バスカタログ聖地巡礼

日野RD100(1967年)


日野RD100は、一般路線専用のモデルとして登場した9mサイズの大型バスで、次世代の大型バスであるRE100などの系列を先取りしたヒサシ付の新型ボディでデビューしました。ただし、ヘッドライトは旧来の2灯を踏襲しています。その「新発売」時のカタログです。


渋谷区役所・渋谷公会堂(東京都)
地図へ
カタログ表紙
日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

渋谷区役所
日野RD100

撮影:渋谷区(2020.1.25)

カタログの表紙写真は、「丸の内」という方向幕を出したバスが、都会を高速で駆け抜けてゆくイメージ。背景は、渋谷区役所のようです。
聖地に行ってみると、周囲の建物はすべて建て替えられていました。
走り抜けて行くのは京王バスです。カタログと同じように、流し撮り風に加工してみました。
1967年に、大型バスより小回りの効く9mサイズのバスとして登場したのがRD100ですが、2000年代初頭には、大型バスのダウンサイジングは中型バスをロングボディにするというアプローチが試されました。

日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

日野RD100

撮影:渋谷区(2020.1.25)

中ページには、「運行経費の安い本格的新鋭路線バス」との説明で、「丸の内二丁目」バス停に停車中の写真。時代を反映してか、女性車掌が乗っています。モデルの女性の洋服もカラフルです。
実際の場所は丸の内ではなく、渋谷区役所前。右側は渋谷公会堂です。撮影場所は駐車場なので、NHK放送センターの敷地内のようです。
渋谷公会堂は2019年に建て替えられ、元渋谷区役所の場所に「LINE CUBE SHIBUYA」としてオープン。元渋谷公会堂の場所には、「パークコート・渋谷ザタワー」という分譲マンションが建設中でした。
やってきたのは1950〜70年代の復刻カラーに塗られた京王バスです。

明治神宮前駅の案内図
日野RD100

撮影:明治神宮前駅(2020.1.25)

帰り道は、次の聖地に向かう為、直接日比谷に行ける地下鉄千代田線の明治神宮前駅に向かいます。
すると、地下鉄の階段途中に、NHKホールへ向かうルートを図解した地図が掲示されていました。よくよく見ると、NHKの上側に以前の位置のままの「区役所」と「公会堂」の文字がありました。カタログの撮影時には、このような配置になっていたのです。
この看板、今のNHKマークに貼り直した形跡があるので、1995年より前に作ったもののようです。東京メトロマークも、営団マークの上から貼ってあります。

日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

都市内の狭隘路線や小回りの効くローカル路線に最適という車内。真夏の撮影だったようで、窓は全開。背広姿のモデルさんも、さぞ暑かったことでしょう。
女性の車掌さんがきっぷを回収していますが、この方だけ外人モデルのように見えます。

日比谷通り(東京都)
地図へ
日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

日野RD100

撮影:千代田区(2020.1.25)

日野の路線バスには一般用・高トルク用・高速用の3種類の設定がありましたが、そのうちの一般用の説明写真に使われている京成カラーのツーマンバス。
新旧の大きなビルが並ぶ広い道路を「丸の内」と方向幕に表示したバスが走ります。まっすぐ向こうに東京タワーが頭を出していましたので、日比谷公園脇の日比谷通りだと分かりました。
日比谷交差点に行ってみましたが、現在はビルに遮られて東京タワーは見えません。やってきたのはJR東海バスの「東京駅」行。

日野RD100

撮影:千代田区(2019.4.6)

実は、実際のロケ地は上の写真の日比谷交差点ではなく、二つくらい南側の内幸町あたりのようです。道路の曲がり具合から、そう思われます。
もっとも、クラシックな外観のビルから、上の場所での並びが最も自然だったので、このような見せ方をさせていただきました。
日比谷通りを行くのは、東急バスの東京駅行。

場所不詳
日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

こちらは高トルク用の説明写真。日野自動車では、通常路に適した一般用のほかに、山岳道路などの走行に適した高トルク仕様を用意します。
車両は瀬戸内運輸のカラーによく似たツーマン車。車内は前向き座席主体です。方向幕には「箱根」と書かれていますが、このカーブ道路が箱根かどうかは分かりません。

日野RD100

画像:日野自動車カタログ(1967)

こちらは高速用の説明写真に使用されている折り戸車。表紙写真などに使われているのと同じカラーですが、帝国ボディ。方向幕は「横浜−藤沢」と表示。
イメージは高速道路ですが、中央分離帯がないので一般道路でしょう。切通し区間になっています。

登場人物の今
日野RD100

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.6.1)

カタログには複数の仕様とカラーが掲載されていますが、その組み合わせでもある中ドア折り戸仕様で京成カラーの廃車体です。
この廃車体、私も“その頃”に見ていますが、「京成からの譲渡車なんだろうか」と不思議に思ったものです。

バスカタログ聖地巡礼
ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”