24,コロイドって何?

直径が10−4cm 〜10−7cmの粒子をコロイド粒子という。ろ紙(フルターペーパー)を
通り抜ける大きさです。この粒子は1つの分子とか、単独の粒子とかではなくて、分子や
粒子がくっついてできています。
 
デンプンから出来るごく薄いノリとか、タバコの穂先からのぼる紫色の煙とか、赤い色ガ
ラスの中にある金の粒子などです。溶かしている方を分散媒といい、溶けている方を
分散質といいます。
 
薄いデンプンノリやタバコの煙、金が分散している赤いガラスに細い光を通すと、光の通
路が輝いてみえます。これはコロイド粒子が光を散乱させるためにおこるもので、
チンダル現象とよばれています。
 
植物学者ブラウンは花粉が水面で不規則に運動していることを発見しました。始め、花粉
が生きているからだと思いましたが、無機質のコロイド粒子も花粉と同じように運動する
ことを知りました。水分子が花粉に(衝突)して動いていたのです。ブラウン運動という。
 
FeCl3塩化鉄(V)水溶液を沸とう水に滴下すると、真っ赤になります。これは
Fe(OH)3 水酸化鉄(V)のコロイド粒子になったからです。
    FeCl3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3HCl
 
Fe(OH)3 水酸化鉄(V)のコロイド粒子はその表面に(正電気)を持っているので、
互いに近づくと(電気的反発力)がはたらくことによって分散しているのです。これに少
量のNa2SO4 硫酸ナトリウムを加えると、コロイド粒子が凝集して沈でんする
 
陰イオンのSO4 2−硫酸イオンが水酸化鉄(V)のコロイド粒子の表面に吸着してその正
電気を(中和)してしまうからだとされています。コロイド溶液に少量の電解質を加える
とコロイド粒子が沈でんする現象を凝析という(疎水コロイド)
 
水酸化鉄(V)のコロイド溶液に電極を差し入れて直流電圧をかけると、赤褐色のコロイ
ド粒子がゆっくりと陰極に移動する。この現象は(電気泳動)という。これで水酸化鉄(V)
コロイド粒子が正電気を持っていることがわかる。
 
 
合成せんたくノリはコロイド溶液は少量の電解質を加えても変化しない(親水コロイド)
ところが(多量)の塩化ナトリウムを加えると沈でんする。これを塩析といいます。
 
豆腐やコンニャクはニガリや石灰を加えて塩析してつくります。
 
疎水コロイドに親水コロイドをくわえると凝析しにくになります。疎水コロイドに加えた
親水コロイドを保護コロイドとよびます。このようにしてコロイド溶液が(流動性)を失
った状態はゲルと呼ばれ、その変化をゲル化といいます。多くのゲルは加熱すると再びコ
ロイド溶液になります。これをゾルといいます。
 

そこで問題です。
夜路を走る車のヘッドライトの光の通路が横から見えるのは何という現象でしょう。

*質問があったらここをクリック*
 
 
答え、光の散乱によるチンダル現象です。

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