37、肉や爪、毛も蛋白質だ。

動物は他の動物の肉を食って、自分の肉をつくる。豚肉を食って、そのまま自分の肉にな
ったら、体はだんだん豚になってゆく。それでイスラム教は豚を食うことを禁じている?。
なぁ〜んて、ちょっと違うよね。
 
動物の肉をつくる蛋白質は一度アミノ酸に分解されて、再びDNAによって新しく蛋白質
として再生される。(分解)蛋白質 −(消化液)→ アミノ酸+水分子 :(合成)アミノ酸
+水分子 −(DNA)→ 蛋白質 だよね。
 
最も簡単なアミノ酸はグリシンH2N-CH2-COOH)だよ。アミノ酸はアミノ基(H2N-)と
カルボキシル基(-COOH)を持つ物質である。アミノ基は+H3N-となりやすくて塩基性、
カルボキシル基は-COOH- となりやすく酸性なんだねぇ。水に溶けて+H3N-CH2-COOH-
なんて分子内塩をつくる。
 
アミノ酸の脱水縮合(双方の分子から水H2Oをとって分子同士を結合させる)は、
・・H2N-CH2-COOH+ H2N-CH2-COOH + H2N-CH2-COOH +・・→
・・HN-CH2-CO-HN-CH2-CO-HN-CH2-CO-・・+3H2O+.・・    で、
-CO-HN-ペプチド結合といい、ペプチド結合で出来たものをポリペプチドという。
                                  
天然のアミノ酸はH2N-CRH-COOHであらわされ、1つの炭素原子に同じ順にH2N-、
-COOH、R、H, が結合していてαアミノ酸とよばれているよ。蛋白質はαアミノ酸で出
来ているんだ。
 
アミノ酸はニンヒドリン試薬にあうとむらさき色になることで検出され、蛋白質は@水酸
化ナトリウム溶液を加え、次に硫酸銅を加えると紫色になる(ビウレット反応)やA濃硝
酸を加えて加熱すると黄色に変化し、さらに水酸化ナトリウムを加えると赤かっ色に変化
する(キサントプロテイン反応)、B酢酸鉛溶液を加え、次に濃い水酸化ナトリウム溶液
を加えて加熱すると黒濁する(硫黄の検出反応)。
 
ビウレット反応は、一般にペプチド結合が3つ以上接近して存在する化合物に起こる反応
で、生成した銅錯イオンの呈色です。キサントプロテイン反応はチロシンのようなベンゼ
ン環を持つ部分がニトロ化される呈色反応です。酢酸鉛反応はシスチンやシスティンなど
にあるイオウSが硫化鉛(U)になった時の色です。
 
 タンパク質は複雑ならせん構造をしていて、酸、エタノール、重金属イオン、熱、電磁
波などによって、その構造(主に-NH・O=CのHとOの間で出来る水素結合など)を変
化させ凝固する(変性蛋白)。酒(エタノール)は飲み過ぎるな。あまり熱いものは食う
な。クロムイオンや鉛イオンは毒じゃ。TV塔の近くは危険じゃあ〜。蛋白質が変性する
と死じゃうよ。
 

そこで問題だ。
人体のたんぱく質を構成しているアミノ酸は約20種類あるが、トリプトファン、メチオ
ニン、リジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン
の8種
類は体内で合成さない。このアミノ酸だけは外の生物を食べて補うほかない。この8種類
を何というでしょう。

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答え、必須アミノ酸、または不可欠アミノ酸と呼ばれます。ヒスチジンを加え9種類とす
る場合がある。
 
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