階調補正ユーザーカスタムのキャンセル法    Return - Home  - English

階調補正ユーザーカスタムはD100が暗く写る傾向を改善するためには顕著な効果がありますが、被写体、撮影意図によっては、暗い部分が明るくなり過ぎ、ノーマルの方が良いと感じる場合が有ります。
このような場合、カスタム設定で撮影した後でも、次の方法で階調補正をノーマルに戻したり、補正値を変更することが可能です。

 1.RAWモードで撮影した場合
   ・Nikon Capture  3で現像する際に「追加RAW調整」の「階調補正」を「撮影時の設定」から
   「ノーマル」 に変更する。 これだけでノーマルで写した状態とまったく同じになります。

 2.JPEG、TIFFモードで撮影した場合
  (1) ヒストグラム下中央のグレースラーダーを左に動かして、又はガンマ補正値を直接
      入力してカスタム設定した場合のキャンセル法

 NC3の設定画面
 

グレースライダー下の数値 1.20がガンマ補正値となります。

この場合、カスタム設定をキャンセルするためには、NC3、PhotoShop、PhotoShop Elements等のレベル補正機能のあるレタッチソフトを使用することでキャンセルが可能となります。


キャンセル方法としてはガンマ値が 1.00 となるよう、ガンマ補正値(キャンセル補正値と仮称します)の逆数のガンマ補正値で補正することで、ガンマ補正値が1.00 即ちノーマルで写した状態に戻せることになります。

   例えば、カスタム設定でガンマ補正値を 1.20 にて設定した場合は

   キャンセル補正値 = 1/カスタム設定ガンマ補正値=1/1.20 = 0.833 0.83

具体的には次のような処理を行います。

       PhotoShopの場合のレベル調整             Nikon Capture 3の場合
     
   グレースライダーを右側に動かしグレーの入力レベルを0.83に設定する。

  各カスタム設定のガンマ補正値に対応するキャンセル補正値 

カスタム設定値 1.08 1.10 1.12 1.14 1.16 1.18 1.20 1.22 1.24 1.26 1.28
キャンセル補正値 0.93 0.91 0.89 0.88 0.86 0.85 0.83 0.82 0.81 0.79 0.78

  以上の方法でカスタム設定をキャンセルした画像/ヒストグラムを、オリジナルのノーマルで撮ったも
  のとを比較しても、ほとんど区別がつかない程度までにノーマルの状態に戻りことを確認済みです。
  また、画質劣化についても通常のレタッチの範囲内にあり、ほとんどの場合は無視できるはずです。

  もし、1.2のガンマ補正値をノーマルに戻すのではなく 1.10 のガンマ補正値に修正したい場合は、

   修正補正値 = 1.10/1.20 = 0.92

  同様な計算で逆にガンマ補正値を1.30に高めるよう修正したい場合は、

   修正補正値 = 1.30/1.20 = 1.08


 (2) トーンカーブによりカスタム設定した場合のキャンセル法

 NC3設定画面

トーンカーブで設定したものをキャンセルするためには、逆パターンのトーンカーブで補正することが必要です。

Nikon Capture 3, PhotoShop(Ver4, 5, 5.5, 6, 7)やその他トーンカーブ補正機能が付いたフォトレタッチソフトで可能となります。
(PhotoSHop Elementsでは不可)

 


補正方法

 PhotoShopの場合                 NC3の場合
   

トーンカーブの場合はガンマ補正値とは違って補正量の数値が無いため、あくまでも感覚的な補正になり、視覚的たノーマルの状態に近づけることになります。

ガンマ値について

  • ガンマカーブについてD100の取扱説明書の61ページを引用すると
    「被写体の輝度の対数値を横軸に、再生画像の輝度を縦軸にとって、出力特性を表す場合、出力特性の傾斜角をθとして、tanθをガンマといい、被写体と再生画像が同一の場合ガンマは1になる」と説明しています。
    また、被写体の輝度(入力レベル)を 、再生画像の輝度(出力レベル)を として、もっとも暗い部分を0、もっとも明るい部分を1の値として、ガンマ値を G に補正すると言うことは

     Y=X^(1/G) の公式になります。
  • これをガンマ値1.20と2.00の場合を0.05とびの折れ線グラフに表すと次のようになります。
      
  • 総合的なガンマ値
     画像処理において、入力機器(スキャナー等)、レタッチソフト、モニター等個々のガンマ値(又はガンマ値補正)が異なる場合、総合的なガンマ値は各ガンマ値の積になります。

    例えば、ガンマ値1.8とガンマ値1.2が組合わせると 総合ガンマ値は1.8×1.2=2.16となります。

    ユーザーカスタムでガンマ値を1.2に設定して写したフォトデータに対して、カスタム設定をキャンセルするには、総合的なガンマ値を1.0にすることであり、

     1.2×(1/1.2)=1.2×0.83=1(端数四捨五入)

    即ち0.83のガンマ値補正をすることになります。

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