ケイヒン PWK33 の装着
〜取り付け編〜
< 内 容 >
< 工程 1 >
一通りキャブ回りの準備が完了したので、
実際に組み込んでみました。
エアクリ〜キャブはお得意の「風呂釜継ぎ手Z型」です。
各部のクリアランス殆どありません。ギッチギチですね・・・。
それにしても良く入ったもんだ・・・・。
ここまで来れば後はセッティングのみ・・・・
となりそうですが、そんなに甘くありません。
キャブが大きい為、高さのクリアランスがなくなってしまい。
キャブの頭が、メットインBOXにぶつかってしまうのです。
< 問題 7 >
キャブとの干渉を避ける為、メットインに穴を開ける事になるのですが、
雨天の走行を考えると、そのままにする訳にも行きません。
コレには考えさせられました。
考えた結果、出てきた答えが上の写真です。
料理用のネジ式の蓋付きタッパーです。
タッパーの蓋側に穴を開け、メットインに固定する為のベースを
汎用のステーで作成します。
< 工程 2 >
メットインのキャブが干渉する部分にホールソーで穴を開け、
そこにタッパーの蓋を取り付けます。
メットインと蓋の接合面にはタップリシリコン系の
軟性接着剤を使用し、防水処理をします。
タッパーの蓋はネジ式ですので、タッパー本体をねじ込んで行けば
このようにキャブがメットインに潜り込むスペースが完成します。
一見、タッパーの本体だけを接着してしまえば・・・・・・
と思われるかもしれませんが、
この構造が今回のポイントなんです。
因みに整備性云々ではありませぬ・・・・。
< 工程 3 >
車体にメットインをセットしてしてみました。
キャブの頭が顔を覗かせています。
ショックがストロークしてもキャブの頭はこの穴に逃げ込めるので
干渉を防ぐ事ができます。
< 完 成 >
コレでとりあえずは完成なのですが、 キャブの逃げ込み用の
スペースのおかげで、メットインにヘルメットが格納出来ません。
コレでは通勤快速プロジェクトの快適な通勤車という
面目が丸潰れです。
当プロジェクトは快適な速さも勿論の事、使い勝手も快適でなければ
満足出来ないのです。
ここで、螺子蓋式タッパーの本領発揮です。
タッパー本体を外すことにより、ヘルメットの格納が可能になる訳です。
ヘルメットを格納するときは、降車時を意味します。
雨天でも停車時はさすがに水の浸入の心配が無いので、
穴が開きっ放しでも良い訳です。
まあ、私の場合、普段からメットインには工具やら
セッティング用の部品やらが満載でとてもヘルメットを格納する
スペース等無く、このようにメットインにヘルメットを入れる様な
状況は無いのですが・・・・。
< 注意事項 >
かなりの部品点数が出ますので、組み立ての際、
作業漏れにご注意下さい。
また、OILポンプのワイヤーの調整は確実に行ってください。
最悪、焼き付き等の故障が発生します。
エンジン内部にゴミ等混入せぬよう注意をして作業を進めてください。
メインジェット、スロージェット(パイロットジェット)の調整については
必ず、濃い(番手の大きい)方から始め、絞り過ぎに注意してください。
< 使用する材料 >
〜 キャブレター周辺 〜
・ケイヒン製 PWK33φキャブレター
・・・・・某オークションで¥7,250-
・ステンレス製 38φインテークマニホールド
・・・・・ワンオフ特注品
・トラスト 布入りゴムホース42パイ 65〜70ミリ
・・・・・お得意のJ.TECKで¥1,100-
・PWKキャブレター用逆ファンネル
・・・・・他のキャブレターの付属品
・料理用蓋付きタッパー(電子レンジ対応耐熱仕様)
・・・・・ホームセンターで¥300-
・タッパー防水用、シリコンコーキング
・・・・・実家家業の材料を拝借
〜 スロットル周辺(ハイスロットルKIT取り付けより抜粋) 〜
・キタコ製 ハイスロットルKIT
(ホンダスクーター汎用)・・某オークションで¥1,500-
・ホンダ CRM250用アクセルワイヤー(中継分岐BOXのみ仕様)
・・某オークションでスロットル含み¥1,200-
・エーモンステー(多分、厚さ1.5mm ステンレス製)
・・家に有ったのを適当に使用
・ホンダスクーター用セルスイッチ(モデル不明・・・多分ライブDIO)
・・タマに行く解体屋で¥100-
・アクセルワイヤー用真鍮スリーブ
・・自作なんで無料
・セルスイッチ用配線(汎用の電気線)
・・家に有ったのを適当に使用
・ステンレス用はんだ & フラックス
・・セットで¥600-位
< 使用する工具 >
・+/-ドライバー
・ペンチ/プライヤー/ニッパ
・8〜17mmメガネ&ソケットレンチ一式
・4〜10mmヘキサゴレンチ一式
・半田コテ
・電気ドリル
・ホールソー
・棒ヤスリ
・鉄ノコ
< 使用するケミカル >
・液体ガスケット(必要に応じて)
・パーツクリーナー(必要に応じて)
< 参考文献 >
・特に無し
< インプレ >
セッティングに関しては、他所で様でもまるっきり参考になるデータが無い為
ゼロからのスタートとなりました。
キャブをノーマルからPE24にしたときは、MJが78.5⇒88になりました。
相変わらずの強引な計算ですが、口径が33%増に対し、MJは12%増です。
口径1%増に対し、MJは0.36%増という事になります。
ただ、PE24導入時には、エアクリBOXも加工していますので、
MJの増幅率はこれより少ないと思われます。
今回の交換では、PE24をPWK33なので、口径は37%増しとなります。
キャブ変更前のMJは108でベストですので、37%×0.36%=13.3%で
PWK33に合うMJは(108+(108/100×13.3))≒122以下
という事に成ります。
インマニも変更なので、ひょっとするとインマニ容量増大⇒負圧低下⇒
流速ダウンといった結果で、途方も無く大きいサイズのMJを
要求されるかも知れませんが、ここは開けてビックリといった感じでしょう。
その他にもキャブが全開になる前で、エアクリーナーの容量が限界に
達してしまい、絶対的な空気不足で計算以上に低いMJに
なるかもしれません。
計算の通りには行かないと思いますが、とりあえずMJ122を目安に、
濃いほうから試してみる事にしました。
< トライ 1 > SJ:42 MJ:135 JN:2 |
セルを回すと、一瞬エンジンがかかりそうになるが、 スロットルを開けると同時にストール。 SJかMJか不明だが、とにかく濃い様子。 |
< トライ 2 > SJ:42 MJ:130 JN:2 |
トライ1と変わらず。 まだ濃い様子。 |
< トライ 3 > SJ:42 MJ:125 JN:2 |
エンジンに火が入る物の、 スロットルを煽っていないとストールしてしまう。 ASを緩めても効果なし。SJが濃すぎか・・・。 排ガスは生ガス臭い。 |
< トライ 4 > SJ:40 MJ:125 JN:2 |
アイドル出来るようになる。 AS調整しても変化無し。SJはまだ濃い。 試走してみると、ガバ開け時にボコつき発生。 小開時の排ガスが焼けている匂い。 下が少し薄いか? |
< トライ 5 > SJ:35 MJ:125 JN:2 |
アイドル上がったまま。AS絞ってもアイドル落ちず。 ガバ開け時にボコつきが発生。 SJ落としすぎ。 |
< トライ 6 > SJ:38 MJ:125 JN:2 |
アイドル好調になる。 スロットル1/3以下は好調。スローは38で決まり。 依然、全開はボコつきで不調。 300mの全開そののままで、スイッチOFF。 プラグを見ると濡れている。上はやはり濃い。 300mの半開そのままで、スイッチOFF プラグは乾いている上、マフラーの残煙は 焼けた匂い。下は薄い。 |
< トライ 7 > SJ:38 MJ:115 JN:4 |
アイドル、及びスロットル低開度好調。 ガバ開けで若干ボコつきありで重い。 JNの段数を変更したが、今度は下でもバラつく。 ニードルのクリップを下げ過ぎたか? |
< トライ 8 > SJ:38 MJ:112 JN:3 |
まだ薄くすればパワーは出そう。 コレをベースに詳細なセッティングを煮詰めれば 良さそう。 とりあえずセッティング完了 |
で、結果はどうなのよ?って感じなのですが、
皆さんのご期待に裏切るようで申し訳ないのですが、
思ったほどパワーアップしないのです。
中速のトルクは一段と増し、乗りやすくなったのは確かなのですが、
思いのほか、高速域でのパワーアップが感じられません。
ここまでやっておいて最高速付近では
余り変化が無かったのは悲しいですね。
実質的には、エアクリBOX付きのノーマルマフラーでは、
26〜28φ程度のキャブレターが上限のようです。
と、ガッカリさせるだけでは申し訳ないので、ある実験をしてみました。
なんと直キャブ。。。
< 番外編 > SJ:38 MJ:142 JN:3 直キャブ |
エアクリBOX付きは余りの変化の少なさに絶句。 試しに直キャブ仕様でトライ。 ノーマルマフラーながら、鬼っ速。 激変振りにちょっとビックリ。 吸気音を抑えた構造の エアクリBOX自体が限界か?? コレで、更にクランク角90度くらいからの ハイポート+それに合わせた長さのチャンバー なら強烈なんだろうな・・・。 通勤快速プロジェクト史上最高のタイムだが 音も唸りも史上最高。こりゃたまらん・・・。 |
と、こんな感じです。
プロジェクトの目的である90km/hまでの加速は11"25と
PE24の最速時と比べ2.5秒以上もアップです。
駆動系の変速限界のせいか、80km/h過ぎ辺りから加速が鈍りますが
40〜70km/h辺りの加速はエアクリ付きとは比べ物になりません。
結局のところ、エアクリBOXの容量が足りていないので
酸欠な訳です。
実際、PE24の時とMJの大きさが殆ど変わらないのだから、
最終的に吸っている空気の量も変わらないのでしょう。
しかしながら中低速のトルクはかなり太くなったので、
街乗りは更に乗りやすくなりました。
データ的にも、中速のパワーの増加により90km/hへの到達タイムは
結果的に短縮となりました。
この状態で、高速側もレベルアップさせるのであれば、
トルクを生かし、ハイギアが有効の様な気がします。
また、エアクリBOXの封印を解いた場合の激変ブリも体感できたので、
別方向でのチューニングの糸口が見えたような気がします。
コレで2号エンジンの方向性は・・・・・・。