1970年代奥の細道

岩手県南バス12(譲受車・都市型)

板橋不二男様から頂いた1970年代撮影の岩手県南バスの写真を、カテゴリー別に掲載します。
ここでは譲受車の中で、長尺のラッシュバスであったり、前中引き戸のワンマンカーであったりという都市型バスと思われるものをまとめてみます。

岩22か76
岩22か76

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RC10P(1963年式)

富士重工のR11型の路線タイプ。高出力のエアサスですが、中ドア引き戸のラッシュバス仕様車。助士席側にセイフティウィンドウがあります。
登録は1971年で、譲受車です。
(注1)

岩22か82
岩22か82

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RC10P(1963年式)

上の76と同形車。
よく見ると、フォグランプがバンパーの上に後付されています。

岩22か92
岩22か92

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RC10P(1964年式)

モデルチェンジ後の13型と呼ばれるボディになりました。中ドア引き戸のラッシュバスで、セイフティウィンドウがあります。
やはり、フォグランプがバンパー後付です。

岩22か358
岩22か358

撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1973.11.3)

岩手県南バス 日野RC100P(1965年式)

上の車両とは年式が1年違うものの同仕様。高出力でエアサスという仕様も力が入っています。
登録は1973年で、8年間くらい使われて岩手の地に流れてきたということでしょう。撮影時はまだ新参車で、塗り立ての赤色がきれいです。

岩22か315
岩22か315

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

この車両はここまで並べてきた車両とは、仕様がちょっと異なります。まず、標準出力であること。またセイフティウィンドウがなく、中ドア上に側面方向幕がついています。フォグランプも元からついています。
車内には、朱色の2人掛けパイプ椅子が見えることが、前歴のヒントになるかも知れません。

岩22か318
岩22か318

撮影:板橋不二男様(釜石東前 1976.3)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

岩22か315とは同形車。これと似た仕様の車両は、岩手県南バスには相当数が譲渡されてきています。
正面の日野のエンブレムの位置が低く、付いていなかったものを後付したのではないかと思います。その上にある取っ手が前所有者のヒントになるかも知れません。
岩手ナンバーでの登録は1973年。
方向幕は「小川社宅」。釜石製鉄の街であった釜石には、このようなバス停名もありました。

岩22か334
岩22か334

撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

諸々の特徴は上の車両と同じです。これは江刺営業所に配置されています。
方向幕には「梁川」と出ています。江刺市北端の大岳温泉に行く途中にあります。
なお、東武鉄道にはこれと同じ特徴を持った車両があったようです。

岩22か297
岩22か297

撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1976.5)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

長尺のツーマン車で、中ドアは折り戸。元東武鉄道です。
正面に日野のエンブレムがありませんが、これが元々の仕様です。中ドア前位には側面方向幕があったと思われますが、県南バスでは使われていません。

岩22か305
岩22か305

撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

長尺のツーマン車で、中ドアは折り戸。
元東武鉄道ですが、正面には日野のエンブレムが取り付けられています。1973年に譲受に伴い塗装されたボディの綺麗さに対して、日野エンブレムが色あせていますので、他車からの流用かもしれません。

岩22か306
岩22か306

撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

元東武鉄道で、305とは続き番号ですが、こちらは中ドアが引き戸です。

岩22か345
岩22か345

撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)

岩手県南バス 日野RB120(1965年式)

車庫の屋根の下に停車中のツーマン車。中ドアが引き戸です。
元東武鉄道ですが、正面には日野のエンブレムが取り付けられています。

東武鉄道の写真
東武鉄道 日野RB120
RB120

岩手県南バスに譲渡された車両と同形車の東武鉄道時代の写真。1975年撮影とのことなので、岩手県に来た車両とは別物でしょう。
車番は5109です。

撮影:板橋不二男様(中之条出張所 1975頃)

岩22か367
岩22か367

撮影:板橋不二男様(釜石東前 1976.3)

岩手県南バス 日野RC100P(1966年式)

富士重工製ボディの長尺車で、前ドアがついたワンマンカーです。側面に方向幕はありません。
(注2)

岩22か400
岩22か400

撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)

岩手県南バス 日野RC100P(1966年式)
岩22か400

撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)

前中引き戸のワンマンカー。せっかくのワンマン仕様ですが、ワンマンの表示がないので、県南バスではツーマン車として使用しているようです。
岩手ナンバーでの登録は1973年。車内にはパイプ椅子が見えます。

岩22か482
岩22か482

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RC100P(1966年式)

同じく前中引き戸のワンマンカー。やはり正面窓の中にワンマン表示がないので、ツーマン車として使われているのかもしれません。
岩手ナンバーでの登録は1974年。

岩22か244
岩22か244

撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)

岩手県南バス 日野RB10(1964年式)
岩22か244

撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)

前中引き戸のワンマンカーで、側面方向幕は中ドア戸袋窓の前の窓にスタンディウィンドウの所にあるようです。首都圏からの譲受車と思われます。正面に日野エンブレムはありませんが、後面のRUと書いたプレートはついています。
県南バスカラーに塗り替える際に、塗り分けのカーブには個体差が出ます。県南バスのこの塗分けは、電車でいう「金太郎の腹掛け」にも同様の例がありました。
岩手ナンバーでの登録は1972年。

岩22か245
岩22か245

撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)

岩手県南バス 日野RB10(1964年式)

前中引き戸のワンマンカーで、戸袋の前に側面方向幕があるなど、神奈中や京浜急行からの譲受車とよく似ていますが、正面方向幕の形状が異なります。前歴不詳車両の一つ。上の岩22か244とは連番で仕様が似ているので、前所有者は同じかも知れません。
岩手ナンバーでの登録は1972年です。

岩22か691
岩22か691

撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1976.5)

岩手県南バス 日野RB10(1967年式)

神奈川中央交通からの譲受車です。正面が切れてしまっていますが、上の車両との比較のためや、使用方法が興味深いことなどから掲載しました。
正面には、本来「ワンマン」などの文字が入る看板が取り付けられていますが、白板です。側面を見ると、前ドアには「しめきり」、中ドアには「出入口」とあり、ツーマン車として使われていることが分かります。この時期にワンマン車の譲受を受けながらも、まだ車掌を乗せていた路線が相当数あったのだということが分かります。
登録は1975年。

(注1)
farewellsong様(当サイト掲示板2016.10.11)によると、この車両を含む長尺RCの特徴が、遠州鉄道に一致しているとのこと。主な点として、側面方向幕なし、フォグランプ後付(1966年頃から標準)、セイフティウィンドウ付きでその脇に日野RCエンブレム、などの点が挙げられる。
(注2)
鈴木文彦(2004)「岩手のバスいまむかし」によると、この種の車両の前ドアは増設だとのこと。
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