小蓮華沢 稜線から 2007年5月4日(金)
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小蓮華沢は1998年に下から登っているが2200mあたりまでしか詰められなかったので最も急な核心部は滑っていなかった。
4月30日にも小蓮華沢を狙って入山したが、雪の状況が悪く、金山沢に転進した。雪さえよければ・・・と思い、ここ数日大量の降雪はなかったので、前回よりはましだろう、とふんで再トライした。
快適なのは最上部だけで、あとは横滑り、階段おり、ジャンプターン、キックターン、プルークボーゲン、果ては流雪溝にスキーが刺さらないようトップを上げてジャンプなど、ありとあらゆる手段を駆使しておりていく。なりふりかまっちゃいられない、という感じである。大橋真さんの言葉を借りれば「総合格闘技のような滑降」であった。
快適なルートではなく、人には勧められない。でも充実感があるのはなぜだ?マゾヒスト向きである。
メンバー 山川(単独)
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5月4日(金) 快晴
栂池自然園(8:42)---船越の頭(11:10)---小蓮華尾根の頭(11:50-12:26)---白馬沢(13:05)---猿倉(13:45)
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【朝の白馬村からみた小蓮華山】 赤い線が小蓮華沢である。山ろくから見た限り、大斜面のある金山沢や白馬沢と比較すると見栄えがしないのは事実。 滑降の記録がすくないのもそのためかもしれない。(実は見栄えだけでなく快適でない、ということがあとでわかる) 自然園から2612m(船越の頭)を目指すが、船越の頭までくると、なんと小蓮華北面を滑っているグループがあるではないか! 自分もやってみたいと思っていただけに脱帽。 |
【ドロップイン直後、上を見上げる。】 ザラメになっていることを期待したが、実際はまだグズグズ雪だった。 しかし、弱層テストで見た限り、大きな雪崩が発生するような弱層はない。グズグズ雪が滑れないのは自分の技術が未熟なだけだろう、というわけで、やってみることにした。 小蓮華に向かうスキーヤー2名が見守るなか斜面に飛び込む。あまり無様なところは見せられないので気合をいれて滑る。しかし、空間に飛び込むような雰囲気を持っており、なかなかのプレッシャーである。なおかつ、下に岩場があり怖い。 |
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【最も急な部分】 50度くらいあるのだろうか? 滑るとスラフがゆっくり落ちていく。でも先週のように板状にずり落ちるようなことはない。スラフに追いつかれないよう必死でターンを続ける。 途中で岩陰によってスラフが一通り通り過ぎるのを待つ。 でもカッコ良く滑れるのはこの辺までで、2400m位からは、デブリ、落石、流雪溝、いろいろな障害が出てきて快適には滑れない。 横滑り、階段おり、ジャンプターン、キックターン、プルークボーゲン、果ては流雪溝にスキーが刺さらないようトップを上げてジャンプなど、ありとあらゆる手段を駆使しておりていく。なりふりかまっちゃいられない、という感じである。 後ろを振り返れば、子供の頭大の落石がゴロゴロ!ヘルメットかぶっててよかったあ。ホントファッションでなく必要です。 |
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【2200m付近】 傾斜は緩くなるが、雪はひどい。 ゴロゴロ、ガシャガシャ、ガリガリ、というところを、ガツガツ降りていくのである。これがスキーかと思うような動作も連発。それでもスキーを履いたままなんとか出合まで・・ この落石を見てください。スキーはボロボロ。 |
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【白馬沢に降り立つ】 白馬沢におりたつとホントほっとします。安全地帯に抜け出した安堵感が広がります。白馬沢ってよいところですね。 ここから猿倉まではかっ飛ばしていく。猿倉まで滑れます。 バスで白馬駅、そして栂池へ車回収へ。 |
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【小蓮華山直登ルンゼを望む】 下部にデブリがあるもののいつもの年よりはキレイな気がします。もしかしてチャンスか? |