2 ちょっくら台湾(その2)
旅は道連れ、世は情け。
午後12時半、台湾の空港にたどり着いた私達をまず迎えてくれたのは旅行会社の手作り看板を持ったおじさん達だった。日本語で書いたその看板たちが空港の到着口にずらっと並んでいる。私達の旅行会社はちょっと変わった名前、すぐに見つかった。
「じゃあ、ここに座ってください。」
妙に流暢な日本語で、このツアーの担当らしい台湾人のおじさんは私達を空港のロビーに座らせる。おじさんは1組、また1組と日本人を連れてきた。結局計6組、12人が揃うとバスへと移動した。
エアコン付きの2階建てバスに乗り込んだ弟と私。よく見ると、私達以外はすべてカップルのようである。慣れた口調のおじさん(ガイドさんと呼ぼう)は全員の日程とホテルを確認し、早速ガイドを始めた。
「みなさん、お時間がありましたら、阿里山のお茶を買ってくださいね。」
「この季節、台湾ではツツジの花がきれいですよ。」
高速から国道へ入り、いよいよ台北市内へ向かう。台湾は日本とさほど変わらないと聞いていたが、実際市内に入り、行き交う人々を眺めると、東南アジアや中国を訪れたときと同じような躍動感を感じた。
アジア初体験(厳密に言えば、幼い頃中国を訪れたことはあるのだが)の弟は、バスの窓にへばりついて、興味津々に街を行き交う原付に目を奪われていた。
「姉ちゃん、原付多いなぁ。しかも二人乗りばっかりやん。」
少々興奮気味の彼の声に、こちらはアジアベテランの余裕を見せて、
「アジアというのは、こんな感じなんで。」
なんて偉そうに言ってみる。時間は午後2時になろうとしていた。
予 告
3 ちょっくら台湾(その3)
そろそろホテルに着くはず…
次回もお楽しみに〜
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