或る高原リゾートの2018年
自家用送迎バス
高原にある旅館からスポーツグランドまで、主に合宿の学生たちを送迎するため、各旅館は自家用の送迎バスを所有しています。大量の学生客を受け入れる旅館は大型バスを複数台所有し、その面子もバラエティに富んでいます。地域内の近距離移動が目的であるため、車齢は全体的に高く、また他の地区からの移籍車両も数多く存在するのが特徴です。
しかし、当然のことながら、古くなれば車両は代替されていきます。今回は、この地区に残る古めのバスの現状を報告します。
(以前から引き続き存在しているバスの中には、以前撮影した画像を使用する場合もあります)
大型バス
自家用バス
撮影:(2018.8)
日産デU-UA440LAN
前ドアの自家用仕様の大型車。路線バス用のボディの前面ガラスをルーフラインまで伸ばした7Bと呼ばれるボディスタイル。
型式は推定です。1990〜95年の間のモデル。
自家用バス
撮影:(2018.7)
元鳴門市企業局 日産デKC-UA460HAN(1998年式)
2013年にバス事業を徳島バスに移管した鳴門市営バスの車両が、ほぼそのままの状態で来ていました。
後ろドアが締切になり、前ドア乗降になっている程度の違いですが、側面方向幕の近くにNBA(日本バス協会)のステッカーが残されているあたりは気になります。
自家用バス
撮影:(2018.8)
元京王電鉄バス 日産デKL-JP252NAN
前所有者カラーのままで使用されている中型ロング。
ここには以前は川崎市営バスの富士5Eがいることで知られていましたが、2013年頃にこれに代替された模様。
自家用バス
撮影:(2013.6)
元阪東自動車 日野U-HT2MMAA(1994年式)
阪東自動車のカラーのままで使用されている富士重工ボディの日野車。中ドア4枚折り戸でメトロ窓。短距離のシャトルバスとしては、最適な仕様かも知れません。
写真は5年前のものですが、変わらずに現役でした。
自家用バス
撮影:(2015.6)
元阪東自動車 日野U-HT2MMAA(1994年式)
ほぼ同じ車両が別のホテルでも使われています。
写真は3年前のものですが、今年も同じ場所に待機していました。
ここまでで富士重工ボディ比率の高さには、目を見張ります。
自家用バス
撮影:(2018.8)
元立山開発鉄道 日野U-RU2FNB
富士重工の7HDと呼ばれるボディで、シャーシは日野。1990年代前半の製造ですが、元々標高の高いエリアで使う車両だったこともあり、冷房がついていませんでした。
自家用バス
撮影:(2018.8)
元京阪バス 日野KL-HR1JNEE
2000年代前半に各地で導入された中型ロング。中型バスをベースに10m級の大型バスの長さに引き伸ばしたもので、ノンステップバスの導入促進に寄与しました。
こういった都市型のバスが山岳リゾート地のシャトルバスに使われる時代になりました。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱U-MP(1991年式)
このエリアの大型送迎バスの中ではベテランの部類に入ってきた車両。路線シャーシの観光ボディという、かつて観光地の路線バスでよく見られた組み合わせです。
呉羽ボディのエアロバスKのボディスタイルも貴重です。
自家用バス
撮影:(2018.7)
三菱エアロスター
1996年発売のこのボディがここにいるのを見ると、新しい車両がいるという場違いな感覚になります。もっとも20年選手なのですが。
元々の自家用仕様で、ツーステップの2扉車。
以前にいた日野ブルーリボンの前後ドア車の代替でしょうか。
自家用バス
撮影:(2018.7)
元神奈川中央交通 三菱KL-MP33JM(2000年式)
元カラーをベースにしながらも、オリジナルにアレンジされたカラシ色のバス。開いているドアから見える通り、ツーステップ車です。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱エアロバス U-MS815S
これもこの地ではベテランの域に入る車両ですが、エアロバスのスタンダードデッカーと呼ばれる平屋根車。前照灯4灯、折り戸という仕様です。
型式は推定。
そういえば日野セレガも見かけましたが、新しい車両だと思ってスルーしました。こいつより古かったですね。
自家用バス
撮影:(2018.8)
元淡路交通 三菱KC-MS829S
淡路交通の高速バスで使用されていた珍しい2ドアのエアロバスが転入してきていました。ちゃんと中ドアも使っているという証拠写真です。
ここは、以前は前中ドアのブルーリボン観光ボディが使われていましたが、それの代替車と思われます。
中型バス
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞジャーニーK
いすゞの中型観光車で、ボディメーカーIKコーチのプレートが付く車両。いすゞバス製造になる前の10年ほど存在したボディメーカー名です。
側面の窓の形状から1990〜95年式。
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞジャーニーK KC-LR333J
1995〜99年の間に作られたジャーニーKは、ライト周りがマイナーチェンジされ、異形2灯になりました。次のガーラミオにつながる変化でしょうか。
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞジャーニーK KC-LR333J
これも同形車。ただし、旅館の送迎バスではなく、マレットゴルフ場の送迎バスです。
このモデルのカタログカラーで残ります。
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞガーラミオ KK-LR233J1
ジャーニーKの後継で、路線タイプのエルガミオとともに登場。フロント、リアのスタイルは大型観光バスガーラとの共通性を持たせてあります。
中型観光バスは、大型9m車が主体となっていたため、ガーラミオというのは地味な存在に終わったように思います。2004年には日野との統合モデルに変わりました。
この車両はグレードが最も低いM-Tというタイプだと思われます。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日産デ P-RM81E
富士重工の6Bボディを持つ中型車。代替車両が入ったので廃車になったとばかり思っていたら、別の旅館に移籍して生き残っていました。こういうことがあるので、この地の自家用バスは目が離せません。
しかし、それではこの車両に代替されて姿を消したのはどんな車両だったのだろうと、今度はそれが気になってしまいます。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日産デ スペースランナーRM(1995年式)
日産ディーゼルの中型バスで、富士重工の8Bと呼ばれるボディを架装した自家用モデル。馬面に見えます。
1990〜95年の間の平成元年排ガス規制対応モデルは、このように窓割が細かく、後継モデルより車長が長く見えます。
多分、型式はU-RM210GSP。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日産デ スペースランナーRM
日産ディーゼルの中型バスで、富士重工の18型ボディを架装したほぼ最終モデル。1995年からの平成6年排ガス規制対応モデルで、正面は路線バスタイプです。
多分、型式はKC-RM211ESN。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日産デ スペースランナー KC-RM250GAN
自家用エクストラと呼ばれるタイプのようです。正面左側には、新しい(当時)UDマークが輝いています。
型式は推定。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日野レインボー K-RJ172AA
撮影:(2018.8)
日野レインボーRJの最初期のモデル。1982〜84年式の特徴である縁のないフェンダがその証拠。
またリアを見るとテープランプが縦に並んでいますが、これは1988年までの角張ったレインボーの特徴。
やはりフェンダ周辺は痛むのか、補修がされているのが分かります。
自家用バス
撮影:(2018.8)
元京王自動車 日野P-RJ172BA
京王自動車の契約輸送カラーのレインボー。床段上げ車。
かなり前に後継車に代替されてしまい、廃車になったと思っていましたが、別の旅館に移籍して生き延びていました。
どうやら、これとほとんど変わらないスタイルの白1色の日野RJを置き換えた模様。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日野レインボー P-RJ172BA(1988年式)
この車両も長く健在です。三菱MKと並んで大人しくしていますが、カラーデザインはちょっとお洒落に塗り替えられています。
フェンダに縁のついたマイナーチェンジ後で、床段上げ仕様。
自家用バス
撮影:(2013.6)
日野レインボー U-RR3HJAA
日野レインボーの1988年以降のスタイルは、バンパーに組み込まれた角型2灯が特徴。
この車両は日野のウィングマークを付けていますので、1994年までの車両です。
写真は5年前のもの。
自家用バス
撮影:(2014.9)
日野レインボー KC-RR1JJAA
このスタイルの車両はまだ相当数現役でした。
写真の車両は、日野のマークが新しくなっていますので、1994年式以降。
自家用バス
撮影:(2013.6)
三菱K-MK116J(1982年式)
このスタイルの三菱MKは、この地にはかなり大量に存在しています。中でもこの車両はスリーダイヤの三菱マークを持つことから、最初期の車両であることが分かります。既に35年選手ということになります。
写真は5年前のもの。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱P-MK116F
こちらはMMCマークに変わっていますので、1984〜88年式でしょうか。
短尺車で、冷房がないように見えます。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱P-MK116F
こちらも短尺車ですが、後部に冷房ユニットを乗せた直結冷房車。前面窓も1枚ガラス、側窓はブロンズ色サッシと、グレードの高い車両であることが分かります。
濃い目のブルーのカタログカラーは、1984〜88年のモデルのものと思われます。手入れが行き届いた車体は、疲れを感じさせません。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱P-MK116J
こちらはMMCマーク付の標準尺車。
このスタイルが、撮影できただけで4台も現存するというのが、素晴らしいところです。
自家用バス
撮影:(2010.7)
三菱エアロミディ U-MK117J
エアロミディは1988年にエアロバスのイメージを採り入れたモデルチェンジを行い、1993年までこのスタイルで生産されました。この車両は丸目4灯の「自家用デラックス」タイプ。
写真は2010年のものですが、今年も健在でした。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱エアロミディ U-MK117J(1992年式)
白く塗られたエアロミディで、25年選手ですが、綺麗に維持されています。
この車両も丸目4灯の自家用仕様。ただしサッシはブロンズ色です。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱エアロミディ U-MK516J
こちらは標準の角形ハロゲンランプを装備した仕様。標準床ですがハイバックシートのデラックス観光と呼ばれる仕様ですので、エアサスだと思われます。型式は推定。
自家用バス
撮影:(2018.8)
三菱エアロミディMK
1993年以降のフロントマスクのエアロミディもそれなりの数が活躍していますが、どうしても新しく見えてしまい、ほとんどスルーしてしまいました。
この車両は、短尺でヘッドライト4灯、直結冷房、正面2枚ガラスの自家用グレードの車両です。
小型バス
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞジャーニーM K-BL35
2tトラックベースの「ジャーニーM」の懐かしいボディスタイルが現役でした。ハイルーフが設定された後の1980〜83年式で、ハイルーフではありますが冷房はついていません。
さすがにこの地域でも最古参車だと思います。
自家用バス
撮影:(2018.8)
いすゞジャーニーQ
1986〜95年の間に作られた前ドア設置が可能になった小型バス。幼児バスや路線バスからシアター型のデラックス仕様まで幅広いニーズに応えました。
未だ現役のこの車両は、大型ナンバーなのでローバックシートに立席ありの45人乗り。当時はオプションだった直結冷房もない送迎仕様です。
自家用バス
撮影:(2018.8)
トヨタコースター
1982〜92年の間に作られた2代目コースター。ボクシーなスタイルが特徴でした。
側面にDeluxeのロゴの痕跡があります。ハイバックシート29人乗りのデラックスというグレードの車両です。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日野レインボー P-RB145AA
1985年から作られたリアエンジンの小型バス。エアコンユニットを最前部に置いたスタイルは、中型路線バスRJから始まり、2000年代に入ってJバスで製造された新型セレガ/ガーラにもつながる日野のアイデンティティの一つのようにも思えます。
フロントグリルの形状などから初期の1985〜90年式で、ペットネームを示すRAINBOW、仕様を示すDELUXE、ターボエンジン搭載を示すTORBOなどのレタリングが今も残ります。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日野レインボー U-RB1WEAA
1992年から作られた前ドア仕様で、1995年にリエッセにモデルチェンジするまでの短期での設定でした。
SUPER DERUXEのロゴが残りますが、この前ドア仕様では標準的なレベルの仕様です。165PSと140PSとの2種類のターボエンジンが設定されていますが、側面後部に通気孔がないので140PSの仕様だと思います。
やはり登場時のデザインをそのまま綺麗に維持しています。
自家用バス
撮影:(2018.8)
日野レインボー7W U-RH1WFAA
1988〜91年の間に作られた中型バスをベースにした日野の7Mサイズの観光バスの中で、リアエンジン仕様の「レインボー7W」。
短期間の製造で、途中で排ガス規制が変わっていますが、これは平成元年規制対応後の車両と思われます。エアコンユニットの通気孔の位置やセイフティウィンドウの側窓とのつながり具合からの想像です。
最上級のロイヤルサルーンです。
自家用バス
撮影:(2018.7)
三菱ローザ U-BG437F
この時期のローザも段々と減ってきていますが、中でもこの車両は4WD仕様。1990年に設定されました。フェンダに継ぎ足しがしてあって、車高がだいぶ高くなっています。
このフロントスタイルは1995年までのもの。