ダイスケ  日だまり日記

 

(15)

7月3日〜7月31日

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7月3日(木)  「もう7月・・・」


最後に日記を書いたのが5月31日だったから、1ヶ月以上日記をさぼっていた事になる。この1ヶ月、いろいろあったんだよね・・・

じつはボク父親になったんだ(わ、恥ずかしい!(*=^^=*) 母親はノラのブチだ。子どもは2匹。1匹はボクにそっくりだから言い逃れはできないよね。でもブチは「この子はわたしが育てます。手を出さないで!」だってさ。母は強しだね。

ところがほとんど同じ時期に、ノラのシロクロも子どもを産んだんだ。この子は母親そっくりの白黒で、ボクには似ていない。それなのに近所の人たちは「これもダイスケの子にちがいない」と決めつけているんだ。このシロクロはボクの趣味じゃないし、ボクは野良のクロの子どもじゃないかと思うんだけど、証明するものは何もないんだよね。

Dorianさんは、ボクの二世だってはっきりわかるブチの子をうちで引き取りたいとおもっているらしいけど、気の強いブチが手放さないし、だいいち昼間は人目に付かないところに隠れているので、ぜったいに捕まらないよ。

母子でたくましく生きていけばいいんだ。ボクは知らないよ・・・

 

7月4日(金)  「地域猫」

それより、最近ボクにはまたカノジョができたんだ。真っ白で目がきれいでノラとは思えない美形の猫だよ。ボクは昼も夜もこのシロのあとをくっついて歩いて、「アオ〜ン、ウオ〜ン」と悩ましげに鳴いていたら、近所のおやじに水をぶっかけられた。やれやれ・・・

シロもまんざらじゃないのか、ボクの家のまわりをうろつくようになったんだ。シロはノラだからいつもお腹をすかせている。だからボクのご飯をわけてやるんだ。シロはお腹がすくとウチに来るようになり、Dorianさんもご飯を二つ用意するようになった。

でもDorianさんは心配でたまらないんだって。このシロも妊娠したらまたまた可哀想な子猫が生まれるし、ノラの子が大きくなって仲良くなればまたノラが増えてしまう。東京の方では「地域猫」なんていって地域の人たちがお金を出しあって野良猫の世話をしているところもあるようだけど、このへんではまだまだ野良は肩身の狭い思いをしているからね。

Dorianさんはボクの手術を考えているようだけど、タマナシになるのだけはイヤだよ〜(泣)

 

7月5日(土)  「なんだ、なんだ?」

玄関のげた箱の上で気持ちよく寝ていたらいきなりDorianさんに抱き上げられ、狭いカゴに押し込められた。何がなんだかわからないうちに車に乗せられ、ガタガタ揺れて恐くて思いきり泣いているうちにどこかに着いた。まわりには犬や猫がいっぱいいて、ボクの泣き声はみんなの声にかき消されてしまったよ。

ここはどこ?ボクはどうなっちゃうの?うちに帰りたいよ〜〜

 

7月6日(日)  「苦しい・・・」

朝の10時にDorianさんが迎えに来てくれたとき、ボクは鳴き疲れて声も出なかった。またガタガタ車に揺られて家に着いたとき、やっと事態が飲み込めた。ボクは男じゃなくなったんだ!

あわててお尻のところを見てみたら、タマタマはちゃんとあったよ!ホッ・・・じゃぁ何が変わったんだろう?今のところよくわからないけど、なんだかとっても苦しいんだ。食欲もないし、体中がだるい。熱があるのかもしれないよ。

畑に行けば元気が出るかと思ってゆっくり歩いて行ったけど、どうにも力が出なくて土の上にお腹をつけてじっとしていた。こうしていると冷たくて気持ちがいいんだ。

Dorianさんが心配して迎えにきたので家に帰ったけど、ただじっとしていて気分が良くなるのを待つしかないんだろうな・・・。明日になれば元気が出るかなぁ。

 

7月7日(月)  「夢うつつ・・・

きのうよりだいぶ気分がいいけど、まだ食欲もないし歩くのもしんどい。なんだか夢の中にいるようで、ボクがボクじゃないみたいなんだ。今日は一日毛布にくるまって寝ていたよ。

シロが心配して家の中をのぞき込んでいたけど、出ていく気力もないんだ。こんな姿は見せたくないしね。ただお腹がすいて、ご飯をもらいにきただけかもしれないけど・・・(-.-;)y-゜

でもきょうはうれしいことがあったんだ。この日だまり日記の訪問者が1万人を超えたんだよ!去年の7月17日に開設し、約1年で1万人!ありがたいことだ(とDorianさんが言ってます)

ボクのTシャツをゲットしたのは誰かなぁ?
 

 

7月8日(火)  「ご対面」

きょうも一日毛布の上でじっとしていた。雨が降っていて寒かったからね。夜になってトイレに行きたくなったので外に出ると、シロがご飯をもらいに来ていた。「ニャオ〜ン、ウオ〜ン」と鳴いてみると、シロは安心したのかボクのご飯をガツガツ食べだした。やっぱり何も変わってないや、よかった!!

Dorianさんは「シロが9月になってダイの子どもを産んだら、うちの子にしようね。それまでシロがどこかへ行かないようにダイのご飯をあげようね」だってサ。そうなればどんなにいいだろう!でも本当にボクの子が生まれるのかなぁ・・・?

 

7月9日(水)  「ジュニア」

かなり元気になってご飯も食べられるようになったけど、まだ高いところに飛び乗ることはできない。高さ50pほどのベッドに上ることもできないんだ。トホホ・・・

夕方、ブチがボクの子どもを連れてやってきた。ボクのジュニアは(ボクに似て)可愛い顔をしている。それにとてもすばしこくて、人間が近づくとビュン!と逃げちゃうんだ。それでいてしっかりボクのご飯は食べていく。アイツなら野良としてたくましく生きていけるだろう、さすが!ボクの子どもだ。

 

7月10日(木)  「手術から6日」

急に食欲が出てきてお腹がすいてしかたがない。神様が性欲の代わりに食欲を与えてくれたのかなぁ・・・手術をすると急に太るらしいから、ボクも気をつけよう。

きょうはブチが一人で来た。「子どもはどうした」ときいたら「あんたには関係ないでしょ」だってさ。頭に来たからご飯をあげないで追い返した。子どもが一人で来ればいいんだけど・・・そろそろ親離れの時期だからね。

シロも頻繁に顔を出す。ご飯を食べに来るんだろうけど、シロはかなり警戒心がなくなって家の中にソロソロと入ってきたりするんだ。以前のボクならすぐに後を追って飛び出したものだけど、今はそんな気もなくなった。雨に濡れるのもいやだし、シロがそんなに魅力的にみえないんだ(-_-;)

 

7月12日(土)  「親子」

きょうはブチが2匹の子どもたちをつれてきた。2匹ともすっかり大きくなって、もう自分で餌を探して食べるまでになっているのにはビックリだね。(写真がジュニア。ボクにそっくりでしょ)

ひさしぶりに親子そろっての食事だった。ジュニアはボクがいると安心してご飯を食べるんだけど、人間の姿を見ると植木鉢を蹴散らして逃げてしまう。捕まりそうになったことがあるのかもしれないね。可哀想なやつだ。

そこへシロもご飯をもらいにやってきたから大変だった。ブチとシロは「ンギャーーーー!フーーー!」と唸り合い、子どもたちはビックリして逃げてしまい、犬のエスはワンワン吠えて、ボクはただオロオロするばかりだった。女の戦いはすさまじいね。

 

7月13日(日)  「天下りができない」

きょうもボクの子どもたちは、裏の入り口のところへご飯を食べに来た。

あいかわらず人間の姿を見ると逃げちゃうけど、きょうはよっぽどお腹がすいていたのか、ビクビクしながらもガツガツ食べていたね。ボクに似たやつは、食べたいけどカメラが気になり、いつでも逃げ出せる態勢でこっちを見ていた。

Dorianさんは食べ物で釣って子どもたちを手なづけようと思っているらしいけど、親がそばにいる限り懐かないと思うよ。

それより困ったことができちゃった。ボクはまだ高いところに上れなくて、柿の木に登って天窓に飛び移るなんて離れ業はとうていできないので、家に入れなくなっちゃったんだ。いつも台所のドアを少し開けておいてもらうんだけど、不用心だよね。困った困った・・・

 

7月16日(水)  「ミャウリンガル」

犬語の翻訳機「バウリンガル」は去年のヒット商品だったらしいけど、ついに!猫語の翻訳機も出るらしいよ。その名も「ミャウリンガル」。値段は8800円だって。微妙な値段だよね。

バウリンガルのように首に付けるんじゃなくて、向かい合って座って器械を猫に向けて差し出すと猫の気持ちが画面に表示されるんだって。「この印籠が目に入らぬか!」ってかんじで目の前に突き出されたら、ギョッとして鳴き止んじゃうよね。

だいたい猫の鳴き声は7種類きりないんだよ。

1.怒ってるぞっ! (ギャーギャー)
2.こわいヨ  (シューシュー)
3.苦しいヨ  (ウンギャー)
4.私に注意を向けて (ニャーニャー)
5.いっしょにきて (チーチー)
6.悪意はない (ゴロゴロ)
7.噛みつきたい (カチカチ)
        * D.モリス 「キャット・ウォッチング」より

これらはみんな鳴き声というより、音声メッセージだよね。
バウリンガルのようにヒット商品となるかなぁ。たぶんそれほど売れないと思うよ。

 

7月17日(木)  ☆☆☆「1周年!」☆☆☆

きょうは誕生日だ!といっても、ボクの生まれた日じゃないよ。この「日だまり日記」の誕生日なんだ!

去年の7月17日にこのHPを立ち上げてちょうど1年、いろんなことがあったね。先住猫のチビが行方不明になって、傷心のDorianさんが償いのためにはじめたんだけど、最初のうちは毎日書いていたのがだんだん話題がなくなり、今年の6月にはついに1ヶ月お休みをしてしまった。でもなんとか続けてこられたのは、遊びに来てくれるお友達のおかげだよね。ほんと、感謝しています。(とDorianさんが言ってます)

5歳にして初めて親となり、同時に男を失って、ボクはまた新しい猫生を生きることになった。これからは派手な遊びや遠出もやめて地味に生きていこうと思っているんだけど、日記はずーっと続けて書くつもりなので、これからもよろしくね!

 

7月18日(金)  「シロ」

子どもたちは親離れしたのか、最近姿を見せなくなった。この辺ではノラにご飯をあげるうちが何軒かあって、子どもたちは食べ物に不自由することはないんだと思うよ。

そのかわりシロは必ずやってくる。最近では家に上がって食べるようになったんだけど、まだ逃げ腰で、いつでも逃げられるような態勢で食べているので体が半分外に出てるんだ。

人が近づくと「フーッ!!」と牙をむくので「ご飯をもらっているのに威張ってる」とDorianさんたちは大笑い。

お腹の中にボクの子がいるのかなぁ・・・

 

 

 

7月25日(金) 「迷い犬」

子どもたちは時々姿を見せるけど、母親とは別行動で、すっかり親離れしたみたい。父親としても一安心だよ。

シロはあいかわらずご飯を食べにくる。もっともボクがつれてきて家に上げるんだけどね。
Dorianさんはボクが「ご飯ご飯」というと「また食べるの?」と言いながらお皿にカリカリを入れてくれる。それをボクはシロに「食えよ」と言って差し出すわけ。シロは当然のように食べているけど、少しは感謝してもらいたいよ。

ところで、Dorianさんの友達の家に白い犬が迷い込んできたんだって。体は小さいけどおとなの雌犬で、とても大人しくてお行儀がいいんだって。もう1週間も飼い主を捜しているのにみつからないのは、もしかしたら捨てられたのかもしれないね。可哀想なやつだ。

その家にはチャロという犬がいるし、うちにはエスがいるのでこれ以上飼えないし、どうしようとDorianさんたちは頭を抱えている。だれか里親になってくれるといいんだけど・・・

 

7月26日(土) 「ツーショット」

 

 

ボクが寝ているとシロが入ってきてご飯を食べだした。

 

 

 

 

 

 

 

なんだよ〜。ボクのご飯だぞ

 

 

 

 

 

 

まあ、いいや。いっしょに食べようっと。

 

 

 

 

7月31日(木)  「猫屋敷」

Dorianさんのお友達んちの迷い犬だけど、里親がみつかりそうなんだって。お友達の家の近くの人で、今まで飼っていた犬が死んで悲しんでいたとき、ちょうど通りかかってこの犬を見て、気に入ってしまったらしい。そんなに早く気持ちを切り替えられるのか疑問だけど、とにかくみつかってよかったよ!

ぼくは手術後すっかり落ち着いて、あまり外に出なくなった。いつもお兄さんのベッドで寝ているんだ。シロブチブチの子ども2匹は相変わらずご飯を食べにくる。家の中まで入ってくるのはシロとジュニアで、他のやつらも隙があれば入ってこようとねらっている。

「みんなダイと関係がある子ばかりだから仕方ないね。責任とらなくちゃね」とDorianさんはあきらめ顔だけど、このままみんな大きくなって、出たり入ったりしたら猫屋敷になっちゃうね。

 

つづく