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この半年間、180mmレンズをつけたままのハウジングがあります。
ほとんど使うことなく。
ある被写体のためにいつもボートの片隅に置いていました。
その魚の名はシコンハタタテハゼ。
ヘルフリッチというほうが馴染みがあるかもしれません。
昨年10月にその居場所が確認されて以来、何度かチャンスはあったけれどものにできず悔しい思いをしていました。
年末からの水温の低下によりヘルフは顔を見せなくなりました。
越冬できるかどうかが心配でしたが、3月に16度の水温で生存が確認できてからずっとチャンスを伺っていました。
しかし釣客のためなかなか潜れない日々が続きました。
釣のいない朝、夕に潜ると今度はヘルフが出ていないことが多く、フラストレーションも窒素も溜まりまくりでした。
7月になると日中は暑くなったためか釣が減り、潜れる機会も増えてきました。
水温も上がりヘルフの警戒心も薄れてきたようです。
撮影には絶好の条件になりましたが、問題は順番待ち。
ぎりぎりまで寄って半身を撮りたかったので、他のひとがいなくなるまで待たなければいけません。
スジクロと時間(無減圧潜水時間)つぶしをしている間にみんなは浅場へ移動していきました。
ストロボのセッティングを確認し、ゆっくり近寄ります。
すると、不思議なほどの静寂のなかで自分の鼓動が聞こえてきました。
その鼓動に合わせるようにヘルフはホバーリングしています。
夢中でシャッターを切っているうちに不思議な感覚になりました。
窒素酔いだったのでしょうか?
次の瞬間、イラがヘルフの真上を通過しました。
我に返った私はそのまま上昇。
念願の1カットの手応えは十分でした。
後は30分あまりアンカーロープにぶら下がった後浮上です。
そろそろワイドレンズに付け替えたいところですが、しばらくこのままにしておきます。
柏島にハゼのシーズン到来です。

写真


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