さて、マフラーを外すには車のリア側を上げて下にもぐる必要があります。リアに馬を掛ける場合、タイヤを外せる程度に低く掛ける分にはさほど難しくないのですが、下に潜れるくらいに高く上げる場合は、ジャッキアップ中にバランスを崩しやすく、ジャッキがズッコケる場合があります(こうなります、これでも軽傷で済んだ方だと思います)。私も初めのうちは慎重にやっていたのですが、何度もやっているうちに慣れてきて、油断してちょっと横着なやり方をしたらこのようなことになってしまいました。何がどう危ないのか、私の経験も踏まえまして(恥を忍んで)説明します。
リアを上げる際にフロントを上げるよりもコケやすい理由は2つあります。ひとつはフロントタイヤにサイドブレーキが効かないので、リアを浮かしてしまうと車がノーブレーキ状態になることです。これは、ギアを入れておいても同じことで、デフが効いてしまいますから、テールを浮かせると浮いたテールは左右に自由に動けてしまいます。これを防ぐには誰かが乗車してブレーキを踏んでいるか、もしくは輪止めをするしか方法はありません。一般的にはフットブレーキを踏み続けるのは無理なので、輪止めを必ず掛ける必要があります。しかも、輪止めは、フロントの左右両輪に、前後両側から掛ける必要があります。片輪に掛けたのではダメですし、前からだけ掛けても意味をなしません。今回私がした横着その一は、輪止めを前側からしか掛けていなかったことです(←レンガを持ってくるのを面倒臭がりました、ハッキリ言ってアホです)。
リアがコケやすいもう一つの理由は、軸重が軽いことです。ジャッキアップで高く上げていく際には、左右の片側に馬を掛けて、逆側をジャッキアップし、そこに馬を掛けて、また逆側をジャッキアップしていくのですが、馬よりもジャッキを高く上げ過ぎた際に、軸重が軽いために馬側が浮いて、前2輪とジャッキの3本足になってしまいます。ジャッキは上げる機能しかなく、横振れしないように支える機能がありませんので、回転可能なタイヤと横振れ可能なジャッキの3本足になると、お尻が左右に振れてジャッキがズッコケるわけです。これがフロントを上げる場合だと、万一ジャッキを高く上げすぎても馬側が浮くことはなく、ジャッキを掛けた側の後輪が浮くので、ジャッキと馬と片後輪の3本足になります。馬は一応安定しており、後輪にはサイドブレーキが掛かっていますので、ジャッキと馬と後輪の3本足なら、不安定には違いないですがズッコケるところまではいきません。
馬側が浮いてしまうのを防ぐには、馬に対してジャッキを高く上げすぎないことですが、リアの場合ジャッキと馬の高低差は4〜5cm程度までしか許容されず、それ以上に上げると馬からボディが浮いてきます。これはフロントのサスやスタビが突っ張ってボディが傾くのに抵抗するためで、とくに、フロントスタビを強化してある場合は余計に突っ張るので簡単に馬側が浮いてきます。なので、車載ジャッキのようなパンタジャッキで上げる際はよほど気を付ける必要があるのですが、賢明な読者の方はとっくにお気づきのように、そもそもパンタジャッキを使っていること自体が問題です。ケチケチしないで、フロアジャッキ(ガレージジャッキ)を買うべきです(←自分に言ってる)。
もちろん、フロアジャッキを使っても、パンタジャッキよりは安定性が増すというだけで、馬側を浮かせないように気を付ける必要があることに変わりはありません。従って、左右交互に上げる場合には、面倒でも馬は片側1段づつ交互に上げることが必須です。今回の横着の第2は、いっぺんに2段上げようとしたことでした(知りつつやってしまいました、恥!)。リアはフロントよりも軽く上がるのでつい油断しがちですが、実はフロントを上げるよりも難しいですから、十分に気を付けて下さい(人様に言える立場ではありませんが)。ちなみに、フロアジャッキを使う場合に左右同時に上げられるポイントがあるかどうかは、見ていないので知りません。ご存じの方がいらしたら教えて下さい。(ちなみに、フロントの上げ方は、こちらに掲載しています)
それから、
↑こういうジャッキの使い方は、誰も保証して
くれませんので、やっちゃダメです。
(こんなおバカなこと誰もやりませんね、私以外)
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一応、馬を掛けて大丈夫なポイントを載せておきます。もちろん、片馬片ジャッキで下に潜ったりするのは、命仕事になりますから、絶対にダメです。前輪の輪止めも忘れずに。それから、馬を掛けたら下に潜る前に、左右のサイドシルの下辺りに寝かせたタイヤ(ホイール付き)を敷いておき、万が一馬がコケても生存空間が確保できるようにするのが常識のようです。潜っている最中に地震がくるってこともあり得ますので。
リアの持ち上げ方の話が長くなりましたが、リアを上げて、下に潜ってのマフラー外しです。このマフラーの取り付け自体はCOXでやってもらったので詳細不明ですが、今回はメインサイレンサー(太鼓)部分を自分で外すことになります。外す際は、まずセンターパイプと接合しているフランジのセンターパイプ側を何か(今回はレンガ)で支え、フランジのネジを外して分離します。
次に、メインサイレンサーを下ろしますが、マフラーはラバーリンクで吊ってあり、これを外す必要があります。車載状態で、しかも上を仰ぎ見ながらラバーリンクを外すのは困難なので、リンクをぶら下げているネジを外して、ブラケットもろとも取り外すことにしました。ブラケットは元の位置が分からなくなると戻すときに位置出しが面倒なので、右写真のように、外す前にサインペンでマーキングしてから外しました。
最後に、テールパイプ付近を吊っているラバーリンクを、やはり吊りブラケットごと外します。右写真が、マフラーを下ろしたところです。
(このページは、掲載している方法および結果を保証するものではありません)