バスカタログ聖地巡礼

三菱ローザ(1979年)


三菱ローザは、三菱自動車の小型バスで、1960年に通称「だるまローザ」が誕生後、1973年に通称「プリティローザ」にモデルチェンジしています。このカタログは、1979年のもので、「プリティローザ」にマイナーチェンジを加えた時のもの。白地に青いラインのカタログカラーは、各地の自家用バスなどにそのまま使われ、目にする機会の多いデザインでした。

掛塚灯台(静岡県)
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カタログ表紙
三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1979)

三菱ローザ

撮影:YS様(静岡県 2005.3.14)

まずは、このカタログの表紙に使われている白い灯台です。
YS様によると、これは静岡県の天竜川河口にある掛塚灯台だそうです。しかし、現状はその周囲の風景やキャップの形状も異なるとのこと。YS様の調査の結果、2002年に灯具の更新だけでなく、その位置も約800mほど西に移動したようです。そうなると、このローザのカタログは、かつての掛塚灯台の姿を今に伝える貴重なスナップであると言えます。
灯台の前にある説明板によると、この灯台は明治30年に官設灯台として完成して以来、航行船舶の安全のため、重要な役割を果たしてきたとのことです。
「古くは明治期に外国人の技術指導を仰ぎながら、また近代化の中で船舶の航行を支える航路標識の意味を考えると灯台の持つ役割と注ぎ込まれた技術、機能に徹した外観には惹かれます。」とはYS様談。

三菱ローザ

撮影:YS様(静岡県 2018.6.14)

YS様は、当時の立地に近い海岸にも訪れていました。
左側のコンクリートの堤防がカタログ写真と似ているので、かつてはこの左の砂浜に灯台は建っていたのかも知れません。
右前方に移設後の灯台が見えるのですが、この写真ではちょっと見えにくいかもしれません。

国道150号線(静岡県)
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三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1979)

三菱ローザ

撮影:YS様(静岡県 2018.6.14)

海沿いを走るローザの写真は、YS様の見立てだと、駿河湾沿いの国道150線であろうとのこと。YS様自身が撮った写真は、逆方向を見たところですが、ローザと同じ目線で見るとこうなるということかも知れません。

三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1979)

そうすると、恐らくここも近くの砂浜です。
ローザを降りた7人の男女が、スヌーピーのイラストの入った風船を砂浜に固定し、フリスビー、バトミントン、凧揚げなど、思い思いの遊びを楽しみ始めています。こんなに広い砂浜なので、バトミントンは、もっと遠くでやった方がいいと思います。

カフェテラス ル・シェルド・パリ(場所不詳)
三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1979)

カタログの見開きページに展開するのは、お洒落な白いカフェテラスの前に停車する三菱ローザ。
来たるべき1980年代は、こういうお洒落な空間でコーヒーや紅茶を飲み、男女7人でバカンスを過ごすことがナウいのです。
しかし、この「カフェテラス ル・シェルド・パリ」がどこにあるかは不明です。掛塚灯台と駿河湾で撮影した前後に寄れる場所、と考えると、箱根か伊豆半島あたりでしょうか。

登場人物の今
三菱ローザ

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.6.1)

カタログに掲載されているのと同じ短尺のデラックス車が、岩手県の茂みの中で余生を送っていました。「DERUXE」のロゴも残されています。
すぐ脇でバトミントンをしたり紅茶を飲んだりしてくれる若者も、今はいません。

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80s岩手県のバス“その頃”