看板に見る新幹線大図鑑
警告看板の部
線路脇の金網に、高架線の橋脚に、ホームの突端に、そしてまた高圧電線の鉄塔に。
立ち入り禁止を強く主張する警告看板の新幹線は、表情が豊かです。
凧揚げ系
困っている0系
撮影:京都府(2007)
新幹線の近くで凧を上げると電線に当たって危ないですよ、と言う看板。パンタグラフは新幹線電車から離れて凧に跳躍しています。
ゲイラカイトと0系電車。1970年代チックな取り合わせ。少年のシャツの「T」の字の理由は不明です。
0系の怒りに負けない子供

警告看板の名古屋地区バージョンを発見しました。
左は馬のように歯をむき出して怒りを表現する
0系、
右はスーパージョッキーのミサイルのように怒る
0系です。しかし目が死んだ少年は、そんな怒りをものともせず同じ姿勢で凧揚げを続けています。
撮影:愛知県(2008)
消え行く0系
撮影:東京都(2008)
新幹線高架に描かれた「たこあげはやめようね」という壁画ですが、長年の風雪に耐えてきた結果、修復不可能なほど退色してきています。上のほうに新幹線電車0系が描かれていますが、窓周りのブルーが完全に見えなくなっています。
黄色い野球帽を後ろ向きにかぶった少年の分厚い唇も気になりますが、やはり5つも描かれた凧のすべてがゲイラカイトであると言うことに注目すべきでしょう。
凧くんと0系
撮影:東京都(2008)
ブルー1色でデザインされたアートポスターのような危険看板。新幹線総局作成なので、どんなに新しくても1987年ですが、古さを感じさせません。
内容も、凧そのものに責任を負わせ、凧を上げている子供には何の責任もないと言う姿勢を明確にしているあたりは、親にも気を遣う80年代チックな発想が見て取れます。
新幹線0系が凧に対して出している親指ポーズの意味は分かりません。
解離性同一性障害(二重人格)
撮影:カメやん様(福島県 2008)
警告看板の多くはイラストをメインに据えて端的に理解できるようなデザインにすることが多いのですが、これは二つのイラストを使い長めの文章で効果的に訴えると言う形式を採用した珍しい警告看板。高圧の架線にビニルや凧が巻きつくと列車が長時間ストップし、多くの利用者が待たされて迷惑がかかるので、沿線の皆さんは気をつけてくださいね、ということが書いてあります。
この趣旨をきちんと読んで納得してくれる人なら、線路脇でキケンな遊びはしないでしょう。
しかし、私が着目するのは、むしろ看板に描かれた2つの200系新幹線の大きな落差です。上の200系は凧に驚いて両手を振りかざし、大きな口をあけて汗(涙?)を浮かべた大げさな表情です。一方下の200系はホームに静かに停車し、一切無表情に乗客を待たせています。
この看板は、200系の二重人格についてもさりげなく触れている奥の深い看板と解釈しました。
こんなに取り乱してどうする

ゲイラカイトだけでなく、風船やビニルシートやらが全員悪意に満ちた表情で架線にまとわりついています。よく見れば、汗と涙を飛び散らせて歯をむき出しにしているのは
200系でした。
ここまでいたぶられ、また本人も取り乱している警告看板は初めて見ました。日本が世界に誇る安全神話を持つ新幹線のことですから、もっと強い人なのだと思っていました。幻滅です。
なお、この看板は新幹線ではなく、田園地帯の在来線にありました。
撮影:群馬県(2009)
ゲイラカイトと200系
撮影:栃木県(2007)
東北新幹線に見られる「キケン凧」看板は嬉しいことに200系。開業当初のものでしょうか、かなり退色が進んでいます。
凧はやはりゲイラカイト。ゲイラカイトと新幹線の不思議な関係の真相は分かりません。
ゲイラカイトとE3系
撮影:栃木県(2007)
上の200系のリニューアルバージョンは秋田新幹線「こまち」のE3系が描かれました。側面の塗り分けが違うと言う指摘はナシです。こういう緩さがないと、看板の新幹線は面白くありません。
それにしても、高架の形状からゲイラカイトまで、車両以外はほとんど旧バージョンの焼き直しです。
侵入系
冗談じゃないよの0系
撮影:EF210-115様(山口県 2008)
ホームの端につけられた看板ですが、退色が進み見づらくなっています。右上には0系が仁王立ちして赤い右手を差し出しています。
1970年代にはこのように0系の顔を擬人化する例が数多く見られました。リフレッシュ工事のときの工具を持った0系や日本食堂のコック帽をかぶった0系が思い出されます。
怒っている0系
撮影:東京都(2007)
東海道新幹線の沿線にあった「あぶない」看板の0系ですが、こんなに恐い顔をすることもないと思います。210km/hでひっぱたいたら、子供は死んでしまいます。
怒っている200系
撮影:カメやん様(福島県 2008)
上の東海道新幹線の色違いバージョンが東北新幹線にありました。
このデザインの警告看板は、多分国鉄時代に大量に作られたようで、2種類を合わせると東北から山口までかなり広範囲に分布していることが報告されています。
カメラ小僧と200系
撮影:カメやん様(宮城県 2008)
東北新幹線宮城、福島両県で見られるという警告看板。線路に入った田舎少年が新幹線にびっくりして靴が脱げてしまっているという瞬間を捉えた絵ですが、上のほうにカメラが飛んでいるのが見えますので、少年の目的は撮影だったようです。
下のほうに同じような頭の友達が手を差し伸べています。
いじめられている200系

石を投げつけられて「ひゃあ〜」と言っている
200系の看板です。危険看板の一つですが、こういう弱そうな相手を見ると、わざといじめてやろうと思い立つ人もいるので注意が必要です。
口の形がペコちゃんの舌と同じようにも見えますが、状況から考えて舌なめずりではなく「ひゃあ〜」に軍配が上がると思います。
撮影:左党89号様(岩手県 2007)
柵と手錠と700と
撮影:東京都(2008)
イラスト系が多かった警告看板の中では斬新なピクトグラム系。文字は最小限にとどめられており、二つの絵によって敷地に無断侵入するのは犯罪であることが分かりやすく説明されています。
車両もこの手の看板では初登板の700系です。
鉄塔系
鉄塔の0系
撮影:神奈川県(2011)
JRが所有する自前の高圧電線の鉄塔に付けられた警告看板です。とうとう0系バージョンも発見しました。
0系の下に薄くJR東日本と書いてあり、JR東日本も当初は東海道新幹線沿線では青色の0系をモチーフにしていたことが分かります。
なお、これと反対側の看板はもっと新しいもので、車両も200系に変わっていました。
鉄塔の200系
撮影:東京都(2008)
JR東日本の鉄塔看板。鉄塔に登ると感電するので危ないと言う警告を主体に、右下に200系が描かれていてJR東日本のアイデンティティを強調しています。
鉄塔の300系
撮影:神奈川県(2008)
上のJR東日本と基本デザインは同じですが、JR東海所有の鉄塔には300系が描かれています。
両社のデザインが同じと言うことは、この看板は国鉄時代のデザインだと想像できます。そうなると多分0系バージョンもどこかに残存しているのかもしれません。
鉄塔の700系
撮影:神奈川県(2008)
JR東海の最新バージョンは700系。基本デザインを変えることなくここまで続けていただけるのなら、次はN700系を期待します。子供もちょっと成長していたりすると面白いかもしれません。
踏切系
ジャングル坊やとE3系
撮影:左党89号様(岩手県 2008)
秋田新幹線の踏み切りにある「止」看板にE3系「こまち」のイラスト。その上には謎の子供がまたがっています。
ここに写っている以外にも、この踏切にはいろんな「止れ」看板や注意看板が林立しているようですが、逆に注意が散漫になってしまうのではないかと心配になります。
二つの絵の整理がつかない踏切看板

秋田新幹線の秋田〜大曲間は新幹線と在来線(奥羽本線)が単線並列となっているため、どちらのレールも左右両側から列車が来ます。同じ方向から続けて列車が来たり、もちろん両側からすれ違うこともあります。
と言うことを絵にした看板ですが、手を抜きすぎた絵です。
E3系「こまち」はそこそこの出来ですが、斜め前から見た上の絵の側面をそのまま下の側面イラストに当てはめたので、チョロQのような短い電車になりました。
在来線の
485系は正面の写真しかなかったのか、側面の絵は完全な手抜き。下の絵を見ると既に原形をとどめていません。ましてや下の絵の架線の幅は広すぎです。上の絵で描いた架線柱をそのまま架線にしてしまったみたいです。
そもそも、上下の絵の角度を変えたり自動車の色を変える必要があったのでしょうか。・・・などと、文句ばかり言ってみました。
撮影:左党89号様(秋田県 2009)
その他
スズメのような0系
撮影:新潟県(2007)
新幹線から300mの広告看板を禁止する看板です。高架線の上に丸々とした新幹線が描かれています。
新潟なので上越新幹線なのですが、その丸さと青い色から0系に分類します。