Q5.無料で設計図を書いていただけるのか?(無料相談の範囲は?)
上記(Q4)の通り、無料では作成いたしません。気にいっていただけなかった場合を想定しての仮契約方式です。よって経費分しかいただいておりません。
実際には基本設計と呼ばれるこの部分は設計監理業務全体の30%を占めている重要な部分です。今後の家の方向性を決める非常に重要な部分ですので、ここを無料にしてしまうと一番重要な部分が営業活動となってしまい、十分な調査が出来なくなるとともにクライアントの家族の本当の生活や性格、言葉に出来ない部分で何を望んでいるかを十分に知る前にプランを作成する事になってしまいます。ラフプランとはよくいった表現で、ラフなプランがスタートで良いはずがありません。特に住宅の設計の場合は、施主と設計者が対等な立場で意見を言い合えるということが、とても重要だと考えております。
プラン作成の前には敷地の調査、関係法律の調査、役所との事前協議はもちろんのこと、施主や施主家族の家に対する考え方や、子供の教育方針、家族間・親子間・夫婦間のコミュニケーションの取り方、2世帯であれば、打ち合わせではなかなか言えないような世代間の問題等、いわゆる設計条件として書面には出来ない、打ち合わせの際でも、みんながいたら口に出来ない微妙な内容の事などを、設計者である自身が感じ取る時間も必要です。そのために、最低でもプランの前に話をするだけの時間を数回作っています。
住宅の設計とは、これくらい微妙でデリケートな作業であると考えています。このようなスタンスで設計に取り組んでいますので 「とりあえず、ラフプランを提出してから・・・」というスタンスは住宅の設計としては不適切ではないかと考えています。形やデザインも重要ですが、それよりも大切なのは家族が幸せになるには、どういった方向性の住宅がベストであるかを考えることであり、そこからスタートしての結果としてプランやデザイン等があるのであって、まずラフプラン(形から)という進め方は、本末転倒であると思っています。
例えば、設計条件に子供室6畳x2というのがあったとして、設計者がまずすべきなのは、プランニングの際に6畳x2をいかに計画するかではなく、どうして6畳x2が必要なのかを、クライアントの家族観と照らし合わながら、施主と一緒に再度よーく考えることだと思います。デザインはとても重要ですが、最重要事項ではありません。この項目で書くことではないかもしれませんが、生活する上でのだらしなさというか生活感をどれだけ許容するかは、本当にくつろげる、そして癒される家にするためにデザインよりも高位に重要なプランのポイントだと思います。ちょっとでも散らかっていたら成り立たないデザインにするか多少散らかっていても、かっこ悪く見えないようにするかは、生活に緊張感をどれだけ持ち込むつもりでいるのか、また今現在のスタイルはどうなのかということを検証する必要があるのです。なので、やはり「とりあえずラフプラン」という提案は出来ないのです。
こういう考え方ですので、依頼していただく前に、私がどういう家を設計し、どのようなスタンスで仕事にのぞんでいるかを客観的に判断していただく事が必要であると思い、HPではなるべく多くの情報を公開するとともに、Q4-A4でも書きましたが、HPで公開されている住宅は、住まれているお施主様の都合が合えば、実際に見学したりお話を聞くことが可能です。
※設計した住宅は、ほぼ100%HPで公開しています。また、見学のオファーのあったご家族は、みなさん快く引き受けてくださっています。(ここで改めてお礼を言わせてください。みなさんいつもありがとうございます♪)
このような考え方ゆえ設計者と施主が本当に対等に話せる環境を双方の立場から整えるためにもプランの無料化は行わないようにしております。
しかし事前相談は無料ですので、まずは事務所にお越しいただいて直接お話が出来ればベストであると考えています。もちろんメールやブログへの書き込みも大歓迎です!
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