34,ケクレ「毛くれぇ」

ベンゼンC6H6の6角形の構造(亀甲式ともいう)を考え出したケクレ先生は見事な御頭
です。「毛くれぇ」なんちゃって・・ハッハ。ケクレ先生、ごめんなさい。トルエンC6H5CH3
キシレンC6H4(CH3)2 など6角形の構造をもつものを芳香族炭化水素っていうんだよね。

自然界では正6角形とか、正8面体とか整った形の構造を持つものは安定な化合物をつく
るんだねえ。エチレンCH2=CH2がポリエチレン-CH2-CH2-CH2-になるように二重結合C=C
は反応しやすいのだけれどもベンゼンC6H6の正6角形の構造は実に安定なんだよ。

ベンゼン、トルエン、フェノール:マッチ棒の頭の赤はH、10円玉はC、100円玉はOです。  

トルエンC6H5CH3 は6角形から、ちょろっと−CH3 がはみ出しているね。側鎖というん
だが、これは反応しやすくて酸化すると安息香酸C6H5COOH なんてものになる。ただ、
二重結合C=Cに使われている電子は光のエネルギーを受けると反応しやすくなって塩素
とは付加反応して、かって使われた殺虫剤のBHCBenzene HexaChlorideになる。
 
ベンゼンC6H6の6角形の炭素Cより、それに結合している水素Hの方が反応しやすい。
塩素、濃硝酸、濃硫酸とはC6H6 +Cl2 →C6H5Cl+HCl  C6H6 +HNO3 →C6H5NO2 +H2O
 C6H6+H2SO4 →C6H5SO3 +H2O の反応によってクロロベンゼンC6H5Cl、ニトロベンゼ
ンC6H5NO2 ベンゼンスルホン酸C6H5SO3 になる。それぞれハロゲン化反応ニトロ化
反応スルホン化反応っていうんだ。これは水素Hとの置換反応だね。
 
ニトロベンゼンのニトロ化をすすめると置換が進みジニトロベンゼンC6H4(NO2)2 になる。
6角形の炭素Cに隣どうしのものをオルト(o)、1つとんでメタ(m)、反対側をパラ(p)
って接頭語をつける。これらを位置異性体ていうんだ。
 

そこで問題だ。
キシレン C6H4(CH3 )2 にはいくつの異性体があるか

*質問があったらここをクリック*
 
答え、(オルト)o-キシレン、(メタ)m-キシレン、(パラ)p-キシレンの3つ.

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