古バス民族学
群馬サファリパークのバス
群馬県富岡市にある群馬サファリパークを訪問しました。ここのバスには2種類あり、窓越しに見学するだけの「サファリバス」と動物にえさをやることが出来る「エサやりバス」に分かれています。車両のパーツやカラーなどは東北サファリパークのグループとよく似ていますが、経営者は異なるようです。また、車両は自社購入の車両で統一されています。
なお、ここでは、車両型式にはほとんど触れません。理由は、動物たちとのふれあいを求めて遊びに来ている家族連れが中心の場所で、ドアから車内を覗き込んで銘板を調べると言うような不審な行動は慎んだからです。
サファリバス
シマウマ1号 日野ブルーリボン
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
車窓から見学する「サファリバス」はみなシマウマのデザインの日野「ブルーリボン」です。1号と2号は導入が早かったようで、「野生の王国」と表示される方向幕が小型で、後面には筆記体の「ブルーリボン」ロゴが見られます。
1号、2号、6号がこのタイプだと確認できました。側面に「自家用」の文字があり、当初はナンバープレート付だったようです。
1990〜95年式のU-HUだと思われます。
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
シマウマ3号
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野ブルーリボン
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
「サファリバス」のシマウマのうち、ちょっと新しい車両です。「野生の王国」と表示する方向幕が大型になりました。前照灯が角目になっていますので、1995〜2000年式のKC-HUと思われます。テールライトの形状も変わりました。
3号、5号がこのタイプでした。
エサやりバス
トラバス
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野レインボーRR
窓から動物にえさをやることの出来る「エサやりバス」は、猛獣を模ったインパクトのある外観が特徴です。車内の座席は外向きに設置されており、窓の下には格子の入った覗き窓もあります。
3種類の動物のうち、これは「トラ」のデザイン。ベース車は、1995〜99年の間に製造された日野レインボーKC-RRと思われます。
ライオンバス
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野レインボーRR
上の「トラバス」と似たようなベース車の「ライオン」です。「トラ」に比べると、たてがみの造形や口の張り出し方などにインパクトがあります。
ベース車は、1990〜95年式の日野レインボーU-RRと思われます。
ライオンバス
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野レインボーRR
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
もう1両のライオンバスは、ドアが中央部にある異色車。さらに後ろに回ってみると、元のボディに丸っこいお尻の張りぼてを追加しており、他のバスよりも手の込んだ造形になっていました。
シロトラバス
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野レインボーRR
白い色をしたシロトラです。
やはり日野レインボーをベース車としたエサバスですが、リアウィンドウに「エアサスペンション」と書いてありますので、明らかにRRです。
シロトラバス
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
三菱エアロミディ
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野で固められている群馬サファリパークの園内バスの中で唯一の三菱車。前から見ると他と同じに見えてしまいますが、後ろ姿は確かにエアロミディ。
これらの中型のエサバスは、恐らく群馬サファリパークの送迎バスを転用したものと思われます。現役の送迎バスは三菱のようで、今後増備されるエサバスは、エアロミディになるのかもしれません。
廃車体
廃車体
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
日野RC321(1979年式)
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)
先代のエサやりバスの廃車体が残されていました。モノコックボディの車両ですが、トラの装飾は現世代の車両と同じように作りこまれています。
冷房付の前ドア車で、どこかの路線バス会社でも存在したような車両に思えますが、車内に押しボタンの形跡はなく、テール灯の形状などからも思い当たる車両はありません。上にあるサファリバスに見られるように、群馬サファリパークの自社発注車なのだと思います。
エサバスののりばに掲げられた看板には、ライオンとシロトラは現世代車両ですが、トラに関してはモノコックボディのRC321が残されていました。
撮影:群馬サファリパーク(2013.9.23)