こちら医事課電算室


職場の部署に電算室がある。ここは過去の患者さんのデータや会計情報の管理のみならず、
当院で所有するコンピューターのメンテナンスやソフトの使い方を指導するのが主な仕事だ。
部員達はさぞやコンピュータ・エキスパートと思いきやその実態は......。この部署を統括する責任者、電算室長がおマヌケだった。
パソコン・サポートセンターが受けるようなトンチンカンな会話がぼんぼん飛び交っている。
ここではオイラが吹き出しちまった電算室長の発言とか行動を紹介するぞ。



2000.10.12
2000.10.14
2000.10.16
2000.10.18
2000.10.21
2000.10.23
2000.10.29
2000.10.31
2000.11.06
2000.11.15
2000.12.07
2000.12.11
2000.12.25

2001.04.19
2001.04.30
2001.05.05
2001.05.08
2001.05.17
2001.05.21
2001.05.27
2001.05.29
2001.06.01
2001.06.05
2001.06.08
2001.06.10
2001.06.15
2001.06.17
2001.06.22
2001.07.02
2001.07.08
2001.07.16
2001.07.27

2002.02.28
2002.08.17 

2000年10月12日
院内各課配置のPCってWindows95パソコンなんだけど設定してある壁紙がすべて付属の味気な〜い物に統一されてるのね。
そいで、ある日オイラは思ったね。せっかくの機能なんだからもっとセンスのいい壁紙に換えちゃおってさ。
そいで自分がよく使うPCにお気に入りの南太平洋のキレイなビーチの壁紙入れたんだ。女子職員からも好評だったさ。
あら、明るくなったわねえ。パソコンっていろいろできるのねー。なんてさ。

しばらくして壁紙変更に気づいた電算室長がすっ飛んできたな。
『なんで勝手に設定を変えたのですか?もし壊れたらどうするのですか。』(←この、壊れたらどーするが室長の口ぐせね)
オイラ別に公序良俗に触れるようなデザインにしたつもりもないし、
この方が仕事の能率も上がると思ったんで悪びれずにいたんだけど、元へ戻すって一生懸命マニュアル見てんの。
壁紙の変更ぐらいサクッとやっちゃえよ全く。あんまりもたもたしてるからね。
哀れになってきて、じゃオイラ元に戻しますって言ったら、結構です。手を触れないで下さい!だってさ。

PCがフリーズしたって大騒ぎしてたこともあったな。
オイラは電算室とはかかわりないし室長も直属の上司じゃないんだけど近くにいたもんだからさ、
それってCTRLキー+ALT+まで言いかけたら『ちょっと待って下さい。家庭用と業務用のコンピュータは違うのですよ。
あなたの指示でもし壊れたらどう責任を取るのですか?』ときた。だから放っといたね。

そしたらおもむろにメーカーのSEに電話してんの。で小声で『CTRL+ALT+DELキーですね』なんてやってるわけよ。
電話終わってから、やっぱりそうでしょ?ってイヤミ言ってやったら、これは特殊なコンピュータだからね。
確認しないと。ですと。うむむ、特殊なのは室長さんでないんかい?このお方、たとえ死してその身が滅びたとしても、
両手を前につき出してダランとたらして、『そんなことして壊れたらどーするんですかーーっ。』出てきそうだよ。
その時は言おう。
『オマエの方がもう壊れてんの』あ、オイラは別に室長のこと嫌いじゃないです。このキャラ、ウチの職場にあり!です。

                                                                 このページのトップへ戻る

2000年10月14日
ある日オイラ、作業中に電卓を使う用事があったさ。アクセサリからWindowsの電卓を表示させて仕事してると、
なにやら背後から様子を伺う視線。うっ!室長か....。ま、別に遊んでるわけじゃないし仕事してんだからいいっしょ。
がっ!とーとつに始まったゾ。『それはいったいなんですか?』それは何かと聞かれても電卓は電卓だーっ。
『電卓なら机に備え付けの物を使用して下さい。おかしなプログラムを立ち上げて、もし壊れてしまったらどうするのですか?』
うへっ、またかよ。ウゼーからとりあえず電卓を終了させたよ。ちょっとしてからだんだんムカついてきた。
そいでスキを見て、手当たりしだいにそこら中のPCの電卓とかメモ帳とか開きぱなしにしといてやった。
ほどなくして室長のシャウトが聞こえた。
『誰ですか!こんな無茶をするのは!コンピューターが壊れたらどうするのですかーーっ!』
オイラ部署からすっ飛び出して転げ回って大笑いした。

                                                                 このページのトップへ戻る

2000年10月16日
とーとつに事務室に響きわたるドラエモンのテーマ。ケータイが鳴るのは珍しくもないわな。
むむっ、電算室長が上着のポッケをごそごそやってる。みんなクスクス笑ったね。
『私のメロディーはモーツアルトなんだが、また娘のヤツがイタズラしたようだ。....(その他、ブツブツ.....)』
フッフッフッ、き真面目な室長に似合わずなんともナイスな娘さんだ。

ついこないだこんなハプニングが室長を襲った。『娘のヤツが変な雑誌の付録を私のノートにインストールしたんだ。
それで日付からあたってファィルを消していったらウィンドウズが動かなくなってしまったよ』
同じ電算部員にうじゃうじゃ言ってる。

翌日は土曜日で病院は休みだったのだが、オイラ日直当番だから出勤してひとりで事務所で鼻歌歌ってたんだな。
したら室長がやって来た。『ウィンドウズを再インストールして解決したんだが、また娘に変な物インストールされましてね。
あ、ワードとエクセルも入れ直しますのでCDロムを借ります』そしてオイラの向かいのデスクに座ってノートを開き、
電算室から借り出したCDロムをセットした。(ホンマはこれ違法行為よ。)
そっと覗いてみるとディスクトップをマヌケそうな顔したネズミがドタドタ走り回っている。ふっふ、なかなかうい娘さんじゃて。
『いや、これも消さないと。うちの娘は何度言ってもこんなイタズラするもんだから......もし壊れたらどうするんだ......
いじれないようにパスワードを設定したこともあるんですけどね。
忘れてしまいまして、サポートへ電話したりで大変でしたよ。....ブツブツブツ』
ハッハ、室長の娘さんお会いしてみたい。今度事務所へ遊びにきてね。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年10月18日
電算室長って自分のことをコンピュータのエキスパートと思っているわりにはインターネットやってないんだな。
一応病院の頭脳を管理する要職に就いてんだから幅広い知識持ってないとあかんよ。
PCってのはワードとエクセル使うためだけの道具って認識だもんな。
個人のノートPCを見て『それはワープロはできるやつ?』なんて聞いてる。当然ネットのことは何も知らない。
どうやらやってみたくてウズウズとはしているようだが。

PCのメンテナンスを終えた業者と室長が談笑していたのを聞いていたら『私もインターネットをやりたいのだが、
海外のHPなんか見ると電話代も高いし...。』なんて言ってるゾ。業者も苦笑してる。
おいおい遠慮せずにちゃんと教えてやれよ。ほうほう、なるほど、ネットデビューを躊躇している理由のひとつが見えてきた。
どうも彼は電話機が変わるたびにプロバイダーの契約を増やさないとあかんと思っているらしい。
自宅の電話で契約したのはそこでしか使えない。
旅先でネットしたくてもそこの電話で加入してないからどうのこうの....なんだかややこしい感違いだなあ。

おいおい業者のやつ相変わらず、はぁ〜、なるほど、そうですねえって黙って聞いてるゾ。
教えてやらなきゃいつまでたってもそのまんまだよ。オイラよっぽどしゃしゃり出てやろうかと思ったけど、
なぜか室長さんはオイラが近づくと臨戦態勢になるんだな。んだから放っといた。まあ別にいいや。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年10月21日
オイラわりとテキパキした性格だかんねー、もたもたともどかしいの見てると世話焼きたくなる。
電算室長のPC操作を見ていると、あ〜なんで七面倒なことしてるんだよってイライラするな。
彼はよくエクスプローラ開いてファィルの中身を見たりフオルダいじったりしてる。
したり顔でエクスプローラが使いこなせるようになればパソコンの中身というものがよく分かるんです。
ぬわんて言ってらあ。そんなによく使うのだったらスタートボタン→プログラム→エクスプローラなどとたどらんでもええやん。
スタートボタンを右クリでエクスプローラを選択した方が早いんちゃう?

ファイルの削除もひとつひとつごていねいにごみ箱に持っていってるけど、くーっ、オイラの性格じゃ見てられん。
そいでオイラ教えてやることにしただよ。オイラが話しかけると彼はPCを壊されるとでも思うのか、
いつも両肩をグイとあげて緊急警戒態勢に入るんだな。
まあ、どうせ今回もいらん世話じゃと言われるかいなと思いきや、おー!これは便利じゃないですか。
活用させていただきますと頭をペコリ。感謝されてしまった。
オイラちょっと反省。今日のはちょっと重箱の隅つつきだったな。
まあPCってのは本人が慣れたやり方で楽しく使った方が上達するのかもしれん。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年10月23日
今日の主役はオイラなのさ。オイラが今の勤め先にやってきて1番困ったことはパソコンでの入力作業。
もち、オイラはここへくる前からパソやワープロの類はバリバリよ。
たいていの人はローマ字入力してると想像してるんだけど、どう?職場のPCはそれがかな入力だったんだよね。
そいでいろんな人が使う機械だから設定は絶対に変えていかんとイジワル言われたからさあ大変。

タイプライターって知ってる?今でもあるのかな。
オイラは学生時代に海外のペンパルが多かったから英文タイプやってたんだ。
男だてらに英文タイプ検定のC級なんて資格持ってる。
(一番下はD級←強調)だからアルフアベット使うローマ字入力ならバリOK。ブラインドタッチもできるんよ。
それがいきなりかなで入力しろ!だもんな。達人から一転して赤ちゃんさ。
一行の文章入れるのにキーを探し探し......何分もかかった時には情けなかったゾ。

これではいかんと思ったオイラはその日から自宅のパソの入力もかな入力に変えたんだな。
苦節約30日、なんとか矯正に成功したよ。ブラインドタッチにも挑戦したけどこれはちょい挫折。
やっぱりあながちタイピングの心得があると変なクセがついていてかえって覚えが悪いよ。
ズブの素人の方が筋がいい。こうして現在に至ったわけだけど、かな入力もマスターしたことだし、
そろそろ自宅のPCはローマ字に戻そうかと考えている。だって真っ暗なとこでもキーが打てるから電気代の節約になるんだもん。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年10月29日
うい〜、もう午前1時を回ったか。今晩は当直勤務中の執筆であ〜る。
普段のこの時間はすでに夢の中なのだが今日は事務所の電気をこうこうとつけてやっている。
本当は当直室でやるのがいいんだけど、貧乏病院につきテーブルとか机がぬわ〜い。
仕方なく事務所のデスクを利用しているわけだ。
こんな時間に電気をつけていると、入院患者がうだうだ言ってきてバタバタしてしょーがない。
ついさきほども1000円札を両替して下さいなんて来たよ。もう夜中だよ。早く寝ろっーに。
それにオイラはタバコ屋のばあーさんとちゃうぞ。

さてとオイラは今から電算室長を見習って不法行為を働こうとしてるとこなんよ。
このノート、ワードとかエクセル入ってないもんね。職場の"office2000"をインストールしたら得だよな。
おっと、マイクロソフト社の皆様、早とちりは困りますぞ。オイラは不法行為を働こうとしているだけで、
実際にインストールしちゃったとは言ってないんだからね。まあその辺は想像におまかせしとくよ。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年10月31日
上の記事の後日談ちゅうか、その直後談であ〜る。
オイラが職場のソフトをめでたくマイPCへインストールさせたかって?上の記事を書いた直後、
オイラは深夜の電算室へうはうはと侵入したさ。そいで、スチール棚のOffice2000に手を伸ばしたね。がっ!
マニュアルしか入ってない。となりの一太郎にはばっちりCD−ROM入ってんのに。
手当たり次第探してみたけど結局ソフトは出てこなかった。
こないだ電算室長が使った後に元へ戻し忘れてるってことなんだな。
当然ヤツの机の引出しもあさろうとしたが鍵がかかっていた。う〜ん困った。引出しの中が一番怪しいのだが、
ヤツはわりにズボラな性格で一度しまいこんだ物はなかなか放出せん。いつ発掘されるか検討もつかん。
てなことでオイラのもくろみも大ハズレ。ま、友達に借りて・・・あ、いやいや、きちんと正式版を購入することにしましょう。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年11月 6日
病院にはヤクザの親分さんなんかもやって来るんだな。
オイラ、ヤクザ顔でも本職とはちゃうからそんな連中の応対は気を使う。
コワモテのあんちゃんをボディガードばりに引き連れて来るのにはビビるよ。
それでも何度か顔を合わせる内に遠慮しながらも世間話するようになったりする。

ある時、親分さん、どこからかオイラがパソコンに明るいちゅう情報を聞きつけたようで相談を受けた。
どうやら組事務所にパソを導入してなにやらネットがらみの商売を始めたいらしい。
それでいちからPCの操作をレクチャーしてくれっちゅうんだな。なんか違法な匂いがプンプン。
そんな手伝いするのはごめんだったし、それ以上に組事務所へ出向いてPC教室を開くのはすげえ恐いから嫌だった。

バイト料はずみますと強引に押し切られた形でオイラ、悪の手先に落ちたさ。
オフの日に病院で待ち合わせて迎えの黒塗りの高級ベンツに乗せられ、組事務所へ行った。
玄関先で10代とおぼしき暴走族あがりのあんちゃん達に「いらっしゃいませーっ!」と出迎えを受けた。
事務所には新品のデスクトップが3台設置してあったな。内1台を使ってパソ部隊?の若い衆ふたりにレクチャーを始めたんよ。
親分さんは「先生の話をきっちり聞いてはよ覚えろよ」ちゅうて出かけてった。

ほどなくしてお茶と上寿司が運ばれてきたけど、オイラは緊張のあまり手をつける余裕もなかったねえ。
しっかし若い衆とは言え全くPCのことを知らんもんにいちから説明するのは骨が折れる。やっかいなことになった・・・。
などと考えていたら「先生!アルコールの方がいいっすか?」の声。えーい、この際、気つけ薬にいただくか。
ウィスキーをがぶ飲みしながらの講習になった。

む、ありゃ?オイラなんだか酔っちゃったようだゼ。ためしに言ってみる。「あ〜ん、何度言っても覚えが悪いですねえ」
お!「はい、すみません先生。もう一度お願いします。」なんて素直に聞くじゃん。
その後のオイラは調子に乗って、バカだなあとかドジやねえとネチネチ言ってたな。
そして夕方になり無事に講習を終え、礼金を受け取って帰ってきた。封筒の中の礼金は10万円!
約6時間でこの大儲け。1度汚れたこの体、たまには悪の手先になるのもいいもんだね。
あれから2年、再びおいしい話が転がり込んでくることを密かに期待している。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年11月15日
「これはどこのメーカーですか?」
オイラの大事なノートPCを見た電算室長が聞いてきた。
「ゲートウェィですけど。」
「聞いたことないなぁ。中国製ですか?」
うっ!ちょっとムカついた。
だけどゲートウェィってマイナーPCなんかな?オイラは2台愛用しているけど、同僚に聞いてみても、
「ゲートウエィ?ああ、安物のパソコン売ってるとこね。」
こんな返事しか返ってこない。もちろんユーザーも皆無だ。
オイラの持っている企業イメージではかなり評価が高いのだが、みなさまのとこではいかがなもんでしょう?

ところでうちの電算室長「今なら絶対にVAIOが買いだね」なんて言っているけど触れたこともないPCを
よくも人に勧められるもんだ。彼にしてみれば、TVや雑誌で頻繁に見聞きする機会の多いマシーンなら
なんでもかんでも室長のお勧め!となってしまうのだなきっと。
オイラはちゃ〜んと下調べした上でVAIOは使ってみたいなと考えているよ。
このノートを買う時にもずいぶん両天秤にかけて悩んだものだ。次こそきっと・・・。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年12月 7日
医者のないしょ話で触れたパソコン入力ミスのことなんだけどさ。これって事務の方でよくあるんだよね。
ベテランのオイラにはない(←いやマジで。)けど誰でもこの仕事についた頃は必ず経験することなんだな。
名前のそっくりな薬なんてい〜っぱいあるからね。
処方箋見ながら使用薬剤とか入力して会計がいくらになるかパソコンで計算するわけなんだが、
もしここを間違うと会計が実際よりも高くなったり逆に安くなったりしてしまうわけだ。

普通のお店だったらあらかじめ商品の値段分かってるからお客さんにすぐ気付かれてしまうけど、
病院の会計なんて一般人には分からないでしょ。いくらいくらですって言われたらまー納得して支払うしかない。
だから病院の会計ていいかげんだよ。間違えても高くとりすぎた時はなーんの連絡もしないからさ。
(少なくともオイラんとこは)反対に安くしてしまった時はあわてて電話するからね。テキトーっしょ?

まあ、そんなわけだけど決して患者さんによって高くしちゃったりオマケしてあげたりとか、
それに関しては一切ないから安心してね。疑問に思ったら問い合わせて見た方がいいよ。
ちょっと高すぎるんじゃない?ってね。あと、たまに同業者の会計を間違うと大変!
「あのね〜あたし実は○○病院に勤めてて自分で計算してみたんだけどどーしてこんな会計になるのよ」なーんてね。
まあテキトーなことしてるといつかどこかでバチが当たるってことだな。

                                                                このページのトップへ戻る

2000年12月11日
ゲートウェイのその後なんだけどさ。やっぱり認知率が悪いんよ。PCはIBMとかNECだけかい?
IT時代なんだからもっと勉強してくれよ。そこで我が(?)ゲートウェイのいいとこをいちユーザーとして書いてみよう。
まあPCの性能がどうのとか斬新なデザインが云々と言っても最近のテクノロジーはどこもドングリの背比べで
大差がないのでここでは言わないことにする。(除くSOTE△社)

ゲートウェイはサポセン(サポートセンターね)のサービスが充実してるのがええよ。
24時間サポートだし日中でもすんなりとつながる。
オイラも何度か利用したけどつまらん質問にも親身になって解決まで相談に乗ってくれるんだよ。
それが明け方の3時や4時でも眠そうな声色も見せず応対してくれるから頭が下がる。
あっ!サポセンは日中の方がええかもよ。かわいい声のおねーさんが出る確率が高い!夜間は男性ばかりだもん。

それほど急がない向きはメールによるサポートも受けられるんだな。そしてレスが超速い。
丁寧に分かりやすくレスしてくれるから解決した時には思わずお礼状メールを出してしまったよ。
それに対するレスもわざわざしてくれるところがなかなか憎いじゃないの。
どう?牛柄のダサイイメージってのは抜けたかな?
ただ、残念なことにフリーダイアルだったサポセンも今は一般回線になってしもた。
そのあたりはイタズラ電話とかの対策だと思うけどそれが唯一の不満ってとこかな?

                                                                このページのトップへ戻る

2000年12月25日
電算室長が愛用のノートPC(私物)にWindows2000をインストールしたらしい。得意気になっている。
だけどさあ、パーソナル・ユースに2000なんてどうすんの?
だいたい室長さん、PCで動かすのはワード&エクセルだけじゃん。
新しい物さえ導入すればそれは何でもかんでも良いのだ!それだけだね彼は。

しっかし、チリチリチリチリとハードディスクが発生するノイズがうるさくてかなわん。
古物商から引き取ってきたような古いノートに似合わんOSだなあ。
オイラ「あのお〜室長、そのOSのせいでだいぶ重くなってません?」
室長 「いや、2.5Kgだから、かわらないですけど。」
う〜ん別にPCの重量を聞いたわけじゃないんだけどなあ。

しばらく見ていたけどなんかノートがゼーゼーと苦しそうだった。「あれ?また止まった。壊れたのかなあ?」
(また妙ちくりんなこと言ってんなあ。)ちなみにPCの起動までの時間を聞いてみたら4〜5分とおっしゃる!
それで搭載のメモリーを確認させてもらったら、なんとたったの16MB!これじゃあダメですな。
もう少しそこらへんの雑誌でいいから目を通しといたらいいのに。パソコンクラブの会長までやってるんだから。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年 4月19日
久々の更新で方針変えっ!電算室長とのやり取りにかかわらず
職場でのPCトホホ・ストーリー全般を扱うことにしょっと。まあその他院内の話題なんでもありと。タイトル変えなきゃね。

同僚のおばちゃんから相談を受けましたです。息子にノートPC貸してから全くネットにつながらなくなったてね。
自分でひたすら四苦八苦して解決させようと思ったらしいけど、
いじればいじるほどデスクトップ上におかしな物が出来あがって収拾つかなくなったてさ。

はむ〜、次々と「新しい接続先」ちゅうアイコンができあがっちゃってるな。確かにどれを使っても接続拒否される。
パスワードはコメジルシで分からんが、これあってんのかな?こうゆう時はまず、いらん物は全部消してと。
むむ、なにやらおかしな設定番号の接続先があるぞ。0990−×××、これってダイヤルQ2じゃん。
なるほど、息子さんがアダルトコンテンツを見たわけだ。で、設定が変ったと。
そして加入電話がQ2拒否にしてあったために以降接続できなくなってしまったのだな。
Q2の方が優先なせ接続先になってるもんだからうんともすんとも言わなくなっちまったわけだ。
ちなみに以降おばちゃんが再設定した接続先は全部パスワードが間違っていたことも判明した。
オイラを信用してるってことで正しいパスワードで再設定完了。解決となりました。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年 4月30日
ゴールデンウィークがない理由だよおおっ。病院では毎月始めにレセプト(レセ)って作業があんの。
診療報酬請求業務って言ってさ、これをしないと病院は収入が入ってこないわけだ。
毎月10日が請求の締め切りだから1〜9日は連日残業になるわけ。
その間に土・日をはさんでいても交代で休日出勤なのだっ。実際は仮レセってのが月末の数日にあるから
病院の月末から月始めはたいした忙しさなのだ。

GWもお正月も月始めにぶち当たるのでレセの関係で当然出勤になる。毎度毎度のこととは言え、
若い連中は遊びにも行きたいだろうし既婚者は家族サービスなんかもせにゃならん。
そこでクジ引きで前半組、後半組などと決めて均衡を取るわけ。運が悪い人は毎回正月3がにちがぶち当たって
ころげ回って泣いている。その代わりに大型連休とは別に皆がしっかり働いている時にまとまった休みを
取ることが可能なのでなんとかダマシダマシ仕事が続けられるわけだ。

医療現場の看護婦さんたちだってそうだ。病院が休みと言ったって病棟の入院患者の世話に休みはない。
外来だって緊急の患者があるから宿日直を置かなきゃならん。
我々にとっちゃGWて何?も〜い〜くつ寝ても正月はこないって感じなのだ。配送業やデパート、ヘルスのおねーさん、
カレンダー通りに休めない業種の人達は連休なんかま〜いにち雨、嵐がいいな。なんて思ってるよ。オイラだけ?

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月05日
たまたま取った1本の電話が不幸の始りであった。TT

「もしもし、○△病院ですが。」
「おいっ!なんで途中で電話切るんや。看護婦と話してたら切れたやんか、失礼な病院やのう。
一体どんな教育してるんや!」
ガナリ声は受話器を耳につけずとも周囲にまで響くほどデカい。
机の上に置こうとも考えたが、それじゃこっちの話しが届かない。しかたなく少し耳を離して応対する。
「看護婦と上司連れて詫び入れにこんかいっ!バカにしやがって!」
たかが電話が切れたぐらいで元気のいいオヤジだ。
「うだうだ言ってねえで責任者のもんと代われや」
「上司に代わりますので少々お待ち・・・」

そこまで言いながら向かい席の上司を見るとさかんに両手でバツを作るポーズと
手を合わせて拝むポーズを繰り返している。ふん、そうかい、全部お前がしょってくれ、頼むってか。
だんだん腹が立ってきた。
「あいにく責任者が退席しておりますのでわたくしが伺います。少々お待ち下さい」
「○△×!」
なんか怒鳴っていたが構わず電話を保留にして当直室へ向かった。
応対を上司に一任されたわけだからオイラなりの応対で話しをつけることにした。
それには事務所では周りの職員への影響があるので個室へ入ったわけだ。
「お待たせしました。で、わたくしにどうしろと申されるのでしょうか?」
「詫びーっ!詫び入れにこいっ。なにっ?業務外とは何事や、
全くお前ら公務員は税金ドロボーのくせにちゃんと仕事せえや。のらりくらりしてんじゃねーぞ。」ほら始ったぞ。

公務員への悪口ザ・ベスト・税金ドロボー・クビにしてやる。
えらいさん(市長、市会議員)に言いつけてやる。
このオヤジも全部言うてきた。:P
「あのねえ、税金だったら私も払ってますよ。だいたいお宅さん公務執行を妨害してるんちゃいます?
細かいことばかりあげ足取ってみえるけど世間が狭いって感じですよ」
「なんや!その言い方。んな口聞いてええと思ってんのか。
本庁の○○やら○△も知り合いだからお前なんか飛ばしてやるからな。名前なんや?」
「はあ〜、Yですけど、ま、勝手にどうぞ」

プーーッとふくれツラして事務所へ戻ると上司が
「おぉ、やまちゃん、どやった?」
「しらん!」
「あ、・・・まあ、窓口来て言われるよりは・・・なあ。その、あれはキツいから」
「しらんてゆうてますやん」

それからたびたびガンを飛ばしてやったので上司も小さくなっておった。
これが上司に対する態度かと思われるでしょうが役所なんてとこはあんまり上下関係はっきりしてません。
企業のように全体で収益をあげるつーわけでもないので、
個人個人が与えられたことをこなしていればなんの文句もないので上司なんて年数の長いおっちゃんみたいなもんですわ。
しかも部署が違ったらそこは一般企業で言う別会社みたいなもの。
あちらさんはどんな仕事してるか知ったこっちゃないし、向こうもこちらにゃ興味なしと不思議な集団なのであります。
そんなことよか例のオヤジにいたぶられる心配か?
お役所ってとこは不満のはけ口にされる場所でもあるのであんなヤツはザラですわ。
なんぞしてきたら返り討ちにしてくれるわ。ワハハ!

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月08日
あれから4、5日後だったかな。家族に付き添われて本人自ら病院へ戻ってきた。
逃走中に高熱を出してフラフラんなって悪さをする余裕もなかったらしい。
他人に何の被害もなくて本当に良かった。病院上層部も別の意味で胸をなでおろしていたな。
上のヤツラはビクビクしていた。もしもバスジャックなど起こされたら・・・。
そんなことは確率的に相当低いことなのだがお役人ちゅーのは日常がまった〜りしてるもんだから
不測の事態への免疫ができていない。院長、診療部長、事務局長の三役は記者会見を想定していたらしい。
決して事が起きればいいなどと思ったわけじゃないけど、オイラは、
せいぜいアンタらで苦しんでああだこうだと言い訳答弁を用意するがいいさなどと不謹慎なことを考えていた。

良かった、良かった、解決当時の事務局長の安堵顔を「ふっ、クビがつながって良かっただろ?」と
ひねくれた眼差しでオイラは見ていたのだった。
そう、オイラはなんだかこの組織社会を斜めに見ているひねくれ者だ。職場イジメに遭っているわけでもなく、
誰それがどうのということでもないのに実はやる気なしなしなーしだ。
市民の皆様にはほどほどに申し訳なかったりする。
口に出してグチを言うのと裏腹に仕事の姿勢や患者の皆様への対応はピカイチ君だったりする。(自分で言うなよオレ)
告発のホームページの主人公にされて非難轟々になってもいたしかたのない人物はオイラだったりする。

上の連中の仕事ぶりがムカつくんだよね。ほとんど腰かけてテレビ見てるだけじゃん。
患者逃走事件でも起きない限り涼しい顔で高い給料もらってる。オイラ達がバタバタしてる時だって
高見の見物だからハプニングで苦しんでいる姿がおもしろいと、そうゆうことになるわけだ。
人の不幸は蜜の味って、実はオイラはそんなイヤラシイ性格の人間だったりする。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月17日
病院の未収金に関する裏話をしとこっと。

診察代を支払わずにトンズラする者があとを絶たないこと、定期的に本人宅へ集金に出向いて
少しでも支払っていただくようお願い(あくまでお願いしにいくのであ〜る。)に行くことは何度も触れた。
集金は近県のみならず北海道だろうが沖縄にだろうが出向く。お役所だからと甘くみちゃいかんぜよ!
公務員だって追及の手を緩めちゃいないぜ。

てか、ちょっと待った。その熱心さにもかかわらず本市の財政は少しも良くなっていないぞ。
何かこれには裏があるんでないのか?そう、裏があるのだよ。
例えば東京へ未収金を回収しに出かけるったって交通費がいるわけだ。この交通費、すべて市が負担している。
料金踏み倒し患者への上乗せ請求は決してしない。
たいがい職員2名が2泊3日で出かけるので宿泊代も合わせればひとり5万円は支給されている。
んじゃ、ウン十万円以上のコゲつきのある患者から取り立てが成功しなきゃ元が取れないではないのか?
いや、たとえ未収金が千円でも300円でも新幹線と宿泊費を使って請求に行く。
これすべて市民の皆様からの血税。

なぜそんな無駄使いをするのかと言うと、ようは実績を作るためなのだ。
未収金が発生しても指をくわえて見てはいませんよ。どこへ逃げたって所在が分かれば取りに行くんですから。
結果お金は回収出来ませんでしたが前向きな努力はしているんです。というわけ。
一般の人が聞いたら腹が立つでしょうな。コッパ役人のまろでさえバカなやり方だなって思いますです。
未収金が出た〜、患者に逃げられた〜などと嘆いたところでつぶれるわけじゃなし、
定期的に予算が入ってくるからそん中から出来ることだけ細々とやりましょうか。
そんな意識が強いのも公立病院の特徴なのだ。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月21日
院内のロビーを通りかかったところで患者さんから声をかけられた。
「事務員さ〜ん、タバコの自販機のとこがアリだらけだからなんとかしてよ」
必殺スーパーアリジェットを片手に現場へ向かった。「あり〜」何もいてませんゼ。背後から患者さんがせかす。
「ほら、そこにうじゃうじゃ、あっ!あんなとこにも・・・」これで納得、精神科の通院さんなのね。
ところがアリなぞいないことを説明してもこのお方ムキになっておられる。
通りがかったナース達もしばし足を止めては状況を察知し、肩をすくめてオーマイ・ガッ!ポーズで立ち去って行く。
患者はいよいよボルテージが高くなってきた。そこでオイラのとった手は・・・。
くるっと背を向けて無言でさいなら〜。
うしろから「事務員さ〜ん、ね〜、ね〜ってば。」追いかけて来たが無視して事務所へ帰ったのだ。
中までは来なかった。もう放っといてくれたまえ。

その昔、院内に幽霊が出ると言っては譲らない患者さんがいた。
オイラの同業者か?このお方がアクティブな頃の当直勤務は一睡もできなかったよ。
「お宅の病院で死んだ人がワシの隣にいてんねん。なんとかしてくれや」こんな電話を夜中かけてきた。
一旦は納得させても数分後には「なんでお宅とこは幽霊多いかなあ。警察に調査してもらおう思ってな、
電話してんねんけど切られてしもたんや。今な、○△病棟の前に幽霊が立ってるからアンタ見てきてくれへんか」
当時のオイラは今ほどスレてなかったのでお子ちゃまに噛んで含ませるような丁寧な言いまわしで応対してた。
他の職員達はこの患者からの電話と分かった時点で黙って受話器を置いてたらしい。
また再びこの患者が騒ぎだしたら?とーぜん無視。あったりめーだろ。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月27日
38歳男性、精神分裂病。この患者さんは決まって毎夜11時を過ぎると来院される。
訴えはテレビ番組の出演者に殺されるので自宅にいられないというもの。夜間にやってきても
必ず精神科当直医師に当たるはずもなくたいていは話して納得させて帰宅させるだけである。訴えの内容や行動も
この病気の患者さんとしてはさして珍しいものではない。オイラが気にしているのは患者さんの生活形態だ。
分裂病を患いながらもひとり暮らしを強制され満足な治療を受けていない。
どうやら親御さんは病人の彼に愛想をつかし生活費だけ渡しアパートへ隔離している様子。

自室で病気の急性症状を起こしているのは明らかで医師でなくとも入院、加療の必要ありと認められるのだが
当直医は何の指導もしない。そのうちこの患者の診療代がコゲついてきたので
請求のために実家へ連絡することになった。その時親御さんに彼の状態を説明すると、
わたしら家族の問題なので放っといてとおっしゃる。他人のことでもあるのでそれ以上のことは言えなかったけど
ちょっと自分の心は痛んだな。彼は苦しくてどうしょうもないのに実の親からも見捨てられているのだ。
なんとか救う方法はないのだろうか?

それとなく上司に話題を振ってみた。医師から直接家族へ治療が必要なことを説明してもらうことや
町内の民生委員に様子を見てもらうことなどなど。しかし返事は余計なことはしない方がいいと思うよだった。
自分は余計なことに首を突っ込みすぎるのは確かだが家族の問題だから、誰にも危害を加えていないから、
世間様に恥ずかしいからなどの理由で放置されている患者さんを思えば
口にチャックばかりもしてられないように思うのだが。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年05月29日
メールを頂いたので原文のまま以下に紹介しよう。

あるご老人Aさんが切ない胸の内を話してくれた。皆さんどのように思いますか?
栃木県の矢板市のある病院の話です。ある日のこと、あなたはMRSAが出ています。
個室にしますか?混合部屋にしますか?個室は個室の料金を頂きます。思いがけない婦長からの話。
家族へ迷惑をかけまいと混合部屋を希望する。その日から、2人のおばーさん達と同居となった。

はじめは女性だと思いもしなかったが、オムツを換えてもらっている姿からなにやら女性だと知った。
床ずれの出来ているおばーさん、のどに穴をあけられているおばーさん、看護婦さんが声をかけると
なにやらうめき声の様な声が聞こえる。それ以外はほとんど会話はないが、時として同じ様なうめき声が聞こえたり、
ぜーぜーと荒い呼吸が聞こえたりする。・・・・こえかけるにも女性とあってはなにやら困ってしまい、
寝ても起きても落ち着かない気持ち。後で知ったが話が出来るのは私だけだと知った。
しかし、年取っても男は男、死んだ妻を思い、家に帰ることにしたと話された。今時、男女混合部屋があるのですね。

(やまちゃんより)
たとえ老人とは言え男女を混合部屋にする所は珍しい。と言うより看護婦からそんな病院は変だという説もでた。
空きベッドがないために一時的に男女を同室に収容する場合はあるのだが、
もしもこの病院が継続的にこんな形を取っているのであればちょいとおかしいってこと。

この話しとは全然違うが精神科の男女混合病棟についてオイラは反対だった。
男子は男子病棟、女子は女子病棟というのも最近は開放病棟が増えて男女混合病棟が増えてきた。
ところが寝るのは男女別室とは言っても男女が普通に部屋を行き来可能なため患者同士がSEXしてしまうことが多い。
こんなことはたまに一般病棟でも発生することだが精神科病棟は入院が長期に渡ることが多いために
男女共抑圧されたものが一気に出てしまうようでとにかくこの手の不祥事が頻繁に発生してしまう。
女性患者が妊娠さえしなければ病院側はこの不祥事をひた隠しにするわけだが患者がバラして
家族が怒鳴りこんでくることも多いらしい。(うちは混合病棟でなくて良かった。)
混合になるとそんな面倒が増えるので反対だったが今日そのことで
看護婦から意見を聞いてなるほどと思う部分もあったので書いておこう。

長期入院患者にだって人間としての当たり前の性欲があるわけで、それを抑制する権利は誰にもない。
患者同士のSEXは容認できないが男女混合を採ることで得られるバランスというものがある。
現状、男子病棟の長期入院患者は女性とコミュニケーションを取る機会が全くないので
女性そのものに対する興味すら示さない。男女間のトラブルが起こらないと喜ぶのは病院側の偏った意見じゃないの?
人間の尊厳はどうなるの?
なるほど、もし自分がそんな所に閉じ込められてしまったら嫌だよな。
そりゃSEXもしたくなるがとりあえずそれはおいといてと、女性と話すチャンスぐらいは欲しいよな。
患者の立場んなったら。いただいたメールの趣旨からは外れてしまったがメールがきっかけになって
ナースの意見が聞けたのは良かったと思う。投稿ありがとうございました。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月01日
不景気もこれだけ続くとますます公務員へのやっかみからか役人イジメの声が聞こえてくる。
公務員が甘やかされすぎなのは事実である。世間じゃ賃金やボーナスカット、リストラが日常だというのに
公務員はなんだかんだと言いながら毎年賃金はベースアップしているし、身分保証も確立されているので
重大犯罪にかかわらない以上はクビになったりはしない。民間企業では会社とは仲良しクラブではなく、
能力の欠けた者や病気になったものを雇用しておく余裕はない。
公務員の世界では不幸にして病に倒れてもたっぷりと休職できるし
状況によっては退職まで給料をもらいながらゴロゴロしていることだって可能だ。
これを聞いたら誰だって怒り心頭であろう。公務員以外はね。

そうは言っても最近の公務員はちょいと出来がちがうぞ。昔のように9時から5時ピタなんて言ってられない。
日がな一日書類のハンコ押しと新聞読みのヒマつぶしで退庁なんてありえない。
確かにそんな時代もあったようだ。先人達の悪口もどうかと思うのだが、
実際昭和48年のオイルショック以前は公務員なんてなり手もなく誰でも採用されていた時代があった。
うちのおやじの話しによれば高度経済成長期の当時に給料の安いお役所なんかに入れば
よっぽど就職口がなかったのかとカゲ口を言われていたという。就職浪人でブラブラしていたら役所の方から
「遊んでいるなら役所に入りませんか?」と人がやってきたのだそうな。
そんなわけで当時の公務員は評判も悪かった。態度も横柄で新聞の投書ネタにもよくなった。

時は流れ、現在では公務員には簡単になれない時代がやってきた。
最近の採用組は厳選された人材ばかりなのでそれはもう優秀である。
そのまま民間企業へ出しても立派に通用するだろう。かたや高度成長期以前採用組は古来からの
お役所体質が抜けきらない連中が多く、いかにも公務員公務員している。
この手のヤツラが今の役所をダメにしていると言える。立場上はすでに中間管理職以上に昇進しているわけだが
部下より仕事が全くできない。自分は何も知らなくとも部下が知っていればいいやという人が多いのだ。
若い連中はパソコンをバリバリ使いこなすが上司は全く覚えようともしない。未だにソロバンはじいてる人もいる。
民間だったらクビだろうね。

これからの役所は大きく代わっていくと思うよ。
変な体質は変わらなくとも行政面でもだいぶ融通が利くようになってきたでしょ?
若い連中もメリハリの利いたサービスに努める者が多くてそうそう捨てたもんでないよ。
古株も民間企業のサラリーマンの冷遇を考えたら甘やかされていることに早く気がついてエリを正さんとね。
でないと退職後はあっちゅう間にボケて死んじまうぞ。オイラそう思うね。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月05日
不幸にして心を病んでしまった人達に接していると自分の元妻のこともそうだが、オヤジの過去を思い出す。
うちのオヤジはオイラが高3のある日、突然会社へ行かなくなった。一日中布団の中に伏せってただジッとしていた。
結論から言えばあれは完璧な「うつ病」だった。医者へもかからず薬も飲まず約ひと月後まるで憑いていたもののけが
取れたかのように治ってしまったのだが、オイラ達家族の動揺はかなりのものだった。

OA化、オフィス・オートメーションって言葉がさかんに使われるようになった時期だった。
職場でコンピューターの導入が決まって、オヤジも毎日講習会で大変だったようだ。
そしてコンピューターというものが分からない、ちっとも仕事が覚えられないと知った時拒絶状態に陥ってしまったのだ。
毎晩オヤジの同僚が3〜4人やってきては「一緒にガンバロー。」「○△君はそんなことで潰れる男じゃないぞ」
と激を飛ばしにきたがオヤジはもうだめだを繰り返していた。

オイラのオヤジは超スパルタで自分にも他人にも厳しく、一度も弱さを見せたことがない男だったので
その情けない姿がとてもショックだった。甘い言葉を聞いたこともなかったというのに一緒に散歩へ行かないかとか
釣りに行こうなどと布団の上から弱々しい声で語りかけてくるので自殺してしまうのではないかと心配した。
「オレはもう辞めるから。タクシーやるから」オフクロにそう話しているのを聞いて
オレはもう大学へも進学出来ないのかと凹んだものだ。

なにがふっ切れたのか約ひと月で嘘のように全快したオヤジは出社しはじめ、
そのうち何事もなかったようにもとの仕事人間に戻った。あとで知ったが部長職を解かれ、
閉職に追いやられたのだそうな。うつ病は確かに障害のもとを取り除くことで格段に良くなるが、
オヤジのように社内リストラされたにかかわらずうつ病を克服し、数年で部長のイスを取り返した例は珍しいと言える。
これは根底に生物学上の強さというものがあったからに違いない。

以前から自分は心の病のメカニズムには興味があったが身近でオヤジというケースを見たことで
益々精神医療への興味に火がついた。悪く言うとオイラは病気慣れしたようなとこがあるので
患者さんを甘やかしているとよく言われる。確かに自分は冷たい人間だとか次こそはわがままは聞かないと言いながら
結局患者に使われてしまっている。
だけど、なんだかんだと患者さんに名前を覚えてもらったりコミュニケートがとれるのはいいか。
他の職員とは目も合わそうとしない患者さんでもオイラには挨拶してくれたりってあるしね。

自慢するわけじゃないがこないだある婦長に誉められた。
「Yさんは患者さんへの接し方がほんとうに自然体だから感心するわ。
他の職員さんは精神科の患者さんには構えてるとこあるもんね」
そう言えばディケアーの喫茶店でコーヒーする職員は事務方ではオイラだけだ。
精神障害を抱えた患者さん達が社会復帰を想定して喫茶店を運営しているのだが皆敬遠して行こうとはしない。
そこでどんな難しいと言われている患者でもなぜかオイラにはなついて無茶を言ったりやんちゃしたりしない。
口の悪い同僚からは「同類と思われるよ」なんて言われるが、おいおい、
その言葉は差別的だから聞こえないとこだけで頼むよって言い返している。
ただでさえ地域で差別されている彼らの唯一の安息場である病院からそんな仕打ちを受けちゃたまらんだろうが。
人は自分の理解を超えたものや知り得た常識から外れたものを恐れたり排除しようと努めるが
障害もひとつの個性、もう少し広い心で接したいものだ。特に医療関係者は。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月08日
実はこの2週間職場内で言われのない汚名を着せられてはらわたが煮え繰り返っている。
今日はその話しでも。

発端はオイラの当直勤務が終わる直前の午前8時頃に誰かが取った電話が始りだ。
それはある入院患者の家族からのもので何か知らないが患者に伝えなければならない伝言があったらしい。
あいにく患者はどこかを散策中のようで捕まらず電話に出た者が間違いなく伝えておくということになった。
ところが伝言は伝わらず家族は激怒してしまったというもの。よほど重要なメッセージだったとみえる。

クレームが来たので謝罪するために犯人が必要なのだがその電話を受けた者は誰も名乗り出ない。
事務方はほとんど出勤していた時間だというのに一応当直帯でもあるというのでオイラに謝罪してくれないかと
上司から要請がきた。もちろんそんな冤罪はなはだしいことはお断りだ。
誰も名乗りでないのを理由に無実のオイラがスケープゴート(生贄の子羊)になるなんざとんでもない。
激しく拒絶すると上司はいったんはひっこんだ。

ところが翌日の日勤の日、突然上司から「先方が応接室まで来てしもたんや。そばに座っとるだけでええから、
ワシを立てる思って付き合ってくれへんか?」と言われた。
仕方がないのでとりあえず同席することにしたがうまくハメられてしまった。
一通り先方の文句を聞いたのちに上司がオイラに言った。「ささっ、○○君、謝罪して」ムカーッ!
言ってやりましたよオイラは。「わたくし、当事者ではございませんので退席します。では失礼致します」

全部上司に押し付けてやった。もちろんヤツはカンカンで事務所で言い合いにはなったのだがね。
ところで目の前で上司と部下が険悪になっとるというのにいわゆる三役と呼ばれるえらいさんは止めようともせず
何も見聞きしていないような態度をとる。ひとりのヤツなんぞ腕を組み目まで閉じているじゃないか。
日光東照宮の猿みたいな連中だね。
どんなに理不尽なことでも自分の起こした結果で患者が謝罪を求めるならそうするつもりだ。
しかし身に覚えのないことじゃごめんだ。組織の体面を守るためにハラキリ侍なんぞ出来ないね。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月10日
患者さんに応対するということは本当に難しいことである。調子はいかがですか?具合はどうですか?
ごくまれに「調子が良かったら病院なんか来るか!いらんこと聞くな。」と怒鳴りつけられて悲しい思いをする。
窓口での常套語である「お大事に」にしても初診でみえたうつ病の女性は「お大事に、なんて言われると
何か自分がすごく悪い病気になってしまったようで悲しいですね。」とおっしゃった。言葉というのは難しいものだね。
声をかければ怒られる、かけなければ感じの悪い病院だと言われる。
まあ確率的に上のようなことで気を悪くする方は少ないのだからそれほど凹むことはないのだが。

誰でもそうだが好きで病気になってしまうものはいない。患者さんの共通の想いは早く良くなりたいということ。
特に慢性的な疾患を抱える人達は状態も一進一退、調子が思わしくない時にはささいなことで腹を立てたり、
長年の付き合いのはずの主治医に不信感を抱いたり、わがままになったりと気持ちの変化もめまぐるしく変るものだ。

オイラにも内科的な持病があって月に1度の通院を余儀なくされているので患者さんの起こす無理難題や
わがままも自分に当てはめてみればよくわかる。
特に自分は病院の職員でもあるので他院のことを非常に厳しい目で見ている。
かかりつけのとある市民病院でのオイラは相当な嫌われ者のひとりであろう。
いろいろと注文や文句を臆面もなく続けてきたのでね。それは決してストレスの解消とか病院イジメなんかではない。
そこにはクレームを入れられるようなずさんな部分があったということだ。
もっとも職場でのオイラは逆に言われる立場にあるわけで、理不尽な部分は受け流し、
改めるべきところは真摯に受け止めねばあかんと思うわけである。本日はかなり真面目になってしまった。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月15日
女子高生二人組の訪問を受けた。医療職に多大な興味があるという。将来は作業療法や臨床心理の仕事に
つきたい。ついては当院のデイ・ケアー・センターでボランティア活動をさせて下さいませんかとのこと。

誠に不本意ながらわたくしのお役所的応対です。
「当院のデイ・ケアーは精神障害者、痴呆老人専門でありプライバシーを守らなければならない。
お手伝いしてくれることは職員としては非常にありがたい。しかし外部から人が入ることで漏れる可能性のある
プライバシーには患者さんの家族は非常に敏感である。
まれに医療専門学校等の学生ボランティアを受け入れることはあるが、
民間の全くの素人さんを受け入れた前例はない。残念ながら来ていただくわけにはいかない」

もちろんこれじゃ事務的すぎて身もフタもない。続いてわたくしからの私見を述べさせていただいた。
「最近の若者には失望をしていたけど君達のような素晴らしい若者に出会えたことは感激です。
ボランティア活動は間違いなく君らの将来の一助になることなのでかなえてあげたいのですが
希望に添えず申し訳ない。医療教育機関を卒業されるまで熱い想いをもち続けて下さいよ。
そして将来院内で再会しましょう。」

お互いの期待に添えず残念な思いをさせてしまったが
ふたりの女子高生の輝いた瞳になぜかほっとしたオイラであった。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月17日

精神科の患者さんによく聞かれる質問、「わたしの病気は治るのでしょうか?」
基本的には「医師ではないので答えられない」と返事する。彼らにしてみれば毎日不眠や不安、
緊張にさいなまれ、そのために失職するなどして将来を悲観する要素が多過ぎる。誰かれにでも病気が治るのか?
こんな状態がいつまで続くのかと聞きたくなってしまうのだろう。
切々と事情を訴えてこられると聞いているうちにオイラはかなり熱くなってしまうタチだ。
そして最後に必ず言うのが信じれば必ず治るというもの。
その言葉は確信に満ちていて説得力があるので患者さんは明るい顔になって帰って行く。

だが、いつも冷静になってから自分はバカだなあと思う。
精神病が治らないことを知っているくせにああも調子良くしかも確信に満ちた口調で治るなどと言えたもんだ。
だいたいなにを信じろというのか?てんで意味不明なクセに患者さんや元妻に対して「だいじょうぶ、信じれば必ず治る」
と今日も連発するオイラなのだ。

上司に注意を受けたことがある。患者さんの訴えを聞いたり励ますのはいいけど別の言葉の方がいいよってね。
「必ず治る」てのはマズイ。事務方は医師ではないのでそれほどの問題はないにしろ、
医師がそう言ったら裁判沙汰だからという話。まあ、医師から治ると言われて治らなかったら問題かもね。
うちの病院の医師の態度は精神科の患者さんに絶対治るからとは言わないという取り決めになってることを
入職当時に聞いた。

「精神病ってわかんないんだよね。未だ話し聞いてナンボって領域でしょ。
あとは薬学の知識があって飲み合わせや分量知ってればあなたにだって出来ますよ。
治るか治らないかって言ったら治らないでしょう。寛解はするけどね。
でも寛解てのは再発を控えた一時的な沈静だからねえ」診療部長からそう言われたことも。
その通りなのだろう。脳内のドーパミンの関係、セロトニンの不足等など、医者は医者なりにがんばっているのだろうが
その先がなかなか見えてこない。何かアプローチ方法が違っているのじゃないだろうか。
フロイトがどうのユングがどうのってのもなんだか・・・。
今のところ精神病について分かっていることなんて爪の先程度なんだよね。
オイラも患者さんには別の言葉を用意しておくことにするよ。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年06月22日
『○△君は最近マスターベーションしているようだ。なかなかいい傾向じゃないか』
むむむむ、なんか耳が立つ会話じゃないか。精神科医とナースのやり取りだ。
手淫は男なら(いや、女でも、きっと・・・)誰しも経験していることだが、なんだか照れやうしろめたさのある
ご法度的な響きがある。う〜ん、何事にも無関心だったいち入院患者さんがマスターベーションをきっかけに
人間らしさを取り戻したと、それでいい傾向ってのかな?そっか〜。

ふむふむ、感心しとる場合じゃない。それで悪夢のような体験が蘇ってきた。忘れもしない高校1年の夏、
カゼをこじらせて入院していたオイラは看護婦の前で手淫ショーをしたようなのじゃっ。っーのも退院も近いある昼下がり、
それまで高い熱のあったオイラは念のために脳波検査をすることになった。
診察台の上に寝かされてスタンバっとったんだが待ち時間がやけに長い。
『ごめん、あと30分ぐらい待ってくれる?』そう言ってナースは奥へ引っ込んでしまった。
奥と言ってもカーテン一枚はさんだ向こうだったんだがね。

そのナースは当時22〜23歳ぐらいのめっちゃオイラのタイプの人で入院2週目ってこともあって
下半身もだいぶ溜まってたからさ、オカズにいただくことにしたのだよ。事務机の上のテイッシュをさくっと奪って
寝ポーズでマスターベーション開始。サルのように夢中になっていたら背後に人の気配が。
うっ!あの憧れのナースが立っているじゃないか。もちろん寸止めだーっ。『やあらし〜い。
奥行ってるから済ませちゃいなさいよ』
彼女はそれほど驚きもせずに戻って行った。かえってその冷静さが妙に気恥ずかしさを呼び、
興醒めしたオイラはすごすごとおパンツをづり上げたのだった。もちろんあとでトイレへかけ込んだのだが。

いゃあ、情けない。実の親に見られるのも相当なショックだろうが憧れの君ちゅうのも穴があったら入りたい。
そうだ、穴だ!なぜついでに貸してくれなかったのだおたんこナースめ。
が、この手淫ザルは性懲りもなく2度目のミスを犯してしもた。それまで個室だった病室が
退院3日前にふたり部屋に代わったのだ。相棒は70ぐらいのじいーさん。
真っ昼間からもよおしたオイラは再度寝ポーズでマスターベーション開始。くうぅぅ、今度は果てたゼ。
て、その瞬間隣のベッドのじいさんと目が合った。いつから見ていたのだ?寝てたんちゃうんか?ええっ?
ずるずるずる・・恥ずかしさでそのままフトンへもぐり込んでいくオイラ。じいさん、
気を使ってタヌキ寝入りしなくてもええよ。もう見られてしまったのは分かってるんだからさ。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年07月02日
最近のお子ちゃまは親の教育が悪いのかマスメディアの悪影響か、大人に対する態度がなっとらんぞ。
院内をドタドタ走り回るはギャーギャー騒ぐは、他患からのクレームもあるので
『僕、ちょっと静かにしてくれる?』なんて注意しようもんなら『うるせー、ハゲ!』などと罵倒される。
ちなみにオイラは断じてハゲではない。毛髪フサフサじゃ。ハゲてもいないのにハゲとは小生意気な。
トイレへ引っ張って行ってスリッパでひっぱたいてやろうかと真剣に思ったりする。

ハゲネタと言えば、同僚の毛の生え方がちょいと特徴あって、毛髪が浮いたような感じになってる人がいるんよ。
そいつが窓口座ってたら小ボーが近寄ってきてデカい声で『それってズラ?』親も隣にいたんだけど笑ってるだけだもんな。
ガキは残酷だ。大人の心を平気で傷つけるもんな。親!なんとか言ったらどうよ?
そんな失礼なこと言っちゃダメでしょぐらいなあ。

オイラは子供ギライで扱いもヘタだし近づこうとも思わない。子供もそれを敏感に察知してこんな人間には
近づいたりなつこうとはしない。ありがたいことですじゃ。
友達に子供が生まれて連れて来たりした時は一番困る。『かわいいでしょ〜』などと聞かれるが返答に困るのだ。
根が正直すぎて、ついついオレは子供は苦手だなどと口をとがらせてしまうのだな。

ガキの扱いに慣れているはずの小児科医でさえ凹んだりムッとすることがあるらしい。
幼稚園年長組のボウズの診察を始めようとしたところギャーギャー泣くもんだから
『だいじょうぶだよ、ポンポン見せてもらうだけだからね。』と言ったところ、『うるせー、ヤブ医者!』と言われたそうな。
全くどこでそんな言葉覚えてきゃがるのかね今時のクソガキは。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年07月08日
こりはオイラが以前勤務していた病院でのハプニング。
仮眠から目覚めてボサーッとコーヒーを飲んでいる所へ病棟ナースと警備員が飛び込んできた。
『ちょっと!大変なんです〜。患者さんが飛び降りて○△□・・もう、すっごいことになって※×□!』
もの凄い慌てようだが患者が飛び降り自殺したのはよ〜く分かった。
警備員は事務当直の方にも現場を確認していただきたいとおっしゃる。

ちょっと待て!オイラはエロは好きだがグロはからきしだめなのよ。なにせガキの頃は魔の踏み切りと呼ばれる場所の
すぐ裏の貧乏長屋に住んでいた。
年に1度はかって人間と呼ばれていた物体のカケラがパラパラと飛び散っているのを見せられていたんだよ。
それに落下遺体はトマトだと医者が言ってたぞ。トマトを高所から落としてみい。ぶちゃっ!となるやん。
お〜寒い話しだ。トマト人間なんか見たかねえべよ。

ともかく事務所のカギを開け、119番通報。上司にもこの件を電話せにゃならんが、やっぱし現状を把握しておかねば
報告もできん。やっぱご対面かよ。トホホな日じゃ。および腰でナースや警備員の最後尾をいそいそとついてった。
やっこさんは6階屋上からダイブしてリネン庫前のコンクリートに叩きつけられとるらしい。
警備員がリネン庫脇の通用口を開けてくれた。瞬間、メガネを外し目も細めて薄目にしたった。

血だまりの中にパジャマ姿の女がうつ伏せで倒れていた。想像通り腹部の内容物がパーッと飛び散っておる。
『これは死んでるね。以上!』向かいの中学校の通用門から丸見えにつき、遺体にシーツをかぶせるよう
警備員に指示をして退散したのだっ。
30分もすれば部活の中ボーが登校してくる時間だったからな。その後のことは知らん。
遺体が収容された後、警備の皆様は放水したり大変だったようじゃよ。

ところでこの病院も公立病院だったのでこの出来事は一切報道されなかった。病院のイメージにかかわるので
この程度のことは報道管制っーわけだ。今の勤務先も知っているだけで4人ほど飛んだらしいが・・。
オイラから一言、飛ぶのならオイラが休みの日にお願いします。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年07月16日
研修医のぼっちゃんのうちの一匹がおかしくなっちまっただよ。あの先生はおかしい。なんか変っとるゾ。
ヒソヒソ言われ続けて4か月、ついに決定的な事件が起きた。

無断欠勤をしたあげくの理由が『日曜日だとかんちがいした・・・』で、今日は月曜じゃないかと指摘を受けても
なんだかしどろもどろモードで、『ちょっと考えさせて下さい。あぁ、言われればそんな気が・・・』
言われればもクソもないよな。こりは尋常な状態とは言えん。
しかもうつろな目つきで自分の手帳と日めくりカレンダーに何度も目をやってそわそわ落ち着きがない。

それまでも患者さんのご家族から、あのセンセは目つきが変だ。雰囲気がおかしい。
まともに診察しているとは思えないなどのクレームがあり、同じ医師仲間からも『またトイレでずーっと手を洗ってるぞ!
もう15分ぐらいだから気持ちが悪いよ〜』と報告があったのだ。

またかいって感じだ。またかいっーのは前にも研修医のぼっちゃんが不幸にも分裂病を発症してしまったことがあるのだ。
この医師は自分で病気を疑って早期に治療を受けたのだが残念ながら退職することになってしまった。
その後、他院へ行かれたのだが長続きせず多分今はもう医師ではないと思慮される。不幸なことだ。

今回のぼっちゃんは同僚ドクターの話しを総合すると病識がないようだ。てか本人がモゴモゴ、ボソボソ言っていて
治療を受ける意思があるかどうか不明なのだ。
我々事務サイドでもクレームの多い医師を原因をつかまないまま置いておくわけにはいかないので慎重に
対応を検討しているところなのだ。ひょっとしたら薬物乱用者の可能性もあるし、警察沙汰ならなお困るってわけだ。
とりあえずカウンセリングを提案したら激しく拒否されたっー噂もあって困ってるんよ。
医者でもそんなことがあるんかと思うかもしれないが結構ヤバイのはたくさんいるよ。知らぬが仏だ。

                                                                このページのトップへ戻る

2001年07月27日
勤務明けのことだった。
職場の近くの喫茶店でモーニングとしゃれこんでいると向かい席のおっちゃんの携帯通話が聞くとはなしに耳に入った。

『おー、そうだ、そうだ。あそこのなあ、キチガイ病院のそばやて。おー・・・』キチガイ病院か。
うちの職場を指しているのは間違いないな。なんだか嫌な感じだ。前にオイラは実家の近所のおっちゃんに
言われたことがある。『息子さん病院に勤めてるんやてなあ。どこ?』『ほお〜、あそこのキチガイ病院かあ。
おかしなやつばかりで大変やろ?』ムッときて別にみんな普通の人と変りないですから大変でもなんでも
ないですよと答えてプイと家へ入った。

かあーちゃんにブーたれてたんだが、逆に『そりゃ誰だって言うよ。なんであんたわざわざ異動願いまで出して
あんなとこ行ったん?』そりはだから口すっぱく説明したんだけどな。オイラの理想論だが心の病を持つ人達を
もっと理解したかった。ちょいとややこしい雑務が増えるのも承知の上ってゆうたやん。

確かに理想と現実のギャップはあって前の勤務先に比べたら自分を不利な場に置いたのは事実かもしれん。
精神障害者への差別も聞くと見るでは大違い。あまりの偏見に何度口をとがらせて熱弁をふるってきたことか。
ここでいい子ちゃんぶって正義の味方をきどるわけじゃないが、オイラは医療事務屋のシュバイッアー博士だと思っとる。
直接医療現場にかかわりはないと言っても、かって博士が黄熱病の研究のために
誰も近づかなかったアフリカの大地を踏んだのと同様な気持ちだ。

AIDSの正体がつかめなかった頃は空気感染するなどの噂も飛びかい、医療機関でさえ患者の受け入れを
拒否する始末だった。最近やっと偏見が薄らいで患者さんと健常者との様々な交流も報告されるようになった。
ところが心の病はどうだ。気が変になっているのは先祖が悪さしたからだ、いや、たたりだ・・・。
などといまだにおどろおどろしいことが囁かれてるじゃないか。
こんな間違ったことを常識人のはずの大人達がいつまで子供達に伝え続けていくのか?
誰かひとりでも偏見を解いて正しい理解を持ってくれるために働きかけをするのは何も医療関係者でなくとも
誰にだってできるはずだ。オイラはそう思うのだ。

※キチガイの表記に気分を害される向きがありましたらお詫びします。

                                                                このページのトップへ戻る

2002年02月28日
公立病院の医事課職員がレセプトを出したり当直勤務までするということは今ほとんどない。全くないに近い。
業務委託と言って民間企業から人材を派遣してもらってるのだ。どこの役所でも病院の医事課ってのは
異動したくないワースト3職場になってる。そこにきて、レセがどうの深夜勤務がありと言ってればソッコー異動願いを出す職員が
続出恐れだってある。職員の業務負担の軽減と健康面の配慮を名目に公立病院の事務は人材派遣が常識化してるわけだ。

うちは業務委託をしていない数少ない公立病院だ。いや、以前はしていたのだが・・・。
あまりハッキリ書くと院名がばれちゃうんだが、うちは仮に第一と第二病院に別れている。で、オイラんとこは第二ね。
第一の来院者の多さに比べりゃこっちは閑古鳥だ。あちらさんは派遣社員を100名近くも受け入れてる。まあ、もっともなことだ。
うちだって患者数が少ないとは言え、当直勤務や正月出勤なんて誰もしたくないので人材派遣業者に委託しようという話しは当然出た。
予算のこととか、内部の反対もあって延び延びにはなったがある年に業者にお願いすることになった。

その頃オイラは第一の方にいたんだけど、派遣会社が入って半年もした頃に契約を打ち切るという一報が聞こえてきたんだよね。
それが業者の起した不祥事が原因だった。当直者が手さげ金庫を持ち逃げしちゃった。この大手業者はよく広告も出している
有名なとこなんだが、たまたま派遣されてきた男がワルだった為にお叱りを受けて追放の目に遭ってしまった。
おかげで業務の負担からしばらく解放されて気のゆるんでいた同僚たちがレセプトやら当直を再開することに!
上層部は委託業者にはコリゴリといった感じで、以降すべての業務を医事課職員でやるという体制が続いている。
オイラが第二へ異動した頃はすでに業者は出ていった後なので慣れないことに本当に戸惑ったものだ。

ところで、こういった委託会社の社員をたくさん見ているが、どうにも違和感を感じる。
こちらとしては医事のスペシャリストに来ていただいたつもりでいるのに、仕事はすべて現場仕込みで即戦力になるとは言えない。
同じ会社から派遣されているというのに違いの仲間意識に欠けていて無用なトラブルをちょこまか起こしたり、
職員のご機嫌を取ることばかりに長けているように見える。聞けば非常に少ない賃金で派遣されてきているようで、そういった点で
やる気のなさというのが出てしまうのかなと感ぐってしまう。派遣の人達にはいろいろと報われない点もあって大変だろうが
単なる腰掛け意識は捨てて医療事務のエキスパートとしての自覚を持っていただきたいと思うな。

ちなみに役所としては業者には莫大な年間契約料金を支払っている。給料が安いのは会社がかなりの額をピンハネしているからだ。
派遣業=ピンハネ業。割り切ってやるか不満な者はもっと条件の良い所へ移るしかない。
身分的に報われない部分もあるだろうけどまあがんばってくれたまえ。

                                                                     このページのトップへ戻る

2002年08月17日
やあ、おひさしぶり。久々の更新だ。今日のエピソードはどこへジャンル別けしようかと少々悩んだのだが、
まあ雑談という感じなのでこのセクションに入れてみた。

俳優の伊藤俊人さんがクモ膜下出血で亡くなった翌日のことだ。オイラのかあちゃんが緊急入院した。病名は正にクモ膜下出血。
奇しくも前日伊藤氏の件が話題に上り、気いつけなあかんでと話していたばかりだっただけにオイラたまげたね。

結論から言って即日6時間のオペの後約3週間の入院を経て一切の障害を残さずENTすることができた。破裂はたった7ミリ。
担当医がこれまで診たクモ膜下出血の中で1番軽かったと話したぐらいだ。ここまではまあよい。けど、後になってうちのかあちゃんは
もしかしたら死んでいたかもしれないということがわかった。

その日、自ら運転する車中で激しい頭痛を感じたかあちゃんはガマンしながらなんとか自宅へ帰り救急車を呼んだ。
ストレッチャーまで歩いていったので隊員もあれ?という感じだったらしい。ただちにかかりつけの某総合病院へ搬送。
出迎えた医師(内科医)も再びストレッチャーから自ら降りてきた姿に事を軽く見たらしい。
『風邪からくる頭痛です。薬を出しますのでこのままお帰り下さい。』と言ったそうだ。
救急隊員が後頭部の硬直を指摘し、クモ膜下出血の恐れを指摘したのだが、『僕はそうは思わない。』かあちゃんは専門家の言うことだし
おおげさになったら迷惑だし家でやらなきゃいけないこともある。
帰ろうとした所を再び隊員が食い下がってくれた。『ダメもとで頭の写真撮ってあげて下さい。』
その時の医師の反応は『・・・僕には診断できない。』だったそうだ。
結局クモ膜下出血と判明し、あのまま帰宅していたら大変なことになっていたと思われる。

これを一般の人に話すと一様に『それはひどい病院だ!』『訴えたらどう?』の反応が返ってくる。
そんなことが救命を仕事にする病院にあっちゃならん。信じられないってわけだ。ナースの皆さんいかがですか?
これは良くあることじゃないすか?それともオイラの職場や友人達の病院が際立ってずさんなだけなのでしょうか。
少なくともオイラ界隈じゃよくあるんス。(あっちゃならんけど)

クモ膜下の場合風邪と誤診されて帰宅後数日のうちに倒れて亡くなったケースは嫌と言うほど聞きました。
時間外診察で研修医が帰宅させた患者さんが翌朝フトンの中で冷たくなっていた例もあります。いずれも医療裁判まで至らず
うやむやなうちに解決されていたので事が公にならなかっただけで病院に勤めている皆さんにとって決して珍しいエピソードでないように
思われます。当った医師の巡り合わせの運、不運。搬送された時間の運、不運などで仕方のないこと。
これも運命だ。てな調子になってません?マスコミや世論が騒ぐ医療ミスも同様で表沙汰にならないミスなどゴマンとあるわいな。
仕方がなかった。バレなくて良かった。そんな空気ってオイラは絶対あると思うね。

さて、オイラはかあちゃんの件で誤診された側の当事者になったわけだ。そうなってみると我が家族かわいさでやはり怒りがムラムラと
湧いてくるんだよね。だからって今回の結果は吉だったわけだから波風を立てるつもりはない。だから何だよ?ってことだが・・・。
病院に勤めて人様の痛みが分かったようなつもりでいたけど結局オイラもどうでもいいや目隠しして耳栓しとこなんて気持ちがあるってことに
気がついたわけ。家族の一員が病院に見捨てられかけた。こんなことでもないと手綱がしまらないオイラはみっともないね。

                                                                      このページのトップへ戻る








やまちゃんの部屋へ戻る
「医者のないしょ話」を見る
「病院の怪談」を見る