ゆ き み の ち ょ っ と 語 り



公現祭 EPIPHANY


 キリスト降誕の図というと、中央に飼葉桶に眠るキリスト、両側にヨセフとマリア、空に天使達、そして天使に導かれて礼拝に訪れた羊飼い達が思い浮かびます。さらに、着飾った三人の男達が贈り物を捧げ持っている姿が描かれている場合もあります。
この三人は、キリスト降誕を示す大きな星に導かれて東方からやって来た賢者達(マギ)です。聖書には人数も人種も年齢も書かれてはいませんが、後に彫刻や絵の題材になるにしたがって、贈り物が三つ(金・乳香・没薬)なので三人の賢者達(博士達・王達ともいわれます)となり、カスパール・バルタザール・メルキオールと名前まで付けられるようになったそうです。
 さて、キリスト降誕を示す星に導かれてやって来たというからには、彼らはその日(いわゆるクリスマス)には間に合わなかったはずです。彼らがキリストを礼拝したといわれる日が1月6日、教会では公現祭(主顕祭)として祝われます。
これはクリスマスから数えて12日目で、シェークスピアの戯曲にある「十二夜 Twelfth Night」とは公現節の前夜祭のことです。
欧米では、この日あたりまでクリスマスの飾りを続けているようです。
 フランスでは、この日にガレット・デ・ロワ(Galette des Rois 王様たちのガレット)というアーモンドクリームの入ったパイを食べます。この中にはフェーブ(feve そらまめ)が入っていて、切り分けたガレットの中にこのフェーブが入っていた人が、その日の王様というわけです。
フェーブは、陶製のお人形などのことが多いようです。

 ご承知のように、クリスマスが12月25日というのは後世に決められたものです。東方三博士の礼拝が1月6日というのも伝説上のことです。

 以前大人気だったアニメ「エヴァンゲリオン」に「マギ」と呼ばれるスーパーコンピュータが登場していました。「バルタザール」「メルキオール」「カスパール」という名前の3台のコンピュータが連動する大型コンピュータでした。すばらしいネーミングに大爆笑しました。
2003.01


椿


 椿の花は、散るときに花ごと落ちるさまが首が落ちるようで縁起が悪いといわれています。お侍さんにも、サラリーマンにも共通して嫌なイメージですね。
しかし、必ずうつぶせに落ちるので、その前のめりな散り様が愛されているとも聞きました。
 こうした死生観を超えて、椿は茶花として、よく用いられます。
花の小さい「わびすけ」以外は、つぼみまたは開きかけを使うことが多いそうです。花が咲いた状態だと華々しすぎるからだとか。
2003.01


簡単たまねぎスープ


 ゆきみのお気に入り 簡単たまねぎスープの作り方をご紹介します。

  • たまねぎは皮を剥いて丸のまま鍋に入れます。
  • 鍋に冷めたチキンスープを注ぎます。固形ブイヨンを溶かしたものでかまいません。
  • オリーブオイル大さじ一杯、梅干一個、月桂樹の葉一枚、お好みで押し麦をいれて弱火で煮込みます。塩・胡椒などで味を整えるのを忘れずに。
  • 2時間くらいでとりあえず食べられるようになります。

ゆきみの「こつ」
  • 小ぶりのたまねぎを5〜6個使います。大きなものを切ってもよいのですが、小さい方が繊維がやわらかくて食べやすい気がします。
  • チキンスープは次の要領で作り、さらに固形ブイヨンなどで量を増やします。
    鶏挽肉に塩胡椒、しょうが、味噌、たまご、片栗粉などを加えて肉団子を作りたっぷりのお湯でゆでます。肉団子はあとで煮るので、中まで火が通らなくても大丈夫。
    肉団子をあげ、茹で汁を漉して味を調えます。スープは少し冷ましてから使います。
  • 押し麦は長く煮込むと、とろとろになります。
    わたしは、あのぷりぷりした食感が好きなので、いただく一時間前くらいに入れて煮込みます。二日目以降に押し麦を加えて一つのスープを二倍楽しむこともあります
  • 毎日ちょっとづつでも火を入れていると、4日目くらいから、ぐっと甘味が増してこくが出てきます。我が家では、それ以前に食べ終えてしまいますが。

 このレシピは病院の待合室の雑誌で読んだので、量などがはっきりしません。ごめんなさい。

 梅の酸は金属を腐食させます。鍋はステンレスをお勧めします。ホーローでもいいらしいです。気にならない方は気にしないでください。
2003.01


チューリップ


 庭や学校の花壇で、一度は咲かせたことのあるなじみ深い花です。
 よく知られているように原産国はトルコですが、チューリップというと、どうしてもオランダを思い浮かべます。
17世紀のオランダでは、チューリップ投機熱が高まり、あの小さな球根に人生を狂わされた人もたくさんいたそうです。チューリップバブルは3年余りではじけたといいますから、まさに熱病のようなものです。
 オランダに行った時、アムステルダムの国立美物館(Rijksmuseum)でチューリップ用の花瓶というものを見ました。デルフト陶器だったと思いますが、壺の上部からハリネズミの針のように突起がたくさん出ていて、よく見るとそれが一本づつの指し口なのです。
チューリップは大きな花瓶にまとめて生けることが多いのですが、この花瓶を使ったら、個性的な花も、しなやかな茎も、張りのある葉も、全てが程よく存在感を示せるのではないかと思いました。

 アムステルダムの国立博物館は、レンブラントの「夜警」でよく知られています。ガイドブックなどには収蔵絵画が主に紹介されていますが、工芸品やオランダの歴史をたどる展示にも大変興味深いものがあります。
2003.04


八寸


 茶懐石で、食事の終わり頃に客と亭主の間に杯のやり取りがあります。その時に肴として、山海の珍味を二・三種類、八寸という器(一般には八寸角の盆)に盛り合わせて供します。
手前に山のもの、向こうに海のものを盛りつけますが、それは、山の彼方に海が見えるという風景を模しているのだとか。
 さりげない盛り付けの中に見える美意識に感動しました。
2003.10


チコリとエンダイブ


 伸びすぎたタンポポのような野菜(左)と、白菜の芯のような野菜(右)。名前はなんといのでしょう。いつまでたっても覚えられませんでした。
それもそのはず、国によって名前が違うのです。
 まず、仏和辞典を調べてみると、左は「チコリ(シコレchicoree)」、右は「エンダイブ(アンディーブendive)」とあります。
ところが、ベルギーへ行くと名前が逆転します。つまり、左が「エンダイブ(アンディーブendive)」で、右が「チコリ(シコレchicoree)」です。
 そこで、日本のスーパーマーケットでは、「ベルギーエンダイブ」とか、「エンダイブ(チコリ)」などと、いろいろな表示があるのです。
 英語ではベルギー同様、左を「エンダイブ(endive)」、右を「チコリ(chicory)」と呼びますが、アメリカの日常語では、左の野菜が「チコリ」です。ただし、アメリカでも正式には、右の野菜を「チコリ」と呼ぶのだそうです。
 日本で出版されているフランス料理の本を見たところ、右の野菜は「エンダイブ 正式名称はチコリ」と書いてあったそうです。
左の野菜と右の野菜を、「近縁の別品種」と書いている事典もありましたが、「同じ植物の若芽と成長した葉」と書いている事典もありました。

 チコリの泥沼に胸まで浸かってしまったようです。手近にある事典類では満足できないので、もう少し探してみたいと思います。
この後にも期待という方は、写真をクリックしてくださいね。


2003.10

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