80年代のバス・・・そのあと

ボンネットバス

80年代の岩手県は、営業用のボンネットバスが2社で合わせて7台いるというすごい場所でした。ちょうど第1次ボンネットバスブームと東北新幹線開業が重なったせいもありましたが、もともと積雪地帯での4輪駆動のボンネットバスが重宝されてきた地域性もありました。
その後、これらのボンネットバスは必ずしも順風満帆な足取りを辿ったわけではなく、少しずつ運用から離脱して行ったようです。
なお、解説文は撮影時点での状況に基づいています。

元八幡平雪原号
TSD40

撮影:小野澤正彦様(南九州市 2010.10.3)

南九州あづま交通 いすゞTSD40(1964年式)

元岩手県北バスの八幡平雪原号です。富士重工製ボディの車両で、岩手県北バスが手放した後、一時中古車販売会社に引き取られましたが、2010年に鹿児島県の貸切バス会社に移籍し、九州新幹線に接続する観光ツアーに使用される役目を与えられました。
1982年に東北新幹線開業に伴い観光輸送に抜擢された過去を思い出させます。

八幡平号
岩2く6111

撮影:ビッグサム様(西根営業所 2005.8.11)

岩手県北自動車 いすゞTSD40(1968年式)

岩手県北バスの4台のボンネットバスのうち、最後まで残った1両です。
かつての名前は「八幡平樹氷号」。1台だけになったので「八幡平号」を名乗るようになりました。
残された車両がオリジナル車で、それも「岩2」ナンバーであるというのはありがたい話です。

元八幡平雪渓号
TSD40

撮影:小野澤正彦様(福島県 2014.5.25)

広田タクシー いすゞTSD40(1969年式)
TSD40

撮影:小野澤正彦様(福島県 2014.5.25)

岩手県北自動車の「八幡平雪渓号」は、その後宮城県のイベント企画会社に移籍し、イベントの際のレンタル車両として使用されてきましたが、2014年に福島県の広田タクシーに再移籍しました。
カラーデザインは前事業者の時代のままですが、「昭和44年号」と名付けられ、側面後部にボンネットバスのイラストが書き加えられました。

元八幡平白銀号
TSD40

撮影:Five Thousand様(湯元温泉 2004.5)

自家用 いすゞTSD40(1971年式)

元岩手県北自動車のボンネットバス「八幡平白銀号」です。綺麗に整備し直されて、栃木県の日光湯元温泉で自家用バスとして大切にされていました。
北村製作所製のボディで,後面のスタイルはリアエンジンバスと同じです。

(注)小野澤正彦様によると、所有者の旅館は廃業したそうです。

弁慶号
BH15

撮影:小野澤正彦様(胆江営業所 2010.8.15)

岩手県交通 日野BH15(1964年式)

これまで「弁慶号」として2度の復活を遂げてきたボンネットバスですが、2007年3月にとうとうナンバーを外されました。
しばらくの間、岩手県交通で保管されていましたが、2010年に日本バス友の会に引き取られました。

元まきば号
TSD40

撮影:山梨県立美術館(2004.10.16)

山梨交通 いすゞTSD40(1966年式)
TSD40

撮影:山梨県立美術館(2004.10.16)

元岩手県交通の元「まきば号」です。岩手県交通での登録番号は岩2く376でした。岩手中央バス時代に購入され,4輪駆動を生かして銭掛線などに使用されていた物を,東北新幹線開業に合わせて小岩井農場への観光路線に抜擢しました。
その後休車になっていましたが、親会社の国際興業に引き取られ、1997年から「さわらび号」として埼玉県で再デビューを果たしました。2002年には、更にグループの山梨交通へ譲渡され、かつての同社の旧カラーに塗り替えられてイベントなどに使用されています。

元まきば号
TSD40

撮影:桂浜(2005.9.4)

土佐電ドリームサービス いすゞTSD40(1966年式)
TSD40

撮影:高知駅(2005.9.4)

元岩手県交通の元「まきば号」です。岩手県交通での登録番号は岩22か1764でした。
1988年に一旦廃車になって矢巾営業所に保管されていましたが、2000年に四国の土佐電気鉄道に引き取られました。
2001年に冷房装置取付け、後輪駆動への改造などを施した上で、一般路線・観光路線用にデビュー。更に2004年に子会社の土佐電ドリームサービスに移籍し、現在は観光路線の「MY遊バス」に使用されています。外観的にはあまり変化が見られませんが、ドアが交換されているようです。

(注)休車となった後、2009年に個人に譲渡されました。

ボンネットバス
TSD40

撮影:岩手県交通ファン様(本社 2004.3.30)

富士モーターサービス いすゞTSD40(1968年式)

“その頃”からの車両ではないようですが、滝沢村の富士モーターサービスが所有している未登録のボンネットバスです。
かつて岩手県北自動車が所有していたのと同じく、後部が角張っている北村製作所製ボディの新らし目のボンネットバス。しかし、後面は非常口がある独特のスタイルです。

(注)その後、個人に譲渡されています。

ボンネットバス
TSD40

撮影:終点横川目様(水沢市 2005.2.8)

いすゞTSD40(1968年式)

どうやら上の富士モーターサービスのボンネットバスが居場所を変えたようです。グリーンのラインは消されていますが、同じ車両に見えます。
今後どうなるのか分かりませんが、末永く大切にしていただきたいものです。

(注)その後、個人に譲渡されています。

ボンネットバス
TSD40

撮影:小野澤正彦様(佐原市 2008.3.9)

自家用 いすゞTSD40(1968年式)

上のボンネットバスが個人の方に引き取られ、めでたく再生されました。
旧国鉄バスのカラーに塗られ、イベントなどへも顔を出します。写真は佐原市で「佐原町並み号」として運行されている姿。

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80s岩手県のバス“その頃”