保存車の世界

保存鉄道車両

秩父鉄道では、1989年に創立90周年を記念して「秩父鉄道車両公園」を作り、その時期に廃車になった車両を保存しています。残念ながらスペースの関係か、その後に車両が追加になってはいないようですが、これだけの車両を集めて保存している姿勢には頭が下がります。
秩父鉄道は、その後も自社車両基地に車両を保管しているほか、沿線に廃車体の流用が多いのも特徴。恐らく保存と並行して、廃車車両の売却にも積極的に取り組んでいるからだと思います。
そんな秩父鉄道の保存車(一部は廃車体も)です。当方、乗客の乗らない機関車には関心がないのですが、秩父鉄道を語るにはセメント輸送を抜きにはできないことと、秩父鉄道の車両保存の姿勢を語りつくすため、機関車も含めて取り上げます。

秩父鉄道車両公園の保存車両

沿線に散見される廃車体

小田急電鉄 デハ1800形(1809号ほか)
デハ1809

撮影:海老名(1980.11.1)

小田急時代
小田急時代の末期に撮影した1800系です。既に秩父鉄道への譲渡が始まり、早く撮らないと消えてしまうという段階での撮影です。 先頭がデハ1809号ですので2両目がクハ1859号、つまり現存する秩父鉄道クハ859号になったという事です。
秩父鉄道 800系
800系

撮影:上長瀞−親鼻(1984.8.26)

現役時代
探してみたら秩父鉄道時代の写真もありました。車番は分かりませんが、800系4両編成で荒川橋梁を渡る旧塗装時代です。
この後1986年ごろから黄色にマルーンの新塗装に塗り替えられています。
秩父鉄道 デハ3000形(3003号)
デハ3003

撮影:三峰口(2006.3.4)

現役時代
鉄道車両公園を訪ねたとき、現役時代のデハ3003号を撮影していました。元を正せば国鉄の急行形電車165系ですが、秩父鉄道でも急行形として活躍していました。
参考文献
  1. 柴田重利(1971)「秩父鉄道(下)」(私鉄車両めぐり特選)68-78
  2. 澤内一晃(1998)「秩父鉄道車両のあゆみ」(鉄道ピクトリアル98-11)50-55
(注1) まず文献1によると、国鉄から秩父鉄道へは1950(昭和25)年に4両が譲渡され、そのうちの1両が元南武鉄道(つまり買収国電)モハ108号であった。これは秩父鉄道クハ21号となった後、1954年の鋼体化に伴いクハニ30号となっている。このクハニ30号は文献2によると1981年に廃車となっている。
一方、保存車両のクハニ29号は1988年に廃車となっているが、これを逆に辿ると文献2によると1973年にクハユ31号から改造されたと書いてある。このクハユ31号は1953年に鋼体化で誕生した車両で、それ以前はクハユニ31号を名乗っていたと言うから、それは1922年の電化開業時の車両のうちの1両と言うことになる。
ちなみにもう1両紛らわしい車両が過去に存在する。それは初代のクハニ29号で、1973年に廃車になっているが、元は国鉄の木造車サハ25形を終戦後に譲受したもの。秩父鉄道が国鉄から譲受した4両のうちの1両である。時期が同じであることから、この辺との混同も考えられる。
いずれにせよ1953年の鋼体化でまったく違う車両に生まれ変わっているため、車歴を論じることに何の意味もないかもしれないが。
(注2) 「電車バンガロー」のうちデハ102号のほうは、白川淳(1994)「全国保存鉄道2」に記載があるが、クハニ20形のほうは記載がないので車号が不明。
(注3) クハニ24号の車号については、臨鉄情報館を参考にしました。

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