く燃えたりするはずがないのに、
相棒の見ている前でタバコは定期的に赤くなって紫煙をくゆらせたと言う。
そして、「あ、帰りは階段なの?」と言った直後に誰もいない階段を何者かがペタペタ音を立てて下りていく音が聞こえたんだと。
相棒ナースはそんな状況を当たり前のようにしている心霊ナースに唖然としたらしい。

そのナースによれば、時々病棟のラウンジの窓の外(3階である)に中年女性と
その子供と思われる霊が浮かんでいるという。オイラが病棟に顔を出した時に今いるからと言うので見に行ったが
残念ながら(?)見えなかった。それで窓を開けようとしたら「ダメだよ。窓を開けたら入ってくるから」霊なんて
窓とか壁なんかすり抜けるんじゃないのか?「中に入りたくても入れない。窓を開けてって言ってるのよ」
彼女が平然と言うのが怖かった。

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第42話 幽霊はメカが好きとか・・・
放送局のスタジオ、調整室やテープの保管庫、幽霊は機械とか磁気を帯びた物がある場所を好んで出現するようだ。
病院も電算室に意外と幽霊が入り込む。夜中に黒い人間みたいな影が立っていて一瞬で消えたなんてザラだ。
パソコンがずらっと並んだ場所ってのは画面に幽霊が浮かびあがることがあって怖い。
テレビやパソコン画面を介した霊体というのはなぜか見えやすくなるようではっきりと見える。
心霊写真にも電源の入っていないテレビに映った顔、なんてのが多い。

職場のパソコンの例だと一度みたきりだが、夜中にトイレへ起きた時、
事務室のカウンター越しに一台のパソコン画面が青くボーッとしているのをみつけて消し忘れかと
よく見たら男の横顔だったことがある。それがトラウマになって自宅のパソコン画面も深夜に妙に気になって仕方がない。
(使っていない時)夜中にデスクトップのある部屋を通ってハッとしてみれば画面に電気の光りが反射していただけ
というのが何度かあった。職場で見たようなやつをうちのパソコン画面で見たらぶっ倒れそうだ。

看護婦当直室のテレビもよく霊が映ることが有名でみんなボリュームだけ絞ってつけっぱなしにして寝ている。
たまに放送終了の日にあたって砂嵐になっていて怖いという笑い話も聞くが、本当に笑ったのは看護士の体験だ。
その看護士は幽霊なんか見たこともないし怖くもないってことでテレビも消して寝ていた。
夜中に背後でボソボソ話し声がするので起きて振りかえったら、テレビに男女の幽霊が映ってて会話してたという。
そして、彼の言葉「全然怖くなかったぞ〜。なに話してるかわからんし、漫才でもしてたのかぁ?
お化けってあんなもんか。つまらん。」

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第43話 ざわつく事務当直室
先日の当直勤務は久しぶりに怖い思いをした。
最近看護婦達の間で幽霊騒動が話題になっているせいかその晩は早いうちから当直看護婦と幽霊の話題になった。
2時間はたっぷり怪談話に花が咲いただろうか。それがいけなかった。
こんな話題にしつこく触れていると呼んでしまうみたいね。

当直室へ引っこんだのは午後11時ちょっと過ぎとまだ早かったのになんだか嫌〜な感じがする。
ふだんはテレビをつけっ放しにしたりはしないが、あまりの圧迫感にテレビをつけ、しかもボリュームも少しあげた。
それでも何か落ち着かないなあとボーツとテレビを見ていたら0時過ぎに当直室のドアが
激しい音をたててバーンと開いた。ほんとに人が飛び込んできたような感じて・・・。瞬間心臓の鼓動もバクバクである。

ちなみに当直室はドアが2枚ある。最初のドアを開けるとちょっとした洗面場所になっていて寝室のドアはその奥だ。
普通なら誰か入って来た(ありえないが)かと寝室のドアを開けるとこだがその晩はドア一枚隔てた向こうのヤツが
人間ではないと分かっていたので固まって睨み合いになっていた。と、流しのあたりでコツコツ・・革靴で歩くような音が!
念のために声かける「ど、どちら様ですか?」返事はない。音はやんだ。
あまりに気味が悪いので当直婦長へ内線を入れようかと思った程だが来てもらっても何の解決にならないだろうし、
後日、心霊ハンターが尻尾を巻いて降参したなどカゲ口を言われちゃつらいのでやめとく。

続いて寝室のカーテンの前を人の頭大の黒い塊がサッと横切った。
体を緊張で硬直させたままキョロキョロと室内を見回す。何も見えないというのに得たいの知れないざわつきがする。
枕元のすぐ上の畳を素足で歩く音がした。リモコンでテレビを消音してみた。音はやんだようだ。
枕に耳を押し当てて緊張したままじっとしているとなんかぼそぼそ聞こえてくる。話し声のようだな。
集中して聞き取ろうとしていたらいきなり枕元の電話の受話器を持ち上げてからおろした音がガチャッて聞こえて
再び心臓バクバク。

「ここへ出てきたってオレはなにもしてやれないゾ!」あまりに怖くなったので声に出して一喝してみた。
ざわつきはしばらく続いていたがそれ以上は何の音も聞こえず、オイラも知らないうちに眠ってしまった。
金縛りに遭って幽霊がジャーンと出てくるのも十分怖いが今日の相手もなかなかの演出でビビらせてくれたものだ。

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第44話 番外編自室にて
しばらく金縛りもなくのんびりしていたマイ・アパートメント。たまに霊の出入りはあるようで先日はこんなことがあった。

夜11時少し前、PCに興じていると右肩にそっと手を置かれた。それは小さな子供の手のような感触だった。
ちょうど彼女が来ていてつい30分ほど前に就寝するため隣室に入ったところ。
起きてきたのかなと思う間もなくランニングシャツをつまんで後ろにひっぱられた。振りかえったが誰もいなかった。
霊のイタズラらしい。

過去に深夜の風呂場から誰か入っているような水音が聞こえたこともあるが怖いとは思わなかった。
それより驚いたのは明け方に帰宅した時、自転車置き場の隣室の住人の自転車のペダルが
激しく回転しているのを見た時だ。あの時はさすがにギョッとした。午前3時を回った頃だった。
しばらくまるで人が乗っているかのように回転するペダルを見ていたがきりがないので部屋へ入ってコーヒーを入れ、
もう一度外へ出てみた時は止まっていた。

アパート2階への階段の昇り降りは昼間でもはっきり聞こえる。深夜ならなおさらだ。
たまにこの昇り降りの音が明らかにおかしいことがある。トントントン、途中まで昇って降りる。
これを2度ほど繰り返して止まる。あんな急な階段を行き来する野良猫もいまい。
深夜から明け方にかけては霊のイタズラ時間。効果に驚いてくれるオイラのような人間が面白くて近寄ってくるのだろう。

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第45話 入院中に体験したこと
高1の初夏、とある病院へ入院した時の体験。細菌性の熱発でオイラは死にかけだったらしい。
地元の診療所で全く熱が下がらず大病院へ行ったその日に緊急入院となったのだ。
入院一週間ほどで熱が下がったが衰弱は激しく、しばらく車椅子のやっかいになっていた。
ようやくよろよろと歩けるようになった頃の出来事。

それまでも病室で昼夜問わず金縛りに遭っていたオイラだったが、その晩は特にひどかった。
何度も解けては絞め付けられを繰り返してとても苦しかったのを覚えている。
枕元のナースコールを必死に押そうとするが体は動かない。懸命にベッドから起きあがろうと
うーんと何度も力を込めていたらふいにすっと体が軽くなった。金縛りが解けたようだ。
怖かったのでそのままナース・ステーションまでよろよろと助けを求めに出た。

カルテの整理をしているナースが目に入ったので「看護婦さーん」呼びかけてみた。しかし返事がない。
目の前で大声で呼んでいるはずなのに彼女ときたら我関せずの態度なのだ。と、自分の体が異様なことに気がついた。
足取りが不確かなのは衰弱のせいかと思っていたが自分は床の上から5センチぐらい上を浮いている。
しかも後頭部から白いヒモのような物が出ていて、振りかえると自分の病室までそれがつながっているではないか。
かなり焦った、自分が幽霊になっているのが分かったからだ。

慌ててふわふわと病室に戻るとやっぱりドアをすり抜けた。(ドアがある。あけなきゃと思った瞬間に室内だった。)
そして個室のベッドに寝ている自分の姿を見た。ベッドのオイラと幽霊のオイラは白いヒモでつながっていた。
これじゃ半幽霊だ。このまま外へ出たらどうなるのだろう?
窓際までフワフワと行きかけたとたんにストーンとベッド上のオイラに戻った。
この体験は鮮明に覚えているが後から思うと夢のような感覚しか残っていない。
これが噂に聞く幽体離脱というやつだったのではなかろうか?

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第46話 三重県のある病院2
第29話に登場した病院の追加記事である。どうやらここは戦争がらみの霊現象が多いようだ。

前に触れた防空頭巾を被った10歳ぐらいの衣服ボロボロ少女の幽霊だが、
ハーモニカのメロディーと共に現れることが多いらしい。口にハーモニカを咥え、うつむきかげんで立っているらしい。
目撃すると必ず微熱に悩まされるという人や火事の悪夢に苦しむという者もいる。
この話しはどう伝わったのか地元でもかなり有名な話しで職員のみならず周辺住民も周知していると言う。

このあたりは三重県でも郡部に位置しており、隣接の都市が空襲で多数の死者を出したことはあるものの
この地が直接攻撃を受けた事実はないということだ。
にもかかわらず行進する兵隊や防空頭巾の少女の幽霊が出るというのも不思議なことである。

他にも院外になるがこの病院周辺には心霊スポットと呼べる場所が点在している。
○△峠〜全身血だらけの女が走って追いかけてくるという。新手の急患か?
○△大橋〜投身自殺の名所。ここのたもとで車に乗せた女性が消えたという話多数。
○△滝〜心霊写真がよく撮れることで有名。この滝周辺の河原で石を採取してくると死ぬという噂もあり。

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第47話 番外編幼稚園の頃ある夏の晩に
今でもはっきりと残っている幼少の頃の記憶。それは幼稚園の年長さんの夏休みにおきた。
夜中にめったに目を覚ます年頃でもないのにオイラは目覚めた。
それは誰かが○○ちゃん、○○ちゃんとオイラを呼んだからだ。網戸越しに表へ目を向けると外は思った以上に明るかった。
多分満月の夜だったのだろう。と、外に初めて見る顔の中年の女性が立っていて家の中を覗きこみながら
『○○ちゃん出ておいで。』と言うではないか。
どこのおばちゃんかは知らないが彼女は長い黒髪で年齢は30代前半ぐらい。きれいな顔立ちをしていた。

それでオイラは玄関のカギを開けて表へ出た。庭にいたはずの彼女は今度は門の外に立っていた。
それで今度は門の錠前を外して出てみた。
その時、幼稚園坊主にとって未体験ゾーンである深夜の時間帯の何とも言えない乾いた匂いを感じていた。
彼女はつかず離れずと言った感じで常にオイラの数メートル先に出現しては『○○ちゃん、こっちだよ。』と呼んでいる。
近所のお友達の家の前に来た時に彼女をいったん見失った。
と、上の方に何か白い物がユラユラしていると思ったらあろうことか彼女は電線の上を歩いていた。
ずいぶん変ったおばちゃんだなと思った。

その時、後ろから母親に呼びとめられた。オイラが目覚めて外へ出た時からずっとつけてきていたのだ。
『こんな夜中に裸足でどこ行くの?』『おばちゃんと遊びに行くんだよ。』『寝ボケていないで帰りましょう』
そんなやりとりがあった。この話しはずっと後になってオイラが中学の頃に覚えているかと母親に聞いたことがある。
母はおばちゃん云々という件はすっかり忘れてしまっていたが、オイラが夢遊病になったかと心配したと言った。

今でもたまに考えるあの中年の女性は一体何者だったのだろうか?
なんのためにオイラの前に現れ、何を伝えようとしていたのか?
そしてあのままついていったらどんなことになっていたのだろうか。

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第48話 番外編長野県のあるキャンプ地にて
おととしの夏、長野県へ2泊3日でキャンプへ出かけた時の体験。
オイラ達のキャンプは水道やトイレといった施設のあるいわゆるキャンプ場は避けている。
渓流など水場が近く、景観のすばらしい場所を探し求めてテントを設置する。
したがってその場所には他のキャンパーらのひとけや隣接テントは全くない。

野郎4人で富山県との県境に近い渓流脇に理想郷を見つけ、お決まりのバーベキュー、
肝試しまがいの遊びに夢中になった。
夜も10時近くになってテントの中で怪談話が始った。ひとりづつ持ちネタを披露し、
オイラのようなネタの豊富な語り部はいっきに3話程連続で話しただろうか。
テントの中は吊り下げられたランタンで明るいものの、
独特の空気が流れてきてさすがにひとりで外で用を足す者もいなくなっていた。

と、川の流れの音に混じって河原を人の歩くザザッ、ザザッという音が聞こえてきた。
『おいおい、ヤバいんじゃないの?』『え?なんか音がしてんの?』それぞれ缶ビールを片手に耳をそばだてている。
テントのそばで足音は止まったように聞こえた。
そして音は聞こえなくなり、やはり気のせいということで安心したのか皆いっせいに話しだした。
『オレ、トイレ行くわ』『あ、オレも。』メンバーのふたりが言いながらテント入り口のチャックを明けた。
でたっ!もろ、そこに女性の顔だけがあったのだ。

『見た?見た?』見た見たの大合唱になった。
ひとりが入り口のチャックを閉めようとして前に出て、あわててテントの奥へすべりこんできた。
『川の上を白い物がフワ〜って歩いてるぞ』全員でそっと首を出してその方向を見た時にはもう何もいなかった。
そして今晩は用足しは全員で外に出るはめになった。
怪談が霊を呼ぶことはそう珍しいことではないが複数で一度に目撃したのは山や川、自然の力の成せる技からだろうか。
2泊目のキャンプ地は場所こそ変えたものの性懲りもなく怪談話しに花が咲いたことをつけ加えておこう。

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第49話 番外編天竜川
病院の怪談から離れて番外編が続くがお許し願いたい。

このエピソードはもう12年前のこと、当時の彼女と一泊で静岡方面へドライブへ出かけた時のことだ。
川下りで有名な天竜川の下流の見晴らしの良い場所で昼食のお弁当を食べようということになった。
雲ひとつない晴天に恵まれ、しかも真っ昼間、怪奇現象に見回れるなど全く想像もつかなかった。

川べりでお弁当を広げて談笑していると対岸に老人が座ってこちらを見ていることに気がついた。
始めは全く気にもならなかったのだが、その老人の視線は終始オイラ達に注がれていた。
しかも魚釣りをしているふうでも散策中の休憩にもみえない。ただジーッと見られているのだ。

『あのじーさん、気持ち悪いよな』と、彼女は『おじいさんなんていないじゃん』
そこは開けた場所で隠れるとこもないのに老人の姿は数秒目を離すうちに消えてしまったのだ。
ああ、ありゃ幽霊だなと思ったが、そこはごまかしてそろそろ車へ戻ろうとする頃だった。突然肩がグーッと重くなった。
頭痛もする。これはやられたなと思う間もなくオイラの目の前の水面には老人の幽霊がいた。
しかも首だけ水面から出してニャ〜っと笑っている。

彼女はオイラに一生懸命話しかけているのだがその時のオイラはもう話しにあいづちを打つのも面倒で、
ただ不機嫌そうに老人の首と対座していた。ここから早く離れないとヤバイ。
心の中で念じてみた。『お前さんのことはどうしてやることもできんから消えろ!』
すると嘘のように視界が開けて気分も良くなった。急いで車に戻って彼女には歯が痛くなったのだと言い訳をした。

実はこの天竜川にはいい想い出がない。それ以前にも野郎共とキャンプに来たことがある。
汗だくになってテントを張り終えてオイラは一番に川へ飛び込んだ。もちろん日の高い日中のことだ。
突き出した岩の上に泳ぎついてなんとなく水面を見ると、なんとそこで子供が溺れているイメージが鮮明に見えた。
正に水難事故の様子を再現しているという感じだ。遠くを泳いでいる友人を大声で呼んで来てもらって一緒に岸へあがった。
以降オイラは一度も川へ降りようとしなかった。

そしてその晩、全員テントで就寝したというのに朝6時ぐらいに目をさますと中にはオイラ以外誰もいないではないか。
荷物もないしテントの支柱が一本外れてシートがすぐ頭の上に垂れ下がっている。
外へ出ると仲間達は全員車の中でエアコンを入れて寝ているではないか。
『なんでテントで寝なかったんだよっ!』『なんだよ、覚えてないのか。怖いよお前は』???

その晩テントの中でムックリ起き上がったオイラは何か意味不明なことを叫びながら大暴れしたのだそうだ。
それでみんなリュックサックをひったくって車へ逃げたらしい。『車の中から見てたんだけどな。
テントがすごい勢いで揺れてたぞ。ありゃ絶対なんか取り憑いてたね』
それで昨日の幻の話し、就寝前に焚き木を囲んでいた時に川の方から何者かが這いずってくる気配がしたことを全部話した。
なんで早く言わないんだよ!叱られた。もうこのあたりへは行きたくもない。正直な感想である。

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第50話 名古屋市内の超有名病院
6年ぐらい前、名古屋の人なら名前を聞けば誰もが知っている有名病院にオイラの友人が入院した。
病気としては単なる盲腸でたいしたことはなかったが、お愛想で見舞いへ行った時の体験だ。

見舞いというぐらいでそれは日中だったが、病室で友人としばらく談笑していると同室のじいさんが突然、
『エアコンのスイッチをガチャガチャいじるんじゃない!』オイラの方を睨んで言った。
友人のベッドは窓際で、かたわらに据付型のエアコンが置いてあるのだがオイラは全く手を触れていなかったのでムッときた。
『わたし、何も触ってないんだけど』すると、じいさんは『あんたの奥さんに言ってんだ』『はあ?オレひとりっすけど』
『だまって突っ立ってるだけじゃあかんよ。注意してんのに。全くしつけの悪いっ!』
こりゃ頭のケガ人かと面会の場所を売店近くの談話室へ移動した。
もちろん『アンタ、失敬な年寄りだな。せいぜいお大事に』と嫌味を言ってやった。

しばし談話室でじいさんの悪口に花を咲かせてから帰宅することになりトイレへ行き、
洗面所で手洗いをしていると鏡に映ったオイラの左の肩口に一瞬寂しげな女性の顔が見えた。
あぁ、このことだったのか。恐らく院内のどこかで拾ってしまったようだ。帰りにスーパーで荒塩を買ってったのを覚えている。

実は出生地がこの病院の近所で、子供の頃うちのばあちゃんがここへ入院していたこともある。
当時毎日のようにばあちゃんの見舞いに来ていたので院内の隅々まで知り尽くしていたのだが、
なぜかある場所だけは恐がって近づかなかった記憶がある。
そこで何かを見たわけでもないし今となってはそれがどの場所だったかも思い出せない。何かと因縁のある病院である。

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