29,有機物をつくる元素

動植物の体や石油のような炭素化合物は有機物とよばれによって与えれた生命の不思議
な力のみによってつくることができると信じられてきた。しかし、近代化学は有機化合物
を無機物からつくりだした。
 
カイコとだいいう虫がつくるマユからつくられるはもっとも美しい繊維である。第二次
世界大戦後、米国から日本に入ってきたナイロンnylonは絹の化学構造をまねてつくられ
たものである。ナイロンは日本の農林nolyn をもじってつくられた語であるともいわれる。
 
有機化合物は炭素を骨格とし、水素、酸素などを主な元素として構成されているため、現
在では炭素化合物とよばれることがおおい。石油からつくられる多くの炭素化合物
は人類の生活を豊かにしているがゴミ問題など深刻な地球の環境破壊をもたらしている。
 
炭素、水素、酸素からなる化合物の組成を分析するには先ず石英燃焼管中で酸化銅(U)
とともに加熱しながら、乾いた酸素を通し完全に燃焼させた。生成気体を塩化カルシウム
管に通し、ついでソーダ石灰管に通した後それぞれの吸収管の質量の増加分を測定する。
 
塩化カルシウム管で生成気体中の水(H2O)を完全に吸収させ、ソーダ石灰管で二酸化炭素
(CO2)を完全に吸収させる。塩化カルシウム管ので生成気体中の水(H2O)の質量をはかり、
ソーダ石灰管で生成気体中の二酸化炭素(CO2)の質量をはかるのである。
 
化合物に含まれる炭素は二酸化炭素(CO2 12+16×2=44)の12/44の質量であり、水素
は水(H2O 1.0×2+16=18)の2.0/18の質量である。化合物の質量からこれらを差し引
けば酸素の質量が求まる。
 
炭素、酸素、水素の質量をその原子量、12、16、1.0 で割ればそれぞれの元素のモル数
(それぞれの原子の数)を求めることができます。元素記号とモル数の比をもっとも簡単
に表したもの組成式といいます。


そこで問題だ。
炭素を完全に燃やし、ソーダ石灰管に通したら、4.4g増量していた。燃やした炭素は何
gだったか。

*質問があったらここをクリック*
 
 
答え、4.4×(12/44)=1.2g    1.2g
 
ちょっとややこしかった。ゴメン、通らねばならんイバラの道もあるさ。
じゃ、また会おうよ。
 
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