幕末ぶらりんこ  七夕編



 土方歳三最期の地から五稜郭まで 〜函館ぶらりんこ〜 (散策日 7月10日)

7月10日(水) 全日空の朝一番の飛行機(午前6時40分発)で函館空港へ。到着は午前8時。あいにく函館はその頃日本に接近していた台風16号の影響で霧雨が降っていました。 まずは手荷物をロッカーに・・と函館駅へ。そして近くのホテルで朝食(モーニング・セット)を済ませ、若松町の「土方歳三最期の地」へ行きました。駅からそんなに遠くありません。10分から12分くらいです。総合福祉センター前の公園にありました。(薫風編の『歳三忌と資料館』でもお話ししましたが、この公園、現在『土方歳三公園』と呼ばれているそうです。) この「最期の地」、何回か場所を移転しているらしい。 
線香をあげ、合掌。 その時おもしろい事がありました。 祭壇にろうそく台があるのですが、ろうそくは燃え尽きてしまっていて使えない状態です。風と雨のため、線香に火をつけるのが一苦労。やけくそになった私はろうそく台へマッチを近づけ、「あなた、『燃える男』でしょう?火つけてよ。」と言うと、あれま、どういうわけか火がついたのです。これには一緒の娘と大笑い。 線香に火がつくとろうそく台の火も消えてしまいました。 「有難う〜♪」 歳三にお礼を言いました。



土方歳三最期の地(1) 土方歳三最期の地(2)



「最期の地」を後にし、こんどは亀田八幡宮へ。此処は箱館戦争終戦後の降伏式が行われた場所です。 現在の本殿は昭和39年に建てられたものですが、文久3年当時の本殿(現在は神輿殿)が参道右側に移築してありました。 この建物の羽目板に箱館戦争当時の弾痕が残っていました。 見ているうちに当時の戦いの激しさが伝わってきましたね。




亀田八幡宮(旧本殿)

旧本殿の羽目板



雨の中、土方歳三最期の地、亀田八幡宮、そして函館西武百貨店までずっと歩きっぱなし。40〜50分は歩いたと思います。さすがに疲れてタクシーで五稜郭へ。 雨はどんどん激しくなってきます。橋を二つ渡り公園の中へ。 目指すは函館市立博物館五稜郭分館です。しかし・・・。 なんと、12日まで博物館は臨時休館。(T△T) な、何のために此処まではるばるやって来たのか・・・。 その隣にある兵糧庫(五稜郭内で唯一箱館戦争当時の建物)までもが・・。補修工事のため外観さえも拝めない状態。(T□T)(T■T) ショックの為、頭の中が真っ白になっていました。博物館を見学しようと来た人たちは、「え〜っ!がっかり〜。」と言いながらも、どういうわけかおとなしく帰って行きました。

「このままでは江戸へは帰れない・・。」 「そ、そうだ!土饅頭。土饅頭を探すんだ〜っ!」(※注: 「土饅頭」とは箱館戦争の際、犠牲になった旧幕軍の兵士を葬った土饅頭の事。大正期に片上楽天という人物がこの土饅頭を発掘・調査、中から数体分の人骨が出てきています。楽天はこの土饅頭に埋葬されている人物8名を発表、その中に伊庭八郎の名前もありました。(八郎が埋葬されているかは不明)) この土饅頭に関して、前からネット上の新選組及び佐幕派ファンの間である噂が流れていたのです。 「土饅頭が物置き場にされている!」というもの。 私の今回の五稜郭訪問第一の目的は、その噂が本当か否かを確かめる・・というものでした。
雨の降りしきる中、博物館分館周辺を探します。分館の裏側にはなし。 本などには「兵糧庫の裏側の松の木のあるところ」と書いてあります。しかし、兵糧庫は工事のため囲いがしてあって中には入れません。 作業をしていた女性に訊ねると「あ、あれだ!」と管理事務所裏にあるプレハブの建つ作業具置き場へ私たちを案内してくれました。 確かに土饅頭はありました。しかし・・・。 「こ、これは・・・。(絶句)」 ほとんど道具置き場です。



旧箱館奉行所の玄関屋根部分 五稜郭内・土饅頭



呆然と土饅頭を眺めている私たちの前に、芝刈り機を押しながら公園の整備をしている男性が一人やってきました。「この土饅頭から人骨が出たって話だが、誰のなのかわからないらしいね。あ、あの松の根元あたりに線香を置くといいよ。来る人は皆あそこに線香や花を置いていくから。」 言われるままに松の根元に線香を手向け、そして合掌。 この土饅頭、あまりにも扱いがひどすぎて言葉がありませんでした。(墓としての扱いはまったくされていません。) 公園を後にし、五稜郭タワーを見学。しかし、時間が経つにつれ怒りがこみ上げてきて、本当に爆発寸前でした。(実は北海道旅行から帰ってすぐにこの件を函館市長宛てに問い合わせのメールをしたのですが、市長ではなく函館市教育委員会の方から返事をいただきました。しかしその内容は「お役所的回答」であって、到底私の納得のいくものではありませんでした。)

ここでお昼。 五稜郭タワーからタクシーで創業明治12年、天皇陛下も立ち寄られたという函館の老舗 「五島軒」へ行きました。


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