エンジンのオーバーホール
〜その4〜 集まった精鋭達(2)
< 能書き >
O/Hの為に集めた部品第二弾です。
< 内 容 >
< チョイス3 >
今回は、今までに使用していたカメファク製のリードバルブに替わり
各所様で使用例のあるCR80のリードバルブを使用します。
幅、高さ共に大型の為、専用のスペーサーも作製しました。
また、それに付随して、インマニも新調です。
< 選別 1 >
今回、CR80のリードバルブをチョイスするに当たり、
他車のリードバルブもいくつか選考対象になりました。
上の写真は右から、
@NSR250
リード羽数6 : 開口面積約3362mu
ATZR125(250)
リード羽数6 : 開口面積約2190mu
BCR80
リード羽数2 : 開口面積約2008mu
Cノーマル
リード羽数4 : 開口面積約874mu
<参考>
Dカメファク製ビッグリード
リード羽数2 : 開口面積約1519mu
Eマロッシ製ビッグリード
リード羽数4 : 開口面積約1431mu
となります。
NSR用は、開口面積は圧倒的ですが、その分
あまりにもボディサイズが大きく、クランク切削に無理が生じる為
ボツになりました。
対するこちらはTZR125(250)のリードバルブ。
リードバルブボディの両サイドを削る事で
クランクケースの切削限度ギリギリで入れる事が可能になります。
CR80との開口面積の差はさほどありませんが、
特筆すべきはリードの羽数が6枚故、CR80の2枚と比較して
低回転でのレスポンスが圧倒的に良いものと推測できます。
今回は、スペーサの関係で、計画を見送りましたが、
次期のエンジン作製(未定)では是非採用してみようと思います。
< 加工 9 >
CR80のリードバルブを装着するには、クランクケースの切削作業が
必要です。
作製したリードバルブ用のスペーサーに合わせ切削して行きます。
リードバルブ側も削れば、左右方向のボルトも固定できる様に
なるのですが、今回はリードバルブを無加工で取り付ける為、
上下(前後)2点止めの方式を取りました。
一次圧縮の低下も懸念されますが、リードバルブ自体が
大型で体積を取る形になるので、あまり気にしない事にしました。
< 加工 10 >
こちらは、ピックアップコイルです。
点火時期を若干調整できる様に、長穴加工しました。
少しでも、移動範囲を広げる為、固定用のボルトも
首の部分を細くします。
< 加工 11 >
ピックアップコイルが付くクランクケース側のベースも加工します。
ピックアップコイル本体が移動により干渉しないように
切削です。
< 加工 12 >
基準の位置です。
念のため、ケガキを入れてカラーリング。
目安の目盛りを付けました。
前後に約3.5mm移動出来る様になりました。
進角側のみの加工でも良いような気がしますが、
50cc用の社外CDI流用時など、
アドレス110には早すぎる点火時期のCDIを装着した際は、
このコイルを遅角側にセットすれば、バランスが取れる考えです。
尚、3.5mmでどの位の角度になるかと言いますと、
クランク軸の中心から、このコイルまでの距離は約52mmです。
円周は直径×3.14なので
104×3.14≒326.6mmとなります。
この円周を360°で割ると1°あたり
326÷360≒0.90mm となります。
コイルは前後に約3.5mm移動するので、
3.5÷0.9=3.88 となり。
ノーマルを基準に前後約3.9°の変化が可能になった事になります。
また、ピックアップコイルの長穴を、更に大きく(サイドを残さない位)
加工すれば、最大で前後5〜6°位の設定範囲が造れそうです。
< 加工 13 >
シリンダーヘッドも加工しました。
スキッシュ径を、今回使用するキタコシリンダーに合わせ、
57Φ(57.5)に合わせました。
また、ポート位置がノーマルに比べ、かなり上に来てしまうので、
有効圧縮範囲の低下を考え、ヘッド容積の変更も行いました。
今回は、2種類のヘッドを用意しました。
若干ですが、ヘッド容積が異なります。
尚、今回の加工は、バイクパーツの加工では
もうすっかりお馴染のH.I.D(Hatakeyama Industrial Design)さんに
お願いして加工してもらいました。
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↓↓↓
Hatakeyama Industrial Design
面研+スキッシュエリア拡大+容積調整で
¥4,000−/1個
でした。
< チョイス5 >
オイルポンプのギアーです。
チョイスと言うほどの部品ではありませんが、
長距離走破のエンジンは、この部品の磨耗により
最悪はポンプ不動を引き起こすので、念のために新品に交換です。
さて、役者は揃ったので、次からは組み立てに偏に入ります。
〜その5〜 組み立て編 へ進みます。
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