21,世の中はルシャトリエの原理。

去年はクールビズがはやった。誰でも暑くなると薄着をして涼しくしようと思うよね。
この冬、日本は観測史上まれなる寒さだ。お母ちゃんは灯油の値段が上がって大変だ。
日本中、少しでも厚着をして寒さをしのごうとしている。チャブ〜、ブルブル・・
 
化学ではルシャトリエの原理というのがあるよ。外から作用を与えると、その効果を薄め
るように、状態が変化するというものです。暑くなれば薄着をして涼しくしようとするし、
寒くなれば厚着をして暖かくしようとする。保守的な働きがルシャトリエの原理さ。
 
窒素N、リンP、カリウムKは、“肥料の3大要素”と呼ばれているが、古来、窒素Nは
堆肥や糞尿にたよっていた。、百年ほど前に窒素と水素を化合させて肥料の原料となるア
ンモニアを造る方法がドイツのハーバーによって見いだされた。
 
            N2+3H2→2NH3
 
1体積の窒素N2 と3体積の水素H2 から2体積のアンモニアNH3 ができるってことさ。
窒素は空気中にあってもほとんど反応しない安定なもので、この反応も完全に進まず、そ
れぞれの比(N2:H2:NH3)が一定割合になると、とまったように見える。
 
これは生成するアンモニアと、分解するアンモニアが同量になるからさ。見かけ上、反応
がとまって見える状態を平衡状態っていうのだ。窒素と水素からアンモニアをつくるとき
も、温度や圧力をえると、その作用を緩和する方向に変化する
 
窒素と水素からアンモニアが出来る反応は4体積(窒素1と水素3)から、2体積のアン
モニアができる。圧力を加える(体積を小さくしてやる)とルシャトリエの原理により、
4体積(窒素1体積+水素3体積)から2体積(アンモニア)となる。
 
窒素と水素からアンモニアが出来る反応は発熱反応でもある。冷やしてやればアンモニア
が出来る方向に反応が進み、温めてやればアンモニアが出来る方向に反応が進む。このよ
うに条件によってどちらにでも進む反応を可逆反応っていうんだ。
            N2+3H2 2NH3

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2分子の窒素(●●)(●●)と6分子の水素(○○)(○○)(○○)(○○)(○○)(○○)
4分子のアンモニア(●○○○)(●○○○)(●○○○)(●○○○)の平行移動と体積変化 

 

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そこで問題です。
ハーバーのアンモニア合成法で平衡状態にある窒素N2 、水素H2 、アンモニアNH3 を冷
やしながら圧力を加えと何が増えるか。

今日はここまで。じゃ、また、会おうよ(^0^`)

2006.1.7         

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答え、アンモニア

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