ダイスケ  日だまり日記

(9)

11月20日〜11月30日

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11月20日(水)  「猫も木から落ちる?」

ボクは小さいころ、よく柿の木に登って下りられなくなって、木の上でミャーミャー鳴いていたもんだ。するとDorianさんが助けに来てくれるんだ。Dorianさんは木登りが得意だからね。するすると登ってきてボクをつかんでエプロンのポケットに入れると、またするすると下りる。みたいだ。
「降りられないのに登っちゃダメ!」って怒られたけど、登るときはおもしろくて、降りられないことをつい忘れちゃうんだよね。

ネコの爪はカギ型になっていて、登るのにはとても便利だけど下りるのには適していない。人間みたいに後ずさりして下りれば問題ないんだけど、ネコは頭から下りることしか考えないんだね。だからある程度の高さならエイッと飛び降りちゃうけど、小さいうちは恐くてそれもできなくて木の上で立ち往生ってことになるんだ。

もちろん今ではそんなヘマはやらないよ。塀の上とか屋根の上とか飛び移れる場所があるか確認してから登るからね。

 

11月21日(木)  「26歳の猫」

Dorianさんがお友達と電話で話していて「猫って何歳まで生きられるんだろうね?」と言ったらお友達が「うちの猫26歳だよ」と言うんだって。Dorianさんはびっくりしてさっそくカメラを片手にお友達のうちに駆けつけたんだ。

その猫は1976年7月7日生まれのナナちゃん(♀)。7月7日に生まれたからナナちゃんだね。今の旦那さんの連れ子で夫婦でとても可愛がっているんだって。体はちょっと小さくなったけどまだまだ元気で、歯も丈夫でご飯はカリカリだけ。7歳のチッチというオス猫といっしょだけど、適度のストレスが刺激になって長生きしてるんじゃないかしら・・・

Dorianさんが「ギネスに登録したら」と言ったら「とんでもない!なんでも35歳の猫がいるらしいよ」とお友達。そうなったらほんとに「化け猫」だよね。いったい現在いる猫の最高齢は何歳なんだろう?

にゃんニャン写真館(1)に写真をUPしたので見てねσ(^^)

 

11月22日(金)  「デブ猫」

Dorianさんがボクを抱っこして体重計に乗った。自分の体重を引くとボクの体重がわかるってわけ。そしたら何と6.5sだったんだ!ついこの前まで6sだったのに・・・ヤバイ、このままだとデブ猫になっちゃうよ。もうじゅうぶんデブだけどさ。

だいたいDorianさんがいけないんだよ。ボクが鳴くとお腹がすいたのかと思ってすぐにご飯をくれるんだ。ボクが鳴くのはお腹がすいたときだけじゃなくて、眠いときや抱っこされたいときや、外に出たいときなどいろんな理由で鳴くんだけど、それが分かってないんだね。しかたなくご飯を食べちゃうので太っちゃうんだ。

北朝鮮という国では食べるものがなくてみんな痩せてるんだって。オドは「お前なんか北朝鮮に行ったら食われちゃうぞ」なんて恐ろしいことを言うけどほんとかなぁ・・・?

 

11月23日(土)  「天は・・・」

猫の足はすごい速さで走ることができるけど、長いこと走り続けることはできない。全身をバネのように使って走るのですぐに疲れちゃうんだ。ウマは背骨をまっすぐにして走るので、疲れないでいつまでも走り続けることができる。

猫の手は爪が出し入れできて木に登るのは得意だけれど、下りるのは苦手だ。サルの手は爪がない代わりに、長い指で木の枝をつかむことができる。

人間はどうかというと・・・カギ型の爪もないし木の枝にぶら下がれるほど強い指もない。そのかわりに頭を使って道具を作り、木に登らなくても困らない生活をはじめたんだ。

天は二物を与えず」ってことわざは本当だったんだね。

 

11月24日(日)  「陣地取り」

ボクは道で知っている人に会うとニャオニャオ言いながらその人の足に体をスリスリする。たいていの人間はよろこんで「まぁ、なんて人なつこいネコちゃんなの!」なんて撫でてくれるけどこれはたいへんな誤解だ。ボクはべつにその人が好きだからスリスリするわけじゃない。体をこすりつけてボクの臭いをつけているんだよね。

電柱や塀のかどや木の根元、家の中ではイスの脚やタンスのカドなど、ボクの通るところには臭いを付けておく。つまりここはボクの陣地だよと、印を付けて他の猫の進入を防いでいるってわけ。人間に臭いを付けるのも「この人はボクのものだ」と主張するためなんだ。陣地はできるだけ広い方がいいもんね。

でもこの臭いもしばらくすると消えちゃうので、毎日せっせと臭いを付けてまわってるんだ。のんきそうに見えてもこれでけっこう大変なんだよね。

 

11月25日(月)  「雨」

きょうは朝から冷たい雨が降っている。こんな日は炬燵にもぐって寝ているに限るね。どういうわけか雨の日は眠くてがまんできないんだ。だからお腹もすかない。ただひたすら眠りこけているんだ。

これはどうやらご先祖様から受け継がれた生活の知恵とでも言えそうだね。昔、狩りをして生きていた時代には、雨の日は仕事にならないから寝ているしかなかったんだ。寝ていればエネルギーも消耗しないしお腹もすかないからね。

人間も「晴耕雨読」なんていって、晴れた日だけ働いて雨の日はひたすら読書なんて優雅な生活をしている人もいるけど(定年後の男性に多いね。オドもその一人だけど)、ボクたちネコ族の場合は「晴動雨眠」だね(^_^;)

 

11月26日(火)  「ヤコブソン器官」

この前、猫は体をこすりつけて臭いを付けると書いたけど、それだけじゃ不安な時などにはスプレーといってオシッコをかける。発情期などによくやるんだけどね。人間にとってはガマンならないほど臭いらしいけど、あのクサイのは実はオシッコじゃないんだよね。オシッコといっしょに肛門腺から出る分泌物が臭いんだ。

ニオイといえば、猫はでもニオイを嗅ぐ。上あごから喉の奥にかけてヤコブソンという嗅覚器官がついているんだ。このヤコブソン器官はおもにオスを誘うメス猫のニオイに反応する。にもこのヤコブソン器官は付いていて、よく馬が口を開けて笑っているような顔をするけど、これは馬が口でニオイを嗅いでいるんだね。

恋の季節にはそれらしい臭いには敏感に反応して、オヤジの靴下お兄さんのシャツなんかにも体をこすりつけたりウットリ・・・なんてこともある。あんまり強烈な臭いなので、思わずクラクラッとなっちゃう場合もあるけどね(=^^=;)

 

11月27日(水)  「第六感」

猫はしらばっくれているけど、人間の心の中なんかお見通しなんだ。特に自分を可愛がってくれる人の心ならなんでも分かっちゃう。きょうはご機嫌だなとか、きょうはちょっとイラついてるから気を付けよう・・・とかね。

それに、ほんとうは猫なんか大嫌いなのに社交辞令で「まあ可愛いねこちゃんだこと」なんて猫なで声でいうお客さんの本心なんかすぐに見抜いちゃう。だから抱っこなんかしようとしたら噛みついてやるんだ。それでその人はよけい猫が嫌いになっちゃうんだね。

でもボクらは同居人(飼い主)の心がわかっていても、何もできないんだよね。Dorianさんになにか悩み事があるらしいとわかっていても、ただ黙ってそばに座っていることしかできないんだ。ボクはただ後ろを向いていても、Dorianさんの悩みや悲しみを全身で受け止めているんだよ。そこのところを分かって欲しいよね。

 

11月28日(木)  「ネズミ」

隣の家はしばらく空き家になっていたんだけど、最近その家を壊したんだ。そしたらそこに住みついていたネズミがみんなDorianさんちに引っ越して来ちゃった。夜になると天井裏でネズミの運動会がはじまる。ドドドド・・・・と駆け足したりガリガリとなにかを囓ったりする音でDorianさんは目が覚めちゃうんだって。

だいたい猫のいる家にはネズミはいないって昔から言われているんだけど、ボクというものがいるのになんで来たんだ?今のネズミは図々しいのかな。
「ダイスケがだらしないからだよ!」(ごもっとも・・・)
「お前を天井裏に入れてやろうか」(それだけはやめて!)
「ダイはほんとうに猫なの?」・・・・(無言)

 

11月29日(金)  「鳥殺し」

ボクは動くものはにがてで、ネズミトカゲゴキブリなんかにもビビっちゃうんだけど、自然の中でたくましく生きているノラ猫の中には、飛んでいる鳥に飛びついて捕らえるスーパーキャットもいるらしい。そういう鳥を捕るのが上手な猫を「鳥殺し」というんだって。

ところでオーストラリアのある洲では鳥をとても大切にしていて、鳥を保護する法律があるらしい。それによると、猫は日没までに家に入れて首輪で繋いで、日の出まで動けないようにしなくちゃいけないんだって。「鳥殺し」の猫が活動できないようにしたんだね。なんてこったい!猫は夜中にいちばん元気になるってのに・・・

ノルウェイでは、猫が活動できるのは自宅から100メートル以内で、それより外に出ると法律違反になって罰金をとられるんだって。これも鳥を保護している法律なんだね。

でも、すべての猫がかならず鳥を捕るわけじゃないし(現にボクみたいに虫も殺せない猫もいるし)、そんなに猫を目の敵にすることないのにね。それより「猫を捨てると懲役何年」なんていう法律を作ってもらいたいよ。

 

11月30日(土)  「ダンゴになる」

数匹の猫がいっしょに住んでいて、みんなでダンゴになって寝ているなんてことをきくと、ボクは不思議でしょうがない。なんでそんなことができるんだ?

先住のチビとはとくに仲が悪かったので、1メートル以内に近づくことはなかったから当然だけど、親でも兄弟でもなくまったくの他人と仲良く体をくっつけるなんてボクには絶対にできないね。だいたい猫は単独生活者で、自分を他人(他猫?)に合わせるなんてできないように生まれついているんだから。

でも一つだけ例外があるということを最近知ったんだ。それはいっしょに生活している猫で、大人になる前に手術しているネコ同士ならいつまでもいっしょに寝たり、お互いにグルーミングをし合ったりすることができるんだって。性を超えた神聖なネコ集団が形成されるんだね。

去勢されたオスはメス猫に近くなって、活動範囲も狭くなり外に出て行かなくなる。だから病気にもならないし長生きできるらしいよ。ボクは手術してないからそんなに長くは生きられないかもしれない・・・

★あしたから12月。師走はなにかと忙しいので、ボクの日記も毎日とはいかなくなるかもしれない。でも話題があったら書くのでよろしくね。v(=^^=)v

つづく