ケイヒン PWK33 の装着
                   〜準備編〜


< 能書き >

キタコシリンダー組み込み後、PE24での役不足を感じ初めて1年半。
更なるビックキャブへのプロジェクトを計画してから1年。
ようやく実現にこぎ着けました。(←やる気の問題ダロ)

シリンダーをキタコ製にして、それなりにパワーアップしたのですが、
その後は、エアクリを加工しようがポートを再加工しようが
ちっともパワーアップしません。

実験的に直キャブにする暴挙にも出てみましたが、ちっとも効果無し。

ポートの再加工に関しては、高回転こそ伸びるものの、
中低速はスカスカになる始末。

こうなっては、最早キャブ以外に疑う部分はありませぬ。
完全に容量不足ではないのかと・・・・・。


< 目 的 >

キタコシリンダーの未知なる領域を求め、
PE24より更に大きいPWK33を装着し、
全域でのパワーアップを狙います。


< チョイス >

     <   チョイス   >

今回私がチョイスしたのはコレ

ケイヒン製 PWK33。
単体販売品ではなく、スズキRMX250の純正キャブレターです。

単体販売品には無い、ドレンスクリューや分離オイル用の
ニップルが装備されています。



現在、手持ちのキャブとしては、PE24以外に

左から
PWK33/PWK35改36/PJ38
が有りますが、エアクリーナー装着とノーマルマフラー
と言うことを考慮してPWK33のチョイスとなりました。



< 内 容 >
     <   比較 1   >



お約束の比較です。
左から、ノーマル/PE24/PWK33 となります。

ノーマルと比べると、PEでも大きくみえるのですが、
流石にPWKを並べると、PWKの大きさだけが目立ちます。


     <   条件 1   >

取り付けには、通勤快速プロジェクトならではの制約があるため、
かなりの問題を克服しなければなりません。

ノーマルマフラー&エアクリBOX。
特にエアクリBOXは、キャブのレイアウトに関わる最大の難関です。

その他、数々の問題が発生します。


     <   問題 1   >

まずはスロットルです。

ノーマルのキャブのサイズは18φです。
キャブを全開にするにはスロットルワイヤーを
単純に18mm引けば良い訳ですが、PWK33は33φですので、
33mmワイヤーを引く必要があります。ノーマルの実に1.8倍です。

スロットルをノーマルのままで使用するのであれば、
スロットルを捻る量は、必然的に1.8倍になるのですが、
ノーマルのスロットルのワイヤー巻き上げ量は実測で28〜29mm
が限度で、18mmの1.8倍の33mmを巻き上げることは
事実上無理な数字になります。

そこで対策として、ハイスロットルを使用します。


     <   問題 2   >

次の問題です。

ハイスロットルを使用する為、セルスイッチが使用できなくなります。

スズキ車繋がりということで、ハンドルに固定型の
ストリートマジックのセルスイッチも検討しましたが、
一体感に欠けてしまいそうなのでパス。

ホンダ車スクーターに使用されているスイッチを使用して
メーターカウルに埋め込みました。


     <   問題 3   >

スロットルの巻き上げ量が増えると言うことは、
必然的にオイルポンプとキャブワイヤーの分岐部の
ストロークも増えてしまいます。

計測した限りではPWK28程度が限界で、
それ以上のストロークは出来ません。

そこで、CRM250のワイヤー分岐BOXを使用します。

2ストのオフ車には大排気量でも単気筒、単キャブが殆どで、
キャブもそれなりに大きいことから、分岐BOXも余裕をもって
作られています。

ハイスロットル、セルスイッチ、分岐BOXについての詳細は
コチラを参照してください。
     ↓↓↓
  ハイスロットルKITの取り付け


     <   問題 4   >



問題は、このような所にもあります。 オイルポンプです。

カム式で動作しているアドのオイルポンプは、
ある一定の開度を過ぎると、全閉になってしまいます。

余談ですが、写真の中のリードブロックに見えている多孔プレート、
今回のプロジェクトで取っ払ってしまう予定です。



     <   問題 5   >

写真は、オイルポンプの中身。
丸の部分がポンプのピストンですが、
手前のシャフトがカム式になっていて、
ピストンの動作量を制御しています。

オイルポンプの詳細はコチラを参照してください。
            ↓↓↓
       オイルポンプの謎






対策としては、オイルポンプのピストンの動作範囲を制御している
シャフトを加工することになります。

この加工により、カムシャフトが限界まで回転しても、
オイルポンプは全閉になる事はありません。


     <   問題 6   >

専用のインテークマニホールドです。
対腐食性を考慮したステンレス製です。



マニホールドとキャブの接続には、4輪ターボ車用の
ターボパイプの継ぎ手を使用しました。
トラスト製の汎用42φです。

耐油、耐圧、耐熱効果抜群です。




     <   問題 7   >

インマニの問題のほかにエアクリ側の問題もあります。

写真の一見ファンネルのような物。
ファンネルと言えばファンネルなのですが、逆に使います。
広い方をキャブ、狭いほうをエアクリから来るパイプに繋ぎます。

キャブのイン側と同じ口径でエアクリとのパイプが作成できれば
良かったのですが、パイプが太すぎると、
車体のフレームと干渉してしまいNG。

パイプのサイズダウンを余儀なく選択させられてしまいました・・・。