絵葉書でめぐる日本バス紀行(大阪府)
トップバー

大阪府 大阪府は、近畿圏の経済の中心地で、交通機関も大阪に中心にネットワークを作ります。
大阪市のある大阪平野を中心に、西に大阪湾、北に京都府と接する北摂山地、東に生駒山地、金剛山地、南に和歌山県と接する和泉山脈があります。
府内を5地域に区分する場合、大阪市、泉州、北大阪、東部大阪、南河内に分けられます。更に細分する場合、泉州地域を泉北と泉南に、北大阪地域を豊能と三島に、東部大阪地域を北河内と中河内に、それぞれ区分することができます。
バスが写った絵葉書は、交通の拠点であった大阪駅周辺が多いようです。

大阪駅

梅田大阪駅停車場
大阪駅

撮影時期:1920年代(1924年以降)

2代目の大阪駅舎(1901〜1935年)の前を行き交う大阪市電と青バス。青バスは、大阪乗合自動車株式会社が運行する乗合自動車で、1924(大正13)年から運行を始めました。追って1927(昭和2)年から運行を始めた市営バスは銀バスと呼ばれました。
市電の方は二重屋根の3扉車ですので、1000形でしょうか。
大阪駅
大阪駅

撮影時期:1940年代後半

「大阪の観光」という絵葉書。大阪駅舎は1940年に建てられた3代目の駅舎。
産業都大大阪の表玄関としての大阪駅はその豪華な施設と近代的な威容は東洋一を誇り、毎日約五十万人の乗降客を呑吐している。
車両画像を拡大

駅前にはトレーラーバスが停車しています。トラクタはフェンダが改良された日野T12B、トレーラーは後輪2軸のT25です。

大阪駅前風景
大阪駅

撮影時期:1950年代前半

大阪駅前の風景ですが、他の絵葉書とは違う角度で撮影していますので、駅前広場の様子がよく分かります。淡い色の手彩色です。

手前左にボンネットバスの後ろ姿が3台見えますが、左端は後面4枚窓の梁瀬ボディ。

大阪の景観
大阪駅

撮影時期:1950年代前半(1950年以降)

大阪の景観という絵葉書で大阪駅の駅前風景です。駅舎の屋根の上には、ローマ字で「OSAKA STATION」の文字が取り付けられています。
大阪市電のホームには、利用者が溢れています。朝のラッシュ時でしょうか。
 車両画像を拡大

ボンネットバスは2台停車していますが、のバスは後輪が2軸なので、GMCの軍用トラックの払い下げを受け、ボディを架装した車両だと思われます。車体は、窓の縦寸法が大きく、桟が中央にある明朗なスタイルです。は三菱B25(1949年式)に見えます。
ツートンカラーの電車は1000形あたりと思われますが、ビューゲル集電をしていますので、1950年以降の撮影。

大阪駅
大阪駅

撮影時期:1950年代前半

大阪名所の絵葉書で大阪駅の駅前風景です。
駅前のボンネットバスは青やエンジ色に塗られていますが、実物は上がクリームで裾と屋根上がグリーンのツートンカラー。駅舎前の乗用車もカラフルですが、これももちろんもっと地味な色のはずです。

ボンネットバスは2台とも大阪市交通局で、のエンジ色はフェンダの形状からいすゞBXの青色は日野BHだと思います。

大阪・観光乗降場
大阪駅

撮影時期:1950年代

こちらは他の絵葉書とは異なり、大阪駅東口の観光バス乗降場。
左側のビルは阪急百貨店、右側のビルには「神戸行阪神電車のりば」の看板が掲げられています。

観光バス乗降場の3台のバスは、手彩色なので事業者は分かりません。
のバスは民生BR30/BR311(1950〜52年式、富士重工)。
のボンネットバスは三菱B25でしょうか。天窓付で側窓が小さいので1950年前後のボディに見えますが、ボンネットのグリル形状が1955年以降のスタイルに近く、特注車のようです。

大阪駅前
大阪駅

撮影時期:1960年代(1962年〜)

大阪駅前の風景。乗用車の数がだいぶ増えています。
また、本物のカラー写真になっています。

右側のバスのりばに何台かの大阪市営バスが停車中。
右端はゼブラカラーの中ドア引き戸車でいすゞBAに見えますが、ボディは呉羽のようです。
その前にはいすゞBA351(1956〜59年式、川崎ボディ)、さらにその前には三菱R200系列(1955〜58年式、三菱ボディ)が停車中。

大阪駅
大阪駅

撮影時期:1960年代(1963年〜)

大阪弁でのあいさつと標準語訳とが並ぶ絵葉書。
おいでやす。久しぶりだんな迎いに来てえーあんばいにここで会えたさかいええけどもしやてれこになったらどんならんおもてほんまに案じたんだっせ。
大阪べん・出むかえ

大阪市営のバスが2台停車中。両方とも西日本車体製で、同じような長さです。三菱R370あたりでしょうか。
駅前の駐車場に日産ブルーバード(2台目・1963年〜)が見えますので、1963年以降の撮影。

大阪駅前附近
大阪駅

撮影時期:1960年代(1964年〜)

大阪駅前の風景。反対車線は4車線がびっちり渋滞しています。信号待ちでしょうか。その中に、3代目トヨペットコロナ(1964年〜)が見えるので、1964年以降の撮影。
車両画像を拡大

後ろ姿が見える大阪市営バスは、前中引き戸のワンマンカー。後ろの窓は呉羽ボディに見えますが、エンジン通気孔は中央部に1個。いすゞBA300・500系列かトヨタDRがこの配置ですが、側面の窓配置は金産ボディの日野RB10のような感じ。シャーシ、ボディ共によく分かりません。

大阪新阪急ビル付近
大阪駅

撮影時期:1970年代(1977〜79年)

大阪駅前。
正面の高層ビルは、阪急グランドビルで、1977年にオープンしています。
3代目大阪駅舎は、1979年に建て替えられます。

大阪市営バスは、三菱MR410(1977年式、呉羽ボディ)で、冷房車。

作成:SEIKYOKUDO

大阪市内

大阪名所遊覧
大阪名所遊覧

撮影時期:1920年代(1924〜31年)

興味溢るる案内者附
文化の大阪歴史的説明
乗心地のよい大型高級展望車で大阪の名高い所は残らず一巡致します
(後略)
大阪乗合自動車(通称青バス)が始めた大阪名所遊覧の絵葉書で、大人は2円80銭、小人は1円80銭と書いてあります。絵の中に大阪城の天守閣がありませんので、復元される1931年より前のものと思われます。
このはがき、おもて面は利用者アンケートになっていて、車両、コース、説明などについて意見を求めています。
遊覧バスで大阪見物
大阪遊覧バス

撮影時期:1930年代

「遊覧バスで大阪見物」という絵葉書。
ここは北沢交差点であります。あの白い大きな建築は株式取引所で大阪音頭に「一手千両の市が立つ」と歌はれている処であります。
左端の建物には「帝国ランプ」と書かれています。
大阪御堂筋
大阪御堂筋

撮影時期:1950年代前半

大阪御堂筋の俯瞰風景。
セピア色のような手彩色になっています。

手前のボンネットバスは民生KB3L(1950年式くらい)でしょうか。
向こうの方で後ろを向けているのは日野のトレーラーバス。

大阪 御堂筋展望
御堂筋展望

撮影時期:1950年代

御堂筋を行くボンネットバスと大阪市電。通りを行く人は、白っぽい半袖を着ている人が多く、夏の撮影のようです。
左に見える搭屋のある大きな建物は大阪市庁舎、中央の奥に見えるのは、中央信託銀行。
大阪御堂筋新歌舞伎座附近
御堂筋新歌舞伎座

撮影時期:1950年代後半(1958年以降)

大阪駅と南の繁華街を結ぶ大通りで、緑の並木と四四米の幅をもつ全舗道は美事である
正面の大きな建物が1958年に完成した新歌舞伎座。隣りには富士銀行。

大阪市交通局のクリーム色と緑色のツートンカラーのバスが2台。左端はいすゞBA351A(1956〜59年式、川崎ボディ)、は日野BD30系列(新日国ボディ)だと思います。
新歌舞伎座の前にはゼブラカラーの市バスも停車しています。

大阪市営観光バス(大阪城)
大阪城

撮影時期:1950年

戦後1950年に運行を再開した大阪市の定期観光バス。大阪城を背景に、天窓のついたボンネットバスの記念撮影のようです。

流線形のボンネットバスは三菱B22(1950年式、梁瀬ボディ)。愛称は「このはな」。ボンネット回りやボディスタイル共に特注のようです。(注1)

新大阪駅
新大阪駅

撮影時期:1960年代(1964年〜)

東海道新幹線新大阪駅です。
2階へのスロープを上がるのは、2代目トヨペットクラウン(1962年〜)。
国鉄の本土最高速度の鉄道交通として昭和39年10月発足した新幹線は関東関西を結んで快適列車の発着が頻繁である。
車両画像を拡大

新大阪駅前には、日本急行バスのいすゞBU30PA(1964年式、川崎ボディ)が停車中。これも同年に開通した名神高速道路を走る最新の高速バスです。

その他

山上華表(とりい)前(能勢妙見山)
能勢妙見山

撮影時期:1950年代(1951〜55年)

能勢妙見山の頂上にある日蓮宗の霊場。鳥居の前に、観光バスが並びます。

左端はいすゞBX91/81(1952〜55年式、川崎ボディ)で、方向幕横に「直」と出しているので、路線バスのようです。ナンバーは2-21391
は神姫合同自動車の三菱B20系列(1951〜55年式、新三菱ボディ)。ナンバーは2-20032,2-20027,2-20045

万国博覧会 日本専売公社出展館≪虹の塔≫
大阪万博

撮影時期:1970年

大阪万博の駐車場に並ぶ観光バス。
中央に見えるのが虹の塔で、「テーマ・心の調和 PEACE OF MIND」だそうです。
葉書のおもて面には、「日本万国博記念に・・・・・特別デザインの≪ルナ・セブンスター・ホープ≫の3点セット発売!!」と書かれています。
ちなみに日本専売公社は、今の日本たばこです。

駐車場の奥に阪急バスの三菱AR470が見えますが、それ以外は小型バスや中型バスが主体です。
左側に見える大川バスや日本交通も中型バスです。

発行:日本専売公社
阪急電車上新庄駅ほか
阪急電車

撮影時期:1980年

阪急電鉄発行のシリーズものの中に1枚で、上から上新庄阪急ビル(京都線)、宝南ショップス(今津線宝塚南口駅)、箕面阪急セブン(箕面線)の3ターミナルビルです。
絵葉書の発行は1980年。
車両画像を拡大

の上新庄駅前には大阪市営バスの日野BT100Hと思われる車両が停車中。
の箕面駅前には阪急バスの三菱MR410が停車中。

アンダーバー
(注1)
ポルト出版(2001)「ヤナセのバスボデー」P.22にこれと同形車の愛称「みちしお」が掲載されています。
ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”