25,朝のみそ汁は・・

私の母ちゃんは朝のみそ汁は霜を消すなんちゃって、毎朝みそ汁をつくってました。確か
にお湯よりもみそ汁は熱い。フッー、アツッ。井戸端には氷がガチガチに張っているのに
漬け物樽の中は全然氷っていなかった。こっちはチョウ冷たい。
 
純粋な水は100℃で沸騰するよね。 大気圧 (1atm)で押さえつけられていた水分子が加えら
れた熱によって大気圧より大きな蒸気圧(分子が空間に飛び出してゆこうとする力)を得
たからです。
 
水に塩や砂糖を溶かすと100℃以上にならないと沸騰しません。溶かした物質(分子)が
水分子をぐっと引きつけて蒸発しにくくしているからです。 沸点上昇 とよんでいます。
 
水に塩や砂糖を溶かす0℃では氷らない。水に溶ける時、溶かした物質(分子)が外から
溶解熱を吸収しているからです。 凝固点降下 とよんでいます。
 
沸点上昇や凝固点降下は何が溶けていても、1sの水の中に含まれるモル数(分子やイオ
ンの数)に比例する。これを水の モル沸点上昇 モル凝固点降下 といいます。水は気化熱
>融解熱のため、モル沸点上昇 0.52 <モル凝固点降下 1.86 となっています。
        
たとえば 尿素CO(NH) 【分子量60(1モルは60g)】の6gを1sの水に溶かすと、
この溶液は1.86×6/60=0.186 ですから、−0.186で氷ることになります。
 
逆にある物質6gを1sの水に溶かしたとき−0.186で氷る物質があれば
0.186/1.86=0.1000で、6gが0.1モルだからこの物質の分子量は60とわかります。
沸点上昇や凝固点降下で分子量を求めることができます。
 
母ちゃんは一昨年、95才で死にました、あの熱いみそ汁も冷たい漬け物も食えなくなっ
た。チョウさみしい。
 

そこで問題だ。
食塩5.85gを1kgの水に溶かすと何℃で氷るか。完全に電離している(イオンになってい
る)と考えて下さい。NaCl→Na+ Cl 。NaCl(58.8)。モル凝固点降下1.86。

*質問があったらここをクリック*
   
答え、1.86×5.85/58.5=0.186 電離して倍の粒子になっている( Naと Cl )から 、
   0.186×2=0.372   −0.372℃

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