その後の廃車体

岩手県交通3(元岩手中央バス)

ここでは、2000年代に残る岩手県交通の廃車体のうち、元岩手中央バスの車両を掲載します。

廃車体
BX352

撮影:終点横川目様(花巻市 2010.5.23)

岩手中央バス いすゞBX352
BX352

撮影:終点横川目様(花巻市 2010.5.23)

畑の中に放置されたボンネットバスの廃車体。クリーム地に青帯の塗装は、岩手中央バス最終期のカラーですが、下からは斜め線が覗いており、旧東京都営と同じ昭和30年代のカラーで登場したことが偲ばれます。
車体はRの大きい正面窓が特徴の帝国車体製です。ボンネット部分は一部が欠落しており、エンジンはありません。
型式は推定です。

廃車体
BA541

撮影:終点横川目様(江刺市 2004.12.5)

岩手中央バス いすゞBA541
BA541

撮影:終点横川目様(江刺市 2004.12.5)

川崎航空機が1960年にモデルチェンジしたボディスタイルで、BA700系列に見られるものです。しかし、エンジン通気孔の形状から、エンジン位置はBA300系列と変わっていない過渡期のBA500系列のようです。
また、正面窓下のモールも前モデルのBA300系列でよく見られたもの。モール上のいすゞエンブレムの台座も古い形状ですが、実際についているのは新しい細身のエンブレムです。おそらく豪華に見える装飾モールを、モデルチェンジ後も使用したものと思われます。登場当時は、貸切車だったのでしょう。

廃車体
BA741

撮影:海さん様(宮城県 2007.5.20)

岩手中央バス いすゞBA741

滝沢村の自動車学校に置いてあった廃車体が、処分のためか宮城県の解体屋に運ばれたそうです。
岩手中央バスカラーが剥げてきた下から京浜急行のカラーがかなり表れてきています。また、この車両はいすゞでありながら、日野のウィングマークをつけています。塗装の感じから、岩手中央バス〜自動車学校時代につけられたもののようです。

廃車体
MR480

撮影:長谷川竜様(盛岡市 2013.6.1)

岩手中央バス 三菱MR480

民家の敷地内にあるという前ドア車の廃車体。後面2枚窓の呉羽車体で、窓越しに見える正面窓は連続窓のようなので、1963〜64年式と推察。型式は長さから推察。エアサスだったりすると、型式は異なります。
色はだいぶ褪せていますが、ブルーリボンカラーに見えますので、岩手中央バスの中長距離路線に使われていた車両でしょう。(注1)

廃車体(岩2く314)
MR510

撮影:左党89号様(岩手県 2005.7.17)

岩手県交通 三菱MR510(1965年式)

岩手中央バスの初回ワンマンカーのうちの1台の三菱車。車番はA65314、青山営業所の車両だったようです。
同型車の廃車体は“その頃”都南車庫にもありましたが、側面と後面に方向幕があるのが特徴です。

廃車体
BR20

撮影:岩手県交通ファン様(滝沢村 2005.8.6)

岩手県交通 いすゞBR20(1966年式)

茂みの奥のほうにあるという岩手中央バスカラー。側面最後部の窓が扇形なのでBR20サイズと思われます。今のところ岩手中央バスのこのタイプでは、前中引き戸のワンマンカーがある程度の数存在したことが分かっていますので、その同型車でしょう。

廃車体(岩2く340)
RB10

撮影:53様(紫波町 2012.5.19)

岩手県交通 日野RB10(1966年式)
RB10

撮影:都南村民様(紫波町 2007.7.8)

岩手中央バスカラーの廃車体。中ドアが引き戸のワンマンカーなので、1966年式であると分かります。
53様によると、現役時代の登録番号は岩2く340、車番はほとんど消えてしまっていますがM66340です。
2012年時点では、後ろの方にビニルシートが被せられていますが、状態は悪くありません。
(2005年の岩手県交通ファン様、2007年の終点横川目様撮影の画像を差し替えました)

廃車体(岩2く451)
岩2く451

撮影:終点横川目様(金ヶ崎町 2005.11.3)

岩手県交通 いすゞBA30(1970年式)
岩2く451

撮影:終点横川目様(金ヶ崎町 2005.11.3)

岩手中央バスが国際興業グループ入り直後に大量増備したBA30のうちの1両。数が多かった割には廃車体が発見されませんでしたが、金ヶ崎町に1両いました。青帯の位置から下は水色に塗られていますが、遠目にも中央バスカラーが分かります。

廃車体
BA20

撮影:海さん様(八幡平市 2005.10.1)

岩手県交通 いすゞBA20(1974年式)

9m尺大型車のBA20で、長らく岩手中央バスカラーでしたが1985年に県交通カラーに塗り替えられ、しかし2年ほどで廃車になってしまいました。BAであることが災いしたのかもしれません。
隣にいるのはヘッドライトの位置などからBU06と思われます。

廃車体(岩22か763)
岩22か763

撮影:岩手県交通ファン様(岩手県 2004.4.3)

岩手県交通 いすゞBU10(1976年式)

県交通カラーのBU10ですが、側面に方向幕のないのが元岩手中央バスの証し。撮影者によると現役時代のナンバーは岩22か763だそうで、松園営業所の車両でした。

廃車体(岩22か763)
岩22か763

撮影:都南村民様(岩手県 2019.5.18)

岩手県交通 いすゞBU10(1976年式)

上の写真の岩22か763の15年後。ライト類やバンパーは失われていますが、青のカラーリングは、むしろ鮮やかさを増したように見えます。
この車両はその頃の1985年に県交通カラーに塗り替えられ、その約20年後の廃車体画像を頂いていたわけですが、さらにそれから15年が経過してしまいました。時間の移ろいの速さに驚きます。

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注1
色の褪せ具合により、緑色の花巻電鉄カラーにも見えるが、前ドア上の雨樋下に濃い色が見えること、その雨樋上にストライプのヒゲが見えること、などからブルーリボンカラーの岩手中央バスと推定。
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80s岩手県のバス“その頃”