一、
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バットの先端の、ボールのあたる部分を細かい鮫肌にして、ボールの摩擦抵抗を大きくする。卓球のラケットの例を引くまでもなく、バットの真芯に球が当たらなくても、可成り癖のある打球が飛ぶこと請け合い。なお鮫肌にしないまでもバットの面を従来のバットとまったく変わりなく、しかもボールに対する摩擦抵抗が大きくなるように加工することぐらい、今のスポーツ用品メーカーの技術をもってすれば容易なことだと思う。わからないように滑り止めスプレーをバットの手元に多めにかけて、それを手でしごいてボールのあたる部分になすりつけるような姑息な考えは捨てることだ。
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二、
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鮫肌バットが駄目ならバットの芯をカーボンブラックにして撓
りを、ほんの少し良くすること。これで外野フライの何本かはホームランになるはず。七十本以上のホームランを打つ選手が何人も出て、野球が面白くなること請け合い。
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三、
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明らかにピンボールと思われる球を投げられたら、血相を変えて投手に詰め寄る等という何の得にもならぬことをする代わりに、打者はすかさず、グリップ止めが申し訳程度にしか付いていないバットに替えて、バットが球に当たろうが当たるまいが思いっきり振り回し、バットの先が投手に向いた瞬間、グリップをゆるめてバットを投手めがけて飛ばすこ
と。グリップ止めの大きなバットの使用が許されるなら、小さなものも文句はないはず。
あとは帽子をぬいでグリップがゆるんだと鄭重に謝ること。
投手の肋骨が一、二本折れれば大成功。不成功に終わっても肝を冷やした投手の次の投球が楽しみだ。
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四、
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各野球場の砂を徹底的に分析し、その砂に最も摩擦抵抗の少ない素材でユニフォームを作ること。馬術競技では競技場の砂の深さや芝生の伸び具合をみて馬のクランポン(蹄鉄のスパイク)の爪の数や長さを決めるのが常識。
各球場の砂に合ったユニフォームでスライディングをすればセーフになる確率が高くなる。
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五、
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ユニフォームは「つなぎ」スタイルにすること。スライディングの際の摩擦抵抗が減少するばかりか、砂が股間に入らず衛生的。なおこのスタイルを奇異と感じるのは、せいぜい一ヶ月ぐらい。観客も選手もすぐになれること請け合い。これは今季の初めストッキングが見えなくなった時のことを思い出せば納得がいくはず。
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六、
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ユニフォームの素材及びスタイルを変えることで、選手は自信を持って果敢に滑りこみ、従来ならアウトのタイミングでもセーフになる確率が高くなる(メンタル野球)。
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七、
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投手のグローブから人差指が出ているのも非常に気になる。人差指を出さずにもっと使いやすいグローブを選手自身が考案するぐらいの努力が必要。
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八、
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過去の栄光のみに生きているような監督に技術的アドバイスを受けている選手等は少なくとも馬術の現役選手には一人もいない。世界的レベルのプレーを観客に披露するためには、常に世界のトップレベルの選手達の技術を導入するかまたは盗む必要があるが、その気になれば方法はいくらでもあるはずだ。要するにプロ野球の選手達の研究心が不足しているように思うが、一年問を通じて試合日数の多いのもその原因の一つだと考える。
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