スペースクラッシャー
SPACE CRUSHER
EPOCH ポケットデジコム スーパーワイド/エポック社


Written by T鈴木




スーパーワイド



大ヒットした「エポックポケットデジコムシリーズ」(「パクパクマン」「モンスターパニック」等)に続き、次期主力シリーズとして投入された「エポックポケットデジコムスーパーワイド」。
従来のスクリーンより横幅が広くなり、本体もひと周り巨大化。
ゲーム内容もよりストーリー性を強め、ステージクリア制を採用するなど、パワーアップ!!
……と書くといいこと尽くめのような気がしますが、徐々に電子ゲームブームも陰りを見せ始め、また内容も中途半端に複雑化した為マニア受けも悪く、初期シリーズに比べ酷くマイナーな存在に追い込まれてしまいました。
今回はそんな不遇のシリーズ、スーパーワイドの中から、「スペースクラッシャー」を紹介しましょう。
1983年発売。





横スクロールシューティング



キャラクターの名称
ゲームは5つのステージで成り立っています。
自機であるスペースボンバーを操り、敵宇宙船やメテオをかわしつつ、最後に宇宙要塞を破壊し、すべてのステージをクリアしましょう。

スペースボンバーは4方向に動けますが、画面左側3×4マスの範囲しか動けないので注意!(最下段を飛んでるときに下方向へ行くと死にます)。

ファイヤーキーを押すとミサイル(空中物攻撃用)と爆弾(地上物攻撃用)が同時発射。
その際スペースボンバーのヘッド部分が現れるまで次の弾は発射できない。
…つまり弾幕を張って敵を殲滅するということはできないのだ。

そしてこの自機、なんと燃料制限があり、最初は20秒しか飛べない!
そして弾を発射するごとに1秒ぶんずつ燃料が減っていき、残り10秒になるとスコア部分が点滅。0になると墜落してしまう、酷く燃費の悪い奴なのだ。
しかし敵を1機破壊するごとに3秒分の燃料が補充されるので、なるべく無駄弾は撃たないようにしよう。

スペースボンバーは最初4機しかいませんが、500点、1500点到達時に1機エクステンド。
最高得点は2000点で、スコアはHHH表示になります。





どこかで見たゲーム!?



と、ここまで買いてピンと来た方も多いと思われますが…

「スクランブル」(コナミ)そのものですね。

「スクランブル」自体はトミーから正式移植版が出ているものの、こちらはどうも勝手に移植っぽいです。
そしてその後もカセットビジョンに「アストロコマンド」、ゲームポケコンに「アストロボンバー」として勝手に移植する厚顔無恥……いや豪快すぎる時代背景!!(笑

ちなみに「スクランブル」の勝手に移植としては、タカトクトイスの「おっとどっこい」なども存在します。
横シューの始祖、スクランブル!





ステージ1:都市ゾーン



敵基地は地上から飛び上がってくるぞ。
それでは各ステージを紹介していきましょう。

ステージ1は宇宙都市ステージ。
そびえ立つビルにぶつからないように、敵の宇宙基地を破壊していきましょう。
そう、「スクランブル」のステージ1ですね。

宇宙船は自機に向かって飛び上がってくるので注意だ!
(1機破壊するごとに2点)

なお、ステージ1〜4までは約50秒飛び続けるとステージクリアとなります。






ステージ2:ワープゾーン



敵の宇宙船がジグザグに動きながら迫ってきます。
体当たりされないように注意しつつ、ミサイルで撃ち落としましょう。
(ハイ、「スクランブル」のステージ2です)

なお、宇宙船はときどきワープしてくることがあるので注意!
前方から来たと思ったら、突然眼前や後方に出現してくるのはかなりビビるぞ。
突然のワープにはビビる!





ステージ3:メテオゾーン



メテオは速度の違う2種類が存在する
前方からメテオ(隕石)が次々に飛んできます(言うまでもなく「スクランブル」のステージ3ですね)。
メテオが自機のヘッド部分にしか見えないのはご愛嬌として(笑)、速度の違う2種類のメテオが存在しますので、惑わされないよう注意だ。
また、こちらのミサイル・爆弾はメテオに当たると消えてしまいます。

なお、地上に敵宇宙船が設置されていますが、ステージ1のように飛び上がってこないぞ。





ステージ4:迷路ゾーン



その名の通り、迷路のような宇宙都市を進んでいきましょう。
通路が分岐したり、突然行き止まりになったりしますので、素早い判断力が必要だ。

ここでも敵宇宙船は単なる置物。
燃料切れにならないよう、1発ずつ正確に当てよう。

そしてモチーフは「スクランブル」のステージ4!……ではなく5だ(笑
行き止まりに注意!





ステージ5:要塞ゾーン



バリケードの隙間を狙い、要塞を破壊しろ!
いよいよ最終ステージです。
護衛の宇宙船をすべて破壊し、バリケードの隙間から敵要塞を狙い撃とう。
(1発当たれば壊れるので、割とやわらかい要塞です)
「スクランブル」の最終面ではショボいオブジェが1個置かれてるだけだったので、多少は進化移植なんですかね?笑

ここでは燃料切れに注意!
いつまでも要塞に弾を撃ち込めないでいると、哀れ墜落死という結果が待っているので(ここでの死亡原因は大半がそれ)、あまり動かず、バリケードに隙間ができるチャンスをジッと伺おう。

うまく要塞にミサイルが当たれば大爆発。
パターン1クリアです。
その後難易度が上がるパターン2、3と続きますが、パターン2をスペースボンバーがより前方に出てクリアーすると、パターン3を飛ばしてステージ4に飛ぶチャンスが生まれます(それに何の意味が…)。





◆帰電くんアドバイス

ゲームオーバーになっても2秒以内にスタートキーを押すと、同じステージからスタートできるぞ。





クローンゲーム



「アストロウォーズ」として再発売
ちなみに、後年エポック社が発売した横長LCDゲーム「アストロウォーズ」も、「スペースクラッシャー」と同内容になっています。
敵キャラのデザインが一新され、背景も要塞のようなデザインに描き直されている等、地味なリメイクが行われていますが、発売年が1989年と原作から6年も経っているにも関わらず、ゲーム的にはまったくの同内容ってのはどうなのよ……





人気はイマイチか…!?



この「エポックポケットデジコムスーパーワイド」シリーズ、他に「妖怪ゴルゴン」「ジャングルヒーロー」「スペースパニック」などが発売されていますが(他にも「フクちゃん」「伊賀のカバ丸」等があるが、「オイルギャング」などのクローンゲーム)、前述した通りイマイチ人気がなく、割と安値で取引されているようです(ゴルゴンだけちょっと高いかな?)。

筆者もこの「スペースクラッシャー」は新品3000円で手に入れましたが、そこまでありふれてる…ってわけではないのに、この日陰っぷりはちょっと残念ですね。

なお、運悪くどうしても手に入らないって人は、前述の「アストロウォーズ」を買っときましょう。
こちらはさらに人気がなく、新品1000円ぐらい買えますので(笑
「スペースクラッシャー」のパッケージ





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